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二正面艦隊決戦
第18話 「ハーミーズ」撃沈
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第一次攻撃隊は敵艦隊を視認する前から、鼻先の尖った液冷戦闘機による迎撃を受けた。
東洋艦隊には「インドミタブル」と「フォーミダブル」それに「ハーミーズ」の合わせて三隻の空母があった。
「インドミタブル」と「フォーミダブル」はそれぞれ一三機、「ハーミーズ」のほうは一〇機のシーハリケーンを搭載していた。
それらが全力出撃、第一次攻撃隊の前に立ちはだかったのだ。
一方、第一次攻撃隊のほうは三六機の零戦がこれを迎え撃った。
偶然にも同じ数の戦闘機同士のぶつかり合いとなったこの戦いは、零戦の圧勝に終わる。
搭乗員の技量こそ伯仲していたものの、しかし機体性能に関しては明らかに零戦が優越していたからだ。
なにより旋回性能が段違いだった。
この差を理解していないシーハリケーンの搭乗員は、これまでドッグファイトでドイツ戦闘機を散々に叩きのめしてきたこともあって、旋回格闘戦という零戦得意の土俵に自ら足を踏み入れてしまった。
あとは一方的な蹂躙劇だった。
零戦にバックをとられ、二〇ミリ弾や七・七ミリ弾を散々に浴びせられたシーハリケーンが次々にインド洋の海へと吸い込まれていった。
零戦の奮闘のおかげで無事に東洋艦隊の上空へと達した九九艦爆隊は、ここで二手に別れた。
一航戦所属の三六機が機動部隊に、二航戦の同じく三六機が水上打撃部隊にその機首を向けて攻撃隊形をつくりあげていく。
攻撃隊総指揮官兼「蒼龍」艦爆隊長の江草少佐は、一航戦の指揮については「加賀」艦爆隊長の牧野大尉にこれを委ね、後方の水上打撃部隊の陣形ならびにその戦力構成を確認していた。
敵の水上打撃部隊は三列の単縦陣を形成していた。
中央に四隻の戦艦とその最後尾に空母。
さらに、それぞれ五隻の巡洋艦あるいは駆逐艦が戦艦列の左右を固めている。
(「ハーミーズ」だな)
江草少佐はひと目で空母の艦型を看破する。
これまで、「ハーミーズ」はアジア方面で活動している期間が長かった。
だから、帝国海軍軍人にとっても馴染みのある艦であり、だからこそ江草少佐もあっさりとその正体を見抜くことが出来たのだ。
「当初の目標を変更、空母を攻撃する。攻撃は『蒼龍』第一中隊が先鋒、次に第二中隊が続き、最後に『飛龍』隊とする」
もともと、第一次攻撃隊の九九艦爆はそのすべての機体が巡洋艦あるいは駆逐艦を狙うように指示されていた。
九九艦爆が装備する二五番では、戦艦やあるいは「イラストリアス」級空母の装甲を突き破るのは難しいと考えられていたからだ。
しかし、他の空母であれば事情は違ってくる。
二五番であったとしても、かなりの効果が期待できる。
そして、相手が装甲空母でなかった場合には、九九艦爆はこれを攻撃してもよいこととされていた。
襲撃機動に遷移した九九艦爆に対し、眼下の水上打撃部隊から火箭が吹き伸びてくる。
しかし、マーシャル沖海戦で米艦による激しい対空砲火の洗礼を浴びた九九艦爆の搭乗員の目には、さほどの脅威には映っていない。
対空戦闘に不向きな単縦陣のうえに、一艦あたりの対空火器の数が米艦のそれに比べて著しく劣っていたからだ。
自らが狙われていることを察知したのだろう。
「ハーミーズ」が回頭を開始する。
当然、変針すれば前を行く戦艦からの援護が受けられなくなる。
それでも、戦艦が敵機をことごとく撃墜してくれるというのであれば話は別だが、しかしそのようなことはあり得ない。
もし、そうであったなら「プリンス・オブ・ウェールズ」は撃沈されてはいなかったはずだ。
現状では、対空火器に依存するよりも、可能な限りの機動で爆弾を回避するほうがマシな状況だった。
一方、九九艦爆隊は「蒼龍」第一中隊第一小隊を皮切りに、小隊ごとに降下を開始する。
これまで、帝国海軍の艦爆隊は、攻撃に際しては一機ごとに急降下することを基本戦術としていた。
このことで、後続する機体は前を行く機体の着弾状況を見て風力や風向といったパラメーターを獲得することが出来た。
そして、それを考慮して投弾すれば、その分だけ命中率も向上する。
しかし、マーシャル沖海戦ではそのことを逆手に取られた。
すべての機体が同じコースをたどって急降下するものだから、逆に撃つ方からすれば未来位置の予測が容易かった。
そのことで撃破される九九艦爆が続出し、多くの機体が搭乗員とともに失われてしまった。
だから、今後については単機ではなく小隊ごとに攻撃にあたることとされた。
その分だけ命中率は低下するが、しかし搭乗員保護を考えれば、そこは妥協するしかなかった。
艦爆の神様と呼ばれる江草少佐と、それに腕利きで固められた「蒼龍」第一小隊が「ハーミーズ」に急降下、投弾と同時に引き起こしをかけ次々に離脱していく。
「ハーミーズ」の左右に水柱が立ち上るのとほぼ同時、同艦の中央部から爆煙がわき上がる。
さらに、第一小隊に続けとばかりに第二小隊と第三小隊もまた「ハーミーズ」を猛襲する。
第二小隊と第三小隊もまた、それぞれ一発の命中弾を得た。
第一中隊に続き、「蒼龍」第二中隊も「ハーミーズ」に容赦無い攻撃を加える。
こちらのほうは中隊全体で四発の命中を得ている。
「蒼龍」隊の攻撃が終了した時点で、ダメージが累増した「ハーミーズ」は這うような速力しか出せなくなっていた。
「蒼龍」隊に匹敵する練度を誇る「飛龍」隊にとって、のろまな「ハーミーズ」はただの的でしかなかった。
そして、その命中率は、搭乗員の言葉を信じるのであれば実に八割を超えるものだった。
いずれにせよ、「飛龍」隊の攻撃によって致命的ダメージを被った「ハーミーズ」は大炎上、艦首を下にして沈降し始めた。
東洋艦隊には「インドミタブル」と「フォーミダブル」それに「ハーミーズ」の合わせて三隻の空母があった。
「インドミタブル」と「フォーミダブル」はそれぞれ一三機、「ハーミーズ」のほうは一〇機のシーハリケーンを搭載していた。
それらが全力出撃、第一次攻撃隊の前に立ちはだかったのだ。
一方、第一次攻撃隊のほうは三六機の零戦がこれを迎え撃った。
偶然にも同じ数の戦闘機同士のぶつかり合いとなったこの戦いは、零戦の圧勝に終わる。
搭乗員の技量こそ伯仲していたものの、しかし機体性能に関しては明らかに零戦が優越していたからだ。
なにより旋回性能が段違いだった。
この差を理解していないシーハリケーンの搭乗員は、これまでドッグファイトでドイツ戦闘機を散々に叩きのめしてきたこともあって、旋回格闘戦という零戦得意の土俵に自ら足を踏み入れてしまった。
あとは一方的な蹂躙劇だった。
零戦にバックをとられ、二〇ミリ弾や七・七ミリ弾を散々に浴びせられたシーハリケーンが次々にインド洋の海へと吸い込まれていった。
零戦の奮闘のおかげで無事に東洋艦隊の上空へと達した九九艦爆隊は、ここで二手に別れた。
一航戦所属の三六機が機動部隊に、二航戦の同じく三六機が水上打撃部隊にその機首を向けて攻撃隊形をつくりあげていく。
攻撃隊総指揮官兼「蒼龍」艦爆隊長の江草少佐は、一航戦の指揮については「加賀」艦爆隊長の牧野大尉にこれを委ね、後方の水上打撃部隊の陣形ならびにその戦力構成を確認していた。
敵の水上打撃部隊は三列の単縦陣を形成していた。
中央に四隻の戦艦とその最後尾に空母。
さらに、それぞれ五隻の巡洋艦あるいは駆逐艦が戦艦列の左右を固めている。
(「ハーミーズ」だな)
江草少佐はひと目で空母の艦型を看破する。
これまで、「ハーミーズ」はアジア方面で活動している期間が長かった。
だから、帝国海軍軍人にとっても馴染みのある艦であり、だからこそ江草少佐もあっさりとその正体を見抜くことが出来たのだ。
「当初の目標を変更、空母を攻撃する。攻撃は『蒼龍』第一中隊が先鋒、次に第二中隊が続き、最後に『飛龍』隊とする」
もともと、第一次攻撃隊の九九艦爆はそのすべての機体が巡洋艦あるいは駆逐艦を狙うように指示されていた。
九九艦爆が装備する二五番では、戦艦やあるいは「イラストリアス」級空母の装甲を突き破るのは難しいと考えられていたからだ。
しかし、他の空母であれば事情は違ってくる。
二五番であったとしても、かなりの効果が期待できる。
そして、相手が装甲空母でなかった場合には、九九艦爆はこれを攻撃してもよいこととされていた。
襲撃機動に遷移した九九艦爆に対し、眼下の水上打撃部隊から火箭が吹き伸びてくる。
しかし、マーシャル沖海戦で米艦による激しい対空砲火の洗礼を浴びた九九艦爆の搭乗員の目には、さほどの脅威には映っていない。
対空戦闘に不向きな単縦陣のうえに、一艦あたりの対空火器の数が米艦のそれに比べて著しく劣っていたからだ。
自らが狙われていることを察知したのだろう。
「ハーミーズ」が回頭を開始する。
当然、変針すれば前を行く戦艦からの援護が受けられなくなる。
それでも、戦艦が敵機をことごとく撃墜してくれるというのであれば話は別だが、しかしそのようなことはあり得ない。
もし、そうであったなら「プリンス・オブ・ウェールズ」は撃沈されてはいなかったはずだ。
現状では、対空火器に依存するよりも、可能な限りの機動で爆弾を回避するほうがマシな状況だった。
一方、九九艦爆隊は「蒼龍」第一中隊第一小隊を皮切りに、小隊ごとに降下を開始する。
これまで、帝国海軍の艦爆隊は、攻撃に際しては一機ごとに急降下することを基本戦術としていた。
このことで、後続する機体は前を行く機体の着弾状況を見て風力や風向といったパラメーターを獲得することが出来た。
そして、それを考慮して投弾すれば、その分だけ命中率も向上する。
しかし、マーシャル沖海戦ではそのことを逆手に取られた。
すべての機体が同じコースをたどって急降下するものだから、逆に撃つ方からすれば未来位置の予測が容易かった。
そのことで撃破される九九艦爆が続出し、多くの機体が搭乗員とともに失われてしまった。
だから、今後については単機ではなく小隊ごとに攻撃にあたることとされた。
その分だけ命中率は低下するが、しかし搭乗員保護を考えれば、そこは妥協するしかなかった。
艦爆の神様と呼ばれる江草少佐と、それに腕利きで固められた「蒼龍」第一小隊が「ハーミーズ」に急降下、投弾と同時に引き起こしをかけ次々に離脱していく。
「ハーミーズ」の左右に水柱が立ち上るのとほぼ同時、同艦の中央部から爆煙がわき上がる。
さらに、第一小隊に続けとばかりに第二小隊と第三小隊もまた「ハーミーズ」を猛襲する。
第二小隊と第三小隊もまた、それぞれ一発の命中弾を得た。
第一中隊に続き、「蒼龍」第二中隊も「ハーミーズ」に容赦無い攻撃を加える。
こちらのほうは中隊全体で四発の命中を得ている。
「蒼龍」隊の攻撃が終了した時点で、ダメージが累増した「ハーミーズ」は這うような速力しか出せなくなっていた。
「蒼龍」隊に匹敵する練度を誇る「飛龍」隊にとって、のろまな「ハーミーズ」はただの的でしかなかった。
そして、その命中率は、搭乗員の言葉を信じるのであれば実に八割を超えるものだった。
いずれにせよ、「飛龍」隊の攻撃によって致命的ダメージを被った「ハーミーズ」は大炎上、艦首を下にして沈降し始めた。
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