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ハワイ最終決戦
第63話 イ号一型丙無線誘導弾、再び
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(またせたな米軍。ようやくのことで真打ち登場だ)
第五次攻撃隊総指揮官それに臨時で「加賀」飛行隊長の任にあたる嶋崎中佐が東へと逃走を図る艦隊に向け、胸中で言葉を投げかける。
ここに到達するまでに第五次攻撃隊は一〇〇機あまりのF6Fから襲撃を受けた。
二隻の正規空母それに三〇隻の護衛空母に残っていた戦闘機を総動員したのだろう。
しかし、二〇〇機を超える護衛の紫電改がこれを完封したことで、天山に被害が出るようなことはなかった。
眼下の艦隊は乙一と呼称される高速機動部隊、米軍で言うところの第七一任務群だった。
二隻の空母を中心とし、それぞれ四隻の大型艦と中型艦がそれらを取り囲んでいる。
さらに、その外周には一六隻の小型艦が展開する二重輪形陣だった。
ここに従来の急降下爆撃や雷撃を仕掛けようものなら、それこそ大損害は必至だ。
もちろん、攻撃側の第一機動艦隊司令部にそのような意図は無い。
「攻撃は第七艦隊から第六艦隊、それに第五艦隊、次いで第四艦隊とし、最後に第三艦隊の順とする。第七艦隊は二個小隊ごとに外周にある小型艦を狙え。第六艦隊は大型艦、第五艦隊は中型艦を攻撃せよ。第四艦隊は空母を目標とする。各隊指揮官は目標が重複しないよう留意せよ。第三艦隊については追って指示する」
嶋崎中佐の命令一下、密集隊形を維持していた三三〇機の天山がそれぞれ指示された目標に向けて散開していく。
それら天山は、そのすべての機体がイ号一型丙無線誘導弾を搭載していた。
そのイ号一型丙無線誘導弾のほうは陸攻や艦攻で運用されることから本体が九五〇キロで、その中に五〇〇キロ爆弾が収められていた。
マリアナ沖海戦における勝利の立役者とも言うべきイ号一型丙無線誘導弾だが、それでも万能というわけでも無かった。
無線によって制御されるイ号一型丙無線誘導弾は、つまりは電波妨害に対して脆弱な一面を持つ。
また、発射母機を撃墜されれば、その時点でコントロールを失い無力化されてしまう。
そういった弱点が露見することを恐れた帝国海軍は、マリアナ沖海戦が終了した後に徹底的とも言える溺者救助を実施した。
長期間、しかも広範囲にわたって駆逐艦を展開させ、同海域に漂っていた将兵のそのことごとくを救助したのだ。
もちろん、これは人道的な側面よりもイ号一型丙無線誘導弾の目撃者を潰すことに重点が置かれた措置だった。
マリアナ沖海戦で当時の太平洋艦隊はそのすべての艦を撃沈されたうえに、海上に投げ出された将兵のそのことごとくを捕虜にされた。
そのことで、米軍はイ号一型丙無線誘導弾の詳細は承知していないはずだった。
もちろん、米軍もマリアナ沖海戦で日本側が誘導弾を使用したことは、当時の無線交信の記録からこれを掴んでいることは間違いない。
しかし、そのような雲を掴むような話だけで対抗兵器が造れるわけもない。
だから、イ号一型丙無線誘導弾はいまだ有効な兵器としてその立場を維持しているはずだった。
それでも、米軍の情報収集能力それに兵器開発能力は侮れない。
連合艦隊司令長官の山本大将が一刻も早いオアフ島攻略作戦の実施を望んだのも、このことが一番の理由だった。
一番槍を任された第七艦隊の九六機の天山が第七一任務群を取り囲む。
まず「伊勢」隊の一八機の天山が先頭を行く三隻の米駆逐艦に向けてイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
マリアナ沖海戦の際は初期不良が続出し、発射したうちの三割近くが脱落した。
その後、不具合個所を洗い出すなどして改良を進めた結果、当時と比べて信頼性はかなりの程度向上している。
それでも発射したうちの三発が推進機構か姿勢制御機構、あるいは送受信機構のトラブルによって後落する。
さらに、敵の対空砲火によって無線誘導中の二機の天山が撃墜される。
米軍は当時の無線交信から、狙うのであればイ号一型丙無線誘導弾ではなく発射母機にすべきだということを学び取っていたのだ。
しかし、残る一三発は米駆逐艦目掛けて突進、このうちの一一発までが命中した。
三隻の米駆逐艦は少ないもので三発、多いものは四発を被弾する。
装甲が皆無の駆逐艦が五〇〇キロの爆弾を内包する一トン近いイ号一型丙無線誘導弾を、しかも同時に突きこまれてはたまったものではない。
三隻の米駆逐艦はそのいずれもが猛煙を上げて洋上停止し、そのうちの一隻は早くも沈みはじめていた。
「伊勢」隊に続き、今度は「日向」隊が攻撃を仕掛ける。
こちらのほうは二発のイ号一型丙無線誘導弾が脱落し、さらに対空砲火によって二機の天山が撃墜される。
しかし、残る一四発のイ号一型丙無線誘導弾のうちの一二発が命中。
狙われた三隻の米駆逐艦はそのいずれもが致命的ダメージを被り、さらにそのうちの一隻は爆雷かあるいは魚雷に火が入ったのか、盛大な爆発とともに洋上からその姿を消した。
さらに「山城」隊と「扶桑」隊、それに「隼鷹」隊と「飛鷹」隊が順次イ号一型丙無線誘導弾を発射していく。
一八機の天山からなる「山城」隊と「扶桑」隊はそれぞれ三隻の米駆逐艦を、一二機と数の少ない「隼鷹」隊と「飛鷹」隊はそれぞれ二隻の米駆逐艦を血祭りに上げた。
第七艦隊の天山の攻撃が終了した時点で航行が可能な駆逐艦は一隻も無かった。
最外周を守る対空対潜バリアが崩壊したことで第七一任務群の輪形陣は乱れに乱れる。
その隙を突くべく、第六艦隊の七二機の天山が突撃を開始した。
第五次攻撃隊総指揮官それに臨時で「加賀」飛行隊長の任にあたる嶋崎中佐が東へと逃走を図る艦隊に向け、胸中で言葉を投げかける。
ここに到達するまでに第五次攻撃隊は一〇〇機あまりのF6Fから襲撃を受けた。
二隻の正規空母それに三〇隻の護衛空母に残っていた戦闘機を総動員したのだろう。
しかし、二〇〇機を超える護衛の紫電改がこれを完封したことで、天山に被害が出るようなことはなかった。
眼下の艦隊は乙一と呼称される高速機動部隊、米軍で言うところの第七一任務群だった。
二隻の空母を中心とし、それぞれ四隻の大型艦と中型艦がそれらを取り囲んでいる。
さらに、その外周には一六隻の小型艦が展開する二重輪形陣だった。
ここに従来の急降下爆撃や雷撃を仕掛けようものなら、それこそ大損害は必至だ。
もちろん、攻撃側の第一機動艦隊司令部にそのような意図は無い。
「攻撃は第七艦隊から第六艦隊、それに第五艦隊、次いで第四艦隊とし、最後に第三艦隊の順とする。第七艦隊は二個小隊ごとに外周にある小型艦を狙え。第六艦隊は大型艦、第五艦隊は中型艦を攻撃せよ。第四艦隊は空母を目標とする。各隊指揮官は目標が重複しないよう留意せよ。第三艦隊については追って指示する」
嶋崎中佐の命令一下、密集隊形を維持していた三三〇機の天山がそれぞれ指示された目標に向けて散開していく。
それら天山は、そのすべての機体がイ号一型丙無線誘導弾を搭載していた。
そのイ号一型丙無線誘導弾のほうは陸攻や艦攻で運用されることから本体が九五〇キロで、その中に五〇〇キロ爆弾が収められていた。
マリアナ沖海戦における勝利の立役者とも言うべきイ号一型丙無線誘導弾だが、それでも万能というわけでも無かった。
無線によって制御されるイ号一型丙無線誘導弾は、つまりは電波妨害に対して脆弱な一面を持つ。
また、発射母機を撃墜されれば、その時点でコントロールを失い無力化されてしまう。
そういった弱点が露見することを恐れた帝国海軍は、マリアナ沖海戦が終了した後に徹底的とも言える溺者救助を実施した。
長期間、しかも広範囲にわたって駆逐艦を展開させ、同海域に漂っていた将兵のそのことごとくを救助したのだ。
もちろん、これは人道的な側面よりもイ号一型丙無線誘導弾の目撃者を潰すことに重点が置かれた措置だった。
マリアナ沖海戦で当時の太平洋艦隊はそのすべての艦を撃沈されたうえに、海上に投げ出された将兵のそのことごとくを捕虜にされた。
そのことで、米軍はイ号一型丙無線誘導弾の詳細は承知していないはずだった。
もちろん、米軍もマリアナ沖海戦で日本側が誘導弾を使用したことは、当時の無線交信の記録からこれを掴んでいることは間違いない。
しかし、そのような雲を掴むような話だけで対抗兵器が造れるわけもない。
だから、イ号一型丙無線誘導弾はいまだ有効な兵器としてその立場を維持しているはずだった。
それでも、米軍の情報収集能力それに兵器開発能力は侮れない。
連合艦隊司令長官の山本大将が一刻も早いオアフ島攻略作戦の実施を望んだのも、このことが一番の理由だった。
一番槍を任された第七艦隊の九六機の天山が第七一任務群を取り囲む。
まず「伊勢」隊の一八機の天山が先頭を行く三隻の米駆逐艦に向けてイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
マリアナ沖海戦の際は初期不良が続出し、発射したうちの三割近くが脱落した。
その後、不具合個所を洗い出すなどして改良を進めた結果、当時と比べて信頼性はかなりの程度向上している。
それでも発射したうちの三発が推進機構か姿勢制御機構、あるいは送受信機構のトラブルによって後落する。
さらに、敵の対空砲火によって無線誘導中の二機の天山が撃墜される。
米軍は当時の無線交信から、狙うのであればイ号一型丙無線誘導弾ではなく発射母機にすべきだということを学び取っていたのだ。
しかし、残る一三発は米駆逐艦目掛けて突進、このうちの一一発までが命中した。
三隻の米駆逐艦は少ないもので三発、多いものは四発を被弾する。
装甲が皆無の駆逐艦が五〇〇キロの爆弾を内包する一トン近いイ号一型丙無線誘導弾を、しかも同時に突きこまれてはたまったものではない。
三隻の米駆逐艦はそのいずれもが猛煙を上げて洋上停止し、そのうちの一隻は早くも沈みはじめていた。
「伊勢」隊に続き、今度は「日向」隊が攻撃を仕掛ける。
こちらのほうは二発のイ号一型丙無線誘導弾が脱落し、さらに対空砲火によって二機の天山が撃墜される。
しかし、残る一四発のイ号一型丙無線誘導弾のうちの一二発が命中。
狙われた三隻の米駆逐艦はそのいずれもが致命的ダメージを被り、さらにそのうちの一隻は爆雷かあるいは魚雷に火が入ったのか、盛大な爆発とともに洋上からその姿を消した。
さらに「山城」隊と「扶桑」隊、それに「隼鷹」隊と「飛鷹」隊が順次イ号一型丙無線誘導弾を発射していく。
一八機の天山からなる「山城」隊と「扶桑」隊はそれぞれ三隻の米駆逐艦を、一二機と数の少ない「隼鷹」隊と「飛鷹」隊はそれぞれ二隻の米駆逐艦を血祭りに上げた。
第七艦隊の天山の攻撃が終了した時点で航行が可能な駆逐艦は一隻も無かった。
最外周を守る対空対潜バリアが崩壊したことで第七一任務群の輪形陣は乱れに乱れる。
その隙を突くべく、第六艦隊の七二機の天山が突撃を開始した。
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