22 / 27
第22話
しおりを挟む
エピオニア王が、予想外の行動をしたのが、引き金になったのは、言うまでもない。
〈策におぼれちまったか〉
ザインはシーツをアインリッヒに預け、丸裸のまま立ち上がり、戦いに備える。
「待つのだアーラッド!そちの国を思う君の気持ちも解る!」
「黙れ!貴方は大人しく私の言うことを聞いていれば良かったのです。そうすれば何時までもこの国の王でいられたものを!」
アーラッドの両手に炎の球が灯る。単純なファイアボールの魔法だが、屋内では、それで十分だ。
「アーラッド!貴様!ぐああ!」
エピオニア王は、叫んだ瞬間アーラッドの投げつけたファイアボールにより、あっと言う間に丸焦げにされてしまう。外見以上の火力を持ち合わせている。彼がその当たりの魔導師とは、格が違うと、ザインに理解させるのに、十分な力量だった。
「てめぇ!」
ザインは、まるでそこに剣があるかのように、柄を掴み矛先をアーラッド向ける構えを取る。そして、じりじりとアーラッドに寄る。
「おやおや、剣の持たぬ貴方が、私に挑むんですか?」
「ソウルブレード!!」
ザインは彼の問いに答えず、大声を上げ、アーラッドに対し縦一文字に手を振り下ろす。一瞬の閃光が、アーラッドを真っ二つにする。だが、その場に倒れたのは、アーラッドではなく、真っ二つになった蛇だった。
「幻影!」
アインリッヒが、身を整えながら、ベッドから飛び起き、ザインの側による。魔法は、遠隔操作によるものだ。予め仕込んでおいたものだ。
「ち!」
ザインも服装を整え、二人で部屋を出る。すると、そこにはすっかり装備を固めているジーオン達がいた。ザインの剣もアインリッヒの鎧もそこにある。元々装備の軽いザインは、肩当てと、剣さえ装備すれば準備完了だ。アインリッヒだけが一時部屋に引きこもり、装備を整える。
「コレで、私たちを覗き見していた張本人も、解りましたね」
五人揃った時点で、ロカが引き締まった声で言う。
「気にくわねぇ!何でわざわざ遠隔操作なんだ!部屋の外からじゃ、イチコロだった!」
「そりゃ無理じゃ、儂ずっときいとったから」
意図も簡単に己の所業を口にするジーオンだった。アインリッヒが鎧の隙間から湯気を噴きながら、硬直してしまう。ロカは、それは知らないと言いたそうに外をむく。
「全く。この非常時に……」
ロン一人が冷静に呆れ返っている。しかし、もしあの時に巨大な魔法の気配を感じていれば、間違いなくジーオンの防御魔法により、ザイン達は守られていただろう。複雑な気分だが、感謝しなければならない。
「それより奴は、何処だ?」
ロンは、長い廊下を左右に見渡し、方向を見定めようとする。
「こう言うとき、敵さんのいる場所は、権力を象徴しているところさ」
彼の質問に簡単に答えるザインだった。表情も特に険しさを出していない。そして彼は皆を先導し、玉座の間に足を運ぶ。皆眠り入っていっているため、実に静かだ。王妃と姫君には可哀想だが、事が済んだ時点で、王が死んだ事実を告げなければならない。
ザインは玉座の間の扉を勢い良く引き開ける。アインリッヒがライトの魔法で、室内に明かりを灯した。
そこには予想通り、アーラッドが玉座に腰を掛け待ちかまえている。嫌に口元だけがハッキリと見える。それは自信に満ちあふれたものだった。
「貴方が、真のノーザンヒルであったことが、誤算でしたが、それももう、どうでも良いことです。全ての準備は整いましたから……」
不適に微笑むアーラッドだった。国王を殺したことの後悔など、みじんも感じられない。
ザインは異常なムカつきを覚え、柄を握っていた手が鋭く剣を引き抜く。それが合図かのように、ロンもアインリッヒも剣を抜く。
〈変だ。魔導師にしては、間合いが短すぎる。この距離なら、奴の詠唱より、俺達の方が速い……〉
ザインはそう思いながら、そして、こう言いながら、一気にアーラッドに飛びかかる。そして同時にこういう。
「防御しておけ!」
飛びかかったザインに向かい、アーラッドが掌を差し出す。すると、その直後、火炎弾がザインを襲う。しかし、何かが起こることを直感していたザインは、紙一重でそれをかわす。
しかしザインを襲う火炎弾は一発だけではない、次々に彼を狙ってくるのだった。アーラッドとの間合いを詰めるのを不可能に感じたザインは、無理なく火炎弾をかわすことの出来る位置にまで下がる。それは必然的に、元の位置になる。
ザインがもと居た位置に帰ると、アーラッドの方も攻撃を仕掛けるのを止める。無駄な魔力消費を押さえるつもりだろう。
「ち!詠唱無しか……」
ザインが舌打ちをしながら、忌々しそうに言う。
「詠唱なしのファイアボールですね。あれぐらいなら僕にも出来ますよ」
すぐにロカが、相手の分析をしてくれる。詠唱を抜いた魔法は、たとえ単純な魔法であろうとも、高等な技術である。言葉のプログラムである詠唱は、いわば魔法行使に対する通訳である。この場合コレを省くと言うことは、火の精霊に直接話しかけることに当たる。もしくは威圧による絶対服従を強いるかである。つまり、アーラッドの魔力のキャパシティーの大きさを示す事にもなる。
「奴さん余裕だな。座ったままだ」
ロンが一歩前に出る。だが、さらにアインリッヒが前に出る。
「見ていろ」
そして、ザインと同じように、一気にアーラッドまで詰め寄る。彼も同じように、ファイアーボールで応戦する。しかし、アインリッヒはそれをかわすこともせず、強引にアーラッドとの間合いを詰める。全ての攻撃を鎧ではじき返しているのである。そして、己の間合いまで来ると、床を破壊しながら踏ん張り、横凪にアーラッドに剣を振るう。
「なに?!」
しかし、彼に剣が当たったと思う直後、その姿は既に無い。
「上だ!」
すぐさまザインの指示が入る。アーラッドはまるでコウモリのように天井にぶら下がり、掌をアインリッヒに向けている。
「はぁ!!」
気合いの隠ったアーラッドの声と共に、雷撃系の呪文が、アインリッヒを襲う。彼女も重厚な鎧を身につけながらも、片手でバック転をしながら、元の位置にまで戻る。彼女が動く度に、床がひどく傷む。それほどの装備で、良く動けたものだ。一同はアインリッヒの力というものに、改めて関心してしまう。
アーラッドはまたもや攻撃を止める。まるでザイン達をからかっているようだ。
「流石に、雷は怖いか」
アーラッドは再び床に足をつける。
「ユリカ!彼奴の動きは魔導師を越えている!!」
「みりゃ解るさ。それより無茶すんな、ジーサン。ロカ、どっちでも良い、マジックシェルで、身を守りつつ、力を温存しておいてくれ、ロン、アインリッヒ。奴には未だ僅かな隙がある。俺が隙を誘う。二人は、奴を殺れ、なるべく早くな」
ザインは、指示を出すと一気に突っ込む。しかし、先ほどのように単調に突っ込むのではなく、途中で最小限に回り込む形を取る。
即座にアーラッドが応戦してくる。彼の視線が、ザインに向いたときだ。ロンとアインリッヒが、ザインの指示通り攻撃を仕掛ける。すると、アーラッドは大人しくしていた左手を上げ、両手で三人を牽制しに掛かるのだった。
アーラッドの攻撃で、そこら中穴だらけになり始める。
〈策におぼれちまったか〉
ザインはシーツをアインリッヒに預け、丸裸のまま立ち上がり、戦いに備える。
「待つのだアーラッド!そちの国を思う君の気持ちも解る!」
「黙れ!貴方は大人しく私の言うことを聞いていれば良かったのです。そうすれば何時までもこの国の王でいられたものを!」
アーラッドの両手に炎の球が灯る。単純なファイアボールの魔法だが、屋内では、それで十分だ。
「アーラッド!貴様!ぐああ!」
エピオニア王は、叫んだ瞬間アーラッドの投げつけたファイアボールにより、あっと言う間に丸焦げにされてしまう。外見以上の火力を持ち合わせている。彼がその当たりの魔導師とは、格が違うと、ザインに理解させるのに、十分な力量だった。
「てめぇ!」
ザインは、まるでそこに剣があるかのように、柄を掴み矛先をアーラッド向ける構えを取る。そして、じりじりとアーラッドに寄る。
「おやおや、剣の持たぬ貴方が、私に挑むんですか?」
「ソウルブレード!!」
ザインは彼の問いに答えず、大声を上げ、アーラッドに対し縦一文字に手を振り下ろす。一瞬の閃光が、アーラッドを真っ二つにする。だが、その場に倒れたのは、アーラッドではなく、真っ二つになった蛇だった。
「幻影!」
アインリッヒが、身を整えながら、ベッドから飛び起き、ザインの側による。魔法は、遠隔操作によるものだ。予め仕込んでおいたものだ。
「ち!」
ザインも服装を整え、二人で部屋を出る。すると、そこにはすっかり装備を固めているジーオン達がいた。ザインの剣もアインリッヒの鎧もそこにある。元々装備の軽いザインは、肩当てと、剣さえ装備すれば準備完了だ。アインリッヒだけが一時部屋に引きこもり、装備を整える。
「コレで、私たちを覗き見していた張本人も、解りましたね」
五人揃った時点で、ロカが引き締まった声で言う。
「気にくわねぇ!何でわざわざ遠隔操作なんだ!部屋の外からじゃ、イチコロだった!」
「そりゃ無理じゃ、儂ずっときいとったから」
意図も簡単に己の所業を口にするジーオンだった。アインリッヒが鎧の隙間から湯気を噴きながら、硬直してしまう。ロカは、それは知らないと言いたそうに外をむく。
「全く。この非常時に……」
ロン一人が冷静に呆れ返っている。しかし、もしあの時に巨大な魔法の気配を感じていれば、間違いなくジーオンの防御魔法により、ザイン達は守られていただろう。複雑な気分だが、感謝しなければならない。
「それより奴は、何処だ?」
ロンは、長い廊下を左右に見渡し、方向を見定めようとする。
「こう言うとき、敵さんのいる場所は、権力を象徴しているところさ」
彼の質問に簡単に答えるザインだった。表情も特に険しさを出していない。そして彼は皆を先導し、玉座の間に足を運ぶ。皆眠り入っていっているため、実に静かだ。王妃と姫君には可哀想だが、事が済んだ時点で、王が死んだ事実を告げなければならない。
ザインは玉座の間の扉を勢い良く引き開ける。アインリッヒがライトの魔法で、室内に明かりを灯した。
そこには予想通り、アーラッドが玉座に腰を掛け待ちかまえている。嫌に口元だけがハッキリと見える。それは自信に満ちあふれたものだった。
「貴方が、真のノーザンヒルであったことが、誤算でしたが、それももう、どうでも良いことです。全ての準備は整いましたから……」
不適に微笑むアーラッドだった。国王を殺したことの後悔など、みじんも感じられない。
ザインは異常なムカつきを覚え、柄を握っていた手が鋭く剣を引き抜く。それが合図かのように、ロンもアインリッヒも剣を抜く。
〈変だ。魔導師にしては、間合いが短すぎる。この距離なら、奴の詠唱より、俺達の方が速い……〉
ザインはそう思いながら、そして、こう言いながら、一気にアーラッドに飛びかかる。そして同時にこういう。
「防御しておけ!」
飛びかかったザインに向かい、アーラッドが掌を差し出す。すると、その直後、火炎弾がザインを襲う。しかし、何かが起こることを直感していたザインは、紙一重でそれをかわす。
しかしザインを襲う火炎弾は一発だけではない、次々に彼を狙ってくるのだった。アーラッドとの間合いを詰めるのを不可能に感じたザインは、無理なく火炎弾をかわすことの出来る位置にまで下がる。それは必然的に、元の位置になる。
ザインがもと居た位置に帰ると、アーラッドの方も攻撃を仕掛けるのを止める。無駄な魔力消費を押さえるつもりだろう。
「ち!詠唱無しか……」
ザインが舌打ちをしながら、忌々しそうに言う。
「詠唱なしのファイアボールですね。あれぐらいなら僕にも出来ますよ」
すぐにロカが、相手の分析をしてくれる。詠唱を抜いた魔法は、たとえ単純な魔法であろうとも、高等な技術である。言葉のプログラムである詠唱は、いわば魔法行使に対する通訳である。この場合コレを省くと言うことは、火の精霊に直接話しかけることに当たる。もしくは威圧による絶対服従を強いるかである。つまり、アーラッドの魔力のキャパシティーの大きさを示す事にもなる。
「奴さん余裕だな。座ったままだ」
ロンが一歩前に出る。だが、さらにアインリッヒが前に出る。
「見ていろ」
そして、ザインと同じように、一気にアーラッドまで詰め寄る。彼も同じように、ファイアーボールで応戦する。しかし、アインリッヒはそれをかわすこともせず、強引にアーラッドとの間合いを詰める。全ての攻撃を鎧ではじき返しているのである。そして、己の間合いまで来ると、床を破壊しながら踏ん張り、横凪にアーラッドに剣を振るう。
「なに?!」
しかし、彼に剣が当たったと思う直後、その姿は既に無い。
「上だ!」
すぐさまザインの指示が入る。アーラッドはまるでコウモリのように天井にぶら下がり、掌をアインリッヒに向けている。
「はぁ!!」
気合いの隠ったアーラッドの声と共に、雷撃系の呪文が、アインリッヒを襲う。彼女も重厚な鎧を身につけながらも、片手でバック転をしながら、元の位置にまで戻る。彼女が動く度に、床がひどく傷む。それほどの装備で、良く動けたものだ。一同はアインリッヒの力というものに、改めて関心してしまう。
アーラッドはまたもや攻撃を止める。まるでザイン達をからかっているようだ。
「流石に、雷は怖いか」
アーラッドは再び床に足をつける。
「ユリカ!彼奴の動きは魔導師を越えている!!」
「みりゃ解るさ。それより無茶すんな、ジーサン。ロカ、どっちでも良い、マジックシェルで、身を守りつつ、力を温存しておいてくれ、ロン、アインリッヒ。奴には未だ僅かな隙がある。俺が隙を誘う。二人は、奴を殺れ、なるべく早くな」
ザインは、指示を出すと一気に突っ込む。しかし、先ほどのように単調に突っ込むのではなく、途中で最小限に回り込む形を取る。
即座にアーラッドが応戦してくる。彼の視線が、ザインに向いたときだ。ロンとアインリッヒが、ザインの指示通り攻撃を仕掛ける。すると、アーラッドは大人しくしていた左手を上げ、両手で三人を牽制しに掛かるのだった。
アーラッドの攻撃で、そこら中穴だらけになり始める。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる