53 / 98
明星/カラスの北斗七星 編
43.吸血鬼ルカ
しおりを挟む
祭壇から戻ってきたルカは、どこか嬉しそうだった。
私達がケルベロスをここに返したことで、彼女の心が少しでも明るくなれたのなら良かった。
「皆さん、本当にありがとうございました。その……よかったら、お礼をしたいので……うちで、お食事でもしていかれませんか?」
「え、いいの?」
特に断る理由も無ければ、恐らく久しぶりの来客で少し楽しそうなルカの気持ちを無碍には出来ないので、私達は彼女の住む館へとお邪魔する事になった。
それに、ルカには聞きたいことも沢山ある。
「どうぞ、ボクは今ある材料で何か作ってきます! 簡単なものですが……」
「アタシも料理得意だから手伝うよ!」
館に着いて早々、ルカとシャロはキッチンの方へと行ってしまった。
残された私とシルビアは、他愛のない会話をしながら壁に沢山掛けられた絵を眺めている。
「そういえばさ、この絵って誰が描いたやつなんだろうね?」
「ロスヴァリスにいた画家なのかな? 凄く綺麗な絵……雰囲気は全部似てるけど、魔物の絵は可愛らしく描かれてて、私これ好きかも」
可能ならば、この絵を買い取って部屋に飾りたいぐらいだ。
とは言っても、今の私はシルビアの家に居候している状態だけど……
そうして暫く時間を潰していると、料理ができたとシャロが呼びに来たので、私とシルビアはダイニングルームへと向かった。
部屋はこぢんまりしていて、テーブルには家庭的な料理が並べられている。
「すごい、この食糧はどこで手に入れたの?」
「野菜や果物は、魔物達に栽培方法を教えたんです。肉や魚などの食材は、時々ウィリディスや外の川で獲ってます」
私の問いに、ルカは楽しげな顔でそう話した。
料理が出来る人って羨ましい。
私はやったことが無いだけで、やれば出来るかもしれない。
今度、シャロに教えてもらおうかな。
「さぁ、皆さん遠慮なく召し上がってください!」
「うん、ありがとう」
それから四人で食事を始め、私達はルカからブライトの情報や、ルカ自身の話も聞かせて貰っていた。
ブライトに関しては、コボルト達から聞いた話と殆ど同じだった。
祭壇に近付いたブライトとフルーレに接触したルカだったが、圧倒的な魔物の数と絶え間ない空間魔法攻撃に押されてしまい、その際に右腕を負傷したのだと言う。
それから傷を癒すために館の中で眠っていたところ、私達が此処へやってきたとのことだった。
「ルカ達吸血鬼は、いつからロスヴァリスに住んでたの?」
「ボクが生まれるよりずっと昔です。ボクは物心ついた時からロスヴァリスの人々や魔物達と一緒に暮らしていたので、それより前のことはあんまり気にしたこと無かったなぁ。それに、500年も生きてると忘れちゃうことも多いんですよね」
ルカはそう言って苦笑した。
500年か……吸血鬼の寿命が長いことは知っていたけれど、シャロやシルビアよりも幼い見た目をしておきながら、私よりも圧倒的に年長者だなんて、信じ難い。
それはシャロとシルビアも同じようで、二人とも大袈裟に驚いている。
ルカの母親は少し身体の弱い人だったらしく、ルカが100歳ぐらいになった頃に、その数年前に亡くなった祖父の後を追うように母親も亡くなってしまったらしい。
それからは人間の父親が面倒を見てくれていたが、人間の寿命は非常に短い。
ついに一人になってしまったルカは、近所に住んでいたカルムという女性と共に館で暮らしたのだと言う。
ここで、一つ疑問に思ったことがある。
吸血鬼ならば、その気になれば吸血によって眷属を増やせるはずだ。
国の人々はルカ達に食事としての血を分けてはくれていたらしいけれど、一人も眷属にはしていなかった。
それをルカに訊ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「眷属を作るのは簡単ですが、眷属になった吸血鬼はボクたちオリジナルと違い、吸血をしなければ飢えてしまいます。オリジナルはある程度であれば吸血無しでも飢えたりしませんが、眷属には飢えの苦しみ、そして太陽の下に出られないという苦しみもあります。そんな苦しみを、人族の皆さんには感じて欲しくなかったんです」
ルカ達の一族は、そうやってこのロスヴァリスの人々と友好的な関係を築いてきたんだ。
彼女から感じる雰囲気で分かってはいたけれど、やっぱり優しい子なんだな。
だからこそ、ルカはカルムが人として老いてしまうと知っていながらも、その最期を看取って一人になることを選んだ。
カルムという女性は、ルカにとってきっと大切な人だったのだろう。
「カルムさんのことは、彼女が幼い頃から知っていたので、妹のようでもあり姉のようでもあって、不思議な感じでした。それに、カルムさんと一緒に暮らすまではボクも普通に男子らしい服を着ていたんですけど、カルムさんはボクに女の子みたいな可愛い服ばかりをくれていたので、気付いたらそれが馴染んでしまって、今でもそういう服ばかりを着ているんです」
カルムはルカの本当の姉のような存在だったらしい。
それはそれとして、今とても聞き捨てならないことをサラッと言っていたような気がする。
え……ルカって、女の子じゃなかったの?
「待って、ルカ……ルカって、男の子?」
「あ、すみません……言い忘れてました。ボク、服はこんなですけど、男です……」
そういう事だったのか。
一人称がボクなのが少しだけ気になっていたけれど、女の子でもボクと言う子はいるだろうし、あまり気にすることでもないと思っていた。
それが、まさか男の子だったとは……仕草や口調まで女の子らしくて、全く気付かなかった。
「そっかぁ……じゃあ、ルカちゃんじゃなくてルカくんだね! よろしくね、ルカくん!」
「いやぁ、びっくりしたけどそうだったのか。確かに、ルカは顔が可愛いからそういう服が似合うな」
シャロとシルビア、相変わらず受け入れが早い。
そうしてルカはシルビアの言葉に頬を赤らめている。
「そ、そうですか……嬉しいです」
可愛い……
可能ならこれからも一緒に来て欲しいぐらいだけれど、きっと彼には此処を守る役目がある。
それに、不用意に外界へと連れ出すのはリスクが大きいかもしれない。
食事を終えた私達は、ルカに礼を言って帰りの支度をし始めた。
「そういえば、この館に飾ってある絵って誰が描いたものなの?」
私がそう訊くと、ルカは少し照れ臭そうに「ボクです」と答えた。
「え、ルカが描いたの!? すごい……此処に飾ってある絵、特に魔物の絵が私すごく好き!」
「ほ、本当ですか? その……ありがとうございます」
「絵描くの、好きなんだね」
「はい、絵を描いていると……空っぽの自分が埋めれる気がして……」
空っぽの自分とは……そういえば、ルカはあまり自分の感情について話していない。
時折嬉しそうな顔や寂しそうな顔は見せるけれど、何か悩みがあるのだろうか?
「ねぇルカ、よかったら、私達と一緒に来ない?」
自分でも、何故こんなことを言ったのかよく分からない。
けれど、何となく思ったことがある。
恐らく、ルカは自身の現状に満足していない。
絵という趣味に没頭して魔物達と暮らす今の生活は楽しいかもしれないけれど、彼はまだ自分に出来ることを探したいと、そう考えているように感じたのだ。
「それって……」
「勿論、無理にとは言わない。ロスヴァリスの魔物達やケルベロスの祭壇を守るのもルカの役目かもしれない。けど、もしルカにその気があったら、私はルカにも仲間になって欲しい。私の……勇者の仲間として!」
当然、この頼みはダメ元でのものだった。
ルカは少し俯き、葛藤している様子である。
「ボクは……呪われた血の種族、吸血鬼ルカ・ファーニュです」
彼は俯いたままで口を開き、控えめでありながらもはっきりとした口調で話す。
「ロスヴァリスの人達は優しかったけれど、吸血鬼が人族から卑下されてきた歴史は知っていました。吸血鬼である自分が嫌で、悲観的になったこともありました。今だって、ボクは本当は存在しちゃいけない種族なんじゃないかって、思ってしまうことがあります」
ルカは俯いていた顔を上げ、私の目を真っ直ぐに見た。
「だから逃げていたんです。外界と関わるのが怖くて、ずっとこの洞窟に引き篭もったまま、空っぽのまま殻に籠って生きてきました。でも、ボクは……ベリィさん達と一緒に行きたい! 空っぽの自分を変えたい! ボクに出来ることを、もっと探したいです!」
その瞬間、ルカの目付きが少し変わった気がした。
覚悟を決めた、という事なのだろうか?
何より、ルカが一緒に来ると言ってくれたのが嬉しかった。
「ありがとう、ルカ。これからよろしくね」
「よろしく、ルカくん!」
「よろしくな!」
どうやら、シャロとシルビアも賛成してくれたらしい。
「皆さん……よろしくお願いします!」
こうして、新たに吸血鬼のルカが仲間として加わった。
それからはルカに軽く荷物を纏めてもらい、私の転移魔法でシリウスのシルビア宅へと帰ったのであった。
私達がケルベロスをここに返したことで、彼女の心が少しでも明るくなれたのなら良かった。
「皆さん、本当にありがとうございました。その……よかったら、お礼をしたいので……うちで、お食事でもしていかれませんか?」
「え、いいの?」
特に断る理由も無ければ、恐らく久しぶりの来客で少し楽しそうなルカの気持ちを無碍には出来ないので、私達は彼女の住む館へとお邪魔する事になった。
それに、ルカには聞きたいことも沢山ある。
「どうぞ、ボクは今ある材料で何か作ってきます! 簡単なものですが……」
「アタシも料理得意だから手伝うよ!」
館に着いて早々、ルカとシャロはキッチンの方へと行ってしまった。
残された私とシルビアは、他愛のない会話をしながら壁に沢山掛けられた絵を眺めている。
「そういえばさ、この絵って誰が描いたやつなんだろうね?」
「ロスヴァリスにいた画家なのかな? 凄く綺麗な絵……雰囲気は全部似てるけど、魔物の絵は可愛らしく描かれてて、私これ好きかも」
可能ならば、この絵を買い取って部屋に飾りたいぐらいだ。
とは言っても、今の私はシルビアの家に居候している状態だけど……
そうして暫く時間を潰していると、料理ができたとシャロが呼びに来たので、私とシルビアはダイニングルームへと向かった。
部屋はこぢんまりしていて、テーブルには家庭的な料理が並べられている。
「すごい、この食糧はどこで手に入れたの?」
「野菜や果物は、魔物達に栽培方法を教えたんです。肉や魚などの食材は、時々ウィリディスや外の川で獲ってます」
私の問いに、ルカは楽しげな顔でそう話した。
料理が出来る人って羨ましい。
私はやったことが無いだけで、やれば出来るかもしれない。
今度、シャロに教えてもらおうかな。
「さぁ、皆さん遠慮なく召し上がってください!」
「うん、ありがとう」
それから四人で食事を始め、私達はルカからブライトの情報や、ルカ自身の話も聞かせて貰っていた。
ブライトに関しては、コボルト達から聞いた話と殆ど同じだった。
祭壇に近付いたブライトとフルーレに接触したルカだったが、圧倒的な魔物の数と絶え間ない空間魔法攻撃に押されてしまい、その際に右腕を負傷したのだと言う。
それから傷を癒すために館の中で眠っていたところ、私達が此処へやってきたとのことだった。
「ルカ達吸血鬼は、いつからロスヴァリスに住んでたの?」
「ボクが生まれるよりずっと昔です。ボクは物心ついた時からロスヴァリスの人々や魔物達と一緒に暮らしていたので、それより前のことはあんまり気にしたこと無かったなぁ。それに、500年も生きてると忘れちゃうことも多いんですよね」
ルカはそう言って苦笑した。
500年か……吸血鬼の寿命が長いことは知っていたけれど、シャロやシルビアよりも幼い見た目をしておきながら、私よりも圧倒的に年長者だなんて、信じ難い。
それはシャロとシルビアも同じようで、二人とも大袈裟に驚いている。
ルカの母親は少し身体の弱い人だったらしく、ルカが100歳ぐらいになった頃に、その数年前に亡くなった祖父の後を追うように母親も亡くなってしまったらしい。
それからは人間の父親が面倒を見てくれていたが、人間の寿命は非常に短い。
ついに一人になってしまったルカは、近所に住んでいたカルムという女性と共に館で暮らしたのだと言う。
ここで、一つ疑問に思ったことがある。
吸血鬼ならば、その気になれば吸血によって眷属を増やせるはずだ。
国の人々はルカ達に食事としての血を分けてはくれていたらしいけれど、一人も眷属にはしていなかった。
それをルカに訊ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「眷属を作るのは簡単ですが、眷属になった吸血鬼はボクたちオリジナルと違い、吸血をしなければ飢えてしまいます。オリジナルはある程度であれば吸血無しでも飢えたりしませんが、眷属には飢えの苦しみ、そして太陽の下に出られないという苦しみもあります。そんな苦しみを、人族の皆さんには感じて欲しくなかったんです」
ルカ達の一族は、そうやってこのロスヴァリスの人々と友好的な関係を築いてきたんだ。
彼女から感じる雰囲気で分かってはいたけれど、やっぱり優しい子なんだな。
だからこそ、ルカはカルムが人として老いてしまうと知っていながらも、その最期を看取って一人になることを選んだ。
カルムという女性は、ルカにとってきっと大切な人だったのだろう。
「カルムさんのことは、彼女が幼い頃から知っていたので、妹のようでもあり姉のようでもあって、不思議な感じでした。それに、カルムさんと一緒に暮らすまではボクも普通に男子らしい服を着ていたんですけど、カルムさんはボクに女の子みたいな可愛い服ばかりをくれていたので、気付いたらそれが馴染んでしまって、今でもそういう服ばかりを着ているんです」
カルムはルカの本当の姉のような存在だったらしい。
それはそれとして、今とても聞き捨てならないことをサラッと言っていたような気がする。
え……ルカって、女の子じゃなかったの?
「待って、ルカ……ルカって、男の子?」
「あ、すみません……言い忘れてました。ボク、服はこんなですけど、男です……」
そういう事だったのか。
一人称がボクなのが少しだけ気になっていたけれど、女の子でもボクと言う子はいるだろうし、あまり気にすることでもないと思っていた。
それが、まさか男の子だったとは……仕草や口調まで女の子らしくて、全く気付かなかった。
「そっかぁ……じゃあ、ルカちゃんじゃなくてルカくんだね! よろしくね、ルカくん!」
「いやぁ、びっくりしたけどそうだったのか。確かに、ルカは顔が可愛いからそういう服が似合うな」
シャロとシルビア、相変わらず受け入れが早い。
そうしてルカはシルビアの言葉に頬を赤らめている。
「そ、そうですか……嬉しいです」
可愛い……
可能ならこれからも一緒に来て欲しいぐらいだけれど、きっと彼には此処を守る役目がある。
それに、不用意に外界へと連れ出すのはリスクが大きいかもしれない。
食事を終えた私達は、ルカに礼を言って帰りの支度をし始めた。
「そういえば、この館に飾ってある絵って誰が描いたものなの?」
私がそう訊くと、ルカは少し照れ臭そうに「ボクです」と答えた。
「え、ルカが描いたの!? すごい……此処に飾ってある絵、特に魔物の絵が私すごく好き!」
「ほ、本当ですか? その……ありがとうございます」
「絵描くの、好きなんだね」
「はい、絵を描いていると……空っぽの自分が埋めれる気がして……」
空っぽの自分とは……そういえば、ルカはあまり自分の感情について話していない。
時折嬉しそうな顔や寂しそうな顔は見せるけれど、何か悩みがあるのだろうか?
「ねぇルカ、よかったら、私達と一緒に来ない?」
自分でも、何故こんなことを言ったのかよく分からない。
けれど、何となく思ったことがある。
恐らく、ルカは自身の現状に満足していない。
絵という趣味に没頭して魔物達と暮らす今の生活は楽しいかもしれないけれど、彼はまだ自分に出来ることを探したいと、そう考えているように感じたのだ。
「それって……」
「勿論、無理にとは言わない。ロスヴァリスの魔物達やケルベロスの祭壇を守るのもルカの役目かもしれない。けど、もしルカにその気があったら、私はルカにも仲間になって欲しい。私の……勇者の仲間として!」
当然、この頼みはダメ元でのものだった。
ルカは少し俯き、葛藤している様子である。
「ボクは……呪われた血の種族、吸血鬼ルカ・ファーニュです」
彼は俯いたままで口を開き、控えめでありながらもはっきりとした口調で話す。
「ロスヴァリスの人達は優しかったけれど、吸血鬼が人族から卑下されてきた歴史は知っていました。吸血鬼である自分が嫌で、悲観的になったこともありました。今だって、ボクは本当は存在しちゃいけない種族なんじゃないかって、思ってしまうことがあります」
ルカは俯いていた顔を上げ、私の目を真っ直ぐに見た。
「だから逃げていたんです。外界と関わるのが怖くて、ずっとこの洞窟に引き篭もったまま、空っぽのまま殻に籠って生きてきました。でも、ボクは……ベリィさん達と一緒に行きたい! 空っぽの自分を変えたい! ボクに出来ることを、もっと探したいです!」
その瞬間、ルカの目付きが少し変わった気がした。
覚悟を決めた、という事なのだろうか?
何より、ルカが一緒に来ると言ってくれたのが嬉しかった。
「ありがとう、ルカ。これからよろしくね」
「よろしく、ルカくん!」
「よろしくな!」
どうやら、シャロとシルビアも賛成してくれたらしい。
「皆さん……よろしくお願いします!」
こうして、新たに吸血鬼のルカが仲間として加わった。
それからはルカに軽く荷物を纏めてもらい、私の転移魔法でシリウスのシルビア宅へと帰ったのであった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる