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鬼頭先生まで……?!
顎くい
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「お子さんと、どんな事して遊ぶんですか?」
「普通だよ?天気が良いと公園とか。家の中でも結構遊ぶかな」
ちらちらと視線が指輪に向かってしまう。
家族のある男性と二人きり。それも後で性的な事をするのか。
ぞわっと背中を何かが駆け上がった。
「……どうしたの?指輪ばかり見てるよ」
「え?!そ、そんな……えっと、周りで結婚してる人あまり周りにいないので、つい見てしまうのかもしれません……」
「ふうん……?あ、そうだ。どっちとするか決めた?あと値段も」
「どっちって……?」
「間宮くんとLeoくん。Leoくんと付き合ってるわけじゃないんだよね?」
「あ、はい……。好きだとは言われているんですが、玲央さんはモテる方なので……」
ごにょごにょと語尾が小さくなる俺を紀藤さんは興味深く観察してくる。
「なるほど。モテ男に言い寄られているが、信じられないって事かな。どうしてそう思うの?」
「えーっと……」
「大丈夫大丈夫、私すごく口かたいから」
人様の個人的な事を言うのは憚られた。でも、上司であり憧れの先生でもある紀藤さんに言われると、口が緩むのは確かだ。
「あの……男女問わずいろんな方と一夜を過ごしてきたと聞きました。……今日いたうずらさんとも」
「ああー……なるほどなるほど。そういうの聞くと不安になるよね。じゃあ、間宮くんはどうなの?」
「えっと、とても良い人だと思います。俺なんかを気遣ってくれるし、陽キャなのに優しいし。あと顔が綺麗だし」
「うんうん。間宮くん、一部女子社員から王子って呼ばれてるんだよねぇ」
「そうなんですね!確かに、王子っぽい!」
色白で明るい髪、日本人には少ない瞳の色。そして何より人への気遣いが出来る穂高くんにぴったりだ。
「でも間宮くんと付き合ってあげないの?」
「いやだってそれは……俺なんかが……」
ぽん、と頭を撫でられた。
「なんかが、って多いねぇ……ねえ、これは勘半分なんだけど君達3pした事あるよね?」
「ぐあ?!」
思わずカエルが轢かれたような汚い声が出た。
「ふふ、わかりやすいな。本当に可愛いね――あ、また見た」
「え?」
「指輪、そんなに気になる?」
「い、いや、その……やっぱりキラキラしてると目に入るというか。烏みたいですね」
ハハハと笑って誤魔化そうとしたが、紀藤さんの瞳は笑ってくれなかった。
「外そうか?それともつけたままのが良い……?」
良い声が近づいてきて、耳元で囁いた。
「――え?」
「二人が来るのをまって、選んでもらおうかなって思ってたんだけど……始めちゃおうかな」
「え、ちょっ、ちょっと……」
指輪を抜き差ししながら、紀藤さんは意味深な発言を続ける。
「ね、さっきちょっとゾクッとしたでしょ?色っぽい顔になってたよ」
「そ、そそそそんな……!」
「そのゾクゾクの名前教えてあげるね。――背徳感だよ」
指輪をしっかり根元まで入れて、わざと左手で俺の頬に触れてくる。細いが節だった指に、金属の硬さの刺激がある。
「紀藤さん……?」
顎を持たれ、くいっと上げられた。戸惑っているうちに、黒い瞳が近づいてくる。漆黒の闇に飲み込まれそうだ。
「普通だよ?天気が良いと公園とか。家の中でも結構遊ぶかな」
ちらちらと視線が指輪に向かってしまう。
家族のある男性と二人きり。それも後で性的な事をするのか。
ぞわっと背中を何かが駆け上がった。
「……どうしたの?指輪ばかり見てるよ」
「え?!そ、そんな……えっと、周りで結婚してる人あまり周りにいないので、つい見てしまうのかもしれません……」
「ふうん……?あ、そうだ。どっちとするか決めた?あと値段も」
「どっちって……?」
「間宮くんとLeoくん。Leoくんと付き合ってるわけじゃないんだよね?」
「あ、はい……。好きだとは言われているんですが、玲央さんはモテる方なので……」
ごにょごにょと語尾が小さくなる俺を紀藤さんは興味深く観察してくる。
「なるほど。モテ男に言い寄られているが、信じられないって事かな。どうしてそう思うの?」
「えーっと……」
「大丈夫大丈夫、私すごく口かたいから」
人様の個人的な事を言うのは憚られた。でも、上司であり憧れの先生でもある紀藤さんに言われると、口が緩むのは確かだ。
「あの……男女問わずいろんな方と一夜を過ごしてきたと聞きました。……今日いたうずらさんとも」
「ああー……なるほどなるほど。そういうの聞くと不安になるよね。じゃあ、間宮くんはどうなの?」
「えっと、とても良い人だと思います。俺なんかを気遣ってくれるし、陽キャなのに優しいし。あと顔が綺麗だし」
「うんうん。間宮くん、一部女子社員から王子って呼ばれてるんだよねぇ」
「そうなんですね!確かに、王子っぽい!」
色白で明るい髪、日本人には少ない瞳の色。そして何より人への気遣いが出来る穂高くんにぴったりだ。
「でも間宮くんと付き合ってあげないの?」
「いやだってそれは……俺なんかが……」
ぽん、と頭を撫でられた。
「なんかが、って多いねぇ……ねえ、これは勘半分なんだけど君達3pした事あるよね?」
「ぐあ?!」
思わずカエルが轢かれたような汚い声が出た。
「ふふ、わかりやすいな。本当に可愛いね――あ、また見た」
「え?」
「指輪、そんなに気になる?」
「い、いや、その……やっぱりキラキラしてると目に入るというか。烏みたいですね」
ハハハと笑って誤魔化そうとしたが、紀藤さんの瞳は笑ってくれなかった。
「外そうか?それともつけたままのが良い……?」
良い声が近づいてきて、耳元で囁いた。
「――え?」
「二人が来るのをまって、選んでもらおうかなって思ってたんだけど……始めちゃおうかな」
「え、ちょっ、ちょっと……」
指輪を抜き差ししながら、紀藤さんは意味深な発言を続ける。
「ね、さっきちょっとゾクッとしたでしょ?色っぽい顔になってたよ」
「そ、そそそそんな……!」
「そのゾクゾクの名前教えてあげるね。――背徳感だよ」
指輪をしっかり根元まで入れて、わざと左手で俺の頬に触れてくる。細いが節だった指に、金属の硬さの刺激がある。
「紀藤さん……?」
顎を持たれ、くいっと上げられた。戸惑っているうちに、黒い瞳が近づいてくる。漆黒の闇に飲み込まれそうだ。
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