ずっと隣に

をよよ

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桃の章

成長した?家庭科

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 「胃袋でαを掴め!、今日のメニューはパスタでーす。茹でる、味をつける、のツーステップです。」

 今日の調理実習はパスタだ。チャーハンより手順が減ってる!今度こそ成功させるぞ。

 「光くん、何味にする?」

 「あ、待って。一宮君にはこれで作ってもらえるかな。」

 味付けを決めようとしてるところに先生がやってきた。貰ったのはパスタの写真がついてる……箱。

 「誰でも簡単カルボナーラ……。これを作るってことですか?」

 「うん、その中にソース入ってるから、それを混ぜればできるんです。」

 「いや、でもそれじゃあ……」

 「うわぁ、これ僕が食べたいやつ! 唯、これで作ろう!!」

 「あ、そう? 光くんがこれがいいならこれにしようか。」

 味付けも決まったことだし、調理器具を用意して料理を始める。

 「えーと、パスタを茹でる。鍋にお湯入れてこの硬いの入れればいいんだね、簡単だ。」

 お湯を沸かしてパスタを一本ずつ入れていく。

 「馬鹿、早く全部入れろ。」

 「えぇ、あわわわわ。」

 早くも光くんからの指摘が。慌ててパスタを全部入れる。タイマーをセットしてできるのを待った。

  ピピピピピピ

 「光くん、できたってよ。ここにこれ入れればいいの?」

 「わー、違う違う。お湯全部捨てて。」

 お湯を捨てる……、どこに?どうやって???

 「おたまですくえばいいかな。」

 「どんだけ時間かけるの。今日はやってみせるから、次は頑張るんだよ。」

 そう言うと光くんは鍋を持って流しに行き文字通りお湯を捨てた。

 「わぁー、湯気凄い。」

 「はいこれ、フライパンに移して、さっきのソース入れて混ぜて。」

 「はーい。」

 言われた通り移して袋の口を切って入れた。中からソースだけじゃなくてベーコンも出てきた。すごい。

 「……できたんじゃないかな? え、凄い。完璧だ。光くん、できたよ!!」

 直ぐに光くんを呼んで見てもらった。

 「あぁ、これならちゃんとできるんだね。良かった。」

 光くんなんか冷めてる。でもカルボナーラはちゃんと美味しかった。

 「お、今日はいい感じだね。」

 璃来くんも寄ってきた、なんかまた美味しそうなのを持って。

 「璃来くんのは何味?」

 「ん?えーと、狐ヶ崎シェフの気まぐれパスタ。」

 「???」

 訳が分からないので慶くんの様子を見に行ってみた。

 「あ、唯も食べる? 味付け何がいい?」

 「アジツケナニガイイ?、いっぱいあるの?」

 「うん、パスタ簡単だし暇でさ、ちょっとずつ色んな味があるよ。」

 見ると机の上にはカラフルにパスタが沢山並べてあった。僕はきのこパスタを貰った。

 「おいしい。」

 「唯もすぐ作れるようになるよ。」

 「そうかな。」

 今日のパスタは上手くできたと思ったけど上には上がいた。でも僕も前回よりは上手になってるはず。僕は心の中で慶くんを目標にして、お皿を片付け始めた。













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