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鬼頭先生まで……?!

ファンです!

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スペースに戻ると、テーブルの上には完売とかかれた紙がぺらりと置いてあって、穂高くんとうずら先生がその紙と同じように椅子に体を預けていた。
 玲央さんの横を歩く俺を見つけた穂高くんが、素早く近寄ってきて腕を引っ張ってきた。
「もう!大変だったんだからね!うずら先生手伝ってくれたんだからお礼言ってよ!」
 俺を後ろから抱きしめながら、操るようにうずら先生の方を向かせた。疲労感漂ううずら先生に、心から頭を下げる。
「すみません、うずら先生手伝って下さったんですね」
「いやいや、お一人で大変そうでしたし、恥ずかしながら私のスペースは落ち着いてましたから――って、ま、まさか鬼頭先生……?!」
 玲央さんと歓談していた紀藤さんに気付いたうずら先生が、口をあんぐりと開けた。それをみた穂高くんもくるりと視線を同じ所に向ける。
「え?紀藤さんどうして……?!え?!オレオタバレするの?!」
 オタクバレした事を恥じてか、穂高くんが俺の背中に顔を隠した。
「先程買いに来てくださったお嬢さんですね。ありがとうございます」
「ひ、ひえぇぇ~……!ファ、ファンです!」
「ありがとうございます。実はこの子達にお話しがあって……完売したなら、少しお借りしてよろしいですか?」
「も、もちろんです」
 目がハートになっている。そりゃそうだ、こんなイケオジに丁寧な言葉をかけられれば、大抵の人間はそうなるだろう。
 事体が呑み込めていない穂高くんを連れて、俺たち四人は人通りの落ち着いた端へと身を寄せた。
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