転移想像 ~理想郷を再現するために頑張ります~

すなる

文字の大きさ
7 / 66
1章

6話 潜入と融和

しおりを挟む
隠蔽のスキルと魔法を駆使して限りなく気配を殺したイザはラミアの里に忍び込んだ。

洞窟の中は結構入り組んでいてかなり広い。途中広場のようなところもあり更に奥に続いている。
(内部は思ったよりもかなり広いな。色々調べるにしても結構骨が折れそうだな)

広場少し行った通路に大穴が空いている。
(うわっ!あぶない!薄暗いから見落とすとこだった。侵入者をはめる罠ってところか)
穴をうまくやり過ごしてイザは更に奥へと足を運んだ。

最奥付近で重装備のラミア数人が集まっている場所を見つけた。
ラミアの戦士たちのようだ。

何やら話しているようだ。
「くそっ!また一人やられた…!」
「これでもう何人目だ…」
「幸い重傷者や死人はまだ出ていない!こちらの手勢が減らされる前に何としてもサンドワームを討伐するぞ!!」
「はっ!!」

どうやら洞窟内にサンドワームが出現していて、その対応を話し合っていたようだ。
(なるほど、サンドワームを倒すことが出来たらラミア族とも話すきっかけを作れるかもしれないな。もうすこし詳しい話が聞けるといいが)

あちこちで聞き耳を立てた情報によるとサンドワームは土の中に生息する魔物なので目が見えず魔力に反応して攻撃してくるらしい、そして土属性なので火属性しか扱えないラミアでは相性が悪いらしく苦戦している様子。
(だからあんなに重装備なのか)

「魔力に寄ってくるか…んじゃ魔力を高めたら俺を襲ってくるかもしれないな。…ん?魔力を高めるってどうやるんだ?んー、俺魔法は少しは練習したけど魔力自体の扱い方なんてまだ練習してないからなぁ…」
「とりあえずラミアさん達を巻き込まないようにするために一度あの大きな広場まで戻って色々試してみるか」

広場に着いたイザは隠蔽を解いて魔法を発動させる際に集中している要領で、体に意識を集中させた。
(魔力の扱い方は詳しくわからないけど魔法を発動するときは魔力を使っているんだろうし、こうすればきっと…)

すると地響きが近づいてくるのが聞こえる。
そしてラミアたちもその音に釣られて広場に集まってきた。
「人間!ここで何をしている!見張り者どもはどうした!」
(やべっ!サンドワームよりも先にラミアさん達に見つかった…これは面倒なことになりそう…)
「答えよ人間!!」
「いや、これにはちょっと訳がありまして」
「我らの洞窟に無断で侵入することにどんなわけがあるというのだ!返答次第ではただでは置かんぞ!!」
(当然その反応になりますよねー。さてどうしたものか…地響きはもうすぐそこまで来てる…)

(ラミアさん達はこちらを警戒してサンドワームに対して意識がおろそかになってるし、ここは彼女らを守るために一旦距離を取らなければ)
イザがそう思っていた時、地響きが真下でやんだ。
(やばっ!もうすぐそこまで来てた!これは手段を選んでらんないな!)

「ちょっとごめんね」
そういうと風の魔法でラミアたちを通路に吹き戻した。

「くっ!おのれ人間め!」
ラミアが怒鳴ったその瞬間サンドワームがイザの足元から飛び出してきた。
「なっ!(あの人間我々を助けたというのか…!?)」

(うわー思ったよりでかいな)
イザはサンドワームが飛び出してくる瞬間、風の魔法で宙に浮き攻撃をかわしていた。
「さて、試してみるか」

そういうとイザは右手に雷魔法を集中させた。
それをみてラミアは叫んだ。
「貴様!馬鹿か!?サンドワームは体表に土砂を纏っている!雷が通るわけなかろう!死にたくなければ引け!人間!」

「まぁみててよ、あっちで有名な国民的アニメの戦い方を参考にこうやって…」
そういうと左手に水の魔法を集中させた。

「人間が2属性?しかも同時…だと!?いや…浮いているのは風魔法か!3属性・・!いやそんなこと…!こいつ一体何者…」
ラミアたちは驚いている。

左手に集約させた水魔法を上にはなって広場全体に水びたしにした。
濡れることを嫌ってかサンドワームはすぐに地面へもぐろうとした。
しかしイザは間髪入れずに手に集約させていた雷魔法をサンドワームに向けて解き放った。
「いくら土を纏っていたとしても濡れていたら電気を通すだろ?」
『グヲオオオオオオオオ』
サンドワームは断末魔をあげて黒焦げになった。
「これで倒せたかな?」

ラミアたちはあっけにとられている。
ハッとして我に返ったラミアたちはサンドワーム以上の脅威と判断してイザに武器を突きつけた。
ラミアたちの武器を持つ手は震えていた。
(雷が聞きにくいサンドワームを雷属性で一撃だなんてこいつなんて魔力量…やばい…こいつは化物だ…)
イザは両手をあげて敵意がないことを示す。

しかしラミアの戦士長らしきものはイザを警戒している。
「おっ!お前はいったい何者だ!我らを殲滅しにきた冒険者か!?」
「そう言われてもなぁ。俺に敵意は在りませんって」
「人間の言葉なぞ信用できるか!」
「戦士長武器を納めなさい」
奥から声が聞こえてきた

「族長!しかし!」
奥から少し小柄なラミアが現れた。
小柄だが堂々としていて、不思議な力も感じられる。
「我々はその御仁に助けられた。そうですね?そんなお方に矛を向けることは私が許しません。人間のお方も魔力を納めていただけると助かります。」
「わかり…ました」
(なんとかこの場は落ち着いたみたいだな。最悪の場合風魔法で駆け抜けるつもりだったが、そうするとラミアさん達にもけがをさせる恐れがあったからな。俺が魔法を発動する準備をしていたのも見抜いていたな。あの人すごいな)

「助かりました。俺はイザといいます。聞きたいことがあるのでお話に伺いました」
「礼には及びません。むしろサンドワームの脅威から助けていた大なのはこちら側です。奥に案内しますついてきてください。」
案内にしたがって最奥の部屋に移動した。

「まずは我々を助けていただいたことに改めまして感謝を申し上げます。」
「気にしないでください。魔法の実験ついでに俺が戦いたくてやったことですし。」
「戦士達もお救い頂いたようですし。本当に感謝いたします。」
ラミアの族長は机に額が付きそうな程深々と頭を下げた。
それを見てラミアの戦士長らしきものも謝罪を始めた。
「我々も先ほどは大変失礼を…!」

「いえいえ、助けるためとはいえ荒っぽく吹き飛ばしてしまってこちらこそすみません」
「…いえ、ああしていただかなければ何人けが人が出ていたかわかりません」
「俺は気にしてないし。それに、怪我人が出なくて何より。だろ?それより本題に入っていいかな?」
「そうでしたね。ここには聞きたいことがあってこられた…と」
「ああ。この辺りで人間のような姿をしたエーテロイドってのを見たことないか?」
ラミアたちは全員聞きなれない単語を聞いたという雰囲気で戸惑っている。

「えーてろいど…ですか?私はここで100年以上過ごしていますがこの大地に住んでいる人間を見たという話は聞いたこともないですね…。」
「そうか」
「力になれずに申し訳ありません」
「人間以外はこの辺りでも見かけるのか?」
「そうですね。この近くで言うとドワーフとは我々も交流があります。人種はあとは南の山岳付近に一人で住んでいる変わり者のエルフくらいでしょうか」

(ドワーフにエルフか。だんだんファンタジーじみてきたな。じいさんの昔話を思い出すな…)
「…?どうかなされましたか?」
「あ、いやっ、ドワーフの集落はここから近いのか?」
「ええ、ここから南東の山岳へ向けて数刻も歩けばたどり着けると思います。案内の者をお付けいたしましょうか?」
「ああ、そうしてくれると助かるよ。」
「かしこまりました。では何方かイザ様の案内をお願いできますか?」
「その役目是非私にやらせてください!命を、そして仲間を救っていただいた方に少しでも力になりたいと存じます!」
「ではよろしくお願いします」

こうしてイザはラミアの戦士とともにドワーフの集落へ向かうこととなった。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...