26 / 62
1章
23話 リーザス最強の冒険者
しおりを挟む
ダンジョンの内部は入ってみると思ったよりも明るい。
壁のコケや場所によっては壁自体が薄っすらと発光しているかららしい。
ルッツを先頭にして罠に警戒しつつ奥へと進んでいく。
すると早速魔物が襲い掛かってきた。
通路の奥からぼろぼろの剣と鎧を身に着けた骸骨の群れがこちらに向かって走ってきた。
「ボーンナイトか。この程度なら俺が手を出すまでもないなティガーお前がやれ」
「ちっ!俺に命令するんじゃねぇ!!」
そう言いながらベンゼルは大剣を一振りしボーンナイトの群れを薙ぎ払った。
魔物は倒れるとその場に宝石を残して消えてしまった。
以前草原でスライムを倒したときにも小さな宝石が落ちていたが、これらは魔石と呼ばれるもので、様々な用途があり持ち帰ると換金も出来るそうだ。
ルッツが罠を警戒しながら奥へ進んでいく。何度か魔物の襲撃はあったがボーンナイトやリビングデッドなどのアンデッドばかりだった。
それほど時間もかからずに2層へ下る転送門を発見した。
ダンジョンには階段がある場合と転送門がある場合があるらしい。
転送門の場合は下手をするといくつかの層を跨いでいる場合もあるので急に強力な魔物に出くわすこともあるので警戒が必要らしい。
ここは4層までは転送門で順に降りていけるそうなのでケビンとベンゼルが知っているところまでは二人に案内を任せた。
こうして罠を避けつつたまに出くわす魔物を殲滅しながら進んでいくと1~2時間ほどで4層まで到着した。
「ここからは俺もまだ進んだことが無い。気を付けろよ」
ベンゼルがそういうとルッツは息をのみながら足を進めた。
慎重に罠の気配を探りながら進んでいく。
すると遠くの方で戦闘の音が聞こえた。
どうやら近くに誰かいるらしい。全員で音のする方へ進んでいくと誰かが魔物と戦っているのが見えた。
魔族が魔物の相手をしていると思ったが、魔物の相手をしていたのは人間の女性だった。
それを見てベンゼルが声をかけた。
「おい!ナターシャ!こんなとこで何やってんだ!?」
「あらベンゼルじゃない?ん?ケビンとそれになんか沢山のパーティーだね?あんたらの方こそ何やってんのさ?」
話を聞くとナターシャは4日前にこの洞窟へもぐったらしい。
今は6層から帰る途中だそうだ。
彼女はこの街で一番の冒険者らしい。単身でこの層をうろついていることからもその実力をうかがい知れる。
「にしても魔族ねぇ」
「戻ってくる途中で魔族と会わなかったか?」
「んー。人の気配は感じなかったわねぇ。5層からは道がかなり入り組んでいたから行き違いになったのかもしれないわね」
「そうか、ナターシャも同行してくれないか?」
「えー。あたしもう4日もここにいるのよ?これから帰ってシャワーでも浴びてうまい酒と男をナンパして堪能しようと思ってたのにぃ~」
ナターシャはすごく嫌そうな顔をして返事を返した。
「俺からも頼む」
「まぁ。ケビンの頼みなら受けてあげなくもないかな?その代わり、今度あたしとデートね♪」
「いや、それは――」
「わかった。俺が許可しよう」
「やったー♪」
「おい!ベンゼル何勝手に決めてんだ!!」
「いいじゃねぇかデートくらい!」
「よくねぇよ!お前も知ってるだろう!?ナターシャは――」
二人が小声で話してる内容から察するにナターシャはかなり男遊びが激しい女性らしい。
ケビンが嫌そうな顔をしていたのも納得だ。
「んで?この人達はだーれ?この街では見ない顔だけど?」
ケビンがナターシャに皆のことを紹介した。
「へぇ~あたしと同じマーキュリー等級の。名前は聞いたことあるわ」
「俺もあんたの名前は聞いたことがある」
「ふふっ。あんたもなかなかいい男だね?」
「断る。俺は女遊びに興味はない」
「連れないわねぇ。……この3人が新人ねぇ。最強種キャトランにケビンとベンゼルを負かした人間、それとギルマスよりも強者だっていう女の子か……いいわね♪面白そうじゃないの♪あなたがハルトね?」
ハルトに近寄りナターシャは顔を寄せて話しかけてきた。
「近くで見るとなかなか色男だね♪あんたも良かったら今度――」
「ダメです!ご主人様にあまり近寄らないでください!」
ナターシャが言い切る前にルナが間に割って入る。
「あら?あなたこの子と出来てるの?」
「なっ!そんなんじゃありませんよ!仲間です!」
ハルトは慌てて否定した。
「ふーん?顔が赤いわよ♪」
ハルトは顔をそらせた。
「ふふっ♪からかってみただけよ。ルナちゃんのご主人様を取る気はないわ。安心しなさい♪あたしは年下には興味ないの」
それを聞いてルナは肩に入っていた力を抜いた。
エラルドがそのやり取りを見ながらあきれた様子で急かした。ケビンもそれに同調する。
「無駄話はそれくらいにして先に進まないか?」
「そうですよ。魔族を追いかけないと」
「せっかちなんだから~。分かったわ。こっちよ。みんな付いてきて」
壁のコケや場所によっては壁自体が薄っすらと発光しているかららしい。
ルッツを先頭にして罠に警戒しつつ奥へと進んでいく。
すると早速魔物が襲い掛かってきた。
通路の奥からぼろぼろの剣と鎧を身に着けた骸骨の群れがこちらに向かって走ってきた。
「ボーンナイトか。この程度なら俺が手を出すまでもないなティガーお前がやれ」
「ちっ!俺に命令するんじゃねぇ!!」
そう言いながらベンゼルは大剣を一振りしボーンナイトの群れを薙ぎ払った。
魔物は倒れるとその場に宝石を残して消えてしまった。
以前草原でスライムを倒したときにも小さな宝石が落ちていたが、これらは魔石と呼ばれるもので、様々な用途があり持ち帰ると換金も出来るそうだ。
ルッツが罠を警戒しながら奥へ進んでいく。何度か魔物の襲撃はあったがボーンナイトやリビングデッドなどのアンデッドばかりだった。
それほど時間もかからずに2層へ下る転送門を発見した。
ダンジョンには階段がある場合と転送門がある場合があるらしい。
転送門の場合は下手をするといくつかの層を跨いでいる場合もあるので急に強力な魔物に出くわすこともあるので警戒が必要らしい。
ここは4層までは転送門で順に降りていけるそうなのでケビンとベンゼルが知っているところまでは二人に案内を任せた。
こうして罠を避けつつたまに出くわす魔物を殲滅しながら進んでいくと1~2時間ほどで4層まで到着した。
「ここからは俺もまだ進んだことが無い。気を付けろよ」
ベンゼルがそういうとルッツは息をのみながら足を進めた。
慎重に罠の気配を探りながら進んでいく。
すると遠くの方で戦闘の音が聞こえた。
どうやら近くに誰かいるらしい。全員で音のする方へ進んでいくと誰かが魔物と戦っているのが見えた。
魔族が魔物の相手をしていると思ったが、魔物の相手をしていたのは人間の女性だった。
それを見てベンゼルが声をかけた。
「おい!ナターシャ!こんなとこで何やってんだ!?」
「あらベンゼルじゃない?ん?ケビンとそれになんか沢山のパーティーだね?あんたらの方こそ何やってんのさ?」
話を聞くとナターシャは4日前にこの洞窟へもぐったらしい。
今は6層から帰る途中だそうだ。
彼女はこの街で一番の冒険者らしい。単身でこの層をうろついていることからもその実力をうかがい知れる。
「にしても魔族ねぇ」
「戻ってくる途中で魔族と会わなかったか?」
「んー。人の気配は感じなかったわねぇ。5層からは道がかなり入り組んでいたから行き違いになったのかもしれないわね」
「そうか、ナターシャも同行してくれないか?」
「えー。あたしもう4日もここにいるのよ?これから帰ってシャワーでも浴びてうまい酒と男をナンパして堪能しようと思ってたのにぃ~」
ナターシャはすごく嫌そうな顔をして返事を返した。
「俺からも頼む」
「まぁ。ケビンの頼みなら受けてあげなくもないかな?その代わり、今度あたしとデートね♪」
「いや、それは――」
「わかった。俺が許可しよう」
「やったー♪」
「おい!ベンゼル何勝手に決めてんだ!!」
「いいじゃねぇかデートくらい!」
「よくねぇよ!お前も知ってるだろう!?ナターシャは――」
二人が小声で話してる内容から察するにナターシャはかなり男遊びが激しい女性らしい。
ケビンが嫌そうな顔をしていたのも納得だ。
「んで?この人達はだーれ?この街では見ない顔だけど?」
ケビンがナターシャに皆のことを紹介した。
「へぇ~あたしと同じマーキュリー等級の。名前は聞いたことあるわ」
「俺もあんたの名前は聞いたことがある」
「ふふっ。あんたもなかなかいい男だね?」
「断る。俺は女遊びに興味はない」
「連れないわねぇ。……この3人が新人ねぇ。最強種キャトランにケビンとベンゼルを負かした人間、それとギルマスよりも強者だっていう女の子か……いいわね♪面白そうじゃないの♪あなたがハルトね?」
ハルトに近寄りナターシャは顔を寄せて話しかけてきた。
「近くで見るとなかなか色男だね♪あんたも良かったら今度――」
「ダメです!ご主人様にあまり近寄らないでください!」
ナターシャが言い切る前にルナが間に割って入る。
「あら?あなたこの子と出来てるの?」
「なっ!そんなんじゃありませんよ!仲間です!」
ハルトは慌てて否定した。
「ふーん?顔が赤いわよ♪」
ハルトは顔をそらせた。
「ふふっ♪からかってみただけよ。ルナちゃんのご主人様を取る気はないわ。安心しなさい♪あたしは年下には興味ないの」
それを聞いてルナは肩に入っていた力を抜いた。
エラルドがそのやり取りを見ながらあきれた様子で急かした。ケビンもそれに同調する。
「無駄話はそれくらいにして先に進まないか?」
「そうですよ。魔族を追いかけないと」
「せっかちなんだから~。分かったわ。こっちよ。みんな付いてきて」
10
お気に入りに追加
597
あなたにおすすめの小説


フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる