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第二次ミッドウェー海戦
第32話 連合艦隊、再び東へ
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ミッドウェー攻略の作戦開始日を七月四日に設定したのは、もちろんこれが米国の独立記念日だったこともその理由の一つだ。
しかし、それよりも遥かに大きなそれは、新戦力が揃ったことだった。
第二戦隊の「伊勢」と「日向」それに「山城」と「扶桑」、さらに第三戦隊の「榛名」と「霧島」の六隻の戦艦が新たに空母へと生まれ変わったのだ。
船体が大きな戦艦がベースとなったことで、六隻の空母はともに搭載機数が五四機と多く、特務艦改造空母や商船改造空母に比べて防御力も遥かに優れている。
それら六隻の戦艦改造空母が加わったことに伴い、連合艦隊はその編成を大きく変えていた。
砲戦部隊の第一艦隊はその規模を大幅に縮小し、夜戦部隊の第二艦隊に至っては解隊となってしまった。
一方で、機動部隊は拡充され、第三艦隊から第八艦隊までの六個艦隊にまでその規模が膨れ上がっている。
機動部隊のうち、第三艦隊から第六艦隊までは比較的脚の速い空母で固め、逆に第七艦隊と第八艦隊のほうは二五ノット程度しか速力発揮できないもので編成している。
このため、第七艦隊と第八艦隊の空母には、長い滑走距離を必要とされる彗星は一機も配備されていない。
また、脚が遅いがゆえに、ひとたび敵の水上打撃艦艇に捕捉されれば逃げるのは困難だ。
このため、両艦隊にはそれぞれ「長門」と「陸奥」を随伴させ、万一の事態に備えている。
艦上機のほうは、小型空母に少数の九七艦攻が配備されているが、それ以外はすべて新型で固めている。
零戦は最新の四三型で、従来型と違って二五番を搭載できたから戦闘爆撃機としての運用も可能だった。
また、爆撃の際に使用する射爆照準器だが、こちらは日欧交通線が開通したおかげでドイツから優秀なものがもたらされ、そのことで命中率が大きく向上している。
艦爆は彗星で、この機体は液冷エンジンの製造あるいはその信頼性がネックとされていた。
しかし、こちらもまたドイツから優れた工作機械や電装品がもたらされたこと、それに整備員の教育が進んだことで高い稼働率を維持している。
艦攻は天山で、こちらは彗星の運用が困難な第七艦隊それに第八艦隊の空母に数多く配備されている。
水上打撃艦艇については、ニューフェイスと呼べるものは軽巡「阿賀野」と「秋月」型駆逐艦くらいのものだった。
「阿賀野」は水雷戦隊旗艦として建造されたもので、そのコンセプトは今となってはあまりにも古い。
実際、魚雷戦の装備は水準かそれ以上だが、しかし対空能力はからっきしだった。
逆に、「秋月」型駆逐艦のほうは対空能力を第一としており、魚雷発射管のほうは同時期に建造された甲型駆逐艦の半分にしか過ぎなかった。
めぼしい新型艦が少なかった反面、改造でその姿や性格を変えた従来艦は多数に上っている。
「大和」それに「武蔵」は対空能力の強化を図るために左右の副砲を撤去、その跡地にそれぞれ三基の一二・七センチ連装高角砲を据えている。
「長門」と「陸奥」の二隻の戦艦もまた、高角砲や機銃を大量に増設したが、しかしその代償重量として副砲の一部を撤去している。
「妙高」型と「高雄」型、それに「最上」型の一二隻の重巡は、そのいずれもが四番砲塔ならびに五番砲塔を撤去するとともに水上機繋止甲板を延長した。
このことで、以前であれば三機乃至四機しか搭載できなかった水上機が、この改装によって一気に一一機にまでその数を増した。
ただし、目一杯載せると甲板の運用が窮屈になるので、実際には九機をその標準としている。
俗に五五〇〇型と呼ばれる旧式軽巡のほうは、そのいずれもが高角砲や機銃を大幅に増備していた。
ただし、トップヘビーを避けるために主砲それに魚雷発射管の一部を降ろしている。
駆逐艦のほうは機銃を増やしていた。
主砲については、これを平射砲から高角砲に換装すべきだという声が上がっている。
しかし、資材や造修施設の兼ね合いから、こちらのほうは先送りとなっている。
それと、近代戦に対応するため、第一艦隊から第八艦隊の艦艇はそのすべてが電探を搭載していた。
また、駆逐艦のほうはドイツからもたらされた優秀な聴音機やソナーを装備しており、海中からの刺客に目を光らせている。
これら戦力で連合艦隊は太平洋艦隊との決戦に臨む。
通算三度目となるゴングが、間もなく打ち鳴らされようとしていた。
第一艦隊
戦艦「大和」「武蔵」
重巡「愛宕」「高雄」
軽巡「阿賀野」
駆逐艦「長波」「巻波」「高波」「大波」「清波」「玉波」
第三艦隊
「赤城」(零戦三六、彗星一八、天山九)
「加賀」(零戦三六、彗星三〇、天山九)
「龍驤」(零戦二四、九七艦攻九)
「龍鳳」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「熊野」「鈴谷」
軽巡「那珂」
駆逐艦「秋月」「雪風」「初風」「天津風」「時津風」「浦風」「磯風」「浜風」「谷風」
第四艦隊
「飛龍」(零戦三六、彗星一二、天山九)
「蒼龍」(零戦三六、彗星一二、天山九)
「瑞鳳」(零戦二四、九七艦攻三)
「祥鳳」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「最上」「三隈」
軽巡「神通」
駆逐艦「照月」「萩風」「舞風」「野分」「嵐」「黒潮」「親潮」「早潮」「夏潮」
第五艦隊
「金剛」(零戦三六、彗星九、天山九)
「比叡」(零戦三六、彗星九、天山九)
「千歳」(零戦二四、九七艦攻三)
「千代田」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「妙高」「羽黒」
軽巡「川内」
駆逐艦「涼月」「秋雲」「夕雲」「巻雲」「風雲」「陽炎」「不知火」「霞」「霰」
第六艦隊
「榛名」(零戦三六、彗星九、天山九)
「霧島」(零戦三六、彗星九、天山九)
「日進」(零戦二四、九七艦攻三)
「瑞穂」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「那智」「足柄」
軽巡「阿武隈」
駆逐艦「初月」「朝雲」「山雲」「夏雲」「峯雲」「朝潮」「大潮」「満潮」「荒潮」
第七艦隊
「伊勢」(零戦三六、天山一八)
「日向」(零戦三六、天山一八)
「隼鷹」(零戦三六、天山一二)
戦艦「長門」
重巡「利根」
軽巡「鬼怒」
駆逐艦「新月」「海風」「山風」「江風」「涼風」「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」
第八艦隊
「山城」(零戦三六、天山一八)
「扶桑」(零戦三六、天山一八)
「飛鷹」(零戦三六、天山一二)
戦艦「陸奥」
重巡「筑摩」
軽巡「由良」
駆逐艦「若月」「時雨」「白露」「初春」「子日」「若葉」「初霜」「有明」「夕暮」
しかし、それよりも遥かに大きなそれは、新戦力が揃ったことだった。
第二戦隊の「伊勢」と「日向」それに「山城」と「扶桑」、さらに第三戦隊の「榛名」と「霧島」の六隻の戦艦が新たに空母へと生まれ変わったのだ。
船体が大きな戦艦がベースとなったことで、六隻の空母はともに搭載機数が五四機と多く、特務艦改造空母や商船改造空母に比べて防御力も遥かに優れている。
それら六隻の戦艦改造空母が加わったことに伴い、連合艦隊はその編成を大きく変えていた。
砲戦部隊の第一艦隊はその規模を大幅に縮小し、夜戦部隊の第二艦隊に至っては解隊となってしまった。
一方で、機動部隊は拡充され、第三艦隊から第八艦隊までの六個艦隊にまでその規模が膨れ上がっている。
機動部隊のうち、第三艦隊から第六艦隊までは比較的脚の速い空母で固め、逆に第七艦隊と第八艦隊のほうは二五ノット程度しか速力発揮できないもので編成している。
このため、第七艦隊と第八艦隊の空母には、長い滑走距離を必要とされる彗星は一機も配備されていない。
また、脚が遅いがゆえに、ひとたび敵の水上打撃艦艇に捕捉されれば逃げるのは困難だ。
このため、両艦隊にはそれぞれ「長門」と「陸奥」を随伴させ、万一の事態に備えている。
艦上機のほうは、小型空母に少数の九七艦攻が配備されているが、それ以外はすべて新型で固めている。
零戦は最新の四三型で、従来型と違って二五番を搭載できたから戦闘爆撃機としての運用も可能だった。
また、爆撃の際に使用する射爆照準器だが、こちらは日欧交通線が開通したおかげでドイツから優秀なものがもたらされ、そのことで命中率が大きく向上している。
艦爆は彗星で、この機体は液冷エンジンの製造あるいはその信頼性がネックとされていた。
しかし、こちらもまたドイツから優れた工作機械や電装品がもたらされたこと、それに整備員の教育が進んだことで高い稼働率を維持している。
艦攻は天山で、こちらは彗星の運用が困難な第七艦隊それに第八艦隊の空母に数多く配備されている。
水上打撃艦艇については、ニューフェイスと呼べるものは軽巡「阿賀野」と「秋月」型駆逐艦くらいのものだった。
「阿賀野」は水雷戦隊旗艦として建造されたもので、そのコンセプトは今となってはあまりにも古い。
実際、魚雷戦の装備は水準かそれ以上だが、しかし対空能力はからっきしだった。
逆に、「秋月」型駆逐艦のほうは対空能力を第一としており、魚雷発射管のほうは同時期に建造された甲型駆逐艦の半分にしか過ぎなかった。
めぼしい新型艦が少なかった反面、改造でその姿や性格を変えた従来艦は多数に上っている。
「大和」それに「武蔵」は対空能力の強化を図るために左右の副砲を撤去、その跡地にそれぞれ三基の一二・七センチ連装高角砲を据えている。
「長門」と「陸奥」の二隻の戦艦もまた、高角砲や機銃を大量に増設したが、しかしその代償重量として副砲の一部を撤去している。
「妙高」型と「高雄」型、それに「最上」型の一二隻の重巡は、そのいずれもが四番砲塔ならびに五番砲塔を撤去するとともに水上機繋止甲板を延長した。
このことで、以前であれば三機乃至四機しか搭載できなかった水上機が、この改装によって一気に一一機にまでその数を増した。
ただし、目一杯載せると甲板の運用が窮屈になるので、実際には九機をその標準としている。
俗に五五〇〇型と呼ばれる旧式軽巡のほうは、そのいずれもが高角砲や機銃を大幅に増備していた。
ただし、トップヘビーを避けるために主砲それに魚雷発射管の一部を降ろしている。
駆逐艦のほうは機銃を増やしていた。
主砲については、これを平射砲から高角砲に換装すべきだという声が上がっている。
しかし、資材や造修施設の兼ね合いから、こちらのほうは先送りとなっている。
それと、近代戦に対応するため、第一艦隊から第八艦隊の艦艇はそのすべてが電探を搭載していた。
また、駆逐艦のほうはドイツからもたらされた優秀な聴音機やソナーを装備しており、海中からの刺客に目を光らせている。
これら戦力で連合艦隊は太平洋艦隊との決戦に臨む。
通算三度目となるゴングが、間もなく打ち鳴らされようとしていた。
第一艦隊
戦艦「大和」「武蔵」
重巡「愛宕」「高雄」
軽巡「阿賀野」
駆逐艦「長波」「巻波」「高波」「大波」「清波」「玉波」
第三艦隊
「赤城」(零戦三六、彗星一八、天山九)
「加賀」(零戦三六、彗星三〇、天山九)
「龍驤」(零戦二四、九七艦攻九)
「龍鳳」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「熊野」「鈴谷」
軽巡「那珂」
駆逐艦「秋月」「雪風」「初風」「天津風」「時津風」「浦風」「磯風」「浜風」「谷風」
第四艦隊
「飛龍」(零戦三六、彗星一二、天山九)
「蒼龍」(零戦三六、彗星一二、天山九)
「瑞鳳」(零戦二四、九七艦攻三)
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重巡「最上」「三隈」
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第五艦隊
「金剛」(零戦三六、彗星九、天山九)
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「榛名」(零戦三六、彗星九、天山九)
「霧島」(零戦三六、彗星九、天山九)
「日進」(零戦二四、九七艦攻三)
「瑞穂」(零戦二四、九七艦攻三)
重巡「那智」「足柄」
軽巡「阿武隈」
駆逐艦「初月」「朝雲」「山雲」「夏雲」「峯雲」「朝潮」「大潮」「満潮」「荒潮」
第七艦隊
「伊勢」(零戦三六、天山一八)
「日向」(零戦三六、天山一八)
「隼鷹」(零戦三六、天山一二)
戦艦「長門」
重巡「利根」
軽巡「鬼怒」
駆逐艦「新月」「海風」「山風」「江風」「涼風」「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」
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「山城」(零戦三六、天山一八)
「扶桑」(零戦三六、天山一八)
「飛鷹」(零戦三六、天山一二)
戦艦「陸奥」
重巡「筑摩」
軽巡「由良」
駆逐艦「若月」「時雨」「白露」「初春」「子日」「若葉」「初霜」「有明」「夕暮」
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