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Moving On

manuscript. end of chapter.

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 陣内東詰テニススクール

 影村の精密なヒッティングパートナーとしての返球に、男子テニス部一同が目をパッチリと開けて見入ってしまう。ヒッティングの相手である竹下が猛烈なトップスピンを掛けようが、左右に振ろうが、影村には関係なかった。影村は6割の力で竹下の打ち易いであろう場所に精密に同じ球種、同じ高さ、同じ力加減で完全にコントロールされたボールを返す。彼は自分の指導者でスパルタ教育で有名なハリー・グラスマンの事を思い出す。

 ”テメェらヒッティングパートナーならあの輪っかに籠のボール全部入れ続けろ!何があってもだ!“

 スパルタで有名なハリー・グラスマン。試合で勝った時や、ファインプレー、そして何か人の為になることをやった場合は、ちゃんとその当事者を褒めて伸ばす器量も持ち合わせていた。なによりコートの外ではとてもやさしい2人の娘を持つ父親だった。それが彼らの心を掴み、世界へと巣立って出て行った名プレーヤー達が「グレート・ファザー」と呼ぶ所以だった。

 影村は竹下のボールをコンパクトフォームでライジング気味のタイミングにより返球していた。竹下は押されて後ろへと下がっていく。そしてボールをネットに掛ける。佐藤は震えた手でストップウォッチの停止ボタンを押した。3分25秒。たった1球でこれだけの時間のラリーが続く。まるで機械のように影村のショットが打たれる。彼女は内心気が気でなかった。

 影村のバウンドしてすぐに次のボールをランダムで落とす鬼のようなボール出しを、一人につき籠のボールが尽きるまで打たせた。事故で影村に飛んで行ったボールも球出しにカウントされるため、彼は打ち返してさらにメンバーらを振り回した。これには息が上がった面々達。さらにその次はポイントのない試合形式の練習を行っていた。それにはある制約が掛かっていた。1対1の最初のサーブ以外はシングルスコートのベースラインとサービスラインの中だけで試合を行う事である。

 「ヒ...ヒィ...ヒィ...。」
 「ハァ...ハァ...。」
 「フー...フー...フー...。」

 練習が終わる。体力切れが起こりコート面に張り付くように倒れる男子テニス部の面々。息絶えた様に転がるそれを見た田覚は、後に新貝へこの事を「死屍累々だった。」と酒の席で語ったという。

 「カゲ...ムラ...オニ...カヨ...!」
 「ハァ...ハァ...水...水...ハァ...ハァ...!」
 「フフ...コレ...イイネ...コレダケ...ヤラナイト...ブランク...トレ...ナイ...。」

 「ってみんな大丈夫!?」

 佐藤が3人を心配して声をかける。そして影村の方を見て抗議の視線を送る。

 「あんた!3人共ヘタってるじゃないの!明日に響いたらどうするのよ!」
 「これ初心者クラスのメニューだぞ。つーか明日練習ねぇだろ。」
 「...これが初心者!?」
 「俺がガキの頃にやらされてたメニューだ...あっちに行ったばかりだから、10歳の時だったか。」
 「10歳...あんた...一体...高校入って初めてテニスするんじゃ...。」
 「そんな奴が2回目のミーティングで、せーので賞金出す訳ないだろう。練習は終わりだ。片付けするぞ。」

 竹下は立ち上がると爽やかな顔が疲労に崩れているヨレヨレな状態で歩いて水を飲んだ。高峰と山瀬も立ち上がると互いに肩を支え合ってベンチまで歩く。佐藤は影村が一体何者なのかが気になった。照山が佐藤の前へと歩いてくる。

 「翔子先輩。」
 「ヤッホー。3人共随分とやられたみたいね。」
 「え?翔子先輩知ってたんですか?」
 「フフフフ。じゃなきゃヘタレの岡部が勝ち上がれたと思いますか?」
 「岡部先輩もやったんですか?」
 「そうよ。時間が無いって影村に相談したら、今と同じメニューをやったの。」
 「なんなんですか...彼は。」
 「片付け終わったら話すわ。ほら、支度して。」

 照山は片付けを終えると田覚へと報告し、佐藤を連れて二人でスクールを出て行った。

 「え、あ、あれ?竹下君は?」
 「竹下君には話しちゃダメな内容があるの。」
 「...翔子先輩...ぅぅぅぅぅ...。」
 「あんたねぇ。16にもなって誰かに依存するんじゃないの。男は自立した女性にグッとくるのよ。ほら行くわよ。」
 「でもぉ...。」
 「強い女なら、でもだっては使ってはいけません。」

 彼女は一方的に竹下へ依存しているのか、彼がロッカー室から出てこないかと辺りを見回すも、照山が彼女の鞄を引っ張って制止して彼女を連れていった。その先には酒井、山城、そして岡部の姿があった。

 「そんなに影村君の事が知りたいなら教えてあげるわ。言わなかったのも悪いけど、あなたが彼の事を只のサボり魔だって決めつけて、敵意を向けている現状に腹が立ってしょうがなかったの。だから言う事にするわ。」

 「先輩達?」

 「おう、理恵華ちゃーん。」
 「佐藤さん。照山すまないな。」
 「いいの。近くのファミレスでいいわね。行きましょう。」

 佐藤は先輩一同によって、近くのファミリーレストランまで半ば連行されるように入口へと入っていった。4人掛けの席でドリンクを飲みながらミーティングが始まる。

 「翔子先輩、話って何ですか?」
 「あなたはよくやってるわ。いつもの選手へのサポートありがとうね。」
 「は、はぁ...。」
 「今から話すのは、影村君の事よ。」
 「...彼一体何なんですか?全然部活に来ないし、来ても今みたいに指導者面してボール出しや、今日みたいに過酷な練習メニューやらせるし...」
 「あれ、膨れて、可愛い。」
 「むぅぅぅぅ!」

 照山は目を瞑って静かにコーヒーを一口飲むとそれを置いて再び佐藤へと視線を戻した。

 「まぁ、そう膨れないで。あなたがそう思うのも無理はないわ。でもこれはむしろ竹下君の為でもあるわ。」
 「竹下君の?」
 「そう。あなた口軽いじゃない?」
 「そ、それは...自覚...ありますけどぉ...。」
 「フフ、なら話さなくて正解だったわね。実はね。今借りているコート代、コーチ代、試合の料金や合宿の費用...どこから出てると思う?」
 「会計とか予算管理は高峰君がやってましたよね?」
 「そうね。でもどこからその資金が出ているのかはわからない。」
 「...翔子先輩までどうしたんですか!」

 佐藤は席を立って声を張り上げて照山に言うも、すぐに周囲からの注目の的となったことに気付き、恥ずかしそうにゆっくりと座った。照山はもう一度コーヒーを飲んだ。隣で座っていた岡部が口を開く。

 「佐藤さん。今までの運用資金...捻出してたのは影村なんだよ。」
 「.....え?嘘でしょ?あんなサボり魔が?」
 「...主将の俺が話そう。」

 佐藤の動きが止まる。彼女は動揺した。先輩達から聞かされる影村の話。これまでずっとメンバー達の為に、部活の運営費から何から全て必要なお金を賞金稼ぎとして日夜動き回り稼いでいた事、そして、その会計を高峰が行っていた事。竹下のインターハイ予選突破において、彼のメンタルに支障が出ないよう秘匿していた事すべてを佐藤へと話した。その途上で行われた試合で、国内プロ達、5人の天才の一人である龍谷をストレートで下した事。そして先日行われた山瀬の兄がいる東越大の助っ人試合でJOPの代表選手、5人の天才の頂点にいて、竹下が倒したいと掲げていた目標としていた八神にストレートで勝っている事。佐藤は自分が影村の事をサボり魔と決めつけていたことを後悔する。ファミリーレストランから出た彼女はどこか虚ろな顔で帰宅した。

 竹下は影村に呼び出される。練習でクタクタになった3人がロッカールームから出てくる。照山から、この日全員夕食は外で食べるというお達しが出ていた。

 「あー腹減ってぇ、僕ちん動けな~い☆、ノブノブにベッタ~」
 「ぐわー汗がぁぁ!やめへ!」
 「フフ、元気だね2人共。影村遅くなった。」
 「おう...行くぞ。」

 影村は3人を先導するように前を歩き始める。近くの踏切前で路地を曲がったところにある笹林亭に到着した。3人はレトロな外観の中華料理屋を前に戸惑ったが、影村が何の抵抗も無く入っていくのを見たため後に続いた。

 「いらっしゃネ。お、また来たネ!」
 「.....おう。」
 「4人席空いてるから座るネ。」
 「あー、俺は炒飯大盛と、汁なし担々麺大盛、カシューナッツ増し。お前らどうする?」
 「フフ、俺は普通の担々麺とから揚げを。」
 「僕は天津飯とギョウサをお願いします。」
 「イエ~イ!俺っちチャーシュー麺とユーリンチー!」

 「あいよ!学生4人ネ!少しサービスしとくよ!」

 「いつもすまねぇ。」
 「いいってことよ。常連だからネ!」

 影村達が注文を終えると店主は中華鍋に油をしいた。そして手際よく餃子を専用の焼き器へと入れて焼き始め、から揚げの段取りを始めた。その後すぐに麺をゆでる。麺をゆでる間に炒飯を炒め始めた。全て手際よくこなしている店主にの動作に4人は釘付けになった。

 「しっかし影村っち。良くここ見つけたな。」
 「あぁ、コーチが教えてくれたぜ。」
 「フフフ、コーチの行きつけなんだね。」
 「僕こう言う内装のお店好きだよ。」

 店主がどんどん手際よく料理を作り上げ、あっという間にテーブルの上は料理で一杯になった。4人は空腹を満たすため「いただきます。」の後すぐに食べ始める。店主は相変わらずの食べっぷりだと腰に手を当てて彼らを見ていた。

 「影村っち、6月に県の選抜合宿があるってさ。俺達4人全員参加だって。なんか、次の主将を決めて報告しないといけないから、影村っちにしといたぞ。」
 「ブッ...ゲッホゲッホ!」
 
 「ハッハッハッハッハ!」

 影村は高峰の情報を聞くと思わず炒飯でむせた。喉に引っかかるものを水を飲んで流し込むと、小さく咳をして落ち着くと3人の方を向いた。

 「で、何で俺なんだ?」
 「フフフ、県予選が終わった後、高峰から聞いたよ。全部。影村。ありがとう。」
 「...礼は優勝してからにしな。」
 「影村君は、ずっと僕達のために何が最善かを考えて動いてくれたんだ。竹下君が全国へ行ってクラファン募集すれば活動資金が一気に集まってくる。影村君も同じこと考えてたんでしょ?」
 「...まあな。」
 「ヒュ~☆影っちぃ~☆↑カ~ックイイ~☆↑」

 「おめぇ、さっきの標準語どこ行った。」

 「ゲッホ!」

 「竹下君が担々麺の山椒でむせた!」
 「水飲む...ゲッホ!」

 竹下は水を飲んで深呼吸すると、スープの上でダマになって固まっていた山椒の粉を溶いて麺を食べ始めた。今度は上手く行った様だったが、次は辛さにむせる。しかし当人は割と辛いものは平気だった。影村も汁なし担々麺を混ぜて食べる。彼は竹下へ自分が今まで、部の外で何をしていたのかという情報を、高峰が代わりに話してくれていた事に感謝した。

 「お、食ってるなぁ学生共~。」

 「あ、コーチ!」
 「おつあれさまーっすぅ☆」
 「フフ、お疲れ様です。田覚さん。」

 「おっちゃん。ラーメンと青菜炒め。」

 「あいよー!」

 田覚が店へと入ってきた。海生代男子テニス部の面々は挨拶をすると、そのまま田覚も交えて部活とは全く関係ない話をして談笑をしながら食事をとり、その後各方面へと帰宅した。影村は駅の近くにある本屋のスポーツ雑誌コーナーにいた。大手出版社のテニス雑誌を見た影村はとある記事を見つける。

 ” 世界のトップジュニア編 1位ローマン・スタン、2位アンディ・バーグ、3位ジャック・ロブロド、4位マルコス・リゲド ジュニアテニス界をこのイケメン4人が独占!“

 影村は途中で読むのをやめると書店を出た。夕闇と夜の境界線がはっきりと上下で別れた空の下、車は通るが人通りの少ない閑静な市街道市の町明かりは、どこか静かにそして寂し気にぼんやりと光る。遠くに夕闇の下で赤い航空障害灯をゆっくりと明滅させる工業地帯が薄っすらと見えていた。影村は夜空を見上げて駅へと向かって行った。


 6月某日 千葉県山武市蓮沼曙 テニスガーデン

 県下最大級と云われる人工芝入りコート20面を誇るテニス施設。硬式、軟式問わず合宿人気スポットの一つであるその施設に、県内から選りすぐりの高校生テニスプレーヤー達が集まる。菊池台東高校の横田兄弟、永新第2高等学校男子からは槇谷と植島が招集されていた。そのほかにも強豪と呼ばれる高校エース級の選手達が勢揃いしていた。皆がピリピリしている中、早速衝突が起ころうとしていた。

 「おい、横田兄弟。去年はよくもうちのキャプテンを...」
 「あぁ?あー、あんときの...だってあいつら実力ないくせに俺達をからかってたじゃん?なぁ徹。」
 「1年だってバカにしてさ?なあ輝。」
 「......ック!」
 
 衝突は槇谷と横田兄弟だった。その他の強豪校の面々達は彼らを見て騒めく。一方バス停からテニスウェアの上に黒いジャージを羽織った4人の選手が、会場であるテニスガーデンへと歩いてくる。会場で言い争っている横田兄弟と槇谷を除いた強豪校の面々が、ある噂となっている高校の選手達について話をしている。

 「な、なぁ。今回の合宿ってこの面子だけじゃないんだろ?」
 「そうそう、あの新貝監督が直々に特別参加枠で母校の海生代高校を呼んだんだてよ。うちの学校の監督怒ってた。」
 「海生代?聞いたことねぇよあ。」
 「海生代って水泳と剣道と女子テニスがすげぇって聞いたぜ?」
 「なんでも、5人目の天才が見つかったんだって。ネットニュースで見たぜ。」
 「うわ、マジかよ。横田兄弟に勝った天才竹下がいるって噂の?」
 「いや、竹下だけじゃねぇ。トリックスターの高峰と鉄壁の山瀬がいるんだって。2人も全国行ったって話だ。」
 「で、でもさ。俺聞いちまったんだ...噂の高校生賞金稼ぎも海生代だって...。」
 「マジかよ...で、プロにもストレートで勝っちまうような奴まで?今年の海生代やべぇな。」
 「あぁ、俺の親父が草トーの会場で高校生賞金稼ぎ見たんだって。なんでもすげぇ筋肉してる大男なんだってさ。」
 「な、おいあれ...。」
 「来たぞ。あれが海生代...って、何だよ!?先頭のやつめっちゃでけぇ!」

 強豪校の選手1人が歩いてくる4人の男達を指さした。背中には大きな波の線紋様に、筆で荒々しく“  ‛海 、”と大きく書かれた黒いジャージ。影村がそれを羽織る姿はまさに圧巻だった。デザインした酒井も、影村が試しにそれを羽織った際に感無量で目が潤んだほどだった。一行は集団を通り越して受付へと歩く。その背中を見る彼らは海生代のシンボルマークである毛筆で荒々しく書かれた” `海 .“の文字を見て固まる。海生代の羽織っているジャージは協力してくれた藤谷デザイン工房社の粋な計らいで、乾燥時に剥がれないようにバックの絵柄をプリントではなく染め上げに、そして海と波の模様は刺繍という日本伝統の技術を駆使した仕上がりとなっている。その為、歴代の海将を始めレギュラー陣のみが羽織れる程に数量は限られる。お代は県大会後に影村が工房を訪れ、こっそりと積んだ8万で依頼したものだった。酒井はこれにも感激した程だったが、それは照山と影村の2人の内緒の上での事だった。

 「な、なぁ...あのジャージ見たことないんだけど...部活専用のジャージじゃね?」
 「なぁ!あの海の文字と波の線模様!かっけぇなぁ!」
 「あぁ、やべぇ...マジやべぇ...あとで撮らせてもらおう。」
 「あれが竹下...それに高峰と山瀬...あのでけぇのが賞金稼ぎか...。」
 「千葉県中の草トーナメントを荒らしまわってる奴...」
 「つーか、あんだけでけぇって...サーブかなりの確率で入るじゃん...。」

 影村の背中に周囲の強豪校の選手達の視線が突き刺さるも彼が振り向いた途端、前髪に隠れている眼光が彼らの本能を氷付かせた。影村はヘアゴムをポケットから取り出すと、降ろしていた髪を束ねて後ろで結んだ。そして言い争いをしている横田兄弟と槇谷の間へ入った。

 「......!?」

 徹は異常な威圧感と体格の大きさを誇る影村に言葉も出ず圧倒される。槇谷は足が震えていた。輝は影村の強い眼光に言葉を失う。3人は冷静になる。竹下も影村の後ろから歩いてきた。

 「テメェら...そこまでだ...。」

 「か、海生代!? お、お前らも招集されたのか。」
 「竹下、次のインハイは負けねぇからな。」

 「フフ、どっちがどっち?」
 「...どっちがどっちだ?」
 
 「いや、わかるだろ!わざとかよ!」
 「いや、わかるだろ!わざとかよ!」

 「わかんねぇな...。」
 「フフ、そうだね影村。」

 「つーか、影村?だっけ?いつ見てもおっかねぇな。マジでアウトローみたいな見た目じゃん。」
 「...これが自然体だ。」
 「まあいいや、合宿よろしくな。」

 影村の精悍な面構え、その素顔を見た強豪校の選手達は彼を一目見た瞬間「あ、こいつやべぇ奴だ。」といった表情を顔に出していた。その隣では竹下が爽やかな笑みで、マネージャー達の声掛けに答えていた。

 「キャー!竹下君!」
 「スゴーイ!本物本物!」
 「マネージャーやっててよかったぁ!」

 騒ぐ他校の女子達を余所に、監督とスタッフの面々が集まってきた。新貝を始め、強豪校のコーチの姿も見えた。田覚は自分の仕事があるため欠席となっていたが、翌年からは新貝に弱みを握られたのか、重森に言われたのか不明ではあるが渋々参加している。まず他のスタッフが全員に声をかけた。

 「はい、皆さま。遠路遥々海岸線のこの場所までご苦労様です。それではさっそくグループ分けを行います。まずダブルス選考枠はグループA、シングルス選考枠はグループBまでお願いします。」

 スタッフらの呼びかけで戸惑う高校生達の中、海生代の面々は余裕の表情を浮かべていた。彼らの合宿が始まる。そしてインターハイ後の全県杯と呼ばれるその戦いで、影村と竹下を含めた5人の天才が大暴れしたことで海生代の名は全国へ一気に轟く事になる。


 ”I let my racket do the talking.“ 話し役はラケットがやるよ。

 ”That’s what I am all about, really.“それが僕のすべてだ。

 ”I just go out and win tennis matches.“僕は外へ出て試合に勝つだけなんだ。

 Pete Samprasピート・サンプラス
 

 次章Proving onは、影村が全県杯へ出場し、世間の目にさらされる事。その後インターハイ、選抜戦を戦う海生代高校男子テニス部時代の黄金期が語られる事となる。少年達の純粋な競技への情熱、才能、大人達の思惑、少年達の行動。全てが動きそして複雑に絡み始める。
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