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逃亡先の安らぎ
小鳥で逃亡4
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「友達って言ってくれて嬉しかったのになぁ……友達なら遠慮しないでしょ?」
ぷくっと頬を膨らませる竜児は、明らかにからかっている。
「そ、それは、そうなんですけど……!やっぱオレもあんまりプライベートな事聞くのはって思って……」
「はは、冗談冗談。良いよ、なんでも聞いてよ」
「い、良いんですか?!」
アパートの別の部屋に配達に来た前川が、窓越しに声を掛ける。天気はどうだとか、あの店のコロッケが美味いとか、そんな他愛無い会話しかしたことが無かった。
前川からすると、何やらワケアリな美青年の内情に、土足で入るような気がして憚られていた。
「えっと、じゃあ年齢は?」
「あはは、俺十八」
「高校生?」
「ううん、一応卒業してる。最後は通ってなかったけど」
制服は詰襟だろうか、ブレザーだろうか。どちらでも似合うし、学校でもモテていたんだろう。
「じゃあえっと……ご趣味は?」
「――なんかお見合いみたいな質問だね」
「そ、そう?!」
なるほど、そういえばそうだ。見合いでよくこう言う質問をするのは理にかなっているのだなと前川は勝手に納得する。
「今は――ピィちゃんのお世話かな」
目線が外に向いたのを見て、そうだ、小鳥を探していたのだと思い出す。一瞬、デート気分だった自分を恥じて、二人は揃って店を出た。
ぷくっと頬を膨らませる竜児は、明らかにからかっている。
「そ、それは、そうなんですけど……!やっぱオレもあんまりプライベートな事聞くのはって思って……」
「はは、冗談冗談。良いよ、なんでも聞いてよ」
「い、良いんですか?!」
アパートの別の部屋に配達に来た前川が、窓越しに声を掛ける。天気はどうだとか、あの店のコロッケが美味いとか、そんな他愛無い会話しかしたことが無かった。
前川からすると、何やらワケアリな美青年の内情に、土足で入るような気がして憚られていた。
「えっと、じゃあ年齢は?」
「あはは、俺十八」
「高校生?」
「ううん、一応卒業してる。最後は通ってなかったけど」
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「そ、そう?!」
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