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明星/カラスの北斗七星 編
34.怪物
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少し遅めの昼食を終えた私達は、一先ず休憩をするために宿へ向かった。
エドガーはウルフの実家に泊まるらしく、二人は一度そっちに荷物を預けてから合流する予定だ。
「なんかさ~、さっきマットさん元気無かったよね」
宿の外に出たとき、シルビアがそんな事を言った。
そうだろうか?
私から見れば普段とあまり変わらないように見えたが、日頃からウルフと関わる機会の多いシルビアには分かるのだろう。
「さっきご飯の前に行った場所で、何かあったとかかな?」
シャロが心配そうに言った。
どこに行くかは聞いていなかったけれど、その可能性はある。
「ああ、なんか幼馴染がいるらしいから、その人に会いに行ったのかも。まあ自分の故郷で魔物の事件が起きてるわけだし、不安にもなるか~」
シルビアの言う通り、自分の故郷で事が起きた際の不安は痛いほど分かる。
村が焼かれてしまったシルビア自身も、きっとそうだったのだろう。
その後エドガー達と合流した時、ウルフに変わった様子は無いように見えた。
時間が過ぎるのは早いもので、辺りは既に薄暗くなり、徐々に人通りも減ってきている。
この辺りは危険な魔物が少ないというけれど、それでも警戒するに越した事はない。
私達は二手に分かれ、村にあと二か所ある農場を見張っていた。
“獣”は小屋ごと破壊して牛を食べていたらしいから、恐ろしい話だ。
どうやらアンタレスは酪農が盛んらしく、小さな村なのに乳牛の数が多い。
大切な牛が魔物に食い殺されてしまうのは、村としても堪ったものではないだろう。
それから何時間か、交代で仮眠をとりながら牧場を見張っていたけれど、特に変わった様子はなかった。
そう毎日現れるようなものでも無いだろうから、長期戦になるのは覚悟の上だ。
「ん~……」
横で仮眠していたシャロが起きたようで、小さく唸っている。
この牧場は、私とシャロとシルビアの三人で見張っているのだ。
もちろん、ルーナは私と一緒にいる。
「次、シルビア寝ていいよ。私は多少寝なくても平気だから」
魔族だから、と言う理由ではなく、昔から夜更かしだの徹夜だのが得意なのだ。
本を読むのに、沢山の時間が必要だから。
「ありがと~、ちょっと眠くなっちゃったから助かる! それじゃ、お言葉に甘えて……」
微かに地面を踏みしめる物音が聞こえたのは、その直後のことだった。
私とシルビアは一気に目が冴え、牧場に視線を向ける。
大きな生き物が、地面を歩く時に聞こえてくる、トスンという音……それがゆっくりとこちらに向かってくる。
「んん~……んっ……あしおと」
寝ぼけているのか、シャロが目を擦りながら起き上がり、私達に顔を向けた。
「何かこっちに来る。牛が襲われそうだったら、先ずは私が出るから」
私は二人にそう伝え、耳に片方の手を当てる。
「テレパス」
念話という魔法が使えるようになった。
これはセシルから教えてもらったもので、特定の人物と遠距離で会話ができるというものだ。
使用時間がかかればかかるほど魔力の消費が増える為、基本的には短い会話で終わらせることが殆どだが、この魔法は使用者の魔力のみ消費される。
その為、私から誰かに話しかける際は、長時間の会話が可能なのだ。
『エドガー、こっちに何か来る。たぶん大型の魔物』
『ベ、ベリィか……! そうか、念話魔法か。わかった。直ぐに向かう』
いきなり話し掛けたから、驚かせてしまった。
便利だから覚えたけれど、やはり離れた相手に自分から話しかけることには苦手意識がある。
「ベリィ、シャロ、あれ……」
シルビアに呼ばれ、私とシャロは彼女が指をさす方向を見た。
木々を掻き分け、巨大なオオカミのような怪物が一体、そこには居た。
これが“獣”なのだろうか?
まだ家畜しか襲っていないけれど、この大きさの魔物ならば人なんて簡単に殺せてしまう。
予想以上に大きな“獣”を前に、私達はいつでも攻撃できるように武器を構えた。
その時だった。
“獣”の横から、全く同じ顔がもう一つ……いや、左右から二つ現れたのだ。
「えぇっ……3頭も……?」
シャロも流石に目が冴えたのか、それを見て震えている。
違う、3頭では無い。
頭が3つなのだ。
徐々にその姿を現した“獣”には、頭が3つあった。
これは……この魔物は、本で読んだことがある。
かつて谷底の洞窟に棲息していた魔物、ケルベロス。
確認された個体数は一体のみで、谷底のロスヴァリスという国で番犬として扱われるほど、人々からは好かれていたらしい。
頭が3つあるオオカミ型の魔物なんて、ケルベロスぐらいしか思い浮かばない。
しかし、既に絶滅したはずのケルベロスが何故……
「頭が3つなんだ。シャロ、シルビア、奴の全身が見えたら私が攻撃する。後に続いて欲しい」
「わかった」
「うん」
“獣”は少しずつ、家畜が寝ているであろう小屋に向かっている。
かと思えば、不意に動きを止めて辺りの匂いを嗅ぎ始めた。
しまった、気付かれたかもしれない。
案の定、“獣”は踵を返そうとしている。
「まずい、逃げられる!」
私は草陰から飛び出し、“獣”に向けてロードカリバーで斬りかかった。
やはり匂いでこちらの存在に気付いていたようで、“獣”は私の攻撃を避ける。
思ったよりも速い。
下手に攻撃しても、恐らく逃げられるだけだ。
それならば……
「ヘルスワンプ!」
血溜まりの沼で“獣”の足元を崩し、そこへもう一度攻撃を加える。
「アビシアス!」
攻撃は当たったけれど、3つある頭に邪魔をされて上手く通らない。
「グリムオウド!」
頭を押さえつけようにも、力が強くてグリムオウドだけでは無理だ。
「照らせ、陽光アイネクレスト!」
シャロが目眩しをしてくれたおかげで、“獣”の視界を一時的に遮ることが出来た。
「ベリィ、コイツ駆除する?」
「ううん、出来れば弱らせて生け取りにしようと思ってる。それでいいかな?」
シルビアは私の提案に頷き、双剣を構えて高く飛び上がった。
「吹き飛ばせ、疾双剣ヒスイ!」
彼女のヒスイは緑色の光を放って風を纏い、そのまま“獣”の急所を外して斬りかかった。
痛みで暴れ狂う“獣”は、足元こそ崩されたものの、3つもある大きな頭は常に私達を狙っている。
再びシルビアが“獣”を攻撃しようと、それの前に飛び出した瞬間……
“獣”は、真ん中の頭で大きな口を開き、その牙でシルビアに襲い掛かった。
「へっ、あーしの方が速いんだよ!」
その攻撃を避けようと、シルビアは右側に移動する。
「シルビア、ダメだ!」
“獣”の右側についた頭は、既に攻撃の動作に入っていた。
まるでシルビアの移動位置を予測していたかのように、その大きな牙は彼女の目の前まで迫ってきている。
「ひ、ひぇ……!」
「サンダーボルト!」
次の瞬間、“獣”を直撃したのはエドガーの起こした落雷だった。
雷に打たれた“獣”は気絶したようで、大きな音を立ててその場に倒れ込む。
「大丈夫か!?」
シルビアへと駆け寄ったエドガーの後を、ウルフが大急ぎでついてくる。
「エドちゃん! 殺してない? 殺してないよな!?」
「気絶させただけだ。それに、まだ決まったわけじゃないだろう」
この二人は何の話をしているのだろうか?
ウルフが安堵のため息を吐いた直後、“獣”の身体は徐々に小さくなり、やがてそれは人族の女性の姿になった。
「……やっぱり、リリアンだったのかよ」
ウルフは彼女にゆっくりと近付き、そう言って優しく抱き上げる。
私たち三人は、その状況をただ飲み込めないままに見ていた。
エドガーはウルフの実家に泊まるらしく、二人は一度そっちに荷物を預けてから合流する予定だ。
「なんかさ~、さっきマットさん元気無かったよね」
宿の外に出たとき、シルビアがそんな事を言った。
そうだろうか?
私から見れば普段とあまり変わらないように見えたが、日頃からウルフと関わる機会の多いシルビアには分かるのだろう。
「さっきご飯の前に行った場所で、何かあったとかかな?」
シャロが心配そうに言った。
どこに行くかは聞いていなかったけれど、その可能性はある。
「ああ、なんか幼馴染がいるらしいから、その人に会いに行ったのかも。まあ自分の故郷で魔物の事件が起きてるわけだし、不安にもなるか~」
シルビアの言う通り、自分の故郷で事が起きた際の不安は痛いほど分かる。
村が焼かれてしまったシルビア自身も、きっとそうだったのだろう。
その後エドガー達と合流した時、ウルフに変わった様子は無いように見えた。
時間が過ぎるのは早いもので、辺りは既に薄暗くなり、徐々に人通りも減ってきている。
この辺りは危険な魔物が少ないというけれど、それでも警戒するに越した事はない。
私達は二手に分かれ、村にあと二か所ある農場を見張っていた。
“獣”は小屋ごと破壊して牛を食べていたらしいから、恐ろしい話だ。
どうやらアンタレスは酪農が盛んらしく、小さな村なのに乳牛の数が多い。
大切な牛が魔物に食い殺されてしまうのは、村としても堪ったものではないだろう。
それから何時間か、交代で仮眠をとりながら牧場を見張っていたけれど、特に変わった様子はなかった。
そう毎日現れるようなものでも無いだろうから、長期戦になるのは覚悟の上だ。
「ん~……」
横で仮眠していたシャロが起きたようで、小さく唸っている。
この牧場は、私とシャロとシルビアの三人で見張っているのだ。
もちろん、ルーナは私と一緒にいる。
「次、シルビア寝ていいよ。私は多少寝なくても平気だから」
魔族だから、と言う理由ではなく、昔から夜更かしだの徹夜だのが得意なのだ。
本を読むのに、沢山の時間が必要だから。
「ありがと~、ちょっと眠くなっちゃったから助かる! それじゃ、お言葉に甘えて……」
微かに地面を踏みしめる物音が聞こえたのは、その直後のことだった。
私とシルビアは一気に目が冴え、牧場に視線を向ける。
大きな生き物が、地面を歩く時に聞こえてくる、トスンという音……それがゆっくりとこちらに向かってくる。
「んん~……んっ……あしおと」
寝ぼけているのか、シャロが目を擦りながら起き上がり、私達に顔を向けた。
「何かこっちに来る。牛が襲われそうだったら、先ずは私が出るから」
私は二人にそう伝え、耳に片方の手を当てる。
「テレパス」
念話という魔法が使えるようになった。
これはセシルから教えてもらったもので、特定の人物と遠距離で会話ができるというものだ。
使用時間がかかればかかるほど魔力の消費が増える為、基本的には短い会話で終わらせることが殆どだが、この魔法は使用者の魔力のみ消費される。
その為、私から誰かに話しかける際は、長時間の会話が可能なのだ。
『エドガー、こっちに何か来る。たぶん大型の魔物』
『ベ、ベリィか……! そうか、念話魔法か。わかった。直ぐに向かう』
いきなり話し掛けたから、驚かせてしまった。
便利だから覚えたけれど、やはり離れた相手に自分から話しかけることには苦手意識がある。
「ベリィ、シャロ、あれ……」
シルビアに呼ばれ、私とシャロは彼女が指をさす方向を見た。
木々を掻き分け、巨大なオオカミのような怪物が一体、そこには居た。
これが“獣”なのだろうか?
まだ家畜しか襲っていないけれど、この大きさの魔物ならば人なんて簡単に殺せてしまう。
予想以上に大きな“獣”を前に、私達はいつでも攻撃できるように武器を構えた。
その時だった。
“獣”の横から、全く同じ顔がもう一つ……いや、左右から二つ現れたのだ。
「えぇっ……3頭も……?」
シャロも流石に目が冴えたのか、それを見て震えている。
違う、3頭では無い。
頭が3つなのだ。
徐々にその姿を現した“獣”には、頭が3つあった。
これは……この魔物は、本で読んだことがある。
かつて谷底の洞窟に棲息していた魔物、ケルベロス。
確認された個体数は一体のみで、谷底のロスヴァリスという国で番犬として扱われるほど、人々からは好かれていたらしい。
頭が3つあるオオカミ型の魔物なんて、ケルベロスぐらいしか思い浮かばない。
しかし、既に絶滅したはずのケルベロスが何故……
「頭が3つなんだ。シャロ、シルビア、奴の全身が見えたら私が攻撃する。後に続いて欲しい」
「わかった」
「うん」
“獣”は少しずつ、家畜が寝ているであろう小屋に向かっている。
かと思えば、不意に動きを止めて辺りの匂いを嗅ぎ始めた。
しまった、気付かれたかもしれない。
案の定、“獣”は踵を返そうとしている。
「まずい、逃げられる!」
私は草陰から飛び出し、“獣”に向けてロードカリバーで斬りかかった。
やはり匂いでこちらの存在に気付いていたようで、“獣”は私の攻撃を避ける。
思ったよりも速い。
下手に攻撃しても、恐らく逃げられるだけだ。
それならば……
「ヘルスワンプ!」
血溜まりの沼で“獣”の足元を崩し、そこへもう一度攻撃を加える。
「アビシアス!」
攻撃は当たったけれど、3つある頭に邪魔をされて上手く通らない。
「グリムオウド!」
頭を押さえつけようにも、力が強くてグリムオウドだけでは無理だ。
「照らせ、陽光アイネクレスト!」
シャロが目眩しをしてくれたおかげで、“獣”の視界を一時的に遮ることが出来た。
「ベリィ、コイツ駆除する?」
「ううん、出来れば弱らせて生け取りにしようと思ってる。それでいいかな?」
シルビアは私の提案に頷き、双剣を構えて高く飛び上がった。
「吹き飛ばせ、疾双剣ヒスイ!」
彼女のヒスイは緑色の光を放って風を纏い、そのまま“獣”の急所を外して斬りかかった。
痛みで暴れ狂う“獣”は、足元こそ崩されたものの、3つもある大きな頭は常に私達を狙っている。
再びシルビアが“獣”を攻撃しようと、それの前に飛び出した瞬間……
“獣”は、真ん中の頭で大きな口を開き、その牙でシルビアに襲い掛かった。
「へっ、あーしの方が速いんだよ!」
その攻撃を避けようと、シルビアは右側に移動する。
「シルビア、ダメだ!」
“獣”の右側についた頭は、既に攻撃の動作に入っていた。
まるでシルビアの移動位置を予測していたかのように、その大きな牙は彼女の目の前まで迫ってきている。
「ひ、ひぇ……!」
「サンダーボルト!」
次の瞬間、“獣”を直撃したのはエドガーの起こした落雷だった。
雷に打たれた“獣”は気絶したようで、大きな音を立ててその場に倒れ込む。
「大丈夫か!?」
シルビアへと駆け寄ったエドガーの後を、ウルフが大急ぎでついてくる。
「エドちゃん! 殺してない? 殺してないよな!?」
「気絶させただけだ。それに、まだ決まったわけじゃないだろう」
この二人は何の話をしているのだろうか?
ウルフが安堵のため息を吐いた直後、“獣”の身体は徐々に小さくなり、やがてそれは人族の女性の姿になった。
「……やっぱり、リリアンだったのかよ」
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