ずっと隣に

をよよ

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桃の章

スタンプラリー

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 体育館を出て少し歩いて西階段の方まで来た。

「あ!、一仁、スタンプの台あるよ!」

 駆け寄って見たらスタンプはなくて代わりに紙が置いてあった。

「…当てはまる言葉はどれでしょう、ここにスタンプがあるってよ。」

「謎解き?、一個目は英語だって。?に当てはまるのはなんでしょう。-取り入れる ad?pt -
 なにこれわかんないや。」

「アダプトだね。」

「アダプト?じゃあaか、えーっとaは"ふ"だってよ。一仁覚えてて。」

「……、うん。」

「二個目、数学だ。x<0のとき、√-xの二乗は何か。これは僕でも分かる! 二乗するとマイナス消えるから答えはxだね。でしょ?」

「うん、凄いよ唯。」

「えーっとxは…"う"だって、一仁覚えて。」

「うん。」

「三個目、これで最後だ、歴史かな。金閣寺を建てたのは誰? これは足利義満だ。えーと、"き"だって。一仁、全部で何になった?」

「ふうきだね。」

「ふうき? 風紀委員の教室かな、よし、行こう!」

 僕と一仁は風紀室に向かった。


 コンコンコン

「スタンプ1個目だ!、失礼します。」

 ノックして扉を開ける。

「いらっしゃい。君、Ωだけで動いてるの?危ないからちゃんとαやβと動けと言われただろう、あれ?」

 中からすごく綺麗な人が出てきた。αな感じがするけどフェロモンの圧がなくて素敵な人に見える。

「こんにちは、一条先輩。」

「鮫島君、君がいるのに何故ここに着くんだ。」

「唯がここだって言うんですもん。」

 一仁がニコニコで答える。一条先輩?どこかで聞いたような?

「俺は一条颯馬、風紀委員長をしている。君たちは危険が無さそうだから言っておくけど問題で答えが風紀になったら全部ハズレだよ。Ωだけで行動している子をあつめるために張ったのに君たちが来るなんて、仕事を増やさないでくれ。」

 風紀委員長… あ、陽向くんが入った、じゃあこの人陽向くんの恋人さんだ!、それにしても、

「一仁、答え間違ってるのわかってたんだ。」

 ジト目で一仁を見やる。

「唯が頑張って答えを導き出したんだよ?風紀が正解だよ。」

 一仁は僕の頭を撫でながら言う。チッ、今回一仁はハズレだったか。

「次から気をつけます。失礼しました。」

 風紀室を出てすぐに次の台を探す。近くの教室の中にまた台を見つけた。

「次は、ちゃんと間違ってたら言ってね!」

「うん。」

 一仁は笑顔で答える。ちょっと不安だ。

「…最後が"ん"だ!」

 今度のは六個も穴があって大変だった。

「どう?一仁、何になった?」

「たいいくかん、だね。」

「体育館!、風紀じゃない、行こっ。」

 小走りで体育館に向かう。

「スタンプくださーい。」

「お、スタンプ全部集まったのか?それともΩか?」

 生徒会長サマが近づいてくる、嫌な予感がする。

「こんにちは藤宮先輩。」

「お、一仁。じゃあスタンプ全部集まったのか?早ぇな。」

 やっぱり!またハズレだ。

「ねぇ!、一仁、間違ってるなら言ってよ!」

「なんだお前たち、スタンプ探しに来たのか、残念だがここには無いぞ。」

「ないわけないじゃないですか、唯がここだって言ったんですからあるはずです。」

「何ふざけたこと言ってんだ、ないからとっとと帰れ。」

 僕達は体育館を追い出された。






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