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Proving On 2

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 大会1日目の夜

 影村と竹下は入浴後、ミーティングの時間まで部屋で寛いでいた。竹下は佐藤が撮影した自分の試合動画を見て次の動きや戦術を確認し、影村はメッセージアプリで英語の文章を入力していた。静かな雰囲気の中、竹下が口を開いた。

 「明日は高峰と山瀬の試合だね。」
 「あぁ。」
 「そしてあさっては...」
 「...そうだな。」
 「全力で行くよ。恨みっこは無しだ。」
 「コートの上で起きたことが全てだ。」
 「影村。どうして君は試合中緊張していないんだ?」
 「...規模のデカい大会の場数を踏めばわかる。いちいち考えてられねぇのさ。」
 「そうか。」

 寝巻き姿の竹下は動画を見ていたが視線を影村の方へと向ける。スウェット姿の影村は淡々とメールの処理や1年生に出場させる次の賞金付き草トーナメントの募集を見ていた。会話は少ないが、2人とも何もない静かな雰囲気を楽しんでいた。

 「そういえば影村。昨日、あの相渕さんが男テニのファンだって。」
 「......そうかい。」
 「反応薄いね。あの学年1・2位を争う人気女子の相渕さんだよ?」
 「誰だ...あった事ねぇな。」
 「フフ、君らしいね。で、学校の行事の方は参加するのか?文化祭とか。」
 「金にならねぇことはやらねぇよ...。」
 「......。」

 「...で?どんな女だそいつは。」

 「...フフッ。見るかい?」

 竹下の携帯端末の画面越しに、海生代高校1年生の中で佐藤と1・2位を争う美少女と言われている相渕奏あいぶちかなでの画像を見る影村。

 「...ジャパニーズはこういった女が好きなのか。」
 「フフ、スポーツ万能、勉強も学年1位。性格も冷静沈着で尖ったところも無く真面目。時期生徒会会長候補。海外暮らしだった影村から見た彼女はどうだい?フフ、そういえば彼女、影村の全県杯の生配信動画見て固まっていたよ。」

 「そうかい。まぁ...誰がいいとかそういうのはよくわからねぇな。俺ぁ今までラケット振ってばかりだったしよ。」

 「へぇ。海外でも友達や好きな子はいたんだろ?金髪の娘とか。」
 「必要最低限の日数だけ学校へ行っていた。真面に登校できたのは13歳に差し掛かる時だ...まぁ、金髪は...いなかったな。期待してたのか?」
 「君が学校へ行かなかったのはテニスの練習の為かい?」
 「...いや。」

 影村は部屋の天井を見上げる。竹下は影村の表情を見た。どこか曇った表情で天井を見上げる影村。数秒の後、彼は話始める。

 「...P.T.S.D患者だったからな。トリガーはラケットを握った時、それか集団でいるガキ共の声だ。」
 「...。」
 「ま、克服して今がある。去年の全県杯でお礼参りもできた。もうなんともねぇよ。」
 「フフ、そっか。」

 貫禄のある歴戦のプロプレーヤの様な精悍な顔つきの影村に対し、純粋無垢で聡明な笑みを浮かべる竹下。数秒間の間が開き、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

 メンバー達が続々と食堂へと入ってきてはテーブル前に座っていった。食堂では田覚と峰沢が話をしていた。

 「田覚さん、長旅おつかれさまでした。」
 「これからですよ峰沢先生。シングルスは順当に勝ち進んでいるようですね。むしろ、俺が来た理由は...」
 「ダブルスですね。」

 「えぇ、去年のインターハイでは五日市工業に、そして全県杯では雲出大恵に...あの2人を主にコーチングを行います。」

 「...止めませんよ。シングルスは一騎当千の実力者が2人いるんです。3日目でぶつかりますが、どちらも決勝まで足を進めるでしょう。私にできることは、男子テニス部を続けられるように土台をしっかりと管理する事だけです。」

 田覚と峰沢は頷く。田覚は食堂のテーブル前に座った。

 「......で、この料理の量は何だい?」
 「夕食です。」
 「...ん?」
 「夕食です。」
 「...マジか。」

 田覚はテーブルに並べられた食事の量に唖然とする。異常な量の小鉢料理や魚料理。一見無理矢理感があるように感じるが、冷静に考えると栄養価満点であり、特にたんぱく源の源になる白身魚や、アミノ酸を大量に含む青魚といった疲れた体を修復するには理想の栄養素が詰まっている。田覚は料理長に一礼した。

 ミーティングは食事を取りながら行われた。

 「今日から俺も同行する。主に高峰と山瀬のダブルス側へ付くが、竹下、影村は問題なさそうだな。」

 「フフ、お気になさらず。」
 「...あぁ。」

 「さて、高峰、山瀬。お前達の1回戦の相手は栃木県の代表校だ。ここは全県杯にも出場している。気を抜くなよ。高峰はひたすらコートの中をかき乱せ。山瀬は混乱した相手のボールを仕留める。これに尽きる。だが1・2回戦を勝ち進んでも3回戦目には気を付けろ。お前達を負かした雲出大恵高校。全県杯で当たった時の面子はもう引退しちまったが、その代わり新3年生の主力選手が来ると予測できる。全力で叩け。」

 「ウッス~!」
 「はい!」

 「そしてその次の日のシングルスだが...まぁ、何て言ったらいいか...竹下、影村...お前達気の毒にな。」

 「フフ、監督。どちらが勝っても恨みっこなしです。負けたら悔しいですが、それを糧にするだけです。な、影村。」

 「...あぁ。やる事をやるだけだ。」
 
 「お前達...。」

 竹下の言葉、そして影村の冷静な返事に田覚は複雑な表情になった。トーナメント表を見た限り、3日目に影村と竹下が衝突する。どちらが勝っても、後に勝ち進むであろう5人の天才達の誰かと連戦になる。佐藤は不安だった。自分の憧れだった竹下が万一負けた場合に掛ける言葉が見つからなかった。

 「...隆二。」
 「フフ...理恵華、大丈夫だよ。そしてみんな。どうか3日目の俺達の試合を見て欲しい。特に吉野、鼎。」
 「は、はい!」
 「はい!」
 「君達はいずれこの部を任せる事になる。よく見るんだよ。」
 「...フッ。だとよ吉野。」

 「はい主将、竹下先輩!後輩一同!観戦させていただきます!」

 「ウェーイ☆吉野~イケてるぅ~☆」
 「ウェーイ☆吉野~イケてるぅ~☆」

 「ちょ、チャラ先達チャラいっす!」

 「チャラ先 チャラ先 ウィ~」
 「チャラ先 チャラ先 ウィ~」

 「もぉ、2人ともチャラーい!」

 吉野が竹下の言葉に真面目な返事をすると、すかさず山城と高峰が彼を茶化す。時間は過ぎて食事が終わる。テーブルに並べられた大量の魚達がどこかへ行ってしまったかのように平らげられていた。代謝が高く成長の余力がある運動部の高校生にかかればあっと言う間だった。影村は船盛に備えられていたタンポポの花が食べ物なのか、ただの飾りなのかがわからず、それを口に入れようとしたところを旅館の女将に止められていた。

 同刻、東京都某所のレストラン

 少女と少年はディナーを楽しんでいた。元ATP世界ランク1位ノイマン・ヨーズニーの娘であり、ヨーズニーコーポレーションズのスカウトをしているノイエと、幼馴染で秘書役のエミールは、去年の全県杯で人知れず影村の決勝戦を生で見て以降、優勝した影村の事を調べて周っていた。

 「フフフ...今回も日本テニス連盟協会はヨシタカ•カゲムラの優勝をなかったかのように情報封鎖をする可能性が高いわね。」

 「えぇ、お嬢様。全県杯の後、連盟協会はヨシタカ•カゲムラの試合結果の改竄に乗り出そうとしたようですが、インターネットの配信を見たとある人物から警告があり断念した模様です。」

 「そう...救われたのね。」
 「えぇ。私はもう少しヨシタカ•カゲムラの情報を集めます。」
 「私はジャックへのプレゼントを考えるわ。」
 「かしこまりました。お嬢様。」

 2人は明日の予定を確認しながら食事をとった。暫くすると、ノイエは携帯端末の画面を見る。

 「コンタクト成功ね。」
 「よろしいのですか?問題にならなければいいのですが。」
 「問題ないわ。彼だってそれを望んでいるのだから。」
 「では早速迎え入れの準備を。」

 エミールは後ろに控えていたスーツを着た大人の男性らへ声をかけた。



 翌朝、青森県青森市 某所民宿


 民宿の前で海生代高校の面々がラケットバッグを担いで出発の準備をしている。高峰と山瀬は普段通りの調子で談笑しながら峰沢の運転する車へと乗り込む。後ろから影村達が続く。車両が試合会場へと向かう。影村は静かに外の景色を眺めていた。竹下は佐藤と談笑していた。どちらかの告白などの恋愛イベントも全くない状態だったが、最早彼氏彼女といった様子だった。

 バスは道を走り、会場である青森県総合運動公園へ到着する。試合会場の受付前はダブルスの選手達でひしめいていた。バスを降りた高峰と山瀬が受付へと向かって静かに歩いてゆく。同種、他種の選手達からの注目を集める中、海生代高校の面々が受付前へと到着する。

 「海生代...すっげぇ迫力。こえぇ...」
 「背高っか...肩幅すっげぇ。」
 「今年のインターハイ、体格でいい勝負なのって...」
 「あぁ、新羅鈴仙だよな。あいつらも相当いかついしよぉ...」

 「ね、ねぇ、あれ竹下君よ?」
 「静かにしてる時もさわやか~。声かけようかし...あの雰囲気じゃ近づけないわね。」

 「あれが海生代...あの海将って奴を初めて見たが...プロだろあれ。」
 「貫禄パネェ...ダブルスの2人の周囲も空気がピリピリしてるぞ。」

 「あのサイトにあった、めちゃくちゃな募集条件を切り抜けて入部した1年生のオーラも既にやばい。」
 「あぁ、どんだけ実戦経験の場数踏んだらあんな雰囲気出んだよ。」

 海生代高校の面々達は他校のひそひそ声もまったく気にしない様子で受付を終了させ、そのまま何も話さずベンチへと向かって行った。彼らが歩けばサーッと道が開かれるほどに影村の圧も強かった。しばらく道を歩いて、観客席のベンチに差し掛かったところで高峰と山瀬が胸に手を当てて口を開く。

 「空気重っも~」
 「空気重っも~」

 「フフ。」
 「...フッ。」
 「もう、竹下君に影村君圧がすごいよ。」
 「フフ、ごめんよ。」
 「でもぉ?☆みーんな俺達のことを警戒してるってことじゃね?↑俺達強~い↑」
 「もう、高峰のその自信はどこから出てくるのさぁ。」
 
 影村は高峰のいつも通りのチャラい振舞いを見るも、そのチャラい表情の裏側で果てし
 ないプレッシャーを感じているのだと推察した。事実、高峰の手は震えていた。

 「影村ッチ、何か緊張をほぐす方法...」
 「ねぇな。」
 「え!?即答!?」
 「フフ、コートの上で楽しめばいいんじゃないかな。」

 深呼吸して精神を安定させようとする高峰と山瀬。田覚がベンチの方から歩いてきた。妙に緊張している2人を見て、田覚はやれやれと額に手を当てた。

 「おいおい、まだ始まったばかりだぜ?確かに人生2度目のインターハイだが、緊張しすぎて実力出せませんでしたとか、訳のわからん言い訳する未来だけは全力で回避しな。」

 「ウッスー!田覚コーチ!」
 「はい!全員倒します!」

 「その粋だ。(まぁ、そうなるのも無理は無い。普通ならそうだ。だが...。)」

 田覚は視線を少し離れた場所で会話をしている竹下と影村へと向けた。

 「......。(今の海生代高校の現状、天才と海将...あの2人がいる事によるプレッシャーもあるだろうな...全く...たった1年経つかどうかっていう内に、弱小高が毎年全国出場の超強豪校みたいな扱いになっちまった。恐ろしい奴らだ。)」

 田覚は高峰と山瀬の肩を叩く。選手を試合場所となるコートへ促すようアナウンスが流れた。山城は後ろから高峰と山瀬に抱き着く。

 「ウェーイ!二人ともぉ!今日もド派手にパフォッちゃてぇ~☆」
 「ウェーイ!やっちゃうYO☆ヒュ~!」
 「もぉ、二人ともチャラーい!」

 いつものノリに緊張が緩和される。その姿を吉野と縣が見ていた。

 「チャラ先達マジパネェっす...。(いいや、やべぇのは山城副主将だ。あの2人さっきまで緊張してたんだ。今このタイミングで今のノリを逃せば、強豪校認定されているという重圧で押しつぶされる...俺達よりも実力がない事を自覚し、そして俺達よりも選手の心情がわかる...だから裏方に徹する。入部当初に影村主将が言ってた「裏方が運営し、選手がそれを回す。マネージメントあっての選手だ。忘れるな。」の本当にそれだ。)」

 「吉野、山城副主将ってさ。なんで弱いのにあんなにもれレギュラー達と絡んでんだ?」

 「縣、影村主将が入部の時に言った言葉を思い出せ。ただ選手が強いだけじゃ回ってかねぇってこともある。俺達は少数精鋭のチームだ。」

 「...そうか。だから影村主将は。」
 
 「あぁ、そうだ。強いだけじゃ烏合の衆。裏方がしっかりして、しっかりマネージメント...そして盤石な状態でこそ選手はコートで好き勝手出来る。」

 「俺達後輩をいやおうなしに何度も一般社会人の草トーに放り込むのも、練習だけで遊ばさせず、徹底した実践経験を積ませるためにと山城先輩や佐藤先輩の配慮しているって事か...マネージメント能力ぱねぇ...。」

 「わかってんじゃねぇか。縣。だから俺達も裏方を大事にしよう。」
 「あぁ、お前の言葉で目が覚めた。ありがとうよ。これ俺達の時代からの伝統にしようぜ。」
 「あぁ。」

 コートのベンチまで歩く2人の姿を見下ろす海生代高校のメンバー達。佐藤は胸元でぎゅっとこぶしを握り、高峰と山瀬へ静かにエールの視線を送る。竹下も佐藤の隣で静かに見守っている。1年生達もそれに続いた。影村は座ったままどっしりと構えてコートを見下ろす。その姿はもはや監督である。 

 「フゥー...」
 「高峰緊張してる?」
 「ウェーイ...」
 「いつも通りだね。」
 「ヘイヘイ~やっちゃうよ?ノブ~」
 「それじゃあ...」
 「あぁ、こんなところで躓くわけにはいかんのYO☆」

 高峰は隣に立つ山瀬を見る。山瀬からあどけない子供の表情がなくなっていき、まるで無機質でロボットのように無表情となった。逆に高峰は目を瞑って空を見上げる。意気揚々と湧き出てくるテンションに口元を笑わせる。2人はそのままコートの前へと横並びで立った。高峰がこぶしを出すと山瀬も拳を合わせる。そして自身をはやし立てるように高らかに叫ぶ。

 「Let's get started! Nice, cool and tricky!さぁいくぞ!ナイスにクールにトリッキーに!Yeah!」

 高校テニス界史上まれに見ぬコンビがコートの上で暴れようとしていた。対戦相手のペアは彼らとの実力差、そしてあふれ出る圧に言葉を失う。田覚は高峰と山瀬を見て、2人が山森ペアと肩を並べるのも近いであろうと確信した。
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