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同棲を始めるの
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とりあえずマックスの部屋に向かった私たちは、自然と抱きしめあった。
すぐにマックスのキスが瞼に、ほっぺたに、首筋に降りてくる。
あ、このまま流されたら最後までしちゃいそうだなって、今まで何回もしてるし別にそれでも良いんだけど、これからはいつでも一緒なんだしって思ったら今は愛し合うよりこれからの生活環境整える方が良い気がして、私はマックスの口をてのひらで押さえた。
「ねえ、マックス。ちょっと待って」
「待てない」
「もう。いいから、待ってってば」
「······何だ」
「あのね、さっき婚約者さんの荷物を運び出すって言ってたでしょ?その前にちょっとだけお部屋を見せてほしいの」
「······何で?」
「実際に家具が置いてある方が雰囲気掴みやすいし、参考にもなるかなーって。駄目?」
「······駄目ではないが······」
「それに、今のままでも気に入るかもしれないし。見ないことにはわかんないでしょ?」
「そんなものか?······まあ、おまえの好きにすれば良いが」
「うん。じゃあ決まり。今から見に行こっ」
だってね、確かにマックスと付き合い始めてからいっぱい贅沢はさせてもらったよ。
だけど庶民の感覚が抜けてしまったわけじゃないから、無駄な物は買う必要ないと思ったの。
さっきは婚約者さんに新しいの買ってあげるくらいなら私に!って思ったけど、婚約者さんが今後このお屋敷に来ることも無さそうな雰囲気だし、私が気に入るならそのまま使った方が節約になるよね?
だから一見の価値はあるし、何よりちょっと見てみたい。
私はウキウキした気分でマックスの腕に自分の腕を絡ませて隣の部屋に向かった。
するとそこは、大きくて豪華で、本当にお姫様が寝るみたいなベッドがでーんって置いてあるだけで、後は小さなテーブルとソファーがあるくらいの不思議な部屋だった。
天井から垂れたスケスケの布で覆われたベッドは人が5人くらい眠れそうで、マックスの部屋にあったベッドよりも立派だし、なんだかロマンチックで凄く素敵。
「ここが、婚約者さんのお部屋?」
「いや。ここは夫婦の寝室だ」
「えっ!ってことは、私もマックスと一緒に今日からここで眠っても良いの?」
「気に入ったのか?」
「うん!凄く素敵!!お姫様のベッドみたい!!」
「はは。そんなに気に入ったなら良かった。まあ、眠れるかどうかはわからないけどな」
マックスが意地悪そうに笑う意味が少しだけ遅れてわかったから、私は真っ赤になってしまう。
「んもう!マックスのエッチ!」
「ははっ。ミリイは可愛いな」
「あん。ちょっと待ってってば。まだお部屋見てないでしょ」
マックスの手が私の胸に伸びてきたから私は焦って避ける。
隣の部屋から人の気配がするし、急がないと運び出されちゃうもんね。
そのまま続くドアを開けると、私は目を見張った。
「······素敵······」
思わず感動のため息が出ちゃう。
見惚れて動けない私の目の前を、お手伝いさんたちがわらわら動いてるのに気付いた私は、焦ってそれを止めた。
「あー!待って!待って!!そのまま置いておいて!!」
「彼女が少し雰囲気を見たいらしい。片付けは明日にしてくれ」
マックスもすかさず言ってくれる。
「ですが」
またあのおばさんのお手伝いさんだ。
なんかこの人苦手だなぁ······
そんな私の気持ちが伝わったのかどうかはわからないけど、マックスは有無を言わさずお手伝いさんたちを部屋から出してくれた。
うん
これで心置きなく見られるわね
私はキョロキョロ部屋を見回す。
一昨日、マックスに連れていってもらったカフェで食べたタルトに乗ってた、ホイップクリームとカスタードクリームが混ざった、あの······えーと······デップ······じゃなくて、ディップじゃなくて······プロ······ディプロマット!!
そう!ディプロマットクリームみたいな淡いクリーム色のお部屋に、白と茶を基調にした家具がバランスよく置かれてて、品があるのに可憐さもあるとか······センス良すぎる!
さっき見た寝室のベッドみたいな豪華さはないけど、こっちのベッドにもヒラヒラと透けた布が張られててしかもところどころ···宝石なのかな···キラキラした石がぶら下がってて本当に素敵。
私が選ぶよりこのままの方が絶対に良い!
うんうん頷きながらひとりで納得しつつマックスに笑顔を向ける。
「マックス、私この部屋とっても気に入ったわ。このまま私が使っても良いのよね?」
「······いや、だが······。気に入ったものを新しく揃えて良いんだぞ?」
「ううん。へたに弄るより、このままの方が素敵よ。あ、あっちにもまだお部屋があるの?」
「あっちはクローゼットだ」
「クローゼット?ちょっとだけ見ても良い?」
私はマックスの返事も待たずに視界に入ったドアを開ける。
するとそこには見たこともない、目も眩むような素敵なドレスがずらりと並んでいた。
すぐにマックスのキスが瞼に、ほっぺたに、首筋に降りてくる。
あ、このまま流されたら最後までしちゃいそうだなって、今まで何回もしてるし別にそれでも良いんだけど、これからはいつでも一緒なんだしって思ったら今は愛し合うよりこれからの生活環境整える方が良い気がして、私はマックスの口をてのひらで押さえた。
「ねえ、マックス。ちょっと待って」
「待てない」
「もう。いいから、待ってってば」
「······何だ」
「あのね、さっき婚約者さんの荷物を運び出すって言ってたでしょ?その前にちょっとだけお部屋を見せてほしいの」
「······何で?」
「実際に家具が置いてある方が雰囲気掴みやすいし、参考にもなるかなーって。駄目?」
「······駄目ではないが······」
「それに、今のままでも気に入るかもしれないし。見ないことにはわかんないでしょ?」
「そんなものか?······まあ、おまえの好きにすれば良いが」
「うん。じゃあ決まり。今から見に行こっ」
だってね、確かにマックスと付き合い始めてからいっぱい贅沢はさせてもらったよ。
だけど庶民の感覚が抜けてしまったわけじゃないから、無駄な物は買う必要ないと思ったの。
さっきは婚約者さんに新しいの買ってあげるくらいなら私に!って思ったけど、婚約者さんが今後このお屋敷に来ることも無さそうな雰囲気だし、私が気に入るならそのまま使った方が節約になるよね?
だから一見の価値はあるし、何よりちょっと見てみたい。
私はウキウキした気分でマックスの腕に自分の腕を絡ませて隣の部屋に向かった。
するとそこは、大きくて豪華で、本当にお姫様が寝るみたいなベッドがでーんって置いてあるだけで、後は小さなテーブルとソファーがあるくらいの不思議な部屋だった。
天井から垂れたスケスケの布で覆われたベッドは人が5人くらい眠れそうで、マックスの部屋にあったベッドよりも立派だし、なんだかロマンチックで凄く素敵。
「ここが、婚約者さんのお部屋?」
「いや。ここは夫婦の寝室だ」
「えっ!ってことは、私もマックスと一緒に今日からここで眠っても良いの?」
「気に入ったのか?」
「うん!凄く素敵!!お姫様のベッドみたい!!」
「はは。そんなに気に入ったなら良かった。まあ、眠れるかどうかはわからないけどな」
マックスが意地悪そうに笑う意味が少しだけ遅れてわかったから、私は真っ赤になってしまう。
「んもう!マックスのエッチ!」
「ははっ。ミリイは可愛いな」
「あん。ちょっと待ってってば。まだお部屋見てないでしょ」
マックスの手が私の胸に伸びてきたから私は焦って避ける。
隣の部屋から人の気配がするし、急がないと運び出されちゃうもんね。
そのまま続くドアを開けると、私は目を見張った。
「······素敵······」
思わず感動のため息が出ちゃう。
見惚れて動けない私の目の前を、お手伝いさんたちがわらわら動いてるのに気付いた私は、焦ってそれを止めた。
「あー!待って!待って!!そのまま置いておいて!!」
「彼女が少し雰囲気を見たいらしい。片付けは明日にしてくれ」
マックスもすかさず言ってくれる。
「ですが」
またあのおばさんのお手伝いさんだ。
なんかこの人苦手だなぁ······
そんな私の気持ちが伝わったのかどうかはわからないけど、マックスは有無を言わさずお手伝いさんたちを部屋から出してくれた。
うん
これで心置きなく見られるわね
私はキョロキョロ部屋を見回す。
一昨日、マックスに連れていってもらったカフェで食べたタルトに乗ってた、ホイップクリームとカスタードクリームが混ざった、あの······えーと······デップ······じゃなくて、ディップじゃなくて······プロ······ディプロマット!!
そう!ディプロマットクリームみたいな淡いクリーム色のお部屋に、白と茶を基調にした家具がバランスよく置かれてて、品があるのに可憐さもあるとか······センス良すぎる!
さっき見た寝室のベッドみたいな豪華さはないけど、こっちのベッドにもヒラヒラと透けた布が張られててしかもところどころ···宝石なのかな···キラキラした石がぶら下がってて本当に素敵。
私が選ぶよりこのままの方が絶対に良い!
うんうん頷きながらひとりで納得しつつマックスに笑顔を向ける。
「マックス、私この部屋とっても気に入ったわ。このまま私が使っても良いのよね?」
「······いや、だが······。気に入ったものを新しく揃えて良いんだぞ?」
「ううん。へたに弄るより、このままの方が素敵よ。あ、あっちにもまだお部屋があるの?」
「あっちはクローゼットだ」
「クローゼット?ちょっとだけ見ても良い?」
私はマックスの返事も待たずに視界に入ったドアを開ける。
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