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第三章 大団円

【本当のハネムーンまで002時間〜久しぶりの〜】⭐︎

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「愛してるよ、円佳」
「私も透也君のことを愛してる」

 私には透也君が足りない。
 もっと、もっと欲しい。人目を気にせず、『大好き』って言いたい。
 ところ構わずキスして、抱きつきたい。
 今なら誰もいない孤島に二人っきりになってしまいたい。誰もいない場所で自由に奔放に愛し合いたい。

 唇をついばみあいながら部屋の中に戻ってくると、いつのまにか美丈夫達は姿を消していた。
 ベッドにゆっくりとおし倒される。
 私は期待に満ちた表情で彼を見上げた。
 彼の双眸が愛と欲で満ちている。きっと、私の瞳もそうだろう。

「円佳……」
「きて」

 私は両手を広げた。
 透也君の体が私にのしかかる。

「好き」
「僕もだよ」

 何度体を重ねても欲しくなる。
 私に愛してるってささやいて。
 貴方の指も声もなにもかもが恋しい。
 肌を満遍なく重ねて、裡の虚に貴方を埋めて。
 透也君の唇がゆっくりと降りていく。

「透也君……」
「円佳、愛してる」

 耳を食まれた。

「あん……」

 私も彼もなにもつけてない。
 服を剥ぎ取るばかりに奪い合い、肌を重ね合って接吻して手をからめあい、足は互いに挟みあった。胸もお腹もすべてで互いを感じている。

 一つにはなれないから、触れ合うことがこんなにも幸せなんだ。

 透也君が私の肌に口づけしていく。
 あますところなく、愛おしそうに。私もあとでさせてもらおう。
 今は彼からもらう甘いプレゼントを美味しく味わうとき。

「あ、ぁん……」
「円佳はいつも美味しい」

 言葉の合間、ちゅ、ちゅ、とリップ音が聞こえてきたり、やわらかい唇の感触がする。
 くふぅ……ん、と満足げに喉をならす。

「幸せ……」

 透也君に食べられちゃうの、好き。
 彼が楽しそうにしつつ、興奮しているのが嬉しい。

「僕も幸せ」

 私は目を開け、透也君を見た。
 愛おしそうで、本当に幸せそうな微笑みが降ってくる。
 私も微笑む。

「円佳が僕の腕のなかにいるときが人生で最良の時間」
「私も」

 彼の瞳には私が、私の目にも彼が映っている距離が一番好き。
 透也君が私の唇と乳嘴、同時に触れた。

「ひぁんっ」

 嬉しくて声をあげちゃった。

「もっと歓ばせてあげる」

 掠れた声が体を震わせる。

「ん。透也君が沢山ほしい……」
「イイ子」

 ちゅ……というリップ音が、徐々に下に下がっていく。
 ふくらみのふもと、お臍の脇、太腿の付け根。

「…………あ……」

 和毛が透也君の息で揺れて、吐息のような声が漏れる。
 熟れて濡れた蜜口と、その上にある秘芽が彼を待ち望んでいた。
 じゅ……、と陰核を吸われて陶然となる。

 ちゅぽ、と水を潜る音が蜜壺からした。透也君の指が私の秘筒にダイブした音だ。

「すっかり蕩けているね。すぐ、入りこめそう」

 透也君は秘珠を舌でいらわれてナカをくじられて、私の足先が丸くなる。

「いいよ……きて……」

 透也君に出入りしてもらって、思いっきり啼きたい。

「だめ」

 彼は艶やかに微笑んだ。

「僕は、円佳が僕に啼かされているのを見るのが一番好きなんだ」

 秘密の裂け目を彼の指がゆっくりとなぜてくる。
 蜜口あたりをこすられると重い悦が、花芽を撫でられると蕩けるような快感が与えられ、さっきから埋められた指をきゅうきゅうと食んでいる。

「理性がぐずぐずに溶けて、だらしない顔をして淫らな言葉でねだってくる円佳がとても、ね」

 蜜路の浅瀬を遊ぶ指はお臍側の壁をえぐったり、根元まで挿れられて届く範囲で私が反応しちゃう場所を探している。
 ……快楽を掘り起こされる場所がもうちょっと先なのは、透也君もわかっている。

「う、ゥン……」

 もどかしい。
 気持ちイイんだけど、まだ全然イケない。
 今は快楽を貯めるとき。でも、あふれるまでにはならない。

 ゆるゆると、そしてすぶすぶと、気がつくとどこを触れられても感じてしまう快楽の沼にはまりこんでいる。

 指をの腹で膣壁を優しく圧されたり、いつのまにか増やされてバラバラに動かされたり。
 私が身動きするたび透也君は敏感な粒を舌で撫でたり、溢れた蜜を舐めていく。

「僕の指を呑み込んでいる、円佳のここ。赤くぱくぱくしているよ。ふふ、いやらしいね」

 ずぷりと手のひらが秘処にあたるほどに深く差し入れる。
 なにかを探すかのような指の動き。そして、秘密の谷間全体を圧されるような動きに、私はひくりひくりと反応する。
 蜜口を刺激されると、わだかまっていた重だるい快感が段々と高みに押し上げられていく。

「は、……ぁん」

 イケそう。
 すると、透也君は指を抜いてしまい、太ももを舐めだした。濡れた指で、胸の先っぽをきゅ、とつねられる。

「いじ、わるぅ……」

 思わず抗議してしまった。

「構ってあげなかったから、寂しかっただろう?」

 笑いを含んだ声で言われたので、首をもちあげて睨んだ。

 すると、わかっていたように透也君が太ももに舌を這わせながら私を見つめ返してくる。
 ふくらみをかかえこまれながら、親指で片方の尖りは先端を押しつぶされ、片方は右へ左へと弾かれた。

「あンっ……」

 鋭い刺激が嬉しい。
 でも、あらためて蜜口に甘い悦が溜まってしまう。
 透也君は私をみつめながら、ふくらみの際をなぞったり、乳輪の濃いところを指先で円を描くようになぞる。
 指の腹が乳嘴の側面を擦っていくのと、彼から放たれる色気にあてられて、どうしようもなく煽られる。

「あぁん……」

 ずっと胸に刺激を与えられていると、胸でイケる準備が出来てくる。

「円佳は声も胸も、僕の欲望を受け入れるここも、甘いね」

 透也君は、太腿のつけねをなめだした。
 気持ちいいけれど、そこじゃないの。
 反論しよう。
 でも。
 鼠径部を丹念に舌でいらわれるうち、むずむずが快感に変わりそうな予感。
 四年間、透也君に愛され続けて開発されていないところなんて、ないと思っていたのに。

「円佳は感じるのがうまい」

 褒めてくれて、嬉しい。

「僕の与える視線や言葉でもイケるようになってきたね。僕が傍にいると、いつでも濡れてしまうようにさせたい」

「もうなってる」

 透也君に愛されたシーンを、私が仕事やレセプション中、どれだけ思い出していると知っているのかな。

「だから、ねえ……!」

 焦れた。泣きたくなる。

「円佳におねだりされるのも大好き」

 彼が浮かべた淫蕩な表情に見惚れてしまう。
 次の瞬間、目にぎらぎらしたものを宿らせて、体を起こすと彼は私の足を割り開いた。

 透也君のしなやかでそれでいて、筋肉のついた美しい体が汗に濡れている。
 勃ちあがった雄が、お臍につくくらい反りかえっている。
 先端は先走りに濡れていて、長い竿の部には脈うっていた。

「今日は円佳が頼んでもやめない」

 頬を紅くし、荒い息とともに吐き出した言葉に、奥がきゅうんと切なくなった。
 気をやってしまって寝入っていても、唇や指による甘い刺激とナカにとどまっていた透也君の分身による律動で、起こされたこともある。

「ヨ過ぎて、どうにかなりそうだから怖いんだよね?」

 透也君が微笑みながら断言する。

「どうにかなってしまえ。……僕なしでは生きられなくなってしまえばいいのに」

 私は両手をひろげて『きて』とジェスチャーをした。

「ちょっと待って」

 避妊具をつける透也君を少し残念な想いで見た。

「……つけちゃうの?」

「ん。もう少し、円佳と二人だけの時間をくれないか」
「わかった」

 焦ることはない。
 透也君とこれからずっと一緒にいられるのだから。
 私は息を吸い込むと、にっこりと微笑んだ。
 透也君が私の頭を抱えこんでささやく。

「『僕の子を孕め』って言いたいけれど、今は旅の途中だから。僕は円佳を独占したい」

 どこかに定住するのかすら決まっていない。
 透也君と世界中に出かけていく。
 ……赤ちゃんが出来るまでは、旅していたい気持ちもある。

「そうだね」

 透也君がゆっくりと入ってきた。
 先端が一番大きくて、沢山ほぐしてもらっても最初の瞬間は緊張する。
 息を長く吐いて、力を抜いていく。
 透也君が慎重に繊細に腰を動かしてきた。やがて彼の恥骨と私の秘処がぴったり合わさる。

「入ったよ」

 透也君もわかっていて、馴染むのを待ってくれている。
 みちみちと、空虚をみたされて安堵と幸せのため息をつく。

「とうやくん……」
「は、円佳。いつもにまして、食いちぎられそうだ……」

 透也君が呻く。
 もぞり。
 ナカがうねってきた。

「っ、円佳。動くよ」
「うん」

 初めは小さく、ゆっくりと。
 それから少しずつ奥へ。
 ゆすっては前進し、とどまったあと少しずつひいてはもう少し奥へ進む。

 ゆったりと透也君は私の体を征服していく。
 私はナカの快感が目覚めていくのを息を潜めて待ち、透也君は私の表情や反応を見守っている。

 ぽたり、と熱い雫が垂れてきた。
 うっすら目を開ければ、快感に眉をひそめている透也君が見えた。
 私で気持ちヨくなってくれているんだ。
 誇らしくて、幸せな気持ちになる。
 連動していたらしく、ナカがきゅ、と締まった。

「っ」

 私のうねりが伝わったらしくて、透也君が呻く。
 眉をしかめて、なにかを堪えているような表情。

 赤く染まった肌のなか、彼の胸の飾りも尖っている。
 私のより小さめな粒にそっと指を這わせると、彼の背中がしなり、隘路に抱きしめられている透也君の雄茎の質量が増大した。

「や、ん。大っき、い……」
「こら」

 炎が灯った目でにらまれた。

「誰のせいだ! ……ったく、円佳は僕を煽るのがうまいっ」

 荒々しい言葉とともに、抽送が激しくなる。
 ぐりっとナカのイイところをこすられて、我慢していたものが突き抜けてしまった。

「ひぁっ、あ、あんん……」

 息が出来ない。
 蜜路の襞が勝手に透也君を追い求めはじめる。
 こうなってしまったら、自分の体なのに制御できない。
 腰ごと膣を持ち上げて、絶頂から突き落とされるのを待つしかない、のに。

「ここだよね」

 酷薄にも見えかねない笑みを浮かべて、透也君は私がイってしまった場所をえぐりだした。

「や、らぁ、イってるか、らぁ……っ!」

 目の前から世界が消える。
 蜜壺の襞どころじゃない、芯奥を穿たれて体ごと快感に放り込まれる。

「あぁっ、ア……!」

 気持ち良すぎて辛いほどの快楽に、私は人としての枠を失っていく。
 揺さぶられて善がって啼くだけの、原始的な生き物に成り果てる。 
 彼も、快楽を追い求めて腰を振らずにはいられない太古の生き物に戻っていく。

 苦しくてキツいくらい。
 なのに耐え難い快感に、口も透也君と繋がっているところも、声や熱い汁をほとぼらせようとしてしまう。

 私だけじゃない。 
 揺さぶられてよく見えないけれど、苦行をしているような透也君の顔。
 気持ちイいんだよね。
 絶頂はこの世で一番の快感だけれど、行き着いてしまえば終わるしかない。
 イキたくなくて、この天国をもっと味わっていたい顔。

「円佳、よそ見するなッ」

 声と共に、彼が腰をくり出す速さがアップする。

「ひぁぁっァん……!」

 透也君のことしか見てないのに、彼は未来や過去の自分にも嫉妬する。
 ふふ。

「僕を感じろ!」
「とうや、くん」

 なんとか声を絞り出したけれど、つづかない。
 ダ・イ・ス・キ
 口をパクパクさせるだけで精一杯。
 でも、透也君の目が狂おしいものから熱っぽいものに変わる。
 腰の動きも、貪るものから味わうものにかわる。
 ぁん。

 今日は最奥の手前。
 ちょうど、透也君の分身の先端一個分くらい入り口に近い、左手側の襞がいい。
 体の一番奥を穿たれるときに掠めていく。
 つい、そこに重点を置いてしまった、ら。

「見つけた」

 透也君が艶やかな笑みを浮かべた。
 見惚れていると交わったまま、仰向けから横向きに変えさせられた。
 ぐりん、とナカの雄がいつもと違う襞にあたる。

「ひぁんっ」

 啼いてしまったら、上になっている足をかかえこまれ、抽送が再開される。

「!」

 びくんと体が反応する。

「今日はここもイイんだね」

 問いかけではなく確信の言葉と共に、さっきまでかするだけだった場所に正確に先っぽを当てられた。

「あ、ァ、あ……」

 声が止まらない。
 体がピクピクしてしまって、手はシーツを引っ掻く。宙に浮いた足は爪先まで丸くなった。

「そこ、だめぇっ」

 感じすぎる。
 ぐりぐりとこすられたかと思えば、ガツガツと穿たれる、
 目が霞む。息ができない。
 胸が透也君の腰の動きにあわせて、ふるんふるんと揺れる。

 ぐい、と透也君が手を伸ばしてきたので、彼の屹立が隘路のなかにあたる角度が、またかわった。

 暴力的な快感、そして新しい歓びを受け取る。
 体が穏やかに、そして悦に育てようとすると、合間に弱いところを穿たれる。

 同時に尖っていた乳首をつままれたので、裡の快感だけではなく、外からの快楽まで増えて、どんどん絶頂へのカウントダウンが早まる。

「や、ぁぁぁん……」

 もう限界が近い。
 けれど、透也君と一緒にイきたい。

「とうや、くん。とうや……」

 私が必死に名を呼べば、透也君の動きが早く激しく、規則正しくなる。
 自分の快感に集中しだした透也君も好き。
 ただひたむきに欲望に忠実になった彼を見つめながら私も一緒にかけあがっていく。

「くっ……、円佳イく……!」
「わた、し、も!」

 透也君の背中が反り、腰が一番深く押しつけられた。
 びゅるびゅると熱い飛沫を膜越しでも最奥に感じ、私も目の前が真っ白になった。
 絡みつく襞を押しのけて、透也君が二度三度グラインドする。
 どさりと身をなげてきた彼を私は受けとめた。
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