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マホ先生が登場

どうしてこうなった?!

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「で、一体どうしてこうなるんです?!」
 数十分後、俺はラブホテルのベッドの上に座っていたのだから、この言葉を言っても許されるだろう。
「だって、二軒目行っていいって渚くんが言ったし」
 穂高くんはホテル内の調光を調節しながら、悪びれなく答えた。
「二軒目がラブホテルだなんて思わないでしょう?!どうして玲央さんもついてくるんですか?!」
「だって付いて行って良いって言われましたし」
 こちらも悪びれなく上着をハンガーに掛けている。
「でもどうしてこんな所で……」
 戸惑いを隠せない俺をソファに座らせ、二人が挟み込む形になった。
「ほら、渚くんの創作に生かせるかなって……嫌だった?」
「そんな事を考えてくれてたんですか?さすがマホ先生……!」
「ん?マホ?……もしかして魔法使いマホさん?」
 穂高くんの気遣いに、思わずペンネームを口走ってしまった事を後悔していると、俺の目の前で、玲央さんと穂高のやりとりが始まった。
「……そうですけど、知ってるの?」
「読んだ事ありますよ。渚さんの数少ない相互フォロワーだし。でも……あー、なるほど。なるほどねぇ……」
 長い足を組み換え、顎に触れながら玲央さんは何やら思案顔だ。
「何か文句ある?つーか、Leo先生って年下だよね?もっとオレの事年上扱いしなよ」
「ん-……なるほど、ああいう明るい話書く人ってどんな人かなって思ってましたけど、こういう方だったとは」
「どういう事だよ?」
「ふふ。確か3Pモノ書いてましたよね」
「――っか、書いてたけど……」
 そういえばマホ先生の3pの話読んだ事があったな。長編を書くマホ先生にしては珍しい短編で、主人公はマホ先生らしく陽の攻め。でも珍しく受けが陰な感じだった。
「これは自分の予想というかそれしかないって感じなんですけど、間宮さん、渚さんとヤりたいんでしょ?」
「は?!」
「え?!」
「でも自分も渚さんとヤりたいんです」
「ちょ、ちょっと待って玲央さん、穂高くんはそんな……ただ、俺の創作のネタになるようにここに連れて来ただけで……ってどうして顔赤いの?!」
 いきなりの言葉に、慌てて軌道修正を試みた俺の目に、真っ赤な顔をした穂高くんの姿が見えた。肌が白い分、赤くなっているのがよくわかる。
「お前……!一回抱いたらやり捨てるんじゃないのかよ……!」
 絞り出した問いには俺も興味があった。穂高くんが言うには、後腐れなくするために玲央さんが手を出すのは一度だけ。もう一度抱かれたくて連絡を取ろうにも、上手く交わされてしまうらしい。
「あー……今まではね。渚さんは特別なんです」
 玲央さんは俺の手を握り、手の甲にキスを落とした。
「うっ……」
 数日ぶりのイケメンの紳士仕草は、ずっきゅんと俺の心に突き刺さる。
「オ、オレだって……!オレの方が先に渚くんを見つけてたんだからな!神絵師だからって、ぽっと出のやつに易々と奪われてたまるかよ!」
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