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第十章 やっと言えた気持ち 何よりも大事なモノ
第69話 言葉はもう取り消せない (アラン視点)
しおりを挟む「一度しか言わねー。俺が今、好きなのはお前だ」
へっ?
余りにも突然の告白に俺はリュウ様が頭がおかしくなったのかと思った。
「何、言ってるんですか? 今世では俺と貴方は初対面ですよ? 見た目が好みとでも言うんですか? 貴方の将之様への執着を俺は前世で一番近くで見ていたんですよ?」
思わずリュウ様の身体を押しのけながら言い返してしまった。
押しのけ様としてもビクともしないけど……。
リュウ様は俺のあんな姿を見て、動揺してしまっているだけだ。
俺も流されて勘違いしてはダメだ。
「くそっ、何って言ったら伝わるんだよ。前は分かんなかったんだ。嫌、前は確かに将之に夢中で自分の気持ちにも気づけなかったよ。ショウにも、執着していた。だけど……いつの間にか、俺の中にはお前の存在が大きくなってたんだよ。お前が襲われそうになってお前が誰より大事だったと気づいたんだよっ、あんな俺を近くで見ていたから、説得力はねーかもしれねーけど……」
言っていて恥ずかしくなってきたのかリュウ様は話しながらダンダン声は小さくなり顔も耳まで赤くなっていた。
その顔を見ていたら本気だと俺にも伝わってきた。
そう思ったとたん、心臓の音が大きくなってきた。
ど、どうしよう。
俺、今更ながら緊張してきた。
も、もしかして、俺達って、今、ベッドの上だし、さっき思いっきりベロチュウしちゃったし、……俺、このままリュウ様に身体を求められるんだろうか?
今世では俺は抱いた経験ももちろん抱かれた経験もない。
この魔国では性の事に関して皆、低年齢からそういった経験がある奴がほとんどだ。
だけど俺は前世の記憶の影響で、そういうお誘いはお断りしてきた。
「ええと……でも、ですね……。俺、ええと……」
「何だよ。前はお前、ココ触られるの好きだったよな?」
そう言いながらリュウ様が俺の腰の凹んだ場所をスーと優しく撫でる様に触った。
「あっ……っ」
その動きに合わせて俺は思い切り身体をビクつかせてしまった。
そんな事、今世では思い出してもいなかったけど、そこは前世、俺が最も敏感に反応する場所だった。
覚えていてくれた事が嬉しいのと、感じ過ぎてしまって抵抗していた掌が緩んでしまった。
「身体はやっぱり正直だな……」
そう呟いたリュウ様がゴクリと唾を飲み込みながらコチラを見ている。
欲を含んだその表情をみた俺は性的なモノが込み上げてくる様に反応してしまった。
身体中が熱くなり、俺の小振りのソコも大きくなり始めていて、ズボンのその部分が窮屈そうに膨らんだ。
は、恥ずかしい……。
俺の身体は全然、嫌がっていない……っ。
「ダメです。ココ何処か分かって居るんですか? 前王様の部屋ですよ? このベッドでそんな事をするなんて不敬です」
最後の理性を振り絞って俺はそう言った。
俺のアソコはもう既にビンビンに勃っているし、リュウ様のソコも苦しそうに膨れ上がっている。
まだ直接は見てはいないが、あの感じだと、カナリ大きそうだ。
しっかり解さないと俺の尻穴が酷い事になってしまいそうだ。
って俺、なんて妄想をしてしまっているんだ。
「そんな事、考えなくても大丈夫だ。前王様ってのは随分前にこの部屋から別の部屋に移っているらしいし、ココはその後、綺麗に掃除もされている」
そう優しく言ったリュウ様は俺の頬にチュっと口付けた。
そんな風に甘い声で言われると何も考えられなくなる。
前世で俺は、リュウ様に、龍鬼様に抱かれていたけど、あの時は体の良い性欲処理みたいな扱いだったし、甘い言葉を囁かれる事もなかった。
だけど、それでもあの時は幸せだったんだ。好きだったから……大好きだったから、辛かったけど幸せだったんだ。
だから……、こんな甘さ100%な声で囁かれると言い返せなくて流されてしまう……。
「リュウ……さ……ま」
もう俺の身体は力が抜け切ってしまい、リュウ様にしがみついた形になってしまっている。
さあ、食べてという、まな板の鯉状態だ。
目と目が合った時、引き寄せられる様にリュウ様と唇を重ねてしまった。
そこからはもう、お互い、夢中になって口付けあった。
リュウ様の舌が俺の口内の敏感な部分を刺激する。
俺も身体を跳ねさせながらリュウ様の口内に舌を入れた。
今世ではキスも初めてだった俺はきっとキスも下手だっただろう。それがリュウ様に伝わったのか焦らなくても良いと言う様に口付けながら俺の背を優しく撫でるリュウ様。
必死に口付けに応えている俺は息絶え絶えな様子だった。
俺の魔力と先程の天からの雫で生まれ変わったリュウ様の魔力が混じり合い何か弾ける様に反応した。
俺の頭に何かが生えたような感覚があり、尻の穴の少し上の方にも何か尻尾の様なモノが生えた様な気がした。
へっ? な、な、何?
俺がやはり悪い事をしてしまったから、リュウ様に夢中になってしまったから神様が俺に罰を与えたんだろうか?
先程の甘い空気が一変するかの様に俺の表情が固まった。
そんな俺の頬に優しくまたリュウ様が口付ける。
「大丈夫。先程、コチラに向かう時、アランが気を失っていた時、魔王に言われたのだ。俺は、俺の魔力は今、少しずつ生まれ変わっている」
そう言いながらリュウ様が俺の服を脱がし始めた。
「ショウ、もしくはアランに触れる事で俺の魔力は変化できる。ショウには触れさせる事は出来ないがアランとは思う存分、触れ合ってくれと言われたんだ」
そう言いながら熱っぽくコチラを見つめてくるリュウ様。
俺はいつの間にやら生まれたままの姿になっていて、リュウ様も服を全て脱いでいた。
リュウ様の肌の温度を間近に感じる。
俺は素っ裸な上、先程生えた獣の様な耳と尻尾がリュウ様の目には随分と間抜けに映る事だろう。
しかも服を脱いだ事で、リュウ様の心臓の音も俺の心臓の音も早くなってきていた。
魔王様もショウも、俺達がこういう行為を今している事を了承しているという事だ。
しかも、俺とリュウ様がそういう行為をする事でリュウ様の魔力を生まれ変わらせる事が出来るのなら、むしろ、リュウ様と俺がこういう事をする事を皆から望まれているという事だろうか?
「アラン、俺の事は置いておいて、お前の気持ちを聞かせてくれ」
そう言ったリュウ様の言葉は甘すぎて、頭が酔った様にボーとしてしまっていた。
なんだかリュウ様の魔術にかかってしまった様に勝手に言葉を発していた。
「俺はリュウ様が好きだ。俺自身がどうなってしまっても良いくらい大好きだ」
そう言ってしまった瞬間、我に返った俺だが、言ってしまった言葉はもう取り消せない。
俺は顔を真っ赤にしながら下を向き自分の顔を、見られない様にリュウ様の逞しい胸に押し付けた。
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