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桃の章
ともだちたくさん
しおりを挟む夜、ご飯を食べに光くんと食堂に来た。僕は和食定食とチョコレートケーキで光くんはオムライスとプリンを頼んだ。
美味しく食べてたらΩの子2人組が来た。
「相席してもいい?」
「いいよー、一緒に食べよー。」
「あ、うん。」
「僕は陽向、同じ1年生だよ。映画が好きでよく見るんだ、よろしくね。」
「同じく、俺は璃来。好きなモノはゲーム、嫌いなモノは勉強、よろしく。」
「僕も勉強きらーい。」
「よ、よろしく。僕は唯、えーと、僕もゲーム好き。」
僕の横に陽向くん、光くんの横に璃来くんが座った。お友達がいきなりいっぱいできちゃって、僕はちょっとドキドキした。璃来くんはメガネをしていてでも明るくて元気な感じ。陽向くんは落ち着いててなんか直感で頭良さそうって思った。あと、光くんもすごく可愛かったんだけど、2人もすごく可愛い。僕と違ってΩってほとんどこんな感じなのかな。璃来くんと陽向くんは同室同士らしい。4人で食べ始めたところで璃来くんが聞いてきた。
「ねぇ、唯達が昼過ぎにここでαの人達と一緒にいるのを見たんだけど、唯の番候補なの? 光のじゃないよね。」
「もちろん」
「番?、違うけど」
「えぇ違うの!? 入学早々番持ちが来たと思ってびっくりしたのに。」
璃来くんがすごい驚いた顔してる、その隣で光くんがすごい頷いてる。
「そんなことより光くんと璃来くんたちは知り合いだったの?」
「そりゃあそうだよ。ここ幼稚舎からのエスカレーターだよ。ほとんどが子供の頃からの知り合い。」
「僕と璃来は中学もクラス一緒だったし。陽向は頭いいから別のクラスだけど昔から一緒にいるし、さっきの涼だってαだからあんまり接点ないけど知ってるよ。」
今度は僕が衝撃を受けた。
「ほとんど顔見知りだからねー、新しく来た人はみんな注目するよ。唯の番じゃないならあんなかっこいいα誰も放っておかないよ、ね、陽向。」
「あの昼間見た人? そうだねかっこよかったね。」
僕はもっと衝撃を受けた。
「男子校でも一仁はやっぱりモテるんだ。」
一仁もやっぱり番を作るのかな、陽向くんすごく可愛いし、高校生にもなったし、一仁だって番を…
隣は僕がいたかったけど、でも番じゃなくても傍にはいられるかな。少しでも有用だと思われるように勉強頑張らないと。うん。
「あれ、唯なんかメラメラしてるんだけどなんで。」
「璃来が余計なこと言うから。でも落ち込んでないならいっか。」
夜ご飯を食べ終え部屋の前で璃来くんと陽向くんと別れた。
「光くん、僕勉強頑張るよ。来年にはきっとDにあがるから。じゃあ明日に備えて寝るね。おやすみ!」
「え、あ、おやすみ? 明日も明後日も授業ないけど、」
頑張って寝ようとしている僕にはなにも聞こえなかった。
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