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懐かしい香り
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久しぶりに彼を見た気がした。
公務で会っていたとはいえ、まともに目も合わせていなかったからだ。
「久しぶりだね、サクラ」
「そうね」
「君と話がしたかったんだ」
「そう、私もよ」
いつものように微笑むマクシミリアンに、私は力無く笑った。そんな私に、マクシミリアンの表情が陰る。
「サクラ、君は誤解している」
なぜ避けているのかとは問われなかった。さすがにマクシミリアンの耳にも噂は入っているのだろう。
しかし、彼の言葉に私の胸はきしりと痛んだ。
「誤解じゃないわ」
「いや、誤解している。私の気持ちは変わっていない」
真摯な表情のマクシミリアンに私は唇を噛んだ。怒りなのか、哀しみなのかわからない。プツリと音がして血の味がする。強く噛みすぎて切れたのだろう。
だって、あまりにもではないか。
あまりにも、彼は私をバカにしている。
「変わってるはず、ないでしょう」
強く握った拳が震えた。
「貴方はそもそも私を愛していなかった。いえ、愛情はあったわ。でもそれは家族愛でしょう?だから変わってるはずがないのよ」
今、自分はどんな顔をしているのだろう。嫉妬で醜い顔をしているのかもしれない。だが止まらなかった。
「私への思いは変わらなかった。だけど…だけど、マリアへの想いは変わったはずだわ。私がわからないわけないじゃない!私は貴方を好きだったんだもの!」
「サクラ!私は彼女とは何もないんだ!」
「そんなの知ってるわ!!でもだからなんだというの!」
それは私がかつてオリヴァーにした問いかけだ。
「裏切ってないなら、それでいいと思うの?私が愛されないまま、貴方達二人を引き裂いて、笑いながら生きていけるとでと思うの!?バカにしないで!!私にも矜持はあるのよ!!」
マクシミリアンを無理やりにでも繋ぎ止める事は、やろうと思えば出来るのだろう。
優しい二人は、私を裏切れない。仮にマリアが王妃になってもそうなったはずだ。
だけどその優しさが憎かった。いっそ裏切ってくれたなら、嘆いて詰って怒って責めることができた。
「義理堅くて結構だわ!でも結局、貴方達は私を道化に仕立て上げるだけなのよ!」
怒りで涙が溢れた。マクシミリアンは驚愕したように動かない。
「貴方は確かに愛してくれたわ。でもそれが偽物だったと、貴方が一番知ってるじゃない!それを誤魔化さないで!」
言いきって嗚咽が漏れた。
恋した分だけ強くなったと思っていた。
なのに今はこんなにも自分が脆い。今にも崩れてどうにかなりそうだ。
沈黙が室内を支配して私の嗚咽だけが響く中で、マクシミリアンが口を開いた。
「すまない」
「……それは、何に対しての謝罪なの?」
「君の言う通り、私はマリアを…愛している。彼女の美しさではなく、志に惹かれてしまってるんだ」
マリア、と呼んだ彼に胸が軋んだ。呼吸の仕方がわからない。誤魔化すなと言ったのに、違うとも言われたかったなんて、なんて自分勝手なんだろう。
「彼女に惹かれる度に君が浮かんだ。いけない事だと分かっていた。誓いだって立てたのに、私はそれを破ったんだ」
苦しげに懺悔するマクシミリアンを、私は空虚な瞳で見つめた。
涙の跡が残る醜い顔で、睨む力も怒鳴る力もなくただ見つめた。
「君を守りたい感情が恋なんだと思ってたんだ。守りたいと言ったのは嘘じゃない。今だって、そう思ってるんだ」
俯く彼におくる言葉は見つからない。
「もう、いいわ。もうここには来ないで」
「サクラ」
「今は貴方の顔は見たくないの。お願い、消えて」
酷い言葉をぶつけてしまう。けれどマクシミリアンは私を責めずに静かに退出した。
手のつけられていない冷めた夕食を見つめながら、私はこれからの事を考える。
あの時だって絶望した。だけど未来は自分次第で繋がった。
どうやったって、また立ち上がるしかない。
だけど今はどうしようもなかった。
虚しくて消えたかった。
マクシミリアンが退出した事で、マーガレットが顔を出す。私の様子には触れずに自室へと連れて行ってくれた。
部屋で一人、立ち竦む。窓から月明かりが見えて暗い室内を照らす。
聖女と呼ばれて4年が経った。
私は一人、どうしてこうなったのだろう、と月を見上げる。
どうして、どうして。
最近は、その言葉ばかりが浮かんでくる。
――どうして、私ばかりがこんな目に合わなきゃいけないの――
こんな感情は嫌いだ。自分に酔ってるようでやりきれない。
だけどどうしても浮かんでくる言葉に唇を噛む。切れた場所は麻痺していて、痛みはもうわからない。
ああ、もういっそ。と、暗い考えが頭をもたけだ時だった。
「…?」
違和感を感じた。なんだろう、うまく言葉にできないけれど、空間が歪むような、不思議な感覚だ。
「なに…」
月を見上げていた私の目の端で何かがキラリと光った。
「え」
声を出した瞬間、ドッと異質な空気が部屋を覆った。これに似た感覚を私は知っている。魔法の発動時に感じる時のものだった。
(誰かがこの部屋に魔法をかけている?)
戸惑いながら咄嗟に逃げようと扉に向かおうとした瞬間、目の前に大きな黒い穴が現れた。
「――ッ!?」
驚きすぎて声が出ない。私は目を見開いて穴を見つめるしかできなかった。足が震えて動かなかったのだ。
(なにが起こってるの…!?)
恐怖に身を竦ませた私の目の前で暗闇がぐにゃりと歪み、何かが勢いよく飛び出してきた。
「ヒッ…!」
「はあー!やあっと抜けたあ~!」
次の瞬間、飲み込んだ悲鳴とは真逆の呑気な声音がして私は目をパチクリと見開いた。
そして、そのいでたちに驚愕する。
出てきたのは、私より年下と思わしき少女だった。
だが私は呼吸が浅くなるほど動揺していた。
突然出現した穴から人が出てきたからではない。
少女がなぜか肩に綺麗な黒猫を乗せていたからでもない。
背が高くてスタイルはいいが、セミロングの薄茶の髪も瞳も顔立ちもごく普通の少女だ。
服装だって、見たことのある馴染みのあるものだ。
でもだからこそ、私には信じられなかった。
だって、あり得ないから。
この世界で、見る事が叶うわけがないから。
自分と同系統の顔立ちも、――セーラー服だって、この世界にあるわけがないのだ。
「あなたは、桂木桜さん、であってるかな?」
心地よい声が、遠い昔に感じる聞きなれた言葉を紡いだ。
「どうして…」
いま目の前の少女が喋ったのは、間違いなく日本語だ。しかも自分の正式な名前を呼んだ。
わけが分からなくて私は呆然と少女を見上げた。
「聞いた通りの素敵なお姫様ですね。実は私はあなたを連れ去りにまいりました。どうかお手を取ってはいただけませんか?」
私の手を取りながら、少女が不敵な笑みをつくる。
それはどこか、悪戯めいたものだった。
公務で会っていたとはいえ、まともに目も合わせていなかったからだ。
「久しぶりだね、サクラ」
「そうね」
「君と話がしたかったんだ」
「そう、私もよ」
いつものように微笑むマクシミリアンに、私は力無く笑った。そんな私に、マクシミリアンの表情が陰る。
「サクラ、君は誤解している」
なぜ避けているのかとは問われなかった。さすがにマクシミリアンの耳にも噂は入っているのだろう。
しかし、彼の言葉に私の胸はきしりと痛んだ。
「誤解じゃないわ」
「いや、誤解している。私の気持ちは変わっていない」
真摯な表情のマクシミリアンに私は唇を噛んだ。怒りなのか、哀しみなのかわからない。プツリと音がして血の味がする。強く噛みすぎて切れたのだろう。
だって、あまりにもではないか。
あまりにも、彼は私をバカにしている。
「変わってるはず、ないでしょう」
強く握った拳が震えた。
「貴方はそもそも私を愛していなかった。いえ、愛情はあったわ。でもそれは家族愛でしょう?だから変わってるはずがないのよ」
今、自分はどんな顔をしているのだろう。嫉妬で醜い顔をしているのかもしれない。だが止まらなかった。
「私への思いは変わらなかった。だけど…だけど、マリアへの想いは変わったはずだわ。私がわからないわけないじゃない!私は貴方を好きだったんだもの!」
「サクラ!私は彼女とは何もないんだ!」
「そんなの知ってるわ!!でもだからなんだというの!」
それは私がかつてオリヴァーにした問いかけだ。
「裏切ってないなら、それでいいと思うの?私が愛されないまま、貴方達二人を引き裂いて、笑いながら生きていけるとでと思うの!?バカにしないで!!私にも矜持はあるのよ!!」
マクシミリアンを無理やりにでも繋ぎ止める事は、やろうと思えば出来るのだろう。
優しい二人は、私を裏切れない。仮にマリアが王妃になってもそうなったはずだ。
だけどその優しさが憎かった。いっそ裏切ってくれたなら、嘆いて詰って怒って責めることができた。
「義理堅くて結構だわ!でも結局、貴方達は私を道化に仕立て上げるだけなのよ!」
怒りで涙が溢れた。マクシミリアンは驚愕したように動かない。
「貴方は確かに愛してくれたわ。でもそれが偽物だったと、貴方が一番知ってるじゃない!それを誤魔化さないで!」
言いきって嗚咽が漏れた。
恋した分だけ強くなったと思っていた。
なのに今はこんなにも自分が脆い。今にも崩れてどうにかなりそうだ。
沈黙が室内を支配して私の嗚咽だけが響く中で、マクシミリアンが口を開いた。
「すまない」
「……それは、何に対しての謝罪なの?」
「君の言う通り、私はマリアを…愛している。彼女の美しさではなく、志に惹かれてしまってるんだ」
マリア、と呼んだ彼に胸が軋んだ。呼吸の仕方がわからない。誤魔化すなと言ったのに、違うとも言われたかったなんて、なんて自分勝手なんだろう。
「彼女に惹かれる度に君が浮かんだ。いけない事だと分かっていた。誓いだって立てたのに、私はそれを破ったんだ」
苦しげに懺悔するマクシミリアンを、私は空虚な瞳で見つめた。
涙の跡が残る醜い顔で、睨む力も怒鳴る力もなくただ見つめた。
「君を守りたい感情が恋なんだと思ってたんだ。守りたいと言ったのは嘘じゃない。今だって、そう思ってるんだ」
俯く彼におくる言葉は見つからない。
「もう、いいわ。もうここには来ないで」
「サクラ」
「今は貴方の顔は見たくないの。お願い、消えて」
酷い言葉をぶつけてしまう。けれどマクシミリアンは私を責めずに静かに退出した。
手のつけられていない冷めた夕食を見つめながら、私はこれからの事を考える。
あの時だって絶望した。だけど未来は自分次第で繋がった。
どうやったって、また立ち上がるしかない。
だけど今はどうしようもなかった。
虚しくて消えたかった。
マクシミリアンが退出した事で、マーガレットが顔を出す。私の様子には触れずに自室へと連れて行ってくれた。
部屋で一人、立ち竦む。窓から月明かりが見えて暗い室内を照らす。
聖女と呼ばれて4年が経った。
私は一人、どうしてこうなったのだろう、と月を見上げる。
どうして、どうして。
最近は、その言葉ばかりが浮かんでくる。
――どうして、私ばかりがこんな目に合わなきゃいけないの――
こんな感情は嫌いだ。自分に酔ってるようでやりきれない。
だけどどうしても浮かんでくる言葉に唇を噛む。切れた場所は麻痺していて、痛みはもうわからない。
ああ、もういっそ。と、暗い考えが頭をもたけだ時だった。
「…?」
違和感を感じた。なんだろう、うまく言葉にできないけれど、空間が歪むような、不思議な感覚だ。
「なに…」
月を見上げていた私の目の端で何かがキラリと光った。
「え」
声を出した瞬間、ドッと異質な空気が部屋を覆った。これに似た感覚を私は知っている。魔法の発動時に感じる時のものだった。
(誰かがこの部屋に魔法をかけている?)
戸惑いながら咄嗟に逃げようと扉に向かおうとした瞬間、目の前に大きな黒い穴が現れた。
「――ッ!?」
驚きすぎて声が出ない。私は目を見開いて穴を見つめるしかできなかった。足が震えて動かなかったのだ。
(なにが起こってるの…!?)
恐怖に身を竦ませた私の目の前で暗闇がぐにゃりと歪み、何かが勢いよく飛び出してきた。
「ヒッ…!」
「はあー!やあっと抜けたあ~!」
次の瞬間、飲み込んだ悲鳴とは真逆の呑気な声音がして私は目をパチクリと見開いた。
そして、そのいでたちに驚愕する。
出てきたのは、私より年下と思わしき少女だった。
だが私は呼吸が浅くなるほど動揺していた。
突然出現した穴から人が出てきたからではない。
少女がなぜか肩に綺麗な黒猫を乗せていたからでもない。
背が高くてスタイルはいいが、セミロングの薄茶の髪も瞳も顔立ちもごく普通の少女だ。
服装だって、見たことのある馴染みのあるものだ。
でもだからこそ、私には信じられなかった。
だって、あり得ないから。
この世界で、見る事が叶うわけがないから。
自分と同系統の顔立ちも、――セーラー服だって、この世界にあるわけがないのだ。
「あなたは、桂木桜さん、であってるかな?」
心地よい声が、遠い昔に感じる聞きなれた言葉を紡いだ。
「どうして…」
いま目の前の少女が喋ったのは、間違いなく日本語だ。しかも自分の正式な名前を呼んだ。
わけが分からなくて私は呆然と少女を見上げた。
「聞いた通りの素敵なお姫様ですね。実は私はあなたを連れ去りにまいりました。どうかお手を取ってはいただけませんか?」
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