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11話

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 賓客用の部屋でくつろいでいると、ドアがノックされた。
「はい」
 ティルダがドアを開くとモーリスが立っていた。
「すみませんエリノさん、ちょっと来てくれますか?」
 慌てた様子はないので急な要件ではないと思う。

「どうされたのですか?」
「裏庭で信じられないことがおきまして、その、助言を頂けないかと」
 部屋にいた俺たちはご神木のことだとピンときた。
「わかりました」
 特にやることがないので全員で裏庭へ行く。





 裏庭では木を囲うように工房の従業員たちが二十人ほど集まっていた。
 中には木にむかってお祈りしている者もいる。
 ウィリーはいない、まだ部屋で泣いているのかもしれない。

「親方、エリノさんに来て頂きました」
「すみません、お呼び立てして。少々困ったことがおきましてな」
「どうされました?」
 エリノは基本的に嘘が下手だ。
 その真面目な性格から、今まで嘘をついたことがないからだろう。
 目の前に白い木が生えていれば、まずは驚くべきだろう。

「この木を見てください、つい先ほどまで生えていなかったのです」
「まぁ、それはたいへん」
 小学生の学芸会のほうがマシなレベルで演技がヘタだった。
 台詞は棒読み。
 驚いているように見えないのだ。

「それでですな。この木をどう扱っていいか意見が割れまして。修道女のあなたならば良い意見を下さるのではないかと」
「なるほど。ちなみにどのような意見が出ているのですか?」
「はい、神様の奇跡なのだからこの木には触ず残すべきだという意見と、不吉だから切り倒し燃やそうという意見です」
「そうですか……。この木から不吉な感じはしません、むしろ神聖な気配すら感じます」
「おぉ、それでは誰にも触らせないほうが良いのですな」
「いいえ。神様は意味のない祝福は与えません。おそらくウィリーの嘆き悲しむ姿を見かねて与えて下さったのでしょう。ですからこの木を使い彫刻を作成しても問題ありませんよ」
「なるほど。――おまえたち聞いたな。修道女さんが言うんだ、この木はウィリーに与えられし祝福だ。伐採し材料とする。いいな」
「はいっ!!」
「よし、作業にかかれ」
 マルコスの号令で弟子たちが一斉に動き出す。
 二人で引くノコギリが運ばれ、ご神木が切り倒されると、あっという間に丸太になってしまった。



 モーリスに手を引かれウィリーがやってきた。
「親方これは?」
「おっ来たな。いつまでメソメソしてやがる、材料が手に入ったんだ、とっとと作業を始めやがれ」
「でも……」
「つべこべぬかすな。おまえがやるべきことは最高の彫刻を作ることだ。違うか?」
 ウィリーは気合を入れるためなのか、両手で頬をパンパンと叩いた。
「いいえ、頑張ります!!」
 兄弟子たちと工房へ丸太を運ぶウィリー。
 どうやら元気は戻ったらしい。
 まるで母親が娘を見守るように、エリノは微笑みながら少し泣いていた。

 コンテストの開催まであと七日。
 殆ど時間が残されていないらしい。
 ウィリーは不眠不休で彫刻を作り続けた。
 兄弟子たちも邪魔が入らないよう寝ずに見張り番をしたのだった。





 コンテスト当日。
 町の中央広場に簡単な舞台が作られていた。
 舞台の上には、白い布がかけられた彫刻が五組並べられている。
 それぞれの彫刻の横には製作者が立っていた。
 ウィリーは目の下にクマができ、今にも倒れそうな表情をしている。

「ウィリーは大丈夫でしょうか?」
 エリノが心配そうに見ている。
 まるで発表会を見守る母親のようだ。

「食事はしっかり食べていたし、睡眠不足で死ぬことはないよ」
「もうっ他人事だと思って」
「倒れたら癒しの術で治せばいいさ」
「そうですけど……」

 舞台の上に司会者が昇って来た。
「お集りの皆様、お待たせいたしました。これより彫刻コンクールを開催致します!」
 けっこうな規模の催し物だったらしい。
 中央広場には三百人ほどの住人が集まっていた。
 盛大な拍手でコンテストの幕は上がったのだ。
 俺たちも全員でウィリーの応援に来ている。

「エントリーナンバー1番、オーギュスト工房ロダンの作品です」
 作品の横に立つロダンが白い布をゆっくりと取り外す。
 会場から
「おぉ~~~~」と歓声が上がった。
 台座の上に座り思索にふける男性の像だ。
 苦悩する表情が見事に表現されている。
 俺は見たことがある『考える人』だ。

「す、ば、ら、しいっ! 腹に込められた力! 眉間のシワ! 便秘は辛いですよね」
「はい、五日間便が出ていない男の苦しみを表現しました」
「おおぅ、聞いているだけで腹が張ってきそうだ~」
 俺には美術品を見る目はないようだ。
「この彫刻のタイトルを教えてください」
「息む人です」

 司会者は苦労した点、工夫した点など、製作途中のエピソードを巧みな話術で聞き出している。
 会場にいる観客も司会者の軽快なトークにはまっているようだ。

 ティルダは彫刻を見ながら感心している。
「理想的な腹筋だな」
「ティルダは筋肉質じゃないよね」
「加護の力に助けられていたからな。でも最近は鍛えているぞ」
 工房の裏庭で筋力トレーニングを続けているのを俺は知っている。
「俺を守るためなんだろ、あまり無理はしないでくれよ」
「わかっている。体を動かすのは私の趣味みたいなものさ、無理はしていない」
「ならいいよ、応援してる」
「ありがとうミズキ殿」
 ティルダは少し照れながら微笑んだ。



 次々と彫刻が紹介されていく。
 どの作品も甲乙つけ難い。
「――続きまして、エントリーナンバー4番、ハビエル工房クネゴの作品です」
 ハビエル工房……、確かウィリーの彫刻を壊したドワイトが逃げ込んだ先だったな。
 あくどい手を使うぐらいだ、作品に自信はないのだろう。

 布が外され彫刻があらわれた。
 会場からひと際大きな歓声が上がる。
 ボウリングの投球フォームに似ている男の像だ。
 これも見たことがある、確かオリンピックの円盤投げのポーズだ。
 手のひらサイズの球を持っているので砲丸投げかもしれない。

「これもなかなか見ごたえのある作品ですね! 張り裂けそうな上腕二頭筋! バネのように力を溜めている背筋! ボウリング競技ですね」
 この世界にもボウリングあるのかよ!
「はい。商人から聞いた話だと、ボウリングでお金を稼いでいる人がいるそうです」
「知っていますよ、プロボウラーですね」
「その人をイメージして制作しました」
「なるほど~、この鍛え上げられた体はプロを意識したんですね」
「はい」
「では彫刻のタイトルを教えてください」
「球を投げる人なので、投球士です」
 司会者は他の製作者と同じように彼から色々な話を聞き出した。



「こちらの世界にもプロボウラーがいるんだな」
「なんや、ミズキはんの世界にもおるんか」
 アラニスは少し驚いた表情で俺に聞いてきた。
「もっと大きな球を投げるけどね。ピンは何本使うの?」
「九本や。ひし形に並べるんやで」
「あっちでは十本で三角形だよ」
「おもろいな。世界が違えばルールも違うんやね。そや、プロボウラーになるんは裕福な家の次男や、ロクなヤツはおらん。せやから関係したらアカンで」
「覚えとくよ」



「――それではラストの作品です。エントリーナンバー5番、マルコス工房ウィリーの作品です」
 ウィリーは立ったまま寝ていた。
「あの、ウィリーさん?」
 会場が爆笑に包まれる。
「はっ?!」
「お待たせしました、あなたの番です、どうぞ布を外してください」
「すっ、すみません!」
 布が外されると、会場から大きなどよめきが上がった。

 出品された五作品の中で、一体だけ女性の裸婦像だったのだ。
 天高く果物を持ち上げているポーズで、その背中には大きな鳥の翼が生えている。

「これはいったい……。人間ですか?」
「いいえ、これは神様の使い、天使と名付けました。大地の実りを神様へ届けようとしている姿を表現しています」
「天使ですか、初めて聞きました。それにしてもこのプロポーションは空想が過ぎるのではないですか、胸は大きく、腰はくびれ、お尻もきゅっと上がっている。ありえません、ありえません」
「いいえ正確にデッサンしました。寸分の違いなく再現されています!」
 会場がざわざわし始める。

「再現? 空想なのですよね」
「いいえ女性はモデルが存在しています」
「嘘でしょう? この見事なプロポーションの女性が実在するとでも?!」
「はい、きっと応援に来てくれていると思います」
 男性の観客が周囲を探し始めた。
 修道服はとてもゆったりとしたデザインなので誰もエリノがモデルだとは気づいていない。
 それに、いつの間にかエリノはウィンプルを顔に巻き覆面のようにしていた。

「おおっとすみません、あまりに素敵な女性なのでつい私も夢中で探してしまいました。それでは彫刻のタイトルを教えてください」
「美の天使エリノです!」
 覆面越しでもわかる。
 エリノは真っ赤になり頭から湯気が出ていた。



「作品の紹介は以上です。これより牧師三名での審査が行われ、優勝作品が決定いたします。観客の皆様は少しお待ちください」
 司会者と制作者は舞台から降りると舞台裏へ移動した。
 会場ではどの作品が優勝するのか予想する話で盛り上がっていた。

「だいじょうぶ?」
「もう恥ずかしくて死にそうです。作品名に名前を使うなんて聞いてません」
「光栄なことじゃないか、それによくできた素晴らしい作品だよ」
「あまり見ないでください、恥ずかしいです」

 しかし本当に良くできている。
 もともと動物の彫刻が得意だったこともあり、翼の表現が見事だ。
 今にも飛び上がりそうな軽さと力強さが感じられる。
 苦手としていた人物像も克服したようだ。
 木とは思えないほど柔らかく温かみのある肌が表現されている。

 寸分の狂いもないと言っていたな。
 まさかあんなところに――。
「ですから、じろじろ見ないでとお願いしたでしょ」と言いながら、エリノは手で俺の目を塞いだ。



 暫くすると司会者が舞台へ上って来た。
「観客の皆様、お待たせいたしました。どの作品も素晴らしく審査は難航を極めました。審査員の牧師たちは優劣をつけるのが心苦しいとこぼしておりました。しかし勝負の世界は非常。勝者は一人だけなのです。それでは優勝作品を発表します、呼ばれた製作者は舞台へおあがりください。観客の皆様は温かい拍手でその栄誉をたたえてください!!」
 会場が静まり返る。

「優勝は~、ハビエル工房クネゴ作、投球士!!」
 大歓声と拍手の中、クネゴが舞台へ上がる。



「負けてしまいましたね」
 エリノは残念そうにしているが思ったほどショックは受けていないようだ。
「会場の反応は悪かった。奇抜なデザインが受け入れられなかったんだろうか。俺はウィリーのほうが良かったけどな」
「私もウィリーの作品が一番良いと思います。でも贔屓ひいき目かもしれませんし……」



 司会者からの優勝者インタビューが終わる。
「それでは審査員のコメントを預かっていますので読ませて頂きます。え~、今回のコンテストはどの作品も素晴らしく、出品してくださった作者の皆様には感謝の言葉もありません。そして優勝されたクネゴさんおめでとうございます。投球士の像から伝わる勝負への熱意と緊張感は見る物を興奮させ、ボウリングへの関心を膨らませることでしょう。一方、残念ですがルール違反を犯した者もいました。主催者側の用意した材料を使わずに彫刻を作成したのです。この出品者に対し、今後コンテストへの出場禁止処分を下しました。ルールを守り出品して頂きますようお願いいたします」

「ミズキ様これって」
「ああ、ウィリーのことだろうね」
「どうしまよう、私のせいだわ、私が助けたいと願わなければこんなことには」
「どの道あのままではコンテストに出品できなかったんだ」
「でも、もう二度とコンテストに出られないって」
「そうだね……。もしかすると彫刻家への道が断たれたかもしれない」
「ウィリーが心配です」
「ああ、様子を見に行こう」





 俺たちは舞台裏へ移動した。
 そこは布で区切られた控えスペースで、中の様子は見えないようになっていた。
 中から怒鳴り声が聞こえてくる。

「――おまえたちが彫刻を壊したんだろう!」
 兄弟子モーリスの声だ。
「証拠でもあるのかね? 言いがかりはやめて頂こう」
「証拠だとっ、お前のところでドワイトをかくまっているんだろ!」
「何を仰ってるのか理解できませんな、ドワイトとは誰ですかな?」

 会話を察するに相手はハビエルだろう。
 そう、証拠はなにもない。
 元の世界なら指紋鑑定や監視カメラが役に立つだろうが、この世界には科学と呼べるものが極端に少ない。
 このまま放っておけば泣き寝入りだろう。

「ミズキ様お願いします、ウィリーを助けてください」
 エリノが俺の手を掴み祈っている。
「エリノはん、なんべんミズキはんにお願いしたら気が済むねん。その話はナシって決めたやろ」
「でもっでもっ」
「でももクソもあるかいな、家族会議で決めたことや」

「ふむ……。ミズキ殿、新しい提案いいかな。マルコス工房には十日ほどお世話になった、その借りを返しても良いのではないか」
 ティルダはどういうつもりだろう。
 ウィリーを助けたい素振りは今まで見せなかったのに。
 エリノが可哀そうだからなのか?
 俺としてはエリノを助けたいのでこの提案は有難い。

「そうだね、確かに長居しすぎたかもしれない……。じゃ多数決を取るよ、マルコス工房に恩を返したい人は挙手」
 エリノは天高く腕を上げ、ティルダとラシアは顔の横に手を挙げた。
 俺がアラニスを見ると。
「なんやねん、ここで手を上げなウチが悪者やんけ、同調圧力に屈するかいな」
 アラニスはぷいっとそっぽを向いてしまった。
「わかってるよ。アラニスは俺が心配なんだろ、ありがとう」
 耳が赤くなっている、どうやら当たりらしい。



 ネクタイを対象に【プログラミング】を開始。
 APIの入力パラメータは3つ。
 1.条件は俺が着ていること。
 2.容姿はマルコス工房にいたドワイト。
 3.発動キーワードは擬装。
 出力はアバター衣装だ。
 コンパイル成功、エラーなし!



「擬装!」
 一瞬で俺の姿がドワイトに切り替わる。
「ええっ!!」
 エリノたちが驚いた。
「ちょっと行ってくる、ここで待ってて」



 確かハビエルと言ったか。
 ここは勢いが肝心だ、相手を驚かせて有利な証言を引き出すぞ。
 俺は走りながら控えスペースへ入り、
「ハビエルさんすみません! 俺、もう隠し続けるのに耐えられません!」と、自供する役を演じた。
「キサマ! どうして生きている?!」
 えっ?
 ……まさかコイツ、ドワイトの口を封じをしたのか!!

「ひいっ、幽霊なのか?」
 これは使えるかもしれない。
 俺はゾンビ映画を真似てゆっくりふらりふらりと歩きながらハビエルに接近する。
「なぜ殺した……なぜ殺した……なぜ殺した……」
 さらに恨みをたっぷり込めた声で追い詰める。
「やめろぉ、来るなぁ、おまえが自主すると言いだしたのが悪いんだろう!」
 ハビエルは腰を抜かし地面を這うように逃げている。
「オマエの命令……オマエの命令……オマエの命令……」
「許してくれ、謝る、謝るから!」
 ハビエルはダンゴ虫のように丸くなっている。
「全て話せ……話せ……話せ……」
「馬車を壊して怪我を負わせようとした。教会に賄賂を渡して動物の出品を禁止させた。彫刻を破壊させた」
「キサマ~~~!!!」
 モーリスはハビエルに駆け寄ると胸ぐらを掴み立たせ、その顔面に渾身の一撃を叩き込んだ。
 この人、ほんとに熱い性格してるなあ。

 ハビエルに注目が集まっている。
 俺はそっと控えスペースから脱出し姿を元に戻したのだった。

「ミズキ様、ありがとうございます」
 エリノが俺の胸に飛び込んできた。
「これでウィリーの処分が取り消されるといいな」
「はいっ!」
 少し無茶をしたが、この笑顔が見られるのなら悪くない。





 翌日、俺たちは次の町へ移動することにした。
 ウィリーが彫刻を制作している間に旅の支度は済ませてある。
 馬車には食料など必要な物資が積まれている。
 ティルダは御者の席に、アラニスとラシアは荷台に、エリノは俺の隣に立っている。

 見送りにはマルコスさんをはじめ、モーリスなど十名ほどが並んでいた。
「マルコスさんお世話になりました」
「いいや、お世話になったのはこっちだよ、色々とありがとう」
 バレている気がするが、あえて確認しないでおこう。
「それでは」
「良い旅を」
 俺はマルコスさんと握手をした。

「待ってください!」
 ウィリーが宿舎から走って来た。
 背中にはリュックを背負っている。
「ボクも連れて行ってください!」
「ウィリー……。彫刻家になる夢は捨てるのか?」
「この町にいては夢はかないません」

 ウィリーの処分はくつがえらなかった。
 賄賂を受け取った牧師は捕まったのだが、別の木を使用したのは事実として判断されたのだ。
 ハビエルは神殿騎士に逮捕された。
 処分の内容はあえて聞かなかった。
 殺人犯の余生など関心ない。

「待ってくれ!」
 モーリスが前に出てきた。
「ウィリー行かないでくれ! 俺はおまえが好きなんだ!」
 あ~、熱い男じゃなくてウィリーが好きだったのか、気づかなかったよ。
「兄貴……。ごめんボクは彫刻家になりたいんだ」
「コンテストに出れないくらいなんだ」
「違うんだ、ボクの作品はこの町に受け入れられなかった。ボクはあの彫刻のように、この世に存在しない物を作りたいんだ。そのために外の世界を見てこようと思うんだ」
「そうか……、わかった俺は待っている。世界を見て大きくなって戻ってこい、そして結婚しよう!」
「兄貴ごめん、ボク、男の人に興味ないんだ」
「はぁ?」
「ボク女の人が好きなんだ」
 そう言うとウィリーはエリノの胸に飛び込んだ。
「エリノが好きなんだ!!」
「「えぇ~~~~」」
 エリノとモーリスが驚いているが、他の弟子たちは驚いていない。
 どうやら知らなかったのはモーリスだけのようだ。

「ハッハッハッハ!!」
 マルコスさんが大爆笑している。
「ウィリー行ってこい、好きなだけ世界を見てくればいい。そして飽きたら戻って来ればいいさ」
「親方、ありがとうございます! ボク幸せになります!」
「ハッハッハッハ!!」

「ミズキ様いったいどうすれば」
「エリノの好きにしたらいいよ」
「えぇ~~~~」
 賑やかな旅になりそうだ。
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