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第二章 新たな始まり
第21話 結局一睡もできなかった ※ (タイアン視点)
しおりを挟むショウも勃起していた事が分かった。
ショウも受け入れてくれていて興奮してくれている。
そう分かった瞬間俺はもうその事しか考えられなくなっていた。
気がつくとショウの柔らかそうな美味しそうな唇に吸い寄せられていた。
俺の中の魔力がショウの中に流れていくようなそんな感覚があり、それ自体が気持ち良すぎて俺自信が止められず流されそうになっていたが……俺はある事が頭をよぎり慌ててショウから顔を離し、目線も逸らして深呼吸をした。
やばかった。
今、俺は完全に理性は無くなっていた。
俺よ、よく、思いとどまった。
だけど前も言ったが魔国民と地上人が結ばれた例は未だかつて無い。
それはそうだ。
魔国民である地底人は大部分の確率で地上に上がってしまうと魔物化してしまうから……。
地上人に出会った時、魔国人はすでに魔物になってしまっている事がほとんどだ。
魔国の魔王の息子である俺と地上人であるショウが交わった時、どうなるかなんて分からない。
ショウの気持ちがもしこちらに向いてくれていたとしても、少しずつ触れ合い確認し合いながら事に及ばなければ……。
それに先程からショウの様子がおかしい気がする。
ショウは元々魔力が上手く使えないと言っていた。
もしかして少しずつ、本当に少しずつかもしれないが質の違うショウの体内にはない魔力がよくない風に影響を及ぼしてしまっている可能性もある。
俺はここ数日間、ショウと離れていたと言ってもショウの事はずっと見ていた。
何度も言うが俺は自慢にもならないがそういう性的な経験は豊富だった。
だから俺に色目を使ってくる女も男も多くいたし、そんな奴らは気持ち悪いとさえ思っていた。
ショウがそんな風に欲を含んだ目で見ている様に見えてしまった。
もちろん俺の中でショウは特別だ。
俺の事をそんな風に考えてくれるなんて大歓迎だし、先程の表情を思い出してしまったなら、また自分の欲望を抑えられなくなりそうな程だ。
しかしショウは初めて会った時、そういう性的な事に疎いような気がした。
俺が見えていない所で、ショウの心にも変化があったのか?
それとも俺の中の邪気を含む魔力がショウによくない影響を与えているのだろうか?
いや、分からない。
関係ないのかもしれない、交わったって何も起こらないのかも知れない。
逆に俺の中の邪気が全てなくなる事だって考えられる。
分からないが……俺はショウを無くしたくないともう思ってしまっている。
欲望のままに動いて取り返しのつかない事になってはたまらない……。
しかし、俺のペニスもショウの可愛らしいソレも未だかつて勃起したままだ。
俺は目線を逸らしたまま、腕の中にいるショウの腰を引き寄せた。
必然的に顔も近づくが目を合わせてしまったらまた理性が効かなくなってしまう。
俺は自分のペニスとショウの可愛らしいソレを2つまとめてゴツい掌で包み込み扱き始めた。
「あっ、た、タイアンさんっ」
耳元でショウの切なそうな高目のイイ声が聞こえる。
俺はゆっくり、丁寧にそこをシゴく。
湯の中だからネチャネチャという音は響かないが水面の揺れる音、二人の興奮したような息遣いが漏れる。
「ハッハッハッ」
「アッアッアッ」
イヤらしく二人の声が、息が重なる。
俺自身普段一人で抜いた時でもイクまでに時間がかかるのに、ショウの色気、声、香りにあっと言う間に気が昂り、ショウも久しぶりだったのか俺の胸元に自身の顔を預けたまま、同時にはてた。
本当はそのまま抱きしめてもう少し思いに浸りたかったが、気を抜くとまた俺の息子は立ち上がってきてしまいそうな危険性も考えて、俺は早々に水辺の辺りまで行き、ショウが足をつき危なくない所まで到達したところでショウから離れ、自分とショウに浄化の魔法をかけた。
浄化の魔法と共に体に残った水滴も消し去る。
身体をちゃんと洗いたかっただろうが、もう真夜中になってしまっているだろう。
どこからか漏れて入っている月の光や光苔のおかげで洞窟内は、ほのかに明るいがショウは明日も仕事だ。
早く眠らなくては……。
浄化の魔法が珍しかったのか少し驚いたように自身の身体を触っていたショウは俺が衣服を身につけているのを見てベッド脇まで移動し衣服を身につけ始めた。
ショウの顔はまだほてっているようで、また長く見つめてしまっては俺の目には毒の様だ。
そのまま自分の寝床に入ろうとしたショウを俺は慌てて引きとめた。
「ベッドを使え、俺と一緒に眠るのが嫌なら……俺がそこで眠る」
慌てて言ったからか少し冷たい声になってしまったかもしれない。
「とんでもない、これはタイアンさんのベッドですし、俺の布団だとタイアンさんが風邪を引いてしまいます」
「じゃー、一緒に寝るか」
そう言って俺はベッドに上がり布団に入りながらショウを誘った。
「……」
ショウが恥ずかしそうに下を向いた。
「もう何もしない。明日も早いのだろう? 早く隣に来い」
そう言っておきながら俺は背を向け横になった。
何もしないと言いながらも俺は自分のことが一番信用できなかった。
しばらくするとショウが遠慮がちに俺のベッドの中に入ってきた。
俺に触れない様にしているのか、ベッドの端の方に遠慮がちにショウが横になった。
落ちてしまいそうで、自分の方に引き寄せたかったが、また身体が密着し、ショウの香りと感触に俺の理性がやられてしまいそうで、俺は目を堅く瞑り、なるべく違う事を考えようと頑張ったが、浮かんでくるのは先程のショウの色っぽい声や白い肌、艶っぽい表情ばかりでその晩は結局一睡もすることはできなかった。
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