24 / 55
第二章 婚前編
【結婚式の012時間前~再会~】
しおりを挟む
「……円佳……」
透也君にまじまじと見つめられた挙句、つぶやかれてしまった。
そりゃ、驚くよね。
背中の中ほどまで伸ばしていた黒髪を、うなじのあたりでばっさり切った挙句にピンクに染めて。
焦げ茶の瞳には、紫のカラーコンタクトまで装着しているのだから。
耳にはじゃらりとピアスもどき。……穴を開けるのは躊躇した。だって、透也君にキスしてもらえなくなるし。
は!
なにを考えてるのかな、私?
でも……腫れちゃったら結婚式がぁ。ではなくて。
ともかくっ!
吉と出るのか凶とでるのか。
無駄な抵抗かもしれないけれど、すぐには結婚式が出来ないようにしてみたんである。
私が固唾を呑んでいると、透也君は微笑んだ。
へにゃり、としか言いようのない緩んだ表情。
あ。
この顔を知っている。
透也君は仮面をかぶるのが上手い人で、ご両親にすら悪人面しか見せていない。
この顔は二人きりのときに、私にしか見せない甘えたときの表情だった。
あ、あれ……?
とまどったりとか、良家の嫁に相応しくない!とかの反応は?
「相変わらず、円佳はすごいなあ。君のことはなんでも知っていると思っていたのに、円佳はびっくり箱だね。僕を驚かせるのがうまい。惚れ直すよ」
透也君の言葉にぽーっとなった。
そういえば透也君に否定されたことはなかった。
私が相談すれば道筋を幾とおりも示してくれるけれど、最終的には選ばせてくれる。
そして言うのだ。
『どんな選択をしても、僕だけは円佳の味方だよ』って。
過去も未来も、私の意思。
……いかん、術中に嵌る!
考えてみたら、言葉巧みな透也君に誤魔化されて、なんだかんだ流されてきた。
もう騙されないんだからっ!
「私達の結婚は政略結婚ってほんと?」
不退転の決意で訊ねた。
「円佳はどうあって欲しい?」
「はぐらかさないで!」
質問で返してきた透也君を睨みつければ、彼はつるっと自白した。
「君のお父さんの特許を嘉島家が占有しているのは本当」
やっぱり……!
わかっていても息をのんでしまう。
心臓が痛い。
彼は底知れぬ深い瞳で私を見つめてきた。
「僕が君を愛しているのも本当」
甘い衝撃が胸にどん、ときた。
地獄まで落ち込んでいた気分が一気に天国まで駆け上がる。
今まで、なんの疑いもなく受け止めていた言葉。
だけど――!
「私が『特許』を透也君に譲ったら、結婚はなかったことにしてくれるの?」
ごくりと唾を呑み込んで、ささやいた。
途端、彼の顔面から表情が消えた。
他人にはめったに見せない、本気で怒っているときの表情だ。
室内の温度が一気に十度くらい冷えたみたい。
こわい。
「いまさら僕を棄てるなんて、赦さない」
言下に否定される。
顔と同じく静かな声だった。
「……私が透也君を捨てる……?」
「そうだ」
違うでしょ、透也君こそが私のことをオマケ扱いしたくせに――!
「『特許』さえあれば、私なんて必要ないんでしょう!」
悲鳴のように叫べば、黒い焔のような双眸で見つめられた。
恐ろしさに、体が動かなくなる。
「……なにか誤解しているようだけど。君が手に入らないのなら、特許にはなんの価値もない」
「え」
私は固まった。
あれ?
『オ父サンノ特許』は要らないもの?
一部の人にしか需要がない?
でも、透也君は経営者。ってことは商人さんであるわけで、誰の目にもゴミな物でも価値をつけるのが仕事じゃないの?
混乱してきた。
「たとえ世界が欲している技術であっても、円佳かどちらか選べというのなら僕にとって必要ないものだ」
特許のほうがおまけ、って透也君はそんな風に思ってくれていたの?
とくんとくんと、心臓が嬉しそうに動く。
ほわっと温かいものが体の中心から四肢に広がる。
でも。
一瞬、晴れはしたものの、再び曇ってしまったであろう私の顔を見て、透也君は低い声で呟いた。
「円佳が望むなら、僕は嘉島家の跡取りであることを放棄する」
「っ、駄目!」
とんでもないことを言われて、咄嗟に反対する。
透也君はカリスマ経営者だ。
彼が携わっている企業はことごとく業績を上げ、社員たちの給料も待遇も向上させている。
透也君が退いても嘉島家の屋台骨は揺らがないかもしれないけれど、数十万人に及ぶ生活が彼の肩にかかっているのだ。
「先ほどは政略結婚じゃないと言ったけれど。むしろ君を手に入れるためなら、僕はどんな手段でも使うつもりだ。君を破滅に追いやってから救いの手を差し出すとか。例え、僕じゃない男と婚姻の祭壇に進んでいても、円佳を僕のものにする」
ギラギラとした瞳は本気だ。
…………嬉しい、のに。
透也君には、私が迷っているのがわかっているようだった。
「どうすれば、僕の気持ちに偽りはないと信じてもらえる?」
透也君が勁い視線でぐいぐい圧してくる。
「……それは……」
私は途方にくれた。
百パーセント彼を信じてしまいたいと感情は私を引っ張り、理性は疑えと私を引っ張りかえす。
わからない。
眼を逸らして俯いてしまった私を、彼はしばらく眺めていたようだった。
そして。
「……迂闊だったよ」
はあああ、と透也君が深いため息をついたので、私はびくりと体を震わせた。
精密な計算のもとで動く透也君がなにをやらかしたの?
固唾をのんで見守っていると、彼は自嘲気味に囁いた。
「こんなことなら、円佳のことを好きだって自覚してすぐに、君を無人島にでも閉じ込めておけばよかったんだ」
……今、なんて?
信じられないことを言われたので、透也君の顔を凝視する。
すると、彼も見返してくる。
「別に僕の部屋の中に君を閉じ込めるのでもいいけど。円佳の眼には僕の姿しか映らず、君の耳には僕の言葉しか聞こえないようにしておけばよかったって話。君の世話は一切僕がやり、他人を近づけず。念のため、鎖に繋いだり暗示を使ってもね」
「………………はい?」
さっきは百歩譲って、誰もいないリゾート地に二人で旅行、って意味でもいいと思う。
け・ど!
今の発言は犯罪そのものの薫りしかしないよ。
思わず、彼の顔をまじまじと見てしまったら、透也君の眼には仄暗い光が宿っていて、冗談を言っているとは思えない。
背中に、ぞくぞくっとふるえが走った。
透也君にいだいた感情が恐怖だけじゃなくて、違う気持ちが混じっていることに気づいたから。
私、そんなにも執着されていることに喜んでいる。
ふ、と透也君の表情が変わる。
私を見つめる口元が和らぎ、艶な雰囲気になった。
「あの、色っぽい眼で見ないでもらえるかな。腰が砕けそうになるんだけど」
思わず小声で抗議すれば、しっかりと耳に入ったらしい。
「じゃあ、もっとしよう」
ひええ、猛毒注意!
甘くてねっとりとした毒に体も脳も冒されたら、もう助からない。
どうして、こんな危険な透也君に気づけなかったんだろう。
……彼の瞳には、魔力でもこもっているのかな。私は透也君から眼を逸らせない。
魅せられる。
膝まづいて、愛を乞うてしまいたくなる。
だめぇ、私! 踏みとどまるのよおおお!
「透也君、色仕掛けなんてずるい!」
呪縛よ解けろぉとばかりに絶叫すれば、透也君は耳を押えながら呻いた。
「ち、しぶとい」
「あ、あったりまえでしょー! 透也君と何年一緒に暮らしてきたと思ってんのよ! 簡単に墜ちてたまるもんですかっ」
嘘です。いつも心臓ばっくばくです。
「言っただろう、『使えるものはなんでも使う』と」
透也君は私の抗議なんて聞いていないのか、髪をぐしゃぐしゃにして、サイドテーブルからショットグラスを取り上げた。
中身をぐい、と一気に喉に流し込む。
……こんなやさぐれている透也君、初めて見た。
私のせい、だよね。
「本音を言えば、君が僕と共に生きることを望んでいなくても手放したくない。円佳が嫌がって泣きわめいても、名実僕のものにしてしまいたい」
どきん。
「憎まれてもいい、僕のことを考えてくれているのだから。恐怖のあまり、君が狂ってしまっても構わない。――そうしたら、いつでも僕の傍で笑っていてくれるよね?」
淫蕩にすら見える笑みを浮かべられてしまう。
い、言ってることがあまりにもデンジャラスなんですが!
なのに。
私ったら、怖さより歓喜に体をふるわせているなんて。
……私。
もしかしたら、『飛んで火にいる夏の虫』をしてしまったのだろうか。
真実という宝物を目指して洞窟に訪れた。
遭遇してしまった宝物の番人はイケメンで大好きな人だけれど、最上級の魑魅魍魎感がハンパない!
透也君はまた、髪をぐしゃぐしゃにかきあげると、悩まし気な声で呟いた。
「円佳が閉所恐怖症じゃなきゃね」
透也君は、はあああ、と何度目かのため息をついた。
「へ」
いま、私達は透也君の話をしていたのに。
この場にそぐわない単語に、私は面喰う。
「……ソレ、なんの関係があるの?」
話の転換についていけない。
透也君にまじまじと見つめられた挙句、つぶやかれてしまった。
そりゃ、驚くよね。
背中の中ほどまで伸ばしていた黒髪を、うなじのあたりでばっさり切った挙句にピンクに染めて。
焦げ茶の瞳には、紫のカラーコンタクトまで装着しているのだから。
耳にはじゃらりとピアスもどき。……穴を開けるのは躊躇した。だって、透也君にキスしてもらえなくなるし。
は!
なにを考えてるのかな、私?
でも……腫れちゃったら結婚式がぁ。ではなくて。
ともかくっ!
吉と出るのか凶とでるのか。
無駄な抵抗かもしれないけれど、すぐには結婚式が出来ないようにしてみたんである。
私が固唾を呑んでいると、透也君は微笑んだ。
へにゃり、としか言いようのない緩んだ表情。
あ。
この顔を知っている。
透也君は仮面をかぶるのが上手い人で、ご両親にすら悪人面しか見せていない。
この顔は二人きりのときに、私にしか見せない甘えたときの表情だった。
あ、あれ……?
とまどったりとか、良家の嫁に相応しくない!とかの反応は?
「相変わらず、円佳はすごいなあ。君のことはなんでも知っていると思っていたのに、円佳はびっくり箱だね。僕を驚かせるのがうまい。惚れ直すよ」
透也君の言葉にぽーっとなった。
そういえば透也君に否定されたことはなかった。
私が相談すれば道筋を幾とおりも示してくれるけれど、最終的には選ばせてくれる。
そして言うのだ。
『どんな選択をしても、僕だけは円佳の味方だよ』って。
過去も未来も、私の意思。
……いかん、術中に嵌る!
考えてみたら、言葉巧みな透也君に誤魔化されて、なんだかんだ流されてきた。
もう騙されないんだからっ!
「私達の結婚は政略結婚ってほんと?」
不退転の決意で訊ねた。
「円佳はどうあって欲しい?」
「はぐらかさないで!」
質問で返してきた透也君を睨みつければ、彼はつるっと自白した。
「君のお父さんの特許を嘉島家が占有しているのは本当」
やっぱり……!
わかっていても息をのんでしまう。
心臓が痛い。
彼は底知れぬ深い瞳で私を見つめてきた。
「僕が君を愛しているのも本当」
甘い衝撃が胸にどん、ときた。
地獄まで落ち込んでいた気分が一気に天国まで駆け上がる。
今まで、なんの疑いもなく受け止めていた言葉。
だけど――!
「私が『特許』を透也君に譲ったら、結婚はなかったことにしてくれるの?」
ごくりと唾を呑み込んで、ささやいた。
途端、彼の顔面から表情が消えた。
他人にはめったに見せない、本気で怒っているときの表情だ。
室内の温度が一気に十度くらい冷えたみたい。
こわい。
「いまさら僕を棄てるなんて、赦さない」
言下に否定される。
顔と同じく静かな声だった。
「……私が透也君を捨てる……?」
「そうだ」
違うでしょ、透也君こそが私のことをオマケ扱いしたくせに――!
「『特許』さえあれば、私なんて必要ないんでしょう!」
悲鳴のように叫べば、黒い焔のような双眸で見つめられた。
恐ろしさに、体が動かなくなる。
「……なにか誤解しているようだけど。君が手に入らないのなら、特許にはなんの価値もない」
「え」
私は固まった。
あれ?
『オ父サンノ特許』は要らないもの?
一部の人にしか需要がない?
でも、透也君は経営者。ってことは商人さんであるわけで、誰の目にもゴミな物でも価値をつけるのが仕事じゃないの?
混乱してきた。
「たとえ世界が欲している技術であっても、円佳かどちらか選べというのなら僕にとって必要ないものだ」
特許のほうがおまけ、って透也君はそんな風に思ってくれていたの?
とくんとくんと、心臓が嬉しそうに動く。
ほわっと温かいものが体の中心から四肢に広がる。
でも。
一瞬、晴れはしたものの、再び曇ってしまったであろう私の顔を見て、透也君は低い声で呟いた。
「円佳が望むなら、僕は嘉島家の跡取りであることを放棄する」
「っ、駄目!」
とんでもないことを言われて、咄嗟に反対する。
透也君はカリスマ経営者だ。
彼が携わっている企業はことごとく業績を上げ、社員たちの給料も待遇も向上させている。
透也君が退いても嘉島家の屋台骨は揺らがないかもしれないけれど、数十万人に及ぶ生活が彼の肩にかかっているのだ。
「先ほどは政略結婚じゃないと言ったけれど。むしろ君を手に入れるためなら、僕はどんな手段でも使うつもりだ。君を破滅に追いやってから救いの手を差し出すとか。例え、僕じゃない男と婚姻の祭壇に進んでいても、円佳を僕のものにする」
ギラギラとした瞳は本気だ。
…………嬉しい、のに。
透也君には、私が迷っているのがわかっているようだった。
「どうすれば、僕の気持ちに偽りはないと信じてもらえる?」
透也君が勁い視線でぐいぐい圧してくる。
「……それは……」
私は途方にくれた。
百パーセント彼を信じてしまいたいと感情は私を引っ張り、理性は疑えと私を引っ張りかえす。
わからない。
眼を逸らして俯いてしまった私を、彼はしばらく眺めていたようだった。
そして。
「……迂闊だったよ」
はあああ、と透也君が深いため息をついたので、私はびくりと体を震わせた。
精密な計算のもとで動く透也君がなにをやらかしたの?
固唾をのんで見守っていると、彼は自嘲気味に囁いた。
「こんなことなら、円佳のことを好きだって自覚してすぐに、君を無人島にでも閉じ込めておけばよかったんだ」
……今、なんて?
信じられないことを言われたので、透也君の顔を凝視する。
すると、彼も見返してくる。
「別に僕の部屋の中に君を閉じ込めるのでもいいけど。円佳の眼には僕の姿しか映らず、君の耳には僕の言葉しか聞こえないようにしておけばよかったって話。君の世話は一切僕がやり、他人を近づけず。念のため、鎖に繋いだり暗示を使ってもね」
「………………はい?」
さっきは百歩譲って、誰もいないリゾート地に二人で旅行、って意味でもいいと思う。
け・ど!
今の発言は犯罪そのものの薫りしかしないよ。
思わず、彼の顔をまじまじと見てしまったら、透也君の眼には仄暗い光が宿っていて、冗談を言っているとは思えない。
背中に、ぞくぞくっとふるえが走った。
透也君にいだいた感情が恐怖だけじゃなくて、違う気持ちが混じっていることに気づいたから。
私、そんなにも執着されていることに喜んでいる。
ふ、と透也君の表情が変わる。
私を見つめる口元が和らぎ、艶な雰囲気になった。
「あの、色っぽい眼で見ないでもらえるかな。腰が砕けそうになるんだけど」
思わず小声で抗議すれば、しっかりと耳に入ったらしい。
「じゃあ、もっとしよう」
ひええ、猛毒注意!
甘くてねっとりとした毒に体も脳も冒されたら、もう助からない。
どうして、こんな危険な透也君に気づけなかったんだろう。
……彼の瞳には、魔力でもこもっているのかな。私は透也君から眼を逸らせない。
魅せられる。
膝まづいて、愛を乞うてしまいたくなる。
だめぇ、私! 踏みとどまるのよおおお!
「透也君、色仕掛けなんてずるい!」
呪縛よ解けろぉとばかりに絶叫すれば、透也君は耳を押えながら呻いた。
「ち、しぶとい」
「あ、あったりまえでしょー! 透也君と何年一緒に暮らしてきたと思ってんのよ! 簡単に墜ちてたまるもんですかっ」
嘘です。いつも心臓ばっくばくです。
「言っただろう、『使えるものはなんでも使う』と」
透也君は私の抗議なんて聞いていないのか、髪をぐしゃぐしゃにして、サイドテーブルからショットグラスを取り上げた。
中身をぐい、と一気に喉に流し込む。
……こんなやさぐれている透也君、初めて見た。
私のせい、だよね。
「本音を言えば、君が僕と共に生きることを望んでいなくても手放したくない。円佳が嫌がって泣きわめいても、名実僕のものにしてしまいたい」
どきん。
「憎まれてもいい、僕のことを考えてくれているのだから。恐怖のあまり、君が狂ってしまっても構わない。――そうしたら、いつでも僕の傍で笑っていてくれるよね?」
淫蕩にすら見える笑みを浮かべられてしまう。
い、言ってることがあまりにもデンジャラスなんですが!
なのに。
私ったら、怖さより歓喜に体をふるわせているなんて。
……私。
もしかしたら、『飛んで火にいる夏の虫』をしてしまったのだろうか。
真実という宝物を目指して洞窟に訪れた。
遭遇してしまった宝物の番人はイケメンで大好きな人だけれど、最上級の魑魅魍魎感がハンパない!
透也君はまた、髪をぐしゃぐしゃにかきあげると、悩まし気な声で呟いた。
「円佳が閉所恐怖症じゃなきゃね」
透也君は、はあああ、と何度目かのため息をついた。
「へ」
いま、私達は透也君の話をしていたのに。
この場にそぐわない単語に、私は面喰う。
「……ソレ、なんの関係があるの?」
話の転換についていけない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる