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少女期~新しい日々と、これからのあれこれ~
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ミーティアは自室で、領地からの手紙を読んでいた。先日出した三通の手紙……一通は母であるグロリアに、一通は懇意にしている仕立て屋の女主人アンに、そしてもう一通はトリル村の村長に宛てて出していたのだが、それぞれの返事を読んでいた。
母グロリアの手紙によると、最近、ロビンはレナードとランディに剣術を習っているらしい。それぞれ剣筋は違えどなかなかの手練れには違いないので(祖父と母は比べる対象にすらならないが)それはいいことだと思う。また、領地の経営状況と、カークスやニナ、ロイについても書かれていて、皆元気そうだとミーティアの顔から笑みが零れる。同封されていたのは、ニナからナンシーに宛てた手紙だった。それを先に渡すと、ナンシーは嬉しそうに自室へ下がっていった。今頃は、同じようにニナからの手紙を読んでいるに違いない。
アンからの手紙には、リボンそのものを作るのは造作ないが、もう少し工夫をしてみたいと書いてあった。仕立て屋と言っても、ドレスや男性用の上着のデザインも手掛けているアンのことだ、きっとミーティアが思いもつかないような品が出来るのではないだろうか。こちらも楽しみだと、封筒に手紙をしまう。
最後、トリル村の村長からの手紙には、梳毛で織り上げるには今の機械だと難しいと書いてあった。なるほど、梳毛は毛足が長く、糸そのものが細いので、今の機械では織れないのかもしれない。これについては新しい機械が開発出来るのかどうか、ということもある。近いうちに領地に戻って、一度村長と話をしなくてはとミーティアは思った。
あと十日ほどすると、この学園に入学してから最初の試験がある。奨学生たるもの、成績が命だとミーティアは手紙を引き出しにしまうと、ペンとノートを取り出し、勉強を始めた。
試験科目は算術と歴史、そして言語学、実技でダンスがあった。ミーティアはこのダンスが非常に苦手であった。なぜなら、まともなダンスレッスンをミーティアに受けさせることを、母のグロリアも、祖母のグレースも失念していたせいである。マナーについてはカント夫人の教えもあって、文句なしと言われるのだが、ダンスについては壊滅的で、ダンスレッスンの日はミーティアは非常に憂鬱だった。
だが、試験実技である以上、ダンスもしっかりと成績に響く。そのことだけが、ミーティアを鬱々とさせていた。
*****
小ホールでは、ダンスレッスンが始まっている。
同じクラスの男子生徒と踊るのだが、セドリック王子だけは優雅に椅子に座って見学していた。その王子をチラチラとご令嬢方が伺っているのがわかる。
ミーティアとしては、まさか王子と踊るなんて考えただけで鼻血が出そうなので、レッスンには参加しないことを知ってほっとしていた。
ダンスの先生のパンパンという手拍子に合わせ、初心者に優しいワルツの練習が始まる。女子生徒だけでやって欲しいくらいだとミーティアは思っていたが、社交ダンスというものは男性パートナーがいて成り立つものなので、そうもいかないようだ。女子生徒の中には素人のミーティアが見ても上手いと思う者が何人かいたが、男子生徒はほぼミーティアレベル、壊滅的だった。なので、女子生徒の中にはこわごわステップを踏んでいる者もいる。なぜなら足を踏まれるからだ。
ミーティアは逆で、男子生徒の足を踏みまくっていた。
「痛っ!」
「ごめんなさい!」
ミーティアを睨みたいけど睨めない、そんな感じの表情で、足を踏まれた男子生徒はフンと横を向いてしまう。
このままじゃダンスの成績だけは落第かもしれない、それはなんとしても避けたいミーティアは、特訓したいと常々思っていたが、なんせパートナーがいないのだ。これはどうしようもなかった。
ダンスレッスンの時間が終わると、ミーティアは色々削られてヘトヘトになっていた。
(このままじゃ絶対まずいわ、でもどうしたらいいのかしら)
今日の授業はこれで終わりなので、教室へ戻り教科書や文房具を手提げにしまうと、廊下へ出て寮へと向かうため東階段を目指していた。
(どうしよう、誰かに相談したほうがいいかしら、でも誰に相談すれば……)
そんな風に考え事をしていたせいで、誰かに危うくぶつかりそうになる。
「あっ……」
思わず目を瞑るが、なんの衝撃もなく恐る恐る目を開けると、トビアスが立っていた。
「久しぶりだね、ミーティア嬢。何か考え事?」
「申し訳ありません、リーベラ卿。ご無沙汰しておりました。……あら、今日はジルベルトお兄様とご一緒ではないのですね」
「ああ、ジルベルトはまだ剣術の授業から戻ってきてないね。彼は剣術の授業はいつも張り切っているから」
「そうですか……」
ミーティアは、ジルベルトやトビアスが羨ましくなった。自分も剣術や馬術だったら、もう少しマシなような気がしたからだ。
「なんだか元気がないみたいだね、何かあった?」
「それが……」
ミーティアは掻い摘んで説明する。自分の恥を晒すのは少々気が引けたが、このままでは出口が見つからないのだ、誰かに相談にのって欲しかったという気持ちもあった。
「ダンスねぇ……」
「リーベラ卿、どなたかダンスの上手な方をご存知ありませんか?」
ミーティアは必死だった。この間、ご令嬢たちの呼び出されたことなど、頭の片隅にもなかったため、ここが公共の場であることをうっかり忘れるぐらいに、必死だったのだ。
「ダンスの名手?君の従兄はそこそこダンスも上手いはずだよ」
「そうなんですの!」
それは知らなかった、ミーティアの目は食い入るようにトビアスを見つめる……トビアスが若干引くぐらいに。
「でも……お兄様に教わるのはちょっと……」
「なぜ?」
なんだかジルベルトに弱みを握られるようで嫌だった。尤も、ミーティアの弱みなど、オルヴェノクの領地でやらかした数々の失態でがっちり握られているだろうが。
「恥ずかしいの?」
「え……」
そうね、恥ずかしいと答えたほうが令嬢らしいわね、とミーティアは考える。
「仰る通りですわ、私、お兄様に教わるのが恥ずかしいのです」
「じゃあ、僕が教えてあげようか?」
ーーー後ろから声がする。え、この声はまさか……。
ミーティアが振り向くより前に、目の前のトビアスが深々とお辞儀をして略礼を執った。それを見て、後ろの人物が誰だかわかって、血の気が引く。まるでゼンマイ仕掛けの人形のように、振り返るとそこには。
従者を伴って、セドリック王子が立っていた。
ミーティアはその姿を見た瞬間、その場で気を失った。
*****
ミーティアが意識を取り戻した時、泣きそうな顔をしたナンシーがこちらを覗き込んでいた。
「お嬢様……ああ、よかった……」
「ナンシー……ここは……」
どこ?という言葉が遮られる。
「医務室だ、君は倒れたんだ」
ミーティアが先ほどと同じように、恐る恐るそちらを見ると、氷の王子、セドリックがそこに座っていた。
ええええええーーーーーっ!!
ミーティアはまた卒倒しかけたが、ここがベッドで心底よかったとほっとしていた。
「で、ででで殿下……あの……」
ミーティアは緊張のあまりどもって言葉を上手く発することが出来ない。頭の中は絶賛大混乱中である。
「君は倒れた。コーディがここまで君を運んだ」
王子は、そう言いながら傍らの従者に視線を移すと、従者がゆっくりと頷いていた。
ああ、びっくりした、まさか王子に運ばれたとか言われたら、死ねる、いっそ死んでもいい……ミーティアはまた縁起でもないことを考えていたが、あの場で倒れたということは、何かとんでもない誤解をされたんじゃないだろうか、そっちのほうが物理的に死に直結するのではと思い至り、ようやく冷静さを取り戻す。
「殿下、お見苦しいところをお見せいたしまして、申し訳ございません。寝具の上からで恐縮ですが、どうかご容赦くださいませ」
「かまわない。それより、僕が教えようか。君のダンスを見ていたが、あまりに気の毒だから」
な、な、なんと!王子の慈悲深いお言葉を聞き、ミーティアは口をパクパクと開けては閉めるしか出来ない。さりげなくディスられているのだが、そんなことはミーティアの耳には届いていなかった。
「で、で殿下のお手を煩わせるなど、罰が当たりますわ」
「僕が教えると言ってるんだ。それの何が不満なんだ?」
「ふ、不満など……」
これは、本格的に不敬だと思われる、やばい、でもここでお願いしてもいいんだろうか、ミーティアは逡巡していたが、結局、物理的死はごめんだと結論付けた。
「本当によろしいのですか?」
「そうだな、明日から授業が終わったら王城へ来るように。コーディ、戻るぞ」
「御意」
王子は言いたいことだけ簡潔に述べると、従者と一緒に医務室を出て行った。
残されたミーティアは、ただただ呆然とするばかりだった。
母グロリアの手紙によると、最近、ロビンはレナードとランディに剣術を習っているらしい。それぞれ剣筋は違えどなかなかの手練れには違いないので(祖父と母は比べる対象にすらならないが)それはいいことだと思う。また、領地の経営状況と、カークスやニナ、ロイについても書かれていて、皆元気そうだとミーティアの顔から笑みが零れる。同封されていたのは、ニナからナンシーに宛てた手紙だった。それを先に渡すと、ナンシーは嬉しそうに自室へ下がっていった。今頃は、同じようにニナからの手紙を読んでいるに違いない。
アンからの手紙には、リボンそのものを作るのは造作ないが、もう少し工夫をしてみたいと書いてあった。仕立て屋と言っても、ドレスや男性用の上着のデザインも手掛けているアンのことだ、きっとミーティアが思いもつかないような品が出来るのではないだろうか。こちらも楽しみだと、封筒に手紙をしまう。
最後、トリル村の村長からの手紙には、梳毛で織り上げるには今の機械だと難しいと書いてあった。なるほど、梳毛は毛足が長く、糸そのものが細いので、今の機械では織れないのかもしれない。これについては新しい機械が開発出来るのかどうか、ということもある。近いうちに領地に戻って、一度村長と話をしなくてはとミーティアは思った。
あと十日ほどすると、この学園に入学してから最初の試験がある。奨学生たるもの、成績が命だとミーティアは手紙を引き出しにしまうと、ペンとノートを取り出し、勉強を始めた。
試験科目は算術と歴史、そして言語学、実技でダンスがあった。ミーティアはこのダンスが非常に苦手であった。なぜなら、まともなダンスレッスンをミーティアに受けさせることを、母のグロリアも、祖母のグレースも失念していたせいである。マナーについてはカント夫人の教えもあって、文句なしと言われるのだが、ダンスについては壊滅的で、ダンスレッスンの日はミーティアは非常に憂鬱だった。
だが、試験実技である以上、ダンスもしっかりと成績に響く。そのことだけが、ミーティアを鬱々とさせていた。
*****
小ホールでは、ダンスレッスンが始まっている。
同じクラスの男子生徒と踊るのだが、セドリック王子だけは優雅に椅子に座って見学していた。その王子をチラチラとご令嬢方が伺っているのがわかる。
ミーティアとしては、まさか王子と踊るなんて考えただけで鼻血が出そうなので、レッスンには参加しないことを知ってほっとしていた。
ダンスの先生のパンパンという手拍子に合わせ、初心者に優しいワルツの練習が始まる。女子生徒だけでやって欲しいくらいだとミーティアは思っていたが、社交ダンスというものは男性パートナーがいて成り立つものなので、そうもいかないようだ。女子生徒の中には素人のミーティアが見ても上手いと思う者が何人かいたが、男子生徒はほぼミーティアレベル、壊滅的だった。なので、女子生徒の中にはこわごわステップを踏んでいる者もいる。なぜなら足を踏まれるからだ。
ミーティアは逆で、男子生徒の足を踏みまくっていた。
「痛っ!」
「ごめんなさい!」
ミーティアを睨みたいけど睨めない、そんな感じの表情で、足を踏まれた男子生徒はフンと横を向いてしまう。
このままじゃダンスの成績だけは落第かもしれない、それはなんとしても避けたいミーティアは、特訓したいと常々思っていたが、なんせパートナーがいないのだ。これはどうしようもなかった。
ダンスレッスンの時間が終わると、ミーティアは色々削られてヘトヘトになっていた。
(このままじゃ絶対まずいわ、でもどうしたらいいのかしら)
今日の授業はこれで終わりなので、教室へ戻り教科書や文房具を手提げにしまうと、廊下へ出て寮へと向かうため東階段を目指していた。
(どうしよう、誰かに相談したほうがいいかしら、でも誰に相談すれば……)
そんな風に考え事をしていたせいで、誰かに危うくぶつかりそうになる。
「あっ……」
思わず目を瞑るが、なんの衝撃もなく恐る恐る目を開けると、トビアスが立っていた。
「久しぶりだね、ミーティア嬢。何か考え事?」
「申し訳ありません、リーベラ卿。ご無沙汰しておりました。……あら、今日はジルベルトお兄様とご一緒ではないのですね」
「ああ、ジルベルトはまだ剣術の授業から戻ってきてないね。彼は剣術の授業はいつも張り切っているから」
「そうですか……」
ミーティアは、ジルベルトやトビアスが羨ましくなった。自分も剣術や馬術だったら、もう少しマシなような気がしたからだ。
「なんだか元気がないみたいだね、何かあった?」
「それが……」
ミーティアは掻い摘んで説明する。自分の恥を晒すのは少々気が引けたが、このままでは出口が見つからないのだ、誰かに相談にのって欲しかったという気持ちもあった。
「ダンスねぇ……」
「リーベラ卿、どなたかダンスの上手な方をご存知ありませんか?」
ミーティアは必死だった。この間、ご令嬢たちの呼び出されたことなど、頭の片隅にもなかったため、ここが公共の場であることをうっかり忘れるぐらいに、必死だったのだ。
「ダンスの名手?君の従兄はそこそこダンスも上手いはずだよ」
「そうなんですの!」
それは知らなかった、ミーティアの目は食い入るようにトビアスを見つめる……トビアスが若干引くぐらいに。
「でも……お兄様に教わるのはちょっと……」
「なぜ?」
なんだかジルベルトに弱みを握られるようで嫌だった。尤も、ミーティアの弱みなど、オルヴェノクの領地でやらかした数々の失態でがっちり握られているだろうが。
「恥ずかしいの?」
「え……」
そうね、恥ずかしいと答えたほうが令嬢らしいわね、とミーティアは考える。
「仰る通りですわ、私、お兄様に教わるのが恥ずかしいのです」
「じゃあ、僕が教えてあげようか?」
ーーー後ろから声がする。え、この声はまさか……。
ミーティアが振り向くより前に、目の前のトビアスが深々とお辞儀をして略礼を執った。それを見て、後ろの人物が誰だかわかって、血の気が引く。まるでゼンマイ仕掛けの人形のように、振り返るとそこには。
従者を伴って、セドリック王子が立っていた。
ミーティアはその姿を見た瞬間、その場で気を失った。
*****
ミーティアが意識を取り戻した時、泣きそうな顔をしたナンシーがこちらを覗き込んでいた。
「お嬢様……ああ、よかった……」
「ナンシー……ここは……」
どこ?という言葉が遮られる。
「医務室だ、君は倒れたんだ」
ミーティアが先ほどと同じように、恐る恐るそちらを見ると、氷の王子、セドリックがそこに座っていた。
ええええええーーーーーっ!!
ミーティアはまた卒倒しかけたが、ここがベッドで心底よかったとほっとしていた。
「で、ででで殿下……あの……」
ミーティアは緊張のあまりどもって言葉を上手く発することが出来ない。頭の中は絶賛大混乱中である。
「君は倒れた。コーディがここまで君を運んだ」
王子は、そう言いながら傍らの従者に視線を移すと、従者がゆっくりと頷いていた。
ああ、びっくりした、まさか王子に運ばれたとか言われたら、死ねる、いっそ死んでもいい……ミーティアはまた縁起でもないことを考えていたが、あの場で倒れたということは、何かとんでもない誤解をされたんじゃないだろうか、そっちのほうが物理的に死に直結するのではと思い至り、ようやく冷静さを取り戻す。
「殿下、お見苦しいところをお見せいたしまして、申し訳ございません。寝具の上からで恐縮ですが、どうかご容赦くださいませ」
「かまわない。それより、僕が教えようか。君のダンスを見ていたが、あまりに気の毒だから」
な、な、なんと!王子の慈悲深いお言葉を聞き、ミーティアは口をパクパクと開けては閉めるしか出来ない。さりげなくディスられているのだが、そんなことはミーティアの耳には届いていなかった。
「で、で殿下のお手を煩わせるなど、罰が当たりますわ」
「僕が教えると言ってるんだ。それの何が不満なんだ?」
「ふ、不満など……」
これは、本格的に不敬だと思われる、やばい、でもここでお願いしてもいいんだろうか、ミーティアは逡巡していたが、結局、物理的死はごめんだと結論付けた。
「本当によろしいのですか?」
「そうだな、明日から授業が終わったら王城へ来るように。コーディ、戻るぞ」
「御意」
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