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明星/カラスの北斗七星 編
45.青い一等星
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ルカがこっちに来てから、私達は暫くシリウスで生活している。
リタがマレ王国遠征のお土産として、珍しい貝殻や怪しいお守りを買ってきてくれたけれど、私は何よりも彼女自身とまた会えたことが嬉しかった。
シリウス事件の前では私の為に特訓を手伝ってくれたし、私がこのシリウスに身を潜めていられるのも彼女のおかげだ。
正直、感謝してもしきれない。
酒場の一件があった後、聖剣が見つかったリタと別れる時に、私は改めて彼女にこれまでの感謝を伝えた。
リタは気持ちの悪い顔で照れていたけれど、最後には笑顔で頭を撫でてくれた。
普段は常に酔っ払っていて変な人だけれど、リタは本当に優しくてかっこいい人なんだ。
そんな彼女に、私は稽古をつけて欲しいと頼み、それは一昨日から始めている。
稽古の内容は、私の得意とする魔壊流剣術の型の修正と、リタとの実戦の二つ。
とは言え、リタと私では使っている剣術が違うから、せいぜい構え方や太刀筋の補正を手伝ってもらうのが限度だ。
リタの剣術はアストラ流剣術だと思っていたけれど、よく見ると型の一つ一つが少し違っていた。
「私さ~、本当はシープハードって姓じゃないんだよ。母親の再婚相手がシープハード家で、実はそのシープハード家がステラ流剣術っていう特有の流派で、私の剣術もそれなんだ」
リタの過去について深く聞いたことが無かったけれど、彼女の母親は再婚していたのか。
それでシープハード家の流派を受け継いだという事は、リタ自身は再婚相手の家で上手くやれていたのだろうか?
「あ、ちなみに私には血の繋がってない弟がいるんだけど、あの子も一応自警団で今はマレ王国で仕事してもらってんだよ。ルークってんだけど、今度紹介するね!」
「それでリタもマレ王国に行ってたんだ! 弟さんと仲良いんだね」
「そりゃあもうね、父上とルークには本当に世話になったから、騎士を継げなかったのは申し訳ないけど、それを許してくれたことにも感謝してる。おかげで、今はこ~んな自由にやれてるワケだし」
リタは幸せそうに話していたけれど、その表情と声色からはどこか遠慮している様子が見てとれた。
きっと、彼女にも色々あったのだろう。
「さて、そろそろ実戦稽古とするか。今回からは魔法有りでやってみよう」
「え、でも……」
「大丈夫だって! まあ、確かに私の魔力は少ないけど、正直まだ私はベリィちゃんの攻撃を受けても怪我しない。全力で来て良いよ!」
これだ、恐らくリタは意図的に私を煽って本気を出させてくる。
こう言われると、私だってリタに怪我でも負わせてやりたくて本気になれるんだ。
「そう、じゃあ本気で行くから」
私とリタは、転移魔法でロスヴァリスの中央広場までやってきた。
既に誰も使っていない為、ルカから許可を貰っている。
「よし、じゃあ構えて……始め!」
リタの合図で、私は早速魔法を発動させる。
「ヘルスワンプ!」
先ずは血溜まりの沼でリタの足場を奪い、体勢を崩した彼女の懐に入り込んだ。
「レイヴンス!」
脇腹から斜め上に向けて刃を構え、そのままリタの身体に届かせる。
ところが、刃が当たったのは金属のような硬いもの。
彼女の刻星剣ホロクラウス、いつの間にか防がれていた……!?
「ベリィちゃん、まだ動きが遅いな」
今ので全力のはずだったのに、足場を奪った状態から間髪入れずに攻めたのに、攻撃は一瞬で防がれた。
それでも、まだチャンスはある。
急いで距離を取った私は、次にリタのほうから攻撃を仕掛けてくる前に遠距離から魔法を発動した。
「インフェルノ!」
覇黒剣ロードカリバーの聖剣魔法、インフェルノ。
これは斬撃魔法ではなく、広範囲を業火で焼き尽くすという非常に乱暴な魔法だ。
凄まじい熱気と視界の悪さで、倒せずとも簡単には手が出せないだろう。
でも、それはリタには全く通用しなかった。
「イレジスト……私は今、この広場が激アツ業火で覆われる直前に、自分にかかる空気抵抗を無くして一瞬でベリィちゃんの後ろに来ました。ここで問題、今の私が解除している魔法は?」
「……自身を覆う為の反重力結界」
当然、自身を反重力で覆ったまま空気抵抗を無くすのは不可能である。
それはつまり、万が一リタに私の攻撃が当たった時の対策を一切していない。
彼女は、最初から私の攻撃を受けるつもりなんて無かったのだ。
「正解、今のままだと余裕過ぎて戦いにならないよ~。ベリィちゃんは速さじゃ先ず勝てないから、やっぱり剣術と魔法の精度を伸ばしたほうがいいね。ほら、魔法を鍛えるには実践が一番だぞ。ほらほら~」
背後を取ったのに、一向に攻撃せず私を煽り続けるリタに、こちらから仕掛けようにも隙がない。
ムカつくし悔しい……魔法だ、兎に角魔法を使いまくる。
私は魔法を無限に使えるけれど、リタはそうじゃない。
せめて、リタにも魔法を使わせるぐらい本気にさせてやりたい。
「グリムオウド!」
足元から出現した黒い手はリタを捕らえようと動き出すが、それすら見抜いていたかのように彼女は避けてしまう。
こうなったら、リタに使えない魔法でひたすら攻めるしかない。
「テレポート」
転移魔法でリタの背後に移動し、すぐさま次の魔法を出す。
「ハデシス!」
斬撃魔法でリタの首を狙う。
恐らく防がれるだろうから、手加減はしない。
その瞬間、彼女のホロクラウスがピカリと光ったような気がした。
……そうか、リタが詠唱したんだ。
「光れ、刻星剣ホロクラウス」
青い光を放つホロクラウスは、迫り来るロードカリバーを無視して攻撃の構えに入る。
「ミルキーウェイ」
彼女が魔法発動に入るまでの動作は一瞬だった。
私に向けて薙いだ刀身は、きらきらと光る星の川のような光景を作り出し、それは私のロードカリバーが放つ魔法と衝突した。
……目が覚めると、私はリタの膝の上に頭を置いて横になっていた。
あの後、どうやら気を失ってしまったらしい。
「おはよ、大丈夫?」
「うん……ごめん、リタの魔法が強過ぎて耐えられなかったみたい」
「いや、ベリィちゃんの魔法もなかなかだった。強化の余地はまだまだあるけど、正直あの攻撃はこっちも聖剣魔法で返さないといけないレベルで強かったよ。まあ、強すぎる魔法が同時に衝突したわけだし、気を失うのも無理ないって。これ飲む?」
そう言って、リタは私に水の入った丸っこい瓶を渡してくれた。
私はその中の水を飲み干し、大きく息を吐いてから伸びをする。
「はぁ、疲れた。ねぇ、リタから見て私は強くなってると思う?」
私の問いに、リタは迷うことなく頷いてくれた。
「もちろん! 最初に法陣の組み換えを教えた時よりもずっと強くなってるよ。あれから、自分でも鍛えてたんだね。えらい!」
「うん、それなら頑張った甲斐あったかな。でも、まだリタに一撃も攻撃を当てられない。やっぱリタが強過ぎるんだよ!」
リタはその言葉に「ハハハ」と笑い、急に頭を撫でてきた。
「そりゃあ、だって私はシリウスの青い一等星、聖剣使いの剣豪だもーん! たぶん、人族の中じゃ私が圧倒的に一番強いと思うよ」
リタが強いのは知っているし、最強と呼ばれるほどの剣士であるというのは聞いたことがある。
一昨日から互いに手合わせをしてみて、そんな彼女の圧倒的な強さから最強と呼ばれるのも納得した。
「確かに、リタが最強だよ。ところで、青い一等星って?」
「ん? ああ、自警団メンバーの肩書きみたいなもんだよ。私が青い一等星、ジャックさんが緑青の一等星、エドちゃんが黒い一等星で、マットが真紅の一等星、ルビちゃんは銀色の一等星ね」
そういえば、ウルフが自己紹介した時にそう名乗っていた気がする。
言われてみれば、自警団の人たちが着ている服の後ろには犬のマークが入っており、それぞれ目の位置が一等星のような光を放っている。
リタのそれは青色だし、エドガーのは黒かった。
あの目には、そんな意味があったのか。
「ま、最初に私のことをそう呼んでくれたのは、私が学舎に通ってた時代の親友なんだけどね」
リタの親友……ふと、ブライトの顔が思い浮かぶ。
「それって……」
「うん、ブライトだよ。結局さぁ、私にとってブライトは太陽みたいな存在だったから、未だに大切なんだ。いつか仲直りできるって、心のどこかでそう思っちゃってんだよね~」
リタはお酒に酔いながらも、普段とは違って真面目な口調でそう話した。
ブライト・ハート・プラネテス、何を企んでいるのかまるで分からないけれど、リタにとっては大切な親友らしい。
「私でよかったら……リタの話、聞かせてくれない?」
「え?」
知りたいと思った。
リタの過去にどんな事があったのか、私達もブライトと関わっていく上で、二人の関係を理解する必要がある。
それに……ずっとどこか苦しそうなリタに、少しでも吐き出して欲しい。
「……そうだね。ベリィちゃんには、お話しさせて貰おうかな。私と、ブライトの話」
リタはそう言って、当時のことをどこか楽しそうに、そして懐かしそうに話し始めた。
リタがマレ王国遠征のお土産として、珍しい貝殻や怪しいお守りを買ってきてくれたけれど、私は何よりも彼女自身とまた会えたことが嬉しかった。
シリウス事件の前では私の為に特訓を手伝ってくれたし、私がこのシリウスに身を潜めていられるのも彼女のおかげだ。
正直、感謝してもしきれない。
酒場の一件があった後、聖剣が見つかったリタと別れる時に、私は改めて彼女にこれまでの感謝を伝えた。
リタは気持ちの悪い顔で照れていたけれど、最後には笑顔で頭を撫でてくれた。
普段は常に酔っ払っていて変な人だけれど、リタは本当に優しくてかっこいい人なんだ。
そんな彼女に、私は稽古をつけて欲しいと頼み、それは一昨日から始めている。
稽古の内容は、私の得意とする魔壊流剣術の型の修正と、リタとの実戦の二つ。
とは言え、リタと私では使っている剣術が違うから、せいぜい構え方や太刀筋の補正を手伝ってもらうのが限度だ。
リタの剣術はアストラ流剣術だと思っていたけれど、よく見ると型の一つ一つが少し違っていた。
「私さ~、本当はシープハードって姓じゃないんだよ。母親の再婚相手がシープハード家で、実はそのシープハード家がステラ流剣術っていう特有の流派で、私の剣術もそれなんだ」
リタの過去について深く聞いたことが無かったけれど、彼女の母親は再婚していたのか。
それでシープハード家の流派を受け継いだという事は、リタ自身は再婚相手の家で上手くやれていたのだろうか?
「あ、ちなみに私には血の繋がってない弟がいるんだけど、あの子も一応自警団で今はマレ王国で仕事してもらってんだよ。ルークってんだけど、今度紹介するね!」
「それでリタもマレ王国に行ってたんだ! 弟さんと仲良いんだね」
「そりゃあもうね、父上とルークには本当に世話になったから、騎士を継げなかったのは申し訳ないけど、それを許してくれたことにも感謝してる。おかげで、今はこ~んな自由にやれてるワケだし」
リタは幸せそうに話していたけれど、その表情と声色からはどこか遠慮している様子が見てとれた。
きっと、彼女にも色々あったのだろう。
「さて、そろそろ実戦稽古とするか。今回からは魔法有りでやってみよう」
「え、でも……」
「大丈夫だって! まあ、確かに私の魔力は少ないけど、正直まだ私はベリィちゃんの攻撃を受けても怪我しない。全力で来て良いよ!」
これだ、恐らくリタは意図的に私を煽って本気を出させてくる。
こう言われると、私だってリタに怪我でも負わせてやりたくて本気になれるんだ。
「そう、じゃあ本気で行くから」
私とリタは、転移魔法でロスヴァリスの中央広場までやってきた。
既に誰も使っていない為、ルカから許可を貰っている。
「よし、じゃあ構えて……始め!」
リタの合図で、私は早速魔法を発動させる。
「ヘルスワンプ!」
先ずは血溜まりの沼でリタの足場を奪い、体勢を崩した彼女の懐に入り込んだ。
「レイヴンス!」
脇腹から斜め上に向けて刃を構え、そのままリタの身体に届かせる。
ところが、刃が当たったのは金属のような硬いもの。
彼女の刻星剣ホロクラウス、いつの間にか防がれていた……!?
「ベリィちゃん、まだ動きが遅いな」
今ので全力のはずだったのに、足場を奪った状態から間髪入れずに攻めたのに、攻撃は一瞬で防がれた。
それでも、まだチャンスはある。
急いで距離を取った私は、次にリタのほうから攻撃を仕掛けてくる前に遠距離から魔法を発動した。
「インフェルノ!」
覇黒剣ロードカリバーの聖剣魔法、インフェルノ。
これは斬撃魔法ではなく、広範囲を業火で焼き尽くすという非常に乱暴な魔法だ。
凄まじい熱気と視界の悪さで、倒せずとも簡単には手が出せないだろう。
でも、それはリタには全く通用しなかった。
「イレジスト……私は今、この広場が激アツ業火で覆われる直前に、自分にかかる空気抵抗を無くして一瞬でベリィちゃんの後ろに来ました。ここで問題、今の私が解除している魔法は?」
「……自身を覆う為の反重力結界」
当然、自身を反重力で覆ったまま空気抵抗を無くすのは不可能である。
それはつまり、万が一リタに私の攻撃が当たった時の対策を一切していない。
彼女は、最初から私の攻撃を受けるつもりなんて無かったのだ。
「正解、今のままだと余裕過ぎて戦いにならないよ~。ベリィちゃんは速さじゃ先ず勝てないから、やっぱり剣術と魔法の精度を伸ばしたほうがいいね。ほら、魔法を鍛えるには実践が一番だぞ。ほらほら~」
背後を取ったのに、一向に攻撃せず私を煽り続けるリタに、こちらから仕掛けようにも隙がない。
ムカつくし悔しい……魔法だ、兎に角魔法を使いまくる。
私は魔法を無限に使えるけれど、リタはそうじゃない。
せめて、リタにも魔法を使わせるぐらい本気にさせてやりたい。
「グリムオウド!」
足元から出現した黒い手はリタを捕らえようと動き出すが、それすら見抜いていたかのように彼女は避けてしまう。
こうなったら、リタに使えない魔法でひたすら攻めるしかない。
「テレポート」
転移魔法でリタの背後に移動し、すぐさま次の魔法を出す。
「ハデシス!」
斬撃魔法でリタの首を狙う。
恐らく防がれるだろうから、手加減はしない。
その瞬間、彼女のホロクラウスがピカリと光ったような気がした。
……そうか、リタが詠唱したんだ。
「光れ、刻星剣ホロクラウス」
青い光を放つホロクラウスは、迫り来るロードカリバーを無視して攻撃の構えに入る。
「ミルキーウェイ」
彼女が魔法発動に入るまでの動作は一瞬だった。
私に向けて薙いだ刀身は、きらきらと光る星の川のような光景を作り出し、それは私のロードカリバーが放つ魔法と衝突した。
……目が覚めると、私はリタの膝の上に頭を置いて横になっていた。
あの後、どうやら気を失ってしまったらしい。
「おはよ、大丈夫?」
「うん……ごめん、リタの魔法が強過ぎて耐えられなかったみたい」
「いや、ベリィちゃんの魔法もなかなかだった。強化の余地はまだまだあるけど、正直あの攻撃はこっちも聖剣魔法で返さないといけないレベルで強かったよ。まあ、強すぎる魔法が同時に衝突したわけだし、気を失うのも無理ないって。これ飲む?」
そう言って、リタは私に水の入った丸っこい瓶を渡してくれた。
私はその中の水を飲み干し、大きく息を吐いてから伸びをする。
「はぁ、疲れた。ねぇ、リタから見て私は強くなってると思う?」
私の問いに、リタは迷うことなく頷いてくれた。
「もちろん! 最初に法陣の組み換えを教えた時よりもずっと強くなってるよ。あれから、自分でも鍛えてたんだね。えらい!」
「うん、それなら頑張った甲斐あったかな。でも、まだリタに一撃も攻撃を当てられない。やっぱリタが強過ぎるんだよ!」
リタはその言葉に「ハハハ」と笑い、急に頭を撫でてきた。
「そりゃあ、だって私はシリウスの青い一等星、聖剣使いの剣豪だもーん! たぶん、人族の中じゃ私が圧倒的に一番強いと思うよ」
リタが強いのは知っているし、最強と呼ばれるほどの剣士であるというのは聞いたことがある。
一昨日から互いに手合わせをしてみて、そんな彼女の圧倒的な強さから最強と呼ばれるのも納得した。
「確かに、リタが最強だよ。ところで、青い一等星って?」
「ん? ああ、自警団メンバーの肩書きみたいなもんだよ。私が青い一等星、ジャックさんが緑青の一等星、エドちゃんが黒い一等星で、マットが真紅の一等星、ルビちゃんは銀色の一等星ね」
そういえば、ウルフが自己紹介した時にそう名乗っていた気がする。
言われてみれば、自警団の人たちが着ている服の後ろには犬のマークが入っており、それぞれ目の位置が一等星のような光を放っている。
リタのそれは青色だし、エドガーのは黒かった。
あの目には、そんな意味があったのか。
「ま、最初に私のことをそう呼んでくれたのは、私が学舎に通ってた時代の親友なんだけどね」
リタの親友……ふと、ブライトの顔が思い浮かぶ。
「それって……」
「うん、ブライトだよ。結局さぁ、私にとってブライトは太陽みたいな存在だったから、未だに大切なんだ。いつか仲直りできるって、心のどこかでそう思っちゃってんだよね~」
リタはお酒に酔いながらも、普段とは違って真面目な口調でそう話した。
ブライト・ハート・プラネテス、何を企んでいるのかまるで分からないけれど、リタにとっては大切な親友らしい。
「私でよかったら……リタの話、聞かせてくれない?」
「え?」
知りたいと思った。
リタの過去にどんな事があったのか、私達もブライトと関わっていく上で、二人の関係を理解する必要がある。
それに……ずっとどこか苦しそうなリタに、少しでも吐き出して欲しい。
「……そうだね。ベリィちゃんには、お話しさせて貰おうかな。私と、ブライトの話」
リタはそう言って、当時のことをどこか楽しそうに、そして懐かしそうに話し始めた。
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