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渚と玲央1
しおりを挟むLeo先生に連れられて着いた場所は巨大なガチャガチャスペースだった。全種類のガチャガチャがあるんじゃないかという素晴らしい品ぞろえに、心躍らないオタクがいるだろうか。
「うわ!懐かしい俺これ見てたんですよ!」
「あー自分も知ってますよ。兄貴が見てましたし」
「……あの、もしかしてLeo先生って俺より年下です?」
「えーっと、次で21ですね」
「年下!若い!ぴちぴち!」
「ってなぎさ先生もこの前24になったばっかでしょ?」
実は俺は諸事情で浪人していた。だからもう24歳なのである。
「そ、そうですけど、24と21では大きな差があるんです!」
「そうかなぁ?背は自分の方が高いっすけどね」
「だいたいの男がLeo先生より低いですって!」
俺の言葉にLeo先生が面白そうに笑い返してくれる。友人同士のようなやりとりに、胸が高鳴らない筈がない。
「いいなあ、なぎさ先生すげー楽しいです」
下の方にあるガチャガチャを回しながら、ズレたサングラスの隙間からイケメンに見上げられて鼓動は更に早くなる。気を抜くと友人以上のときめきを感じてしまいそうだ。
「せ、先生なんて柄じゃないです!呼び捨てにしてくださいよ」
「えーっと凪?なぎさ?どっちが良いですか?」
戸惑う事無く名前を呼ばれ、一瞬息をするのを忘れてしまう。
「な、なぎさで良いです。本名も渚なんです俺」
「へえ?苗字がですか?」
「いえ、名前が渚です。さんずいの」
「可愛ー名前ですね。自分もLeoで良いですよ。本名も玲央なんで」
「い、良いんですか俺なんかに本名教えちゃって?!」
「渚って面白い人ですね。お互い様じゃないですか」
「や、やっぱりさん付けで良いですか、玲央さん……」
「なんでですか?」
「イケメンに名前呼び捨てされると心臓が持ちません!」
今にも倒れそうな俺の決死の叫びに、玲央さんはこっちまで楽しくなるような笑い声を上げた。
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