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【一幕完】玲央さんは釣った魚のお世話をするタイプらしい
しおりを挟む「おはようございます、渚さん」
ほっぺをぷにっとつつかれて、俺は目を開けた。そこには高画質4K3Dイケメンがいて、飛び起きた。
「お、おはおは、おはようございます?!れ、玲央さん?!」
「あはは、ちょー慌ててる」
夢みたいな一日を終え、彼の腕の中で眠った。というのは本当に夢だったような気がしていたんだけど、朝日が差し込むベッドルーム。乱れたベッドの状況を見て、事実だったのだと唾を飲み込んだ。
「自分、朝米派なんですけど、一緒にどうすか?」
「え、朝ごはん作ってくれたんですか?!」
「……簡単に、ですけど。好みじゃなければウーバーするんで……」
「た、食べたい!食べたいです!――うう!?」
そう言って立ち上がろうとした俺は、腰の痛みで動きを止めてしまう。筋肉痛のような、それよりも重みを感じるような痛みだ。
「あ、腰きついですよね……ちょっと最初から激しくしちゃったんで。すみません」
「い、いえ……なるほど、これが初セックス後の体のだるさなんですね」
「ふふ。これでなぎさ先生童貞非処女属性ゲットですね」
「あ、ホントだ!……ってこれは喜んで良いんでしょうか?」
「もちろんです!あ、今日のご予定は?」
今日は日曜日。こちらに友人もいない俺に家の掃除以外にやる事なんてあるはずもなく。
「えーっと……何かあったかなぁ……」
「じゃあ今日はデートディにしませんか?」
「へ?」
明るい光の中、にっこりと微笑む玲央さんは国宝級にカッコイイ。
「昨日はセックスする前のデート。今日はセックスした後のデート。……違い、感じてみません?」
「い、良いんですか?!」
「じゃあ、飯食ったら渚さんの服でも見に行きますか!」
「それって俺がダサいってことですか?」
「何言ってるんですか、昨日と同じ服だと嫌かなってだけですよ。自分のだとサイズあわないっしょ?」
「なる、ほど……」
寝間着にと借りたトレーナーの丈が余りまくっている事実に、同年代の平均身長にギリギリ届かない俺は居た堪れなくなった。
「彼シャツも好きなんですけど、それで外出はちょっと困るでしょ?お気に入りの釣った魚はちゃんと世話するタイプですから、安心してくださいね」
ベッドに上がって来た玲央先生はそう言って俺を抱きよせると、おでこに口づけた。
今日も夢のような一日は続くらしい。
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