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鬼頭先生まで……?!
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「そんなわけない!ランチに誘う時も二人きりにならないようにしていたし、話しかける時も紀藤さんとか、他の同僚を混ぜてだし……!」
確かに穂高くんの言う通りだ。現に俺は彼から正体を明かされるまで、彼の気持ちに気付かなかった。ただの仕事の出来る同期としか見ていなかった。
人生でたまたま会社が一緒になっただけの、モテモテ陽キャだって。俺の陰キャ人生には関係ないって。――そう思っていたのに、人生って不思議だなあ。
「わかるよー!だって、明らかに声色優しくなるし。女子社員の中でも気付いている子いるみたいだよ?」
「ええ!? 」
真っ赤になった穂高くんの素っ頓狂な声に、疎らな人たちの目線が集まった。顔を真っ赤にして、両手で顔を隠した穂高くんは机に突っ伏した。
「無理、オレもう仕事いけない……」
「はっはっは。間宮くんそんなキャラだったんだね。これは良い知見を得たなぁ……で、話を戻すけど、そんな二人にBL欲が刺激されちゃったってわけ」
「――へ?」
頭にはてなマークを浮かべた俺と穂高くんの横で、玲央さんがポンと手を叩いた。玲央さんは若いのに、時々こういう古典的な動きをしてくれる。
「なるほど。つまり、間宮さんと渚さんをモデルにして書かれたのがあの素晴らしい新作というわけですね」
「要約してくれてありがとう」
文句ない派手髪イケメンと、イケオジイケメンが微笑みあう。ああ、この二人でなら俺もナマモノBL書けるかもしれない!……その場合どっちがどっちだ?
「でもそれってちょっと妬けます。渚さんは自分のなので」
「ほう?」
紀藤さんが、興味深そうに先を促した。
「実際は自分と渚さんが良い仲なのに、あの小説では間宮さんと渚さんがくっついたって事ですよね?なんか、あの時感じた興奮の分も含めて……微妙な気持ちになります」
話している内容は他愛も無いBL話なのに、イケメンだとそれだけでも成り立つのか。
言い切った玲央さんと視線があって、俺は目を逸らしてしまった。
「じゃあ、Leoくんと楢本くんが付き合ってるの?」
「はい!」
「いいえ!」
「いいえ!」
問いかけに三人が一斉に答えた。玲央さん以外の答えは一緒だ。
驚いたように俺みた玲央さんが、一瞬寂しそうに見えた。駄目だ駄目だ、絆されちゃ。
「ふぅん……?」
またもや紀藤さんは面白そうに微笑むと、手帳を取り出して何やら書きだした。
「紀藤さん……?」
「あ、失礼。今のやりとりで創作意欲が刺激されてしまってね。――ええと、とりあえず詫びたいのは本人たちに言わないまま、ひっそりと二人をモデルにBL小説を書いてしまったという事なんだけれど……」
申し訳なさそうな言葉だが、俺にとっては思ってもみない展開だ。
――正直、心躍った。
「オレあんなにヘタレですか?!」
「いやまあ、仕事が出来る間宮くんが、プライベートでは抜けてたらいいギャップじゃない?」
抗議の言葉への返答に、俺と玲央さんが首を縦にふる。
「俺だってあんなに可愛くないですよ」
「いや、楢本くんはとても魅力的だよ」
俺への返答に、玲央さんと穂高くんが激しく同意した。なんてことだろう、全くそんな事ないというのに。
「で、ここからが本題なんだけど」
スッと、手帳を差し出した。そこには円のマークの後に空白が開いている。
紀藤さんはまるで大きなプロジェクトを立ち上げた時のようにスマートにこう言った。
「楢本くんと間宮くん、もしくはLeoくんとエッチしてるところ、私に見せてくれないかな?言い値を払うから」
確かに穂高くんの言う通りだ。現に俺は彼から正体を明かされるまで、彼の気持ちに気付かなかった。ただの仕事の出来る同期としか見ていなかった。
人生でたまたま会社が一緒になっただけの、モテモテ陽キャだって。俺の陰キャ人生には関係ないって。――そう思っていたのに、人生って不思議だなあ。
「わかるよー!だって、明らかに声色優しくなるし。女子社員の中でも気付いている子いるみたいだよ?」
「ええ!? 」
真っ赤になった穂高くんの素っ頓狂な声に、疎らな人たちの目線が集まった。顔を真っ赤にして、両手で顔を隠した穂高くんは机に突っ伏した。
「無理、オレもう仕事いけない……」
「はっはっは。間宮くんそんなキャラだったんだね。これは良い知見を得たなぁ……で、話を戻すけど、そんな二人にBL欲が刺激されちゃったってわけ」
「――へ?」
頭にはてなマークを浮かべた俺と穂高くんの横で、玲央さんがポンと手を叩いた。玲央さんは若いのに、時々こういう古典的な動きをしてくれる。
「なるほど。つまり、間宮さんと渚さんをモデルにして書かれたのがあの素晴らしい新作というわけですね」
「要約してくれてありがとう」
文句ない派手髪イケメンと、イケオジイケメンが微笑みあう。ああ、この二人でなら俺もナマモノBL書けるかもしれない!……その場合どっちがどっちだ?
「でもそれってちょっと妬けます。渚さんは自分のなので」
「ほう?」
紀藤さんが、興味深そうに先を促した。
「実際は自分と渚さんが良い仲なのに、あの小説では間宮さんと渚さんがくっついたって事ですよね?なんか、あの時感じた興奮の分も含めて……微妙な気持ちになります」
話している内容は他愛も無いBL話なのに、イケメンだとそれだけでも成り立つのか。
言い切った玲央さんと視線があって、俺は目を逸らしてしまった。
「じゃあ、Leoくんと楢本くんが付き合ってるの?」
「はい!」
「いいえ!」
「いいえ!」
問いかけに三人が一斉に答えた。玲央さん以外の答えは一緒だ。
驚いたように俺みた玲央さんが、一瞬寂しそうに見えた。駄目だ駄目だ、絆されちゃ。
「ふぅん……?」
またもや紀藤さんは面白そうに微笑むと、手帳を取り出して何やら書きだした。
「紀藤さん……?」
「あ、失礼。今のやりとりで創作意欲が刺激されてしまってね。――ええと、とりあえず詫びたいのは本人たちに言わないまま、ひっそりと二人をモデルにBL小説を書いてしまったという事なんだけれど……」
申し訳なさそうな言葉だが、俺にとっては思ってもみない展開だ。
――正直、心躍った。
「オレあんなにヘタレですか?!」
「いやまあ、仕事が出来る間宮くんが、プライベートでは抜けてたらいいギャップじゃない?」
抗議の言葉への返答に、俺と玲央さんが首を縦にふる。
「俺だってあんなに可愛くないですよ」
「いや、楢本くんはとても魅力的だよ」
俺への返答に、玲央さんと穂高くんが激しく同意した。なんてことだろう、全くそんな事ないというのに。
「で、ここからが本題なんだけど」
スッと、手帳を差し出した。そこには円のマークの後に空白が開いている。
紀藤さんはまるで大きなプロジェクトを立ち上げた時のようにスマートにこう言った。
「楢本くんと間宮くん、もしくはLeoくんとエッチしてるところ、私に見せてくれないかな?言い値を払うから」
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