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2章
29話 いざ王都へ
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いよいよイザ達が王城へ向かう日がやってきた。
前日からベルンの宿をとり宿泊していたイザたちは朝になり冒険者ギルドに集まっていた。
ちなみに不審に思われないために宿は取っていたが、夜の間はゲートでこっそり村に戻り、朝再び宿の部屋に転移してきた。
「そろそろ迎えの馬車がくるころだな、みんなくれぐれも粗相のないようにたのむぞ。気を付けていって来い」
ギルマスに見送られイザたちは王城へ向かう馬車に乗り込んだ。
「俺馬車なんて初めてだからちょっと楽しみだな」
「イザさんも初めてなんですか?」
銀牙も慣れない馬車にソワソワしていた。
「まぁ馬車は初めてだけど、向こうでは似たような乗り物には毎日乗ってたかな」
「へー。ってことはイザさんは向こうでは貴族だったんですね」
銀牙は馬車に乗る=身分が高い人と思っているらしい。
実際この世界では個人で馬車を持っているのは貴族や商人くらいのものらしいので、銀牙の感覚は間違ってはいないようだが。
(向こうでは一家に1台の車は当たり前だったからなぁ)
「あんまりはしゃいでいると酔うから気を付けろよ」
そんな二人をみてエルロンが注意をする。
馬車の運転席から降りてきた王城の従者と思われる者から声がかかる。
「私は王都まで御者を務めますロンドと申します。ここからニルンハイム国境まで1時間程。そこから更に王都までは2時間ほどかかりますのでゆっくりおくつろぎください」
「はい、お世話になります」
(3時間かぁ。思ったより長い移動になりそうだな)
馬車に乗り込むとマティアはイザの膝を枕にした。
さっそく寝る気満々だ。
最初こそはじめての馬車に浮かれて景色を眺めたりして楽しんでいた銀牙だったが。エルロンの忠告もむなしく乗り物酔いをしてうなだれていた。
「イザさ…ん。気持ち悪いです…」
「乗り物酔いは俺にはなんともならん。おとなしく寝てろ」
「そんなぁ…うっ。気持ち悪い」
「はぁ…。なぁエルロンは王都に行ったことはあるんだよな?」
「あるけどそれがどうしたんだ?」
「いや、俺さ…まだベルンの街しか知らないからさ。この世界の大きな町ってどんなところだろうなぁって思ってね」
「ベルンよりも活気はあるし、栄えてるから見るところは沢山あると思うぞ。有名なのは…そうだな。織物や革細工と小麦菓子なんかじゃないか?」
「へぇ。小麦菓子ってことは小麦の生産地なのか」
「ああ、ニルンハイムは国土の半分近くが穀倉畑だと聞いたことがある。国境を越えたら見られるんじゃないか?」
(服も新調したかったし、小麦もあるなら少し分けてもらって始まりの村でも小麦を栽培したいなぁ。それに小麦菓子ってことはクッキーとかケーキとかかな?俺はお菓子は作ったことないから作れないし久々に食べれるかな?)
暫くして従者が4人に声をかける。
「そろそろ国境に到着します。一度検問で停車いたしますね」
それからすぐに国境に到着した。
御者が大臣からの預かってきている書状を提示すると検問はすんなり通過することができた。
検問所を越えた先に露店並びが見えたので少しだけ馬車を止めてもらった。
ダウンしている銀牙は馬車において3人は少し露店を見てくることにした。
「へぇ、森では見たことがない食材がかなり並んでるな」
「ここはイャーリスとニルンハイムの国境だしな。両国の特産物がたくさん並んでいるんだろう」
「なるほどな」
エルロンと話しながら歩いていると、先ほどまでイザの袖を掴んで歩いていたはずのマティアの姿が見えないことに気が付く。
「あれ?マティアはどこいったんだ?」
歩いてきた方を振り返ってみるとマティアが足を止めて1つの露店を眺めている。
「何か気になるものでもあったのかー?」
イザはマティアの視線の先の露店を見た。
そこには黄色くて丸いオレンジのような果物が山積みされていた。
すると二人に気が付いた露店のおばさんが話しかけてきた。
恰幅のいい猫人族の女性だ。
「お嬢ちゃんこれが気になるのかい?あんた可愛いから1つだけサービスだよっ。食べて見な?」
「わーい。ありがとう」
礼を言うとマティアは受け取った果実に早速かぶりついた。
そして至福の表情を浮かべている。
「連れがせがんだみたいですみません。これは何て果物ですか?」
「いいんだよっ。これはオランって果物でニルンハイムではメジャーは果実さね」
「へぇ、おばちゃん俺にも1つ売ってくれないか」
「あいよっ!銀貨1枚だよっ。まいどありぃ~!」
おばさんからオランと呼ばれる果実を受け取りイザも食べてみる。
見た目は柑橘類のようだが皮をむく必要はなく、そのままでも食べれた。
食べてみるとオレンジとパインを足したような味がした。
口の中に程よい酸味と甘味が広がっていく。
「うん、これはうまいな!」
マティアが物欲しそうにイザの袖を引っ張りながら顔を見つめてくる。
「気に入ったのか?…わかった。おばちゃんオランを一袋たのむ」
「あいよっ!オランを知らないなんてあんたらここらは初めてかい?」
「ああ、ベルンの街から王都へ向かう途中なんだ」
「なるほど、身なりを見たところ冒険者ってところかね」
「はい、ベルンで活動させてもらってます」
おばさんはイザたちをじっと見て言った。
「ふーん。王都に用があるっていうし、見たところかなりの腕の冒険者のようじゃないか。後ろのエルフの兄ちゃんもあんたたちの連れだろう?ただもんじゃない雰囲気だしね」
「ははは…そうでもないですよ」
(エルロンはいつも険しい顔をしてるだけです!というかなんかこのおばさん鋭いな…)
「沢山買ってくれた礼に一つ忠告しとくよ…」
おばさんはイザたちに近づき小声で話し始めた。
「いま王都では行方不明事件が多発してるそうだ。噂では名のある冒険者や腕に覚えがある衛兵ばかりが居なくなってるらしい、腕利きを狙った誘拐や通り魔の犯行だって話さね。あんたらも王都に行くなら注意しときなっ」
「それって…」
イザが聞き返しかけたところで、おばさんはイザの背中をバンッと叩いた。
「まぁ飽くまでも噂さねっ!はっはっはっ!」
「はぁ…忠告ありがとうございます」
「んじゃ気を付けていくんだよ!また機会があったらよっといで!サービスするよっ!」
「はい。ありがとうございます」
3人は馬車に戻り再び王都へ馬車を走らせてもらった。
「なぁ、エルロンさっきの話…」
「ああ、あの人は噂って言ってたが、俺が狙われた件と関係ありそうだな」
「だよなぁ~。こりゃ王都でも気が抜けないな」
馬車酔いでもうろうとしながら聞いていた銀牙が起き上がった。
「うぅ…なにかあったんですか…」
「お前は気にしなくていいからこれでも食って寝てろ」
そういうとイザはうなだれる銀牙の口にオランを突っ込んだ。
マティアは美味しそうにオランをほうばっている。
――その頃
先に出発したガル達は王都の宿で1泊して朝から街を探索していた。
「ねぇ、小麦菓子食べに行かない?」
「先にナックたちと合流して話を伝えてかないと…」
「え~。少しくらいいいじゃん!」
リーンは頬を膨らませ怒っている。
「ならリーンさん一人で行ってくださいよぉ。俺はナックたちを探してくるんで」
「あたしそんなにここで使えるお金持ってないし、一人で行っても退屈じゃん!」
リーンはわがままをこじらせている。
「昨日みんなに会えなかったんで、イザさん達が来る前に会って話を使えておかないと」
「念話は試して見たの?」
「ええ、でも3人とも昨日から反応がなくて」
(半日以上も念話に反応がないなんて妙ね…あの子たちはそんなに怠慢な性格でも無かったし…)
「ねぇガル?ちょっといいかしら?」
「はい?」
「3人が良くいきそうなお店は知らない?」
「それならそこの角を曲がった先にある食堂ですかね?ミーシャがそこのケーキを好きなので夕食はほぼ毎日そこのお店に通っていると思います」
「よし、そこに行くわよ」
「ちょ、ちょっとリーンさん!どうしたんですか急に!」
リーンはガルの手を引いて足早にみんながよく使うという店に向かった。
店は盛況でほぼ満席。各テーブルに目を配ると様々な果実を使ったケーキがリーンの目に入った。
「この店のケーキ美味しそうじゃん♪」
「もう、結局それですか…」
「いいから座る!満席になっちゃうでしょ!」
2人はとりあえずケーキと飲み物を注文した。
「うーん♪やっぱ人間種が作る甘味は最高だわぁ♪イザさんもこういうの作れるのかな?」
スプーンを加えながらリーンはイザがケーキを作る姿を想像した。
(うん…流石に作ってくれそうにないわね…)
「それで?何故急にこの店に?」
「あんた気が付かないの?」
リーンはガルをスプーンで指しながら苦言を述べた。
「3人ともあんたの念話を無視する程あんたを嫌ってもなかったし、悪い子たちじゃなかった。そんな子たちがみんな何の連絡もよこさずに落ち合う予定の場所にも来なかったんでしょ?何か事件に巻き込まれたって考えるのが普通じゃないの?」
「そ、それはうすうすは感じてましたけど…でも何処をどう探せば!」
「はぁ…だからここに来たんでしょうが…」
リーンは感の鈍いガルに呆れて頭に手をあてため息をついた。
「いい?3人が良く来るってことは3人を目撃してた人も多いってことでしょ?消息を追うなら、まずこの店から聞き込みをするのが一番手っ取り早いんじゃない?」
こうして二人はナック、フェル、ミーシャの行方を知っている人が居ないか聞き込みをはじめた。
すると店員の目撃情報で2日前まではこの店に来ていたことが分かった。
更にその時ミーシャが最近誰かに付けられてるような気がすると言っていたこともわかった。
その情報をくれた獣人の店員は、ミーシャはこの辺りでは珍しい兎人族だからストーカーでも沸いたんじゃないかと言っていた。
だが二人は、ミーシャやナックの魔法技術で見破れないような追跡者がただのストーカーとは思えないという結論に至った。
「これは危険な香りがするわね…ガル!あんた冒険者でしょ?ギルドに行って聞き来み!あたしはこの辺りをもう少し探ってみるわ」
「わかりました。何かわかったらすぐ連絡します!」
こうして二人はイザたちが到着する前に行方不明の三人を捜索することとなった。
前日からベルンの宿をとり宿泊していたイザたちは朝になり冒険者ギルドに集まっていた。
ちなみに不審に思われないために宿は取っていたが、夜の間はゲートでこっそり村に戻り、朝再び宿の部屋に転移してきた。
「そろそろ迎えの馬車がくるころだな、みんなくれぐれも粗相のないようにたのむぞ。気を付けていって来い」
ギルマスに見送られイザたちは王城へ向かう馬車に乗り込んだ。
「俺馬車なんて初めてだからちょっと楽しみだな」
「イザさんも初めてなんですか?」
銀牙も慣れない馬車にソワソワしていた。
「まぁ馬車は初めてだけど、向こうでは似たような乗り物には毎日乗ってたかな」
「へー。ってことはイザさんは向こうでは貴族だったんですね」
銀牙は馬車に乗る=身分が高い人と思っているらしい。
実際この世界では個人で馬車を持っているのは貴族や商人くらいのものらしいので、銀牙の感覚は間違ってはいないようだが。
(向こうでは一家に1台の車は当たり前だったからなぁ)
「あんまりはしゃいでいると酔うから気を付けろよ」
そんな二人をみてエルロンが注意をする。
馬車の運転席から降りてきた王城の従者と思われる者から声がかかる。
「私は王都まで御者を務めますロンドと申します。ここからニルンハイム国境まで1時間程。そこから更に王都までは2時間ほどかかりますのでゆっくりおくつろぎください」
「はい、お世話になります」
(3時間かぁ。思ったより長い移動になりそうだな)
馬車に乗り込むとマティアはイザの膝を枕にした。
さっそく寝る気満々だ。
最初こそはじめての馬車に浮かれて景色を眺めたりして楽しんでいた銀牙だったが。エルロンの忠告もむなしく乗り物酔いをしてうなだれていた。
「イザさ…ん。気持ち悪いです…」
「乗り物酔いは俺にはなんともならん。おとなしく寝てろ」
「そんなぁ…うっ。気持ち悪い」
「はぁ…。なぁエルロンは王都に行ったことはあるんだよな?」
「あるけどそれがどうしたんだ?」
「いや、俺さ…まだベルンの街しか知らないからさ。この世界の大きな町ってどんなところだろうなぁって思ってね」
「ベルンよりも活気はあるし、栄えてるから見るところは沢山あると思うぞ。有名なのは…そうだな。織物や革細工と小麦菓子なんかじゃないか?」
「へぇ。小麦菓子ってことは小麦の生産地なのか」
「ああ、ニルンハイムは国土の半分近くが穀倉畑だと聞いたことがある。国境を越えたら見られるんじゃないか?」
(服も新調したかったし、小麦もあるなら少し分けてもらって始まりの村でも小麦を栽培したいなぁ。それに小麦菓子ってことはクッキーとかケーキとかかな?俺はお菓子は作ったことないから作れないし久々に食べれるかな?)
暫くして従者が4人に声をかける。
「そろそろ国境に到着します。一度検問で停車いたしますね」
それからすぐに国境に到着した。
御者が大臣からの預かってきている書状を提示すると検問はすんなり通過することができた。
検問所を越えた先に露店並びが見えたので少しだけ馬車を止めてもらった。
ダウンしている銀牙は馬車において3人は少し露店を見てくることにした。
「へぇ、森では見たことがない食材がかなり並んでるな」
「ここはイャーリスとニルンハイムの国境だしな。両国の特産物がたくさん並んでいるんだろう」
「なるほどな」
エルロンと話しながら歩いていると、先ほどまでイザの袖を掴んで歩いていたはずのマティアの姿が見えないことに気が付く。
「あれ?マティアはどこいったんだ?」
歩いてきた方を振り返ってみるとマティアが足を止めて1つの露店を眺めている。
「何か気になるものでもあったのかー?」
イザはマティアの視線の先の露店を見た。
そこには黄色くて丸いオレンジのような果物が山積みされていた。
すると二人に気が付いた露店のおばさんが話しかけてきた。
恰幅のいい猫人族の女性だ。
「お嬢ちゃんこれが気になるのかい?あんた可愛いから1つだけサービスだよっ。食べて見な?」
「わーい。ありがとう」
礼を言うとマティアは受け取った果実に早速かぶりついた。
そして至福の表情を浮かべている。
「連れがせがんだみたいですみません。これは何て果物ですか?」
「いいんだよっ。これはオランって果物でニルンハイムではメジャーは果実さね」
「へぇ、おばちゃん俺にも1つ売ってくれないか」
「あいよっ!銀貨1枚だよっ。まいどありぃ~!」
おばさんからオランと呼ばれる果実を受け取りイザも食べてみる。
見た目は柑橘類のようだが皮をむく必要はなく、そのままでも食べれた。
食べてみるとオレンジとパインを足したような味がした。
口の中に程よい酸味と甘味が広がっていく。
「うん、これはうまいな!」
マティアが物欲しそうにイザの袖を引っ張りながら顔を見つめてくる。
「気に入ったのか?…わかった。おばちゃんオランを一袋たのむ」
「あいよっ!オランを知らないなんてあんたらここらは初めてかい?」
「ああ、ベルンの街から王都へ向かう途中なんだ」
「なるほど、身なりを見たところ冒険者ってところかね」
「はい、ベルンで活動させてもらってます」
おばさんはイザたちをじっと見て言った。
「ふーん。王都に用があるっていうし、見たところかなりの腕の冒険者のようじゃないか。後ろのエルフの兄ちゃんもあんたたちの連れだろう?ただもんじゃない雰囲気だしね」
「ははは…そうでもないですよ」
(エルロンはいつも険しい顔をしてるだけです!というかなんかこのおばさん鋭いな…)
「沢山買ってくれた礼に一つ忠告しとくよ…」
おばさんはイザたちに近づき小声で話し始めた。
「いま王都では行方不明事件が多発してるそうだ。噂では名のある冒険者や腕に覚えがある衛兵ばかりが居なくなってるらしい、腕利きを狙った誘拐や通り魔の犯行だって話さね。あんたらも王都に行くなら注意しときなっ」
「それって…」
イザが聞き返しかけたところで、おばさんはイザの背中をバンッと叩いた。
「まぁ飽くまでも噂さねっ!はっはっはっ!」
「はぁ…忠告ありがとうございます」
「んじゃ気を付けていくんだよ!また機会があったらよっといで!サービスするよっ!」
「はい。ありがとうございます」
3人は馬車に戻り再び王都へ馬車を走らせてもらった。
「なぁ、エルロンさっきの話…」
「ああ、あの人は噂って言ってたが、俺が狙われた件と関係ありそうだな」
「だよなぁ~。こりゃ王都でも気が抜けないな」
馬車酔いでもうろうとしながら聞いていた銀牙が起き上がった。
「うぅ…なにかあったんですか…」
「お前は気にしなくていいからこれでも食って寝てろ」
そういうとイザはうなだれる銀牙の口にオランを突っ込んだ。
マティアは美味しそうにオランをほうばっている。
――その頃
先に出発したガル達は王都の宿で1泊して朝から街を探索していた。
「ねぇ、小麦菓子食べに行かない?」
「先にナックたちと合流して話を伝えてかないと…」
「え~。少しくらいいいじゃん!」
リーンは頬を膨らませ怒っている。
「ならリーンさん一人で行ってくださいよぉ。俺はナックたちを探してくるんで」
「あたしそんなにここで使えるお金持ってないし、一人で行っても退屈じゃん!」
リーンはわがままをこじらせている。
「昨日みんなに会えなかったんで、イザさん達が来る前に会って話を使えておかないと」
「念話は試して見たの?」
「ええ、でも3人とも昨日から反応がなくて」
(半日以上も念話に反応がないなんて妙ね…あの子たちはそんなに怠慢な性格でも無かったし…)
「ねぇガル?ちょっといいかしら?」
「はい?」
「3人が良くいきそうなお店は知らない?」
「それならそこの角を曲がった先にある食堂ですかね?ミーシャがそこのケーキを好きなので夕食はほぼ毎日そこのお店に通っていると思います」
「よし、そこに行くわよ」
「ちょ、ちょっとリーンさん!どうしたんですか急に!」
リーンはガルの手を引いて足早にみんながよく使うという店に向かった。
店は盛況でほぼ満席。各テーブルに目を配ると様々な果実を使ったケーキがリーンの目に入った。
「この店のケーキ美味しそうじゃん♪」
「もう、結局それですか…」
「いいから座る!満席になっちゃうでしょ!」
2人はとりあえずケーキと飲み物を注文した。
「うーん♪やっぱ人間種が作る甘味は最高だわぁ♪イザさんもこういうの作れるのかな?」
スプーンを加えながらリーンはイザがケーキを作る姿を想像した。
(うん…流石に作ってくれそうにないわね…)
「それで?何故急にこの店に?」
「あんた気が付かないの?」
リーンはガルをスプーンで指しながら苦言を述べた。
「3人ともあんたの念話を無視する程あんたを嫌ってもなかったし、悪い子たちじゃなかった。そんな子たちがみんな何の連絡もよこさずに落ち合う予定の場所にも来なかったんでしょ?何か事件に巻き込まれたって考えるのが普通じゃないの?」
「そ、それはうすうすは感じてましたけど…でも何処をどう探せば!」
「はぁ…だからここに来たんでしょうが…」
リーンは感の鈍いガルに呆れて頭に手をあてため息をついた。
「いい?3人が良く来るってことは3人を目撃してた人も多いってことでしょ?消息を追うなら、まずこの店から聞き込みをするのが一番手っ取り早いんじゃない?」
こうして二人はナック、フェル、ミーシャの行方を知っている人が居ないか聞き込みをはじめた。
すると店員の目撃情報で2日前まではこの店に来ていたことが分かった。
更にその時ミーシャが最近誰かに付けられてるような気がすると言っていたこともわかった。
その情報をくれた獣人の店員は、ミーシャはこの辺りでは珍しい兎人族だからストーカーでも沸いたんじゃないかと言っていた。
だが二人は、ミーシャやナックの魔法技術で見破れないような追跡者がただのストーカーとは思えないという結論に至った。
「これは危険な香りがするわね…ガル!あんた冒険者でしょ?ギルドに行って聞き来み!あたしはこの辺りをもう少し探ってみるわ」
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