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秘密の関係

ベッドで男と寝ているなんて!

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 アデリアは鈍く、うぶだが、察しは悪くなかった。
「大丈夫だって!ただ寝るだけ!ほんとに!ぎゅっとして寝るだけなの!テディと寝る時みたいに!」
「はあ?!年頃の女をただギュッと抱いて眠るだけなんてそんなに事……!」
 必死の説明に、ありえないと言いたかったザックスだが、アデリアが続けた言葉に納得せざるを得なくなった。
「ほら!小さいソファでザックスと眠った時あったじゃない?寒くてくっついて!」
 思い出した!と、ポンとアデリアは嬉しそうに手を叩いた。
 ザックスだって、あの時のことは覚えている。思わず抱きしめる腕に力を込め唇を重ねてしまおうかと何度も葛藤した一晩だったからだ。
「ぐっ……!そ、それは……!」
 しかし言葉を重ねるとザックスの気持ちがばれてしまう。ザックスとしては、全ての準備を揃えてからアデリアに求婚したいという夢があるので、それはしたくはなかった。
「ね?ということでこの話はおしまい!じゃ、私さっさとモノクル返してくる!」
「あ!おいアディ!」
 呼び止めたが、アデリアは早足で屋敷の中に入っていってしまう。
 アデリアの姿が見えなくなっても、ザックスはその場からすぐには動けなかった。
「なんかヤバい気がする」
 口に出すと、本当にやばい気がする。
 最初はほんの軽い気持ちでアデリアにメイドの面接を受けさせた。良い方に物事が運んでいると思っていた。だけど……このままだと、アデリアを伯爵に取られてしまう可能性がわずかでもあるのなら。
「……悪い。アディ」
 アデリアの姿が消えた方にそう呟くと、ザックスは屋敷の中へと足を踏み入れた。
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