憧れの神絵師に迫られて、しかもイケメンだったら拒めるはずがないよね!?ね!?

花田トギ

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鬼頭先生まで……?!

Leo先生は神絵師です!

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「Leo先生、凄すぎ……」
「渚さんに喜んで貰えるなら描いてよかった」
 にっこり笑い、玲央さんは俺の頭に手を置いた。
「なー、ホント絵の技術とかセンスには何も文句ないや」
 頭の上の玲央さんの手をどかしながら退かしながら穂高くんは瞳を輝かせてきた。やはり実物の紙の本が手元にある興奮を感じるらしい。
「何に文句があるんです?」
「自信満々なお前の態度だよ」
「えー?事実だからいいじゃないですか」
「だからそういう――!」
「はいはーい!ストップストップ!」
 ヒートアップしそうな二人を止めた俺は、事前に準備していた小さなお菓子を取り出して本を持った。
「じゃあ行こう!」
 という俺を玲央さんが不思議そうに見つめる。
「あ、ご挨拶?」
 と、声を上げたのは穂高くんだ。
 イベントでは両隣に挨拶するのがマナーだと聞いていた。その際に本を交換したり出来ると!実は思わぬ修羅場で両隣どころかサークルチェックが全くできていないが、挨拶だけはしておきたい。
 ちなみに今回俺たちが配置されたのはいわゆる誕席だ。残念な事に右横のお隣さんはまだいないが、反対側には優しそうな女性が座ってこちらをチラチラ見ている。その方と目が合って、思わず頭を下げる。するとあちらも頭を下げて、立ち上がった。
「あの、お久しぶりですマホ先生」
「お久しぶりですー!うずら先生」
 近づいてきたうずら先生は、マホ先生のフォロワーらしい。すらっとした眼鏡の文系美女だ。その彼女がチラチラと目線を動かしている。目線の先は玲央さんで、それに気付いた玲央さんがぺこりと頭を下げていた。
「うずら先生、こちらが今日出す本です。良かったら一冊貰ってください。ほら、渚くん!」
「あ!はい!よろしくお願いします!」
 俺が差し出したお菓子と本を快く受け取って、うずら先生は俺の顔をじいっと見つめた。
「なぎさ凪先生ですか?」
「は、はい!」
「一度感想頂いたことあるんですが、覚えてらっしゃいますか?そのころは漢字で鶉と名乗っていたんですが……」
「え?漢字……?」
 小説を書いてる癖に漢字に強いわけではない僕は、慌ててスマートフォンでうずらを漢字変換してみた。すると出てきた鶉の文字。
「あー?!知ってます知ってます!すみません、かってにカクって読むのかと!」
「うふふ、よく言われるんです。なぎさ先生とマホ先生の合同本、しかも表紙があのLeo先生だなんて、一次創作界隈では話題なんですよ。喜んで頂戴しますね。私の本も、受け取って頂けますか?」
「もちろんです!」
 うずら先生とニコニコ話しながらも、俺はうずら先生が時々玲央さんを見ている事に気が付いていた。それは、彼女がイケメンを見ているだけかと、この時は思っていた。
 
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