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1章
3話 はじめての戦闘
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「やっと砂漠をぬけたー!」
(無事砂漠を抜けれたけど、さすがにこの世界でも砂漠に暮らす生物はほとんどいないってことかな?)
「わーい!ご主人様。マティアお腹すいた」
「そうだな、んじゃもう少しだけ頑張ってゆるになる前にあの森の入り口まで行って野営とするか」
「はーい」
(そろそろ持ってきた食料も減ってきたし補給したいな。魔物とかに出会うのは勘弁だけど…森なら動物や果実やキノコなんかも手に入るかな?)
見晴らしのいい草原をそのまま進んで二人は日が落ちる前に森の入り口にたどり着いた。
(ここまで魔物はおろか生物らしき存在にも一切出会わなかったな?…まぁ出会いたくわないけど…)
「とりあえず夜の森を進むのは危険だし今日はここらで休憩することにしようか」
「わかった」
森の入り口で火を起こして暖を取る準備や野宿の支度をしていると何やら視線を感じた。
視線の感じる先に目をやると角が生えた兎が居た。
(あれは魔物?魔獣?それともただの動物?角が生えてるけど兎だしなぁ…)
そんなことを考えているといきなり兎がイザに向かって突撃してきた。
イザはすんでのところで兎の攻撃を回避した。
「うわっ!こいつ兎の癖に偉く好戦的だな!火が怖くないのかよ!?」
(素早いけど直線的、攻撃を避けるのは分けないな。でも避けるだけじゃ…。でも刃物とかの武器は持ち合わせていないし…。刃物…?そうか試してみるか…!)
兎が大勢を立て直して再度突進してくるのを見越して、イザは右手に魔力を集中させた。
次の瞬間、予想通り兎は一直線にイザに向かって突進してきた。
兎の突進を回避しつつ側面から兎に向けて風の刃を放った。
イザの放った風の刃は一瞬で兎の首を一太刀。兎は地に伏せた。
(風魔法…思ったよりも切れ味がえぐい…大きさは包丁程度だけど切れ味は日本刀って感じだな…)
「ふぅ。兎はおいしいって聞くからな、もってきた保存食も少なくなってきたし、食ってみるか」
「おいしいの?」
「ああ、鶏肉みたいな感じらしい」
「とりにく?」
「マティアはわからないか。とりあえずいつものモソモソよりうまいってことだ。」
「もそもそよりうまいっ!マティア楽しみっ!」
マティアは保存食よりもおいしいと聞いて目を輝かせている。エーテロイドは食事不要という話はどこへやら。
イザは手際よく兎をさばいていった。
(まさか異世界のこんなところでキャンプ飯動画を見ていたのが役に立つなんてな)
風魔法は便利なもので指に小さく纏いながらナイフの代わりにも出来た。
おかげでスムーズに処理が進められた。
一通り処理を済ませたが手元には鍋もなければ、調味料もない。
仕方がないのでとりあえず木の枝にさして焼いてみた。
「ほんとはせめて塩とか欲しかったんだけど、さすがに持ってないからな。まぁいつもの保存食よりはうまいだろう。ほら焼けたぞ」
「わーい、これが…お肉!」
二人は焼いた兎肉にかぶりついた。
「こ、これはっ!?」
「…なんと!?」
(意外とおいしい。調味料がないので味付けもせずに焼いただけだが、濃厚な肉汁のおかげで味付け無しでも案外いけるっ!)
「ご主人様!これモソモソより全然おいしい!」
「そうかっ。よかったなっ」
マティアはすごい勢いで完食した。
(まぁ保存食はうまさを求めてないだろうしな。しかし兎がいるってなると他の肉食動物も居る可能性はあるか…ってかあの兎自体も襲って来たってことは肉食なのか?ある程度用心しておくか…)
(それにしても火を焚いているのに襲ってきたってことはこの世界の動物は火を怖がらないのか)
「マティア。さっきの兎みたいなのがいつ来るかわからないから今日は交代で休んでみはろうか」
「また食べたいからすぐ来てほしい!」
マティアは涎を垂らしていた。
「おまえなぁ…w」
こうしてマティアと交代で夜は見張りをした。
心配とは裏腹に夜の間に襲ってくる動物は現れなかった。
そして翌朝。
「ご主人様」
イザの袖を引いてマティアが何か言いたそうにしている。
「ん?どうした?」
「昨日のお肉また食べたい!探しに行こう!」
森の方を指さし、マティアの目が輝いている。
(完全に肉の味に心を奪われているな…。初めて食べた保存食以外のまともな食い物だからかぁ…。ってか何も食わなくてもいいって言ってなかったか…?まぁ俺もまともな飯は食べたいし、魔法が使えればそんなに困ることもなさそうだから森の奥まで進んでみるとするか。)
「よし、わかった。今日は森の奥に進んでみようか。昨日の兎もまだいるかもしれないしな」
「マティアいっぱい狩る!」
(うん。なんか少女が嬉々として兎を食べるために狩るとか言うの見るとなんかこう複雑な思いがこみ上げてくるな…)
(無事砂漠を抜けれたけど、さすがにこの世界でも砂漠に暮らす生物はほとんどいないってことかな?)
「わーい!ご主人様。マティアお腹すいた」
「そうだな、んじゃもう少しだけ頑張ってゆるになる前にあの森の入り口まで行って野営とするか」
「はーい」
(そろそろ持ってきた食料も減ってきたし補給したいな。魔物とかに出会うのは勘弁だけど…森なら動物や果実やキノコなんかも手に入るかな?)
見晴らしのいい草原をそのまま進んで二人は日が落ちる前に森の入り口にたどり着いた。
(ここまで魔物はおろか生物らしき存在にも一切出会わなかったな?…まぁ出会いたくわないけど…)
「とりあえず夜の森を進むのは危険だし今日はここらで休憩することにしようか」
「わかった」
森の入り口で火を起こして暖を取る準備や野宿の支度をしていると何やら視線を感じた。
視線の感じる先に目をやると角が生えた兎が居た。
(あれは魔物?魔獣?それともただの動物?角が生えてるけど兎だしなぁ…)
そんなことを考えているといきなり兎がイザに向かって突撃してきた。
イザはすんでのところで兎の攻撃を回避した。
「うわっ!こいつ兎の癖に偉く好戦的だな!火が怖くないのかよ!?」
(素早いけど直線的、攻撃を避けるのは分けないな。でも避けるだけじゃ…。でも刃物とかの武器は持ち合わせていないし…。刃物…?そうか試してみるか…!)
兎が大勢を立て直して再度突進してくるのを見越して、イザは右手に魔力を集中させた。
次の瞬間、予想通り兎は一直線にイザに向かって突進してきた。
兎の突進を回避しつつ側面から兎に向けて風の刃を放った。
イザの放った風の刃は一瞬で兎の首を一太刀。兎は地に伏せた。
(風魔法…思ったよりも切れ味がえぐい…大きさは包丁程度だけど切れ味は日本刀って感じだな…)
「ふぅ。兎はおいしいって聞くからな、もってきた保存食も少なくなってきたし、食ってみるか」
「おいしいの?」
「ああ、鶏肉みたいな感じらしい」
「とりにく?」
「マティアはわからないか。とりあえずいつものモソモソよりうまいってことだ。」
「もそもそよりうまいっ!マティア楽しみっ!」
マティアは保存食よりもおいしいと聞いて目を輝かせている。エーテロイドは食事不要という話はどこへやら。
イザは手際よく兎をさばいていった。
(まさか異世界のこんなところでキャンプ飯動画を見ていたのが役に立つなんてな)
風魔法は便利なもので指に小さく纏いながらナイフの代わりにも出来た。
おかげでスムーズに処理が進められた。
一通り処理を済ませたが手元には鍋もなければ、調味料もない。
仕方がないのでとりあえず木の枝にさして焼いてみた。
「ほんとはせめて塩とか欲しかったんだけど、さすがに持ってないからな。まぁいつもの保存食よりはうまいだろう。ほら焼けたぞ」
「わーい、これが…お肉!」
二人は焼いた兎肉にかぶりついた。
「こ、これはっ!?」
「…なんと!?」
(意外とおいしい。調味料がないので味付けもせずに焼いただけだが、濃厚な肉汁のおかげで味付け無しでも案外いけるっ!)
「ご主人様!これモソモソより全然おいしい!」
「そうかっ。よかったなっ」
マティアはすごい勢いで完食した。
(まぁ保存食はうまさを求めてないだろうしな。しかし兎がいるってなると他の肉食動物も居る可能性はあるか…ってかあの兎自体も襲って来たってことは肉食なのか?ある程度用心しておくか…)
(それにしても火を焚いているのに襲ってきたってことはこの世界の動物は火を怖がらないのか)
「マティア。さっきの兎みたいなのがいつ来るかわからないから今日は交代で休んでみはろうか」
「また食べたいからすぐ来てほしい!」
マティアは涎を垂らしていた。
「おまえなぁ…w」
こうしてマティアと交代で夜は見張りをした。
心配とは裏腹に夜の間に襲ってくる動物は現れなかった。
そして翌朝。
「ご主人様」
イザの袖を引いてマティアが何か言いたそうにしている。
「ん?どうした?」
「昨日のお肉また食べたい!探しに行こう!」
森の方を指さし、マティアの目が輝いている。
(完全に肉の味に心を奪われているな…。初めて食べた保存食以外のまともな食い物だからかぁ…。ってか何も食わなくてもいいって言ってなかったか…?まぁ俺もまともな飯は食べたいし、魔法が使えればそんなに困ることもなさそうだから森の奥まで進んでみるとするか。)
「よし、わかった。今日は森の奥に進んでみようか。昨日の兎もまだいるかもしれないしな」
「マティアいっぱい狩る!」
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