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断章-月下血風小夜曲(後)②
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「あのお嬢ちゃんとはまだ、何でもないんでしょお? だったら操を立てることもないじゃない。あんたも傭兵あがりのくせに、そんな純でどうすんのよ」
「別にメルティアを気にしているわけじゃない……今はそんなことをしている場合じゃないだろう、と言っているんだ。旅の目的を忘れるな」
「ふん、魔王をたおすまでは女も抱けないって? 使命を逃げ口上に使うんじゃないわよ、臆病者。殺し合いなんかより生命の基となる男女の営みの方が、よほど建設的でしょ」
「おい、そろそろ本気で怒るぞ。今日のお前はどうかしちまったんじゃねえのか?」
「そうね、あの碧の月があんまり明るいせいかしら。身体が熱ってしょうがないわ……」
カーシャはなおも身体を密着させてくる。胸の膨らみを押しつけたまま、手はサリスの顔へと伸び、その頬を蠱惑的な指のうごきで撫でさする。むき出しになった生足まで活用し、サリスの足に絡ませようとしてきた。
出会ってそう短くもない期間が経つが、これほどなりふり構わないカーシャをみるのははじめてだった。何者かに"惑乱"の魔法でもかけられたか、と一瞬疑ったほどだ。そうむざむざと他者の魔法に干渉をゆるす、"疾風の魔女"であるはずもないのだが。
いずれにせよ、今の彼女がサリスの手に余ることにはかわりなかった。そろそろ力づくで引きはなそうか、と考えたとき。
「……仲がおよろしいことですね」
氷竜の息吹よりも低い温度を有した声が、サリスの耳に届いた。おどろいて振り向くと、"白き洞"の入り口前に、メルティアがたたずんでいた。
カーシャとは対照的に清楚な法衣を身にまとい、両手で柄のみの形状となった"聖剣"を包みこんでいる。やつれたり憔悴した様子はなく、淡い月光を浴びた黄金の髪がしとやかに輝いている。洞窟に入る前と変わらず、健康な状態にみえた。しかしその顔には"不機嫌"を具現化したような表情が張りつき、軽蔑の念をたたえた眼光をサリスたちに注いでいた……
「メ、メルティア……洞から出てきていたのか。もう、"深化の儀"とやらは済んだのか?」
「聖剣は無事、"第二具象階位"へと移行しました」
「そ、そうか。思ったより早かったな」
「早く出てきて、かえってご迷惑でしたか? お二人の邪魔をしてしまったようですし」
メルティアの声には、聖女らしからぬ棘が含まれていた。サリスは狼狽した。たとえ今、100体を越えるオークがこの場に攻め寄せてきたとしても、これほど心を乱しはしなかっただろう。
そもそもメルティアが洞窟から出てきたことに気づかなかったこと自体、二重の意味でサリスの失態である。いくらカーシャに気を取られていたとはいえ敵の接近を感知できるよう、常に"魔覚"の網を周囲に張り巡らせていたのだ。にもかかわらず声をかけられるまでメルティアの存在を認識できなかったのは、彼女がおのれの魔力を抑えこみ、その気配をほぼ完璧に消していたからに他ならない。
旅がはじまった当初は、そこまで自在に魔力を制御するような業はできなかったはずである。幾多の苦難を経験して、聖女もまた成長を遂げているらしい。
「おい! 何か誤解しているようだが、別に俺たちは……」
サリスは釈明しようとしたが、メルティアは取り合わなかった。オークたちの屍が横たわっている周囲の野を見わたすと、こちらへ向かって頭を下げた。
「私が洞窟へはいっている間に、やはり魔物がおそってきたのですね。守っていただき、ありがとうございます。私のみだったら一度はじめた"深化の儀"への集中を解くわけにもいかず、迎え撃つのはむずかしかったでしょう。こうして無事役目を果たせたのも、お二人のおかげです」
丁寧だが、よそよそしさを漂わせた謝辞だった。メルティアはサリスにあゆみ寄ると、手に持った聖剣の柄を差し出した。
「この"第二具象階位"へと深化した聖剣なら、今後一層戦いがはげしくなっても大いに私たちの力となってくれるはずです。お受け取りください、勇者様」
サリスは反射的に差し出された柄を手にし、そこで固まった。カーシャが指摘したように近頃メルティアは自分のことを名前で呼ぶようになったはずなのに、出会った頃の他人行儀な呼称をあえて使用してきた。相当、怒っているらしい。
眉をひそめ唇を尖らせ、目を合わせようとしない。露骨に感情をあらわにするメルティアは、どこにでもいる普通の少女のようだった。シュリーフェンの前で見せた人形の面影は、少なくともこの時は霧散していた。サリスは困惑しつつも内心、そのことには安堵をおぼえていた。とてもそんな余裕がある状況ではない、はずなのだが。
「もう用は済みましたし、私は下山します。今ならひとりでも、光魔法で自分の身くらい守れます。お二人はもう少しゆっくりしていってもいいですよ」
「何を言っている、まだ敵の襲撃があるかもしれない。俺たちも一緒に……」
「そんな格好のまま、あるけないでしょう」
言われて、まだカーシャが自分に引っついていることにようやく気づいた。ご丁寧に、足まで絡ませてきている。
「おい、はなれろ」
「あ~ら、この娘とは何でもないんじゃなかったっけ? じゃあ見せつけても一向に構わないでしょ」
「そういう問題じゃない!」
言い争っている間にも、メルティアはさっさと山を降りはじめた。遠ざかる背中を見つめながら、サリスはますます焦燥を深めた。同時にそんな自分に、とまどいもおぼえる。一体何をあわてている、別に俺と彼女は男女の仲というわけじゃない、くどくどと弁明をする理由もないではないか、しかし……
この手の経験に疎いサリスはこういう時、颯爽とはほど遠い若者になる。おのれの感情も処理しきれず、カーシャなどからはさぞ滑稽に見えたことだろう。
「勇者様も形無しね。まったく、最初から素直に認めないから、こんな面倒ごとに発展するのよ」
そう言うとカーシャはサリスからはなれ、勇者の背中を勢いよく叩いた。
「ほら、追いかけて言い訳なりなんなりしてきなさい」
その口調は、いつものさばけた相棒のものに戻っていた。
「言い訳ってお前な、俺は何も、」
「こんなとこでグズグズ言っているひまがあるの? 聖女サマ、行っちゃうよ?」
「…………」
サリスは剣を持たない左手で、自分の頭をはげしくかき乱した。言いたいことは山ほどあったが、たしかにそれをぶちまけている場合ではなさそうだ。釈然としないまま、カーシャの言うとおりメルティアの背中を追うべくはしりだした。
草を踏むサリスの耳に、うしろから風に乗ってカーシャの声が聞こえてきた。
「今はゆずってあげる。でもあたしは負けないわよ、聖女メルティア」
耳に届いたそのつぶやきはあまりにもかすかだったので、本当にカーシャの口から出たものかわからなかった。言葉の意味も、サリスには不分明だった。あるいは樹々の間を吹き抜け葉を揺らす風たちが、幻聴をはこんできたのかもしれないと思った。
いずれにせよ、サリスがその声に深くこだわることはなかった。この時の彼の注意は、前方へ去って行く聖女にのみ向けられていた。かすかに聞こえた言葉の意味をかみ砕く間もなく心の隅へ押しやってしまうと、薄闇に浮き上がる黄金の髪をめざして駆けていくのだった。
「別にメルティアを気にしているわけじゃない……今はそんなことをしている場合じゃないだろう、と言っているんだ。旅の目的を忘れるな」
「ふん、魔王をたおすまでは女も抱けないって? 使命を逃げ口上に使うんじゃないわよ、臆病者。殺し合いなんかより生命の基となる男女の営みの方が、よほど建設的でしょ」
「おい、そろそろ本気で怒るぞ。今日のお前はどうかしちまったんじゃねえのか?」
「そうね、あの碧の月があんまり明るいせいかしら。身体が熱ってしょうがないわ……」
カーシャはなおも身体を密着させてくる。胸の膨らみを押しつけたまま、手はサリスの顔へと伸び、その頬を蠱惑的な指のうごきで撫でさする。むき出しになった生足まで活用し、サリスの足に絡ませようとしてきた。
出会ってそう短くもない期間が経つが、これほどなりふり構わないカーシャをみるのははじめてだった。何者かに"惑乱"の魔法でもかけられたか、と一瞬疑ったほどだ。そうむざむざと他者の魔法に干渉をゆるす、"疾風の魔女"であるはずもないのだが。
いずれにせよ、今の彼女がサリスの手に余ることにはかわりなかった。そろそろ力づくで引きはなそうか、と考えたとき。
「……仲がおよろしいことですね」
氷竜の息吹よりも低い温度を有した声が、サリスの耳に届いた。おどろいて振り向くと、"白き洞"の入り口前に、メルティアがたたずんでいた。
カーシャとは対照的に清楚な法衣を身にまとい、両手で柄のみの形状となった"聖剣"を包みこんでいる。やつれたり憔悴した様子はなく、淡い月光を浴びた黄金の髪がしとやかに輝いている。洞窟に入る前と変わらず、健康な状態にみえた。しかしその顔には"不機嫌"を具現化したような表情が張りつき、軽蔑の念をたたえた眼光をサリスたちに注いでいた……
「メ、メルティア……洞から出てきていたのか。もう、"深化の儀"とやらは済んだのか?」
「聖剣は無事、"第二具象階位"へと移行しました」
「そ、そうか。思ったより早かったな」
「早く出てきて、かえってご迷惑でしたか? お二人の邪魔をしてしまったようですし」
メルティアの声には、聖女らしからぬ棘が含まれていた。サリスは狼狽した。たとえ今、100体を越えるオークがこの場に攻め寄せてきたとしても、これほど心を乱しはしなかっただろう。
そもそもメルティアが洞窟から出てきたことに気づかなかったこと自体、二重の意味でサリスの失態である。いくらカーシャに気を取られていたとはいえ敵の接近を感知できるよう、常に"魔覚"の網を周囲に張り巡らせていたのだ。にもかかわらず声をかけられるまでメルティアの存在を認識できなかったのは、彼女がおのれの魔力を抑えこみ、その気配をほぼ完璧に消していたからに他ならない。
旅がはじまった当初は、そこまで自在に魔力を制御するような業はできなかったはずである。幾多の苦難を経験して、聖女もまた成長を遂げているらしい。
「おい! 何か誤解しているようだが、別に俺たちは……」
サリスは釈明しようとしたが、メルティアは取り合わなかった。オークたちの屍が横たわっている周囲の野を見わたすと、こちらへ向かって頭を下げた。
「私が洞窟へはいっている間に、やはり魔物がおそってきたのですね。守っていただき、ありがとうございます。私のみだったら一度はじめた"深化の儀"への集中を解くわけにもいかず、迎え撃つのはむずかしかったでしょう。こうして無事役目を果たせたのも、お二人のおかげです」
丁寧だが、よそよそしさを漂わせた謝辞だった。メルティアはサリスにあゆみ寄ると、手に持った聖剣の柄を差し出した。
「この"第二具象階位"へと深化した聖剣なら、今後一層戦いがはげしくなっても大いに私たちの力となってくれるはずです。お受け取りください、勇者様」
サリスは反射的に差し出された柄を手にし、そこで固まった。カーシャが指摘したように近頃メルティアは自分のことを名前で呼ぶようになったはずなのに、出会った頃の他人行儀な呼称をあえて使用してきた。相当、怒っているらしい。
眉をひそめ唇を尖らせ、目を合わせようとしない。露骨に感情をあらわにするメルティアは、どこにでもいる普通の少女のようだった。シュリーフェンの前で見せた人形の面影は、少なくともこの時は霧散していた。サリスは困惑しつつも内心、そのことには安堵をおぼえていた。とてもそんな余裕がある状況ではない、はずなのだが。
「もう用は済みましたし、私は下山します。今ならひとりでも、光魔法で自分の身くらい守れます。お二人はもう少しゆっくりしていってもいいですよ」
「何を言っている、まだ敵の襲撃があるかもしれない。俺たちも一緒に……」
「そんな格好のまま、あるけないでしょう」
言われて、まだカーシャが自分に引っついていることにようやく気づいた。ご丁寧に、足まで絡ませてきている。
「おい、はなれろ」
「あ~ら、この娘とは何でもないんじゃなかったっけ? じゃあ見せつけても一向に構わないでしょ」
「そういう問題じゃない!」
言い争っている間にも、メルティアはさっさと山を降りはじめた。遠ざかる背中を見つめながら、サリスはますます焦燥を深めた。同時にそんな自分に、とまどいもおぼえる。一体何をあわてている、別に俺と彼女は男女の仲というわけじゃない、くどくどと弁明をする理由もないではないか、しかし……
この手の経験に疎いサリスはこういう時、颯爽とはほど遠い若者になる。おのれの感情も処理しきれず、カーシャなどからはさぞ滑稽に見えたことだろう。
「勇者様も形無しね。まったく、最初から素直に認めないから、こんな面倒ごとに発展するのよ」
そう言うとカーシャはサリスからはなれ、勇者の背中を勢いよく叩いた。
「ほら、追いかけて言い訳なりなんなりしてきなさい」
その口調は、いつものさばけた相棒のものに戻っていた。
「言い訳ってお前な、俺は何も、」
「こんなとこでグズグズ言っているひまがあるの? 聖女サマ、行っちゃうよ?」
「…………」
サリスは剣を持たない左手で、自分の頭をはげしくかき乱した。言いたいことは山ほどあったが、たしかにそれをぶちまけている場合ではなさそうだ。釈然としないまま、カーシャの言うとおりメルティアの背中を追うべくはしりだした。
草を踏むサリスの耳に、うしろから風に乗ってカーシャの声が聞こえてきた。
「今はゆずってあげる。でもあたしは負けないわよ、聖女メルティア」
耳に届いたそのつぶやきはあまりにもかすかだったので、本当にカーシャの口から出たものかわからなかった。言葉の意味も、サリスには不分明だった。あるいは樹々の間を吹き抜け葉を揺らす風たちが、幻聴をはこんできたのかもしれないと思った。
いずれにせよ、サリスがその声に深くこだわることはなかった。この時の彼の注意は、前方へ去って行く聖女にのみ向けられていた。かすかに聞こえた言葉の意味をかみ砕く間もなく心の隅へ押しやってしまうと、薄闇に浮き上がる黄金の髪をめざして駆けていくのだった。
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