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鬼頭先生まで……?!
穂高は努力家(間宮から見た景色)
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「渚くんは?」
「寝坊して遅刻との事」
「なるほど。じゃあ、オレらでだいたい決めれる事決めとく?」
「そうですね。えーっと、二か月後のイベントで、表紙と中表紙二枚自分が担当で良いですよね?」
スマートフォンのスケジュールに手早く書き込んでいく。その指先すらカッコイイ。穂高は爪先までしっかりケアしている美容男子でもあった。女子たちに褒められる指を持つが、それでも玲央の男らしい指には憧れてしまう。
天然イケメンなんて撲滅してほしい。養殖な穂高は心の中で本心をぶちまけた。
「そうそう。渚くんのページ数にだいたいオレも合わせるようにするけど、何ページくらいになるかなぁ……」
「まあだいたいのイメージとか、途中までの話分かればラフで送ります。――でも良いんですか?なんでもお願い聞くって言ったのは自分ですけど……」
三人でラブホテルに行ったあの日、結局穂高は渚に挿入することは許されなかった。その代り玲央が言う事を聞くという約束をしたのだが……。
なぎさ凪と魔法使いマホの合同誌の表紙をLeoが手掛け、イベントで売るという話で落ち着いた。
「イケメンがBL本手売り、しかもあのLeo先生の性別が分かるし。これで女の子のふりして出会えなくなるよ」
「……まあもうそういうの辞めるつもりなんで、良いんですけどね」
わざと意地悪な言い方をしたというのに、玲央は何も響かない。強心臓はゆるぎない自己肯定があるからだろうか。
なんとなくまた負けた気分でアイスコーヒーに何も入れず吸い込んだ。真っ黒い液体だけど、美味しいのは何故だろうなんて考えていると、パタパタと早足が聞こえてきた。
「おまたせしました!」
走り込んできた渚は髪の毛が乱れていた。立ち上がった玲央がその髪を直してやると、照れながら笑う。
「髪の毛乱れてますよ」
「ごめんなさい、ちょっと昨日遅くまで亀頭先生の本読んじゃって……二人共読んだ?!」
そう昨日は鬼頭先生待望の新作小説発売日だったのである。三人ともファンなので、しっかりと発売日に手に入れえている。
「もちろん読みました。自分の予想的に言うと……間宮さん好みで良かったんじゃないです?」
「ああ良かった。なんせ特に受けが可愛くて良かった」
「鬼頭先生が陰っぽい受書くの久しぶりだよね。髪の毛がうざい描写が結構あったよね。実は顔が良いとか定番だけど良かったなぁ……定番はいいねぇ」
玲央と穂高が顔を見合わせ、何やら言いたげにしている。しかし、渚は気付かず言葉を続けた。
「攻めがさ、なんだか穂高くんに似てたよね?クオーターでオシャレ眼鏡で茶髪リア充イケメン。でもちょっと暗い過去がある……そんなの、嫌いな人いないよね」
渚の言葉に自分が褒められているような気分になった穂高は一気に気分が良くなった。
ふと、話し続ける渚の後ろに水をおしぼりを持ってきた店員がいる事に気付き、それを代わりに受け取った。
「ささ、渚くん立ち話もなんだからこっち座りなよ」
「え?渚さんこっち座りますよね」
「え?えーっと……」
四人掛けのソファ席に玲央と穂高は一人ずつ座っている。自ずとどちらかに座る事になるのだが……。
「えっと、えっと……走って来たからちょっと先にお手洗い行ってくる!」
「あ!逃げた!」
「こっち座ってくださいよ?!」
一旦離脱した渚の後姿を見ながら、玲央はぼそりと口を開いた。
「……でも、ホント亀頭先生の新作、間宮さんと渚さんに似すぎてたんですよね。もしかして身近に二人を見てる人がいたり?」
「まっさかー!」
「ですよね、怖すぎますし」
「BL界なんて狭い世界の住人が、オレと渚くんを知っててモデルに書くなんてそんな事ありえないっしょ」
一時はそんな冗談に笑いあった二人だったが、戻って来た渚がどちらの隣に座るかについて、再び火花を散らし始めた。
「寝坊して遅刻との事」
「なるほど。じゃあ、オレらでだいたい決めれる事決めとく?」
「そうですね。えーっと、二か月後のイベントで、表紙と中表紙二枚自分が担当で良いですよね?」
スマートフォンのスケジュールに手早く書き込んでいく。その指先すらカッコイイ。穂高は爪先までしっかりケアしている美容男子でもあった。女子たちに褒められる指を持つが、それでも玲央の男らしい指には憧れてしまう。
天然イケメンなんて撲滅してほしい。養殖な穂高は心の中で本心をぶちまけた。
「そうそう。渚くんのページ数にだいたいオレも合わせるようにするけど、何ページくらいになるかなぁ……」
「まあだいたいのイメージとか、途中までの話分かればラフで送ります。――でも良いんですか?なんでもお願い聞くって言ったのは自分ですけど……」
三人でラブホテルに行ったあの日、結局穂高は渚に挿入することは許されなかった。その代り玲央が言う事を聞くという約束をしたのだが……。
なぎさ凪と魔法使いマホの合同誌の表紙をLeoが手掛け、イベントで売るという話で落ち着いた。
「イケメンがBL本手売り、しかもあのLeo先生の性別が分かるし。これで女の子のふりして出会えなくなるよ」
「……まあもうそういうの辞めるつもりなんで、良いんですけどね」
わざと意地悪な言い方をしたというのに、玲央は何も響かない。強心臓はゆるぎない自己肯定があるからだろうか。
なんとなくまた負けた気分でアイスコーヒーに何も入れず吸い込んだ。真っ黒い液体だけど、美味しいのは何故だろうなんて考えていると、パタパタと早足が聞こえてきた。
「おまたせしました!」
走り込んできた渚は髪の毛が乱れていた。立ち上がった玲央がその髪を直してやると、照れながら笑う。
「髪の毛乱れてますよ」
「ごめんなさい、ちょっと昨日遅くまで亀頭先生の本読んじゃって……二人共読んだ?!」
そう昨日は鬼頭先生待望の新作小説発売日だったのである。三人ともファンなので、しっかりと発売日に手に入れえている。
「もちろん読みました。自分の予想的に言うと……間宮さん好みで良かったんじゃないです?」
「ああ良かった。なんせ特に受けが可愛くて良かった」
「鬼頭先生が陰っぽい受書くの久しぶりだよね。髪の毛がうざい描写が結構あったよね。実は顔が良いとか定番だけど良かったなぁ……定番はいいねぇ」
玲央と穂高が顔を見合わせ、何やら言いたげにしている。しかし、渚は気付かず言葉を続けた。
「攻めがさ、なんだか穂高くんに似てたよね?クオーターでオシャレ眼鏡で茶髪リア充イケメン。でもちょっと暗い過去がある……そんなの、嫌いな人いないよね」
渚の言葉に自分が褒められているような気分になった穂高は一気に気分が良くなった。
ふと、話し続ける渚の後ろに水をおしぼりを持ってきた店員がいる事に気付き、それを代わりに受け取った。
「ささ、渚くん立ち話もなんだからこっち座りなよ」
「え?渚さんこっち座りますよね」
「え?えーっと……」
四人掛けのソファ席に玲央と穂高は一人ずつ座っている。自ずとどちらかに座る事になるのだが……。
「えっと、えっと……走って来たからちょっと先にお手洗い行ってくる!」
「あ!逃げた!」
「こっち座ってくださいよ?!」
一旦離脱した渚の後姿を見ながら、玲央はぼそりと口を開いた。
「……でも、ホント亀頭先生の新作、間宮さんと渚さんに似すぎてたんですよね。もしかして身近に二人を見てる人がいたり?」
「まっさかー!」
「ですよね、怖すぎますし」
「BL界なんて狭い世界の住人が、オレと渚くんを知っててモデルに書くなんてそんな事ありえないっしょ」
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