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明星/カラスの北斗七星 編
39.巨大樹
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「まってベリィ、コイツってたしか危ない奴だよね?」
「うん、ブフォトードだね」
フロース山を下りてウィリディスに入った私達は、今まさに魔物と出会ってしまったところだ。
このウィリディスという国は巨大樹を囲うように広がるジャングルで、その一画には小さな村もある。
しかしウィリディスには危険な魔物も多く、現在対峙しているブフォトードという魔物は、強力な毒を持つ大型のカエルだ。
耳腺から噴き出した毒に触れると、皮膚は酷く爛れて元には戻らない。
ブフォトードは既にこちらへと敵意を向けており、ここを通るには倒す必要がある。
「二人とも、少し下がってて」
私は二人を私の後ろに下げ、相手が身体を肥大させて毒を噴き出す寸前に、手にしていたロードカリバーを地面に突き立てた。
「フィアード」
ジャングルの中、大きな音を立てて目の前に出現した骸の塔の中で、ブフォトードは身体を押し潰される。
辺りに少しだけ毒が飛び散ったけれど、こちらまでは来ていないので問題ないだろう。
「そういえばこのジャングル、唯一今のカエルを捕食するポイズンアナコンダって蛇の魔物がいるらしいよ。気を付けないとね」
そんな私の言葉に、後ろの二人はガクガクと震えている。
このぐらいで怖気付いていたら、アルボス迷宮なんか入れないよ……
その後も、ジャングルの道なき道を進む度に多くの魔物と遭遇し、私は作業のように魔物を倒し続けた。
「ベリィちゃん、なんか青いサルがこっち見てるよ……」
「あれはブルーフロッチー。集団で行動するから、たぶん近くに群れでいるんだと思う。一体倒すとその集団で襲ってくるから、刺激しないようにね」
「うわマジかよ……え、もし襲われたら倒せる?」
「出来なくはないけど、二人のことまで守れる保証は無いかな。隙を見せたら、もう身体を引きちぎられて終わりだよ。本当に気を付けてね?」
私がそう言うと、また二人は怖がってブルブルと震えた。
全く、世話が焼けるんだから……
何だかんだでジャングルの奥へと進み続けていると、途中で目の前に川が現れた。
迂回しても橋のようなものは無さそうだし、頑張って飛び越えるか。
それとも、魔法で簡易的な橋を作るか……
「ベリィ、ここどうしよう……ジャンプする?」
「う~ん、下手に橋をかけて渡っても時間がかかりそうだし、ステルスゲーターに襲われても厄介だから、それが良さそうだね」
「それならアタシに任せて!」
シャロがそう言った直後、突然私の身体が浮き上がった。
いや、シャロに持ち上げられたんだ。
横を見ると、シルビアもシャロに担がれている。
「え、シャロ?」
「まって、マジか」
「いくよ~!」
その瞬間、シャロは勢いよく飛び上がり、激しい衝撃と共に川の対岸へと着地した。
やっぱり、シャロは物理なら誰より強いかもしれない。
そこからは運良く危険な魔物にも遭遇せず、空が夕焼けに染まる頃には迷宮の入口に到着することが出来た。
問題はここからだ。
寝ずに迷宮へと入り、ここから先に進むか。
それとも、夜が明けるまで待つか。
どちらにしても危険は伴うけれど、昨日からほとんど歩きっぱなしで私達はかなり疲れが溜まっている。
今のうちから野宿の準備をして、ゆっくり身体を休めたほうがいいだろう。
火を焚いて軽く食事を摂り、いつものように二人を先に寝かせて私は見張りをする。
「キュイ」
「ん、どうしたの?」
この前までよく鳴いていたルーナは、どうしてか最近静かだ。
シリウス事件で、私をお父様のアンデットから守ってくれた時に力を使ってしまったからなのか、少し疲れているようにも見える。
さっきまでも私のフードの中で眠っていたし、体力を回復しているのかもしれない。
「キュイキュイ」
「そうだね、月が綺麗に出てる。お互い、月光浴は大事だもんね」
「キュイ~!」
月光竜のルーナは、月の魔力を栄養としている。
シルビアの家いる時も、ルーナは夜になると目を覚まして、同じように窓辺で月の光を浴びていた。
竜は不思議な生き物だけど、ルーナは特に謎が多い。
セシルは、月光竜は仔犬程の大きさにまで成長すると言っていたけれど、ルーナの大きさは出会った頃から全く変わっていない。
成長が遅いのか、そういう個体なのか、元気ならどちらでも良い。
暫くルーナと月の光を浴びながら、伝わっているのかいないのか分からない会話を続けていると、シルビアがもぞもぞと動き始めた。
「といれ。ちょうどいいや、見張り交代するよ」
「漏らさなかったんだね。起きれてえらい」
「キュイキュイキュイッ!」
「だまれ?」
そう言いながら、シルビアは茂みの方へと消えて行った。
よくこんな危険な場所で出来るな。
危機管理能力とか無いのかな?
「なんかさ、全然知らない学舎に入って、めっちゃすごい嵐を呼んで、青いくるみもすっぱいかりんも吹き飛ばす夢を見た」
「……なにそれ」
茂みから戻ってきたシルビアの話した内容が意味不明だったので、私はそのまま眠りについた。
それから、私は夢も見ずにぐっすりと眠ってしまった。
次に目が覚めたのは、地面から鈍い振動が伝わってきた時だった。
辺りは既に明るくなっており、少し離れた場所でシャロの息遣いが聞こえる。
「うわ……シャロやっば……」
「ふぇ~、なかなか強かったね!」
顔を上げてそちらに目を向けると、盾で何か大きなものを潰したであろうシャロと、それに驚く間抜けなシルビアの姿があった。
「おはよ、どうしたの?」
「あ、ベリィちゃん! なんかいきなり魔物が襲ってきたから、倒しておいたよ!」
よく見ると、そこには盾の下敷きになって倒れているシャープレパードの姿があった。
このジャングルに生息する肉食獣の魔物で、動きが素早く獰猛な性格らしいけれど、それをシャロが倒したのか?
「え、シャロ一人?」
「うん! 盾で殴って潰した!」
「……そっか、ありがとう」
上手く言えないけれど、これからはもっと……シャロにはより優しく接して、絶対に怒らせないようにしようと思った。
魔法無しでこのフィジカルは、やっぱり才能としか思えない。
荷物を纏め、遂にこれからアルボス迷宮へと突入する。
道が複雑だから、迷わないよう慎重に進まないと。
迷宮の中は思ったよりも視界が良く、頭上に張り巡らされた巨大樹の根の隙間から僅かに陽が差している。
それでも少し暗いから魔法で火を灯し、入り組んだ迷宮の中を慎重に進んで行く。
「ひぃっ……!」
迷宮の中で、シャロは頻繁に悲鳴を上げていた。
このアルボス迷宮には、虫の魔物が特に多い。
アルボスパイダーとアルボスモスキートは至る所にいるし、アルボスターマイトに関しては物凄い数の集合体で生息しているから、虫が苦手なシャロからしたら気分は最悪だろう。
「シャロ、あんまり私から離れると襲われるよ」
「わ、わかった!」
魔物の数は多いけれど、私のツノの影響なのか、今のところ遭遇する魔物はこちらに襲ってこようとしない。
下層に行けば行くほど強力な魔物が潜んでいる為、この上層にいる魔物程度では私に攻撃することも出来ないのだろう。
「よし、あとはこの道を真っ直ぐ行けば、ロスヴァリスの入り口に着くと思う」
そうして少し歩を早め、巨大な木の根が形成した一本道を進み続ける。
不意に視界が開けた途端、私達の目に飛び込んできたのは、真っ白な霧に包まれた幻想的な渓谷だった。
「うん、ブフォトードだね」
フロース山を下りてウィリディスに入った私達は、今まさに魔物と出会ってしまったところだ。
このウィリディスという国は巨大樹を囲うように広がるジャングルで、その一画には小さな村もある。
しかしウィリディスには危険な魔物も多く、現在対峙しているブフォトードという魔物は、強力な毒を持つ大型のカエルだ。
耳腺から噴き出した毒に触れると、皮膚は酷く爛れて元には戻らない。
ブフォトードは既にこちらへと敵意を向けており、ここを通るには倒す必要がある。
「二人とも、少し下がってて」
私は二人を私の後ろに下げ、相手が身体を肥大させて毒を噴き出す寸前に、手にしていたロードカリバーを地面に突き立てた。
「フィアード」
ジャングルの中、大きな音を立てて目の前に出現した骸の塔の中で、ブフォトードは身体を押し潰される。
辺りに少しだけ毒が飛び散ったけれど、こちらまでは来ていないので問題ないだろう。
「そういえばこのジャングル、唯一今のカエルを捕食するポイズンアナコンダって蛇の魔物がいるらしいよ。気を付けないとね」
そんな私の言葉に、後ろの二人はガクガクと震えている。
このぐらいで怖気付いていたら、アルボス迷宮なんか入れないよ……
その後も、ジャングルの道なき道を進む度に多くの魔物と遭遇し、私は作業のように魔物を倒し続けた。
「ベリィちゃん、なんか青いサルがこっち見てるよ……」
「あれはブルーフロッチー。集団で行動するから、たぶん近くに群れでいるんだと思う。一体倒すとその集団で襲ってくるから、刺激しないようにね」
「うわマジかよ……え、もし襲われたら倒せる?」
「出来なくはないけど、二人のことまで守れる保証は無いかな。隙を見せたら、もう身体を引きちぎられて終わりだよ。本当に気を付けてね?」
私がそう言うと、また二人は怖がってブルブルと震えた。
全く、世話が焼けるんだから……
何だかんだでジャングルの奥へと進み続けていると、途中で目の前に川が現れた。
迂回しても橋のようなものは無さそうだし、頑張って飛び越えるか。
それとも、魔法で簡易的な橋を作るか……
「ベリィ、ここどうしよう……ジャンプする?」
「う~ん、下手に橋をかけて渡っても時間がかかりそうだし、ステルスゲーターに襲われても厄介だから、それが良さそうだね」
「それならアタシに任せて!」
シャロがそう言った直後、突然私の身体が浮き上がった。
いや、シャロに持ち上げられたんだ。
横を見ると、シルビアもシャロに担がれている。
「え、シャロ?」
「まって、マジか」
「いくよ~!」
その瞬間、シャロは勢いよく飛び上がり、激しい衝撃と共に川の対岸へと着地した。
やっぱり、シャロは物理なら誰より強いかもしれない。
そこからは運良く危険な魔物にも遭遇せず、空が夕焼けに染まる頃には迷宮の入口に到着することが出来た。
問題はここからだ。
寝ずに迷宮へと入り、ここから先に進むか。
それとも、夜が明けるまで待つか。
どちらにしても危険は伴うけれど、昨日からほとんど歩きっぱなしで私達はかなり疲れが溜まっている。
今のうちから野宿の準備をして、ゆっくり身体を休めたほうがいいだろう。
火を焚いて軽く食事を摂り、いつものように二人を先に寝かせて私は見張りをする。
「キュイ」
「ん、どうしたの?」
この前までよく鳴いていたルーナは、どうしてか最近静かだ。
シリウス事件で、私をお父様のアンデットから守ってくれた時に力を使ってしまったからなのか、少し疲れているようにも見える。
さっきまでも私のフードの中で眠っていたし、体力を回復しているのかもしれない。
「キュイキュイ」
「そうだね、月が綺麗に出てる。お互い、月光浴は大事だもんね」
「キュイ~!」
月光竜のルーナは、月の魔力を栄養としている。
シルビアの家いる時も、ルーナは夜になると目を覚まして、同じように窓辺で月の光を浴びていた。
竜は不思議な生き物だけど、ルーナは特に謎が多い。
セシルは、月光竜は仔犬程の大きさにまで成長すると言っていたけれど、ルーナの大きさは出会った頃から全く変わっていない。
成長が遅いのか、そういう個体なのか、元気ならどちらでも良い。
暫くルーナと月の光を浴びながら、伝わっているのかいないのか分からない会話を続けていると、シルビアがもぞもぞと動き始めた。
「といれ。ちょうどいいや、見張り交代するよ」
「漏らさなかったんだね。起きれてえらい」
「キュイキュイキュイッ!」
「だまれ?」
そう言いながら、シルビアは茂みの方へと消えて行った。
よくこんな危険な場所で出来るな。
危機管理能力とか無いのかな?
「なんかさ、全然知らない学舎に入って、めっちゃすごい嵐を呼んで、青いくるみもすっぱいかりんも吹き飛ばす夢を見た」
「……なにそれ」
茂みから戻ってきたシルビアの話した内容が意味不明だったので、私はそのまま眠りについた。
それから、私は夢も見ずにぐっすりと眠ってしまった。
次に目が覚めたのは、地面から鈍い振動が伝わってきた時だった。
辺りは既に明るくなっており、少し離れた場所でシャロの息遣いが聞こえる。
「うわ……シャロやっば……」
「ふぇ~、なかなか強かったね!」
顔を上げてそちらに目を向けると、盾で何か大きなものを潰したであろうシャロと、それに驚く間抜けなシルビアの姿があった。
「おはよ、どうしたの?」
「あ、ベリィちゃん! なんかいきなり魔物が襲ってきたから、倒しておいたよ!」
よく見ると、そこには盾の下敷きになって倒れているシャープレパードの姿があった。
このジャングルに生息する肉食獣の魔物で、動きが素早く獰猛な性格らしいけれど、それをシャロが倒したのか?
「え、シャロ一人?」
「うん! 盾で殴って潰した!」
「……そっか、ありがとう」
上手く言えないけれど、これからはもっと……シャロにはより優しく接して、絶対に怒らせないようにしようと思った。
魔法無しでこのフィジカルは、やっぱり才能としか思えない。
荷物を纏め、遂にこれからアルボス迷宮へと突入する。
道が複雑だから、迷わないよう慎重に進まないと。
迷宮の中は思ったよりも視界が良く、頭上に張り巡らされた巨大樹の根の隙間から僅かに陽が差している。
それでも少し暗いから魔法で火を灯し、入り組んだ迷宮の中を慎重に進んで行く。
「ひぃっ……!」
迷宮の中で、シャロは頻繁に悲鳴を上げていた。
このアルボス迷宮には、虫の魔物が特に多い。
アルボスパイダーとアルボスモスキートは至る所にいるし、アルボスターマイトに関しては物凄い数の集合体で生息しているから、虫が苦手なシャロからしたら気分は最悪だろう。
「シャロ、あんまり私から離れると襲われるよ」
「わ、わかった!」
魔物の数は多いけれど、私のツノの影響なのか、今のところ遭遇する魔物はこちらに襲ってこようとしない。
下層に行けば行くほど強力な魔物が潜んでいる為、この上層にいる魔物程度では私に攻撃することも出来ないのだろう。
「よし、あとはこの道を真っ直ぐ行けば、ロスヴァリスの入り口に着くと思う」
そうして少し歩を早め、巨大な木の根が形成した一本道を進み続ける。
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