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5章 ロゼッタ

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「因みに俺の名前はタクヤ。 サポーター職専門をやっている」

依頼ボードの前で自己紹介をした。

「変わった名前じゃの。 それでもよろしくなのじゃ」

「とりあえず簡単な依頼を受けてみよう」

簡単に挨拶を済ませ依頼ボードに目を向ける。

「おっ! ウルフ退治の依頼があるな。 これを受けてみよう」

依頼ボードに貼られた紙を手に取り受け付けに向かう。

「また我の魔法にて朽ちてしまう疎かな魔物に鉄槌を下すのじゃ」

「はいはい...」

受け付けに紙を提出して初めて依頼を受ける事になる。

「では依頼を受領したので、お気をつけて下さいね」

「了解しました」

無事に依頼受領が出来たので、ギルドを出る。
出来れば前衛の冒険者が欲しかったが組んでくれる人が居なかったのは仕方ない。

俺はフォレストタウンから出て、依頼の森へ入っていく。
後ろからロゼッタも着いてくる。

暫く森の中を歩くとウルフが数体存在していた。
数にして3体。
これならいけるだろう。

ウルフはオオカミのような見た目で討伐自体難しく無い。

「あの魔物達やれるか?」

「ふっ...! 我に不可能は無いのじゃ!」

そう言うとロゼッタはまた詠唱を唱え始める。

それにしても無駄に長い。
前半の詠唱はほぼ耳に入って来なかった。

「...古の力を此処に宿すのじゃ! アイスボールバレット」

複数の氷の玉がウルフに直撃する。
それだけで簡単に倒れてしまった。

無駄に詠唱は長いが、魔法の的中率も高く、後衛職としての役割は完璧に出来そうだ。

「ん?」

俺は倒れた魔物を収納すると辺りからウルフの鳴き声が数多くした。

「しまった...!」

「どうしたのじゃ?」

「今倒したのは逸れたウルフじゃなく先行隊のウルフだったっぽいな...」

「それがどうしたのじゃ?」

「本隊のウルフ達が襲ってくるぞ! ひとまず逃げよう!」

「我に掛かれば造作も無い事じゃ!」

「バカ! 囲まれるぞ!」

俺の注意も聞かず、ロゼッタは前に出たのだった。

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