「愛してるよ」と第二王子は言った。

ホラズム王国第二王子のリオンは、何かにつけて兄であるエドワードと比較されていた。

無能ではなくとも相対的評価によって無能だとされてしまう事は往々にしてある。

そうした日々を過ごす内、リオンは自信を失っていき、やがて自身の存在意義にも疑念を抱くほど心を病んでしまう。

しかし彼の心を慰撫してくれる者はいなかった。

婚約者であるイザベラにせよ、兄であるエドワードにせよ、両親でさえも。

そんなある日、リオンはクラウディアという平民の娘と出逢う。

二人の白かった関係は、月が次第に満ちていく様にゆっくりと色づいていく。

※本作は禁じられた遊び、ペットセメタリーのオマージュ作品です
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