憧れの神絵師に迫られて、しかもイケメンだったら拒めるはずがないよね!?ね!?

花田トギ

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マホ先生が登場

どちらを選ぶの?(二幕完)

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 翌朝、口論の声で目が覚めた。どうやら俺を挟んで言い合っているようだ。
「だからオレが負けたわけじゃないし」
「でも、昨日のでかなり興奮してたでしょ?」
「ぐっ……だ、だからって渚くんを諦めないからな!」
「それすごく当て馬の台詞じゃないです?」
「ぐぅぅ……!」
「あれ?今渚さん笑いましたよね。……おはようございます渚さん」
 目ざとい玲央さんは俺を突いた。負けじと逆方向からもつつかれて、観念した俺は目を開けた。
「起きたの?渚くんおはよう!」
「ん……ふ、二人共おはよう……」
「で、渚くんはどっち派?」
「何が?」
 戸惑う俺に、穂高くんが畳みかけてくる。
「ずっと影のある受けを思っていた陽キャ攻めが、顔が良い当て馬に寝取られた受けくんを取り戻す話っていいと思わない?」
 いきなりのBLトークに頭が回らないが、話の緩急もあるし、なんか良い気がする。でもネトラレって事はR指定がつきそうな作品だ。
「あー……うん、良いね」
「いや待ってください渚さん。渚さんなら陰キャな受けが憧れていた人となんだかんだあって結ばれる正規ルートがお好みですよね?」
「う、うん、それも良いよね……?」
 憧れの人と結ばれる、それは王道中の王道。嫌いな人はいない――多分。
 俺の返事に笑顔になった玲央さんと穂高くんが、手を差し出した。
 意味が分からずぽかんとする俺に、二人は言葉を続けた。
「さあ、渚さん王道ルートを選んで下さい」
「紆余曲折を経ての純愛を選ぶよね?!渚くん!」
「へ……?あ……!今のって……!」
 なるほど、玲央さんを選べば王道ルート。穂高くんを選べば純愛ルートという事を言ってるのだとやっと頭が動き出した。
「む、無理ですぅぅー!」
「今は無理でもいずれ選んでもらうからね!」
「渚さんは自分を選びます。わかります」
「なんだよこのヤリチンモテ男が!」
「褒めてもらってありがとうございます。純愛の皮被ったストーカーさん」
「ふ、二人共喧嘩しないで……!」

 俺の慌ただしい日常はまだまだ続くらしい。
 ……こういうBL小説を書いたら少しは需要あるかなぁなんて、頭の隅で思ったのはBL小説家として正しいのだろうか?
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