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転生前 ネロー星にて

1 意味がわからない、どうして、人を食べるんだ?

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 目の前で、人が死んでいる。



 空から、空襲の音がきこえる。



 ドカーン!!!



 落ちた。



 爆発した、街が破壊され、蹂躙された。



 どうして???



 理由を探してもみつからなかった。



 現実か?



 信じられるものか!



 「嘘だろ?」



  鋭い牙



  犬の鼻



 ワニの牙と強靭な顎あご



  熊の爪



  鷹の翼



 体長5mほどで、二足歩行



 顔面が三つある




 化け物だ!



 三歳児くらいの子供を食べている。



 「うわあああ。やめて、くださいいいいい。うちの子を返してくださいっ。ひぐっ。」

 母親と思しき、若い20代後半であろう女が、泣き叫んで、地に頭を擦り付けていた。

 


 化け物の口からは涎が、ダラダラと、流れ落ちている、目はギラついている。



 小さな子供は、首から上を千切られ、四肢をもがれた。



 化け物は、母親の事に興味さえ示さず、子供を三つの顔で分け合って、食べた。



 「ムシャ、ムシャ、ムシャ。うまゆ、やで。」

 左端の顔が、喋った。

 


 「やな。やっぱ、三歳児は格別なんやで。」

 真ん中の顔が返した。



 「次は、泣き叫んどる、お母さんでも、食べよやないかい、ちょうど、食べごろやと思うんやわ、絶望しとる人間ほど、美味しいものはないやろ。」

 右端の顔は言った。



 「そやな。」

 左端と真ん中の顔は、賛成した。



 話せるのか、化け物どもは―。



 言葉を介することができるらしかった。



 僕は、物陰に隠れて一部始終を見守っていた。



 どうして、化け物どもが、現れたのか、わからない。



 急に、空間の色んな所で、穴が開いて、中から化け物どもが出てきたのだ。



 目の前で、子供と、母親、を食らっている、化け物だけではない。



 ギリシャ神話の化け物だろうか?



 ケルベロスのような怪物



 メデューサのような、怪物。



 キュプロスのような巨人たち。



 でかい!10ⅿはある。



 ミノタウロスような、獣人



 ライオンの顔



 鳥の顔



 猫の顔



 犬の顔



 顔が動物で、体が人間の化け物ども。



 街を囲うほど巨大な蛇バジリスク



 幻獣の類で、溢れかえり、人々の泣き叫ぶ声がきこえる。



 怪物、



 幻獣、



 ドラゴン、



 獣人、



 亜人の類が、空間の穴から次々に現れる。



 破壊、侵略を繰り返しているのだ。



 意味が分からない。



 ???



 何事だ。

 

 言葉を話すものもいる。



 空中からは、人類が、化け物どもを、蹴散らそうと、爆撃を試みるも、ダメージが与えられない。



 化け物どもに、科学兵器は通用しないようだった、科学兵器どころか、殴っても、鉄パイプで叩いても、全く、攻撃が、与えられていないようであった。



 不死身で無敵じゃあないか。

 

 体中に目がついている。



 筋肉質で、美しい肉体。



 3mはある、蛇の身体、にょろにょろとしている。



 顔をみると、美しい女で、黒髪ロングである。



 5mはある、長い腕が、特徴的だ。



 肩にロケットランチャーを担いでいる。



 ひょっこりと、地面から、顔を出している。



 「やあ。こんにちは。」

 

  化け物は満面の笑みで挨拶をすると、



 民家を目掛けて、ロケランを撃ちまくった。



 バン、バン、バン、バコーン!!!ドッカーン。



 「いえい。」



 化け物は舌を出して、ウィンクをして、笑った。



 「えぇ…、」 

 僕は絶句した。



 家の中には、人が住んでいたことであろう。



 ロケランをみるあたり、科学兵器も所持しているようだ。



 進んだ文明から攻めてきたのかも知れない。



 そうだ―、



 家族は無事だろうか。



 婚約者で、12月に結婚予定の杏桜衣あおいは無事だろうか。



 お母さん、お父さん、おじいさん、おばあさん、妹、弟、姉。



 実家から2kmほど離れた、家賃18万の一軒家に杏桜衣と二人で住んでいる。



 今年で、24になる、社会人2年目だ。



 仕事は、システムエンジニア、いわゆるプログラマーの上位職みたいなものだ。



 普段の仕事は退屈でつまらない。



 2041年、現在、誰でもできる仕事は、殆どが機械に代替えされた。



 実家は、戸建てで、おじいさんが3000万で購入したものである。



 結構な豪邸だった。



 仕事で、家を空けていた。



 朝7時に家を出て、都心から10㎞ほどの所にある仕事場のビルを目指して電車に揺られていた。



 電車から降り、オフィスへ向かう途中に、化け物どもに遭遇したのであった。



 僕以外の人間は誰も化け物の姿はみえていない様子であった、ただならぬ雰囲気だけは感じ、周りの人たちも震えているのはわかった。



 人が食べられたり、建物が爆発するのだから、みえているより、おそろしい事かも知れなかった。



 はやく、家に帰って、家族の安否を確認したい。



 スマホを取り出し、ネットで、確認すると、世界中で同様の事件が起き、混乱を極めている様子であった。



 今日は、2041年、9月5日、木曜日。



 時刻は、午前9時を回ろうとしている。



 世界が、おかしくなりはじめたのは、一カ月ほど前の8月5日、ローレシア国の大統領、アングレイ・ブレイクが、気に入らない国々に核兵器を撃ちまくってからだ。



 ブレイクは、核兵器おじいさん、として、国際社会から強く非難、経済制裁をされ、80億の賞金首になった。



 9月1日には、空に奇妙な円盤が出始めた。



 円盤は見える人と見えない人がいるらしかった。



 見える人の方が圧倒的に少数であったため、相手にされなかったが、次々に人が謎の死を遂げたり、建物が爆発したりするものなので、愈々、世界は混乱し始めた。



 今日、遂に、僕は、化け物に遭遇してしまったのだ。



 僕は隠れていた、ビルの近くの三階建ての建物の、倉庫の影から出て、家を目指して歩き出した。



 人通りの少ない、森を抜ければ、かなり遠回りにはなるが、郊外に出れるはずだ。



 仕事場から家までは、15kmほど。



 森を歩き続けた。



 歩き続けて、足がパンパンになった。



 虫に刺されたり、ぬかるみに足を取られたりもした、オオスズメバチが生息しているし、マダニだっているので、変な虫に刺されないか、不安だった。



 動物の鳴き声がして、コワかった。



 森では、もちろん、猪も熊だって出るのだ。



 森を抜けると、道路に出た。



 「え。オワッた、死んだわ、僕。」



 道路には、化け物どもが、溢れかえっていた。



 埋め尽くされていた。



 車に乗っていたであろう、人達は食われていた。



 車は破壊されたものや、爆発して燃え盛っているもので、溢れかえり、渋滞が起こっている。



 デュラハンの着ていそうな、漆黒の鎧を身に纏い、長い2mほどの黒い槍を右手に持った、下半身が馬で、上半身が人間の、ケンタウロスのような半身半獣の化け物がいた。



僕に気がついて、にっこり、微笑んだ、厭な笑みだった。



 「やあ、君、かわいいね。美味しそうな、男だね。」

 化け物は、厭に、二チャついて、舌をなぶった。



 助けてくれ。



 心の中で叫んだ。



 泣いちゃいそうだ。


____________________________________________________

どうも、林檎レモンです。

最後まで、よんでくださり、ありがとうございます。

どうでしたでしょうか?

続きが気になる、面白い、期待できると、少しでも感じてくださった方、お気に入りしてくれると、嬉しいです。

感想も待っています、是非、ご自由に書いてやってください、作者は、泣いて喜びます。
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