とある変態紳士の供述

あぶらみん

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変態はかくも語りき

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小学生の頃のある日、僕は幼なじみのサヤカちゃんと一緒に下校していました。

ぼくの地元は田舎なので、学校から家までの距離がかなりあります。

道のりも半ばというところで、ふとサヤカちゃんが立ち止まりました。

「どうしたの?」

ぼくも立ち止まり、振り返って首を傾げました。

「お、、そう」

サヤカちゃんが顔を伏せ、蚊の鳴くような声で言いました。

「えっ?なんて」

そう聞き返すぼくに、サヤカちゃんはもじもじしながらもう一度繰り返しました。

「おしっこ、、もれそう」

スカートからすらりと伸びた脚の膝をぴたりとつけて、こするようにモジモジしていました。

それを見たぼくは、サヤカちゃんの限界が近いことを悟りました。

慌てて周り見回しますが、田舎だけあり目の届く範囲に民家や建物などはありませんでした。当然トイレも。このままではサヤカちゃんは限界を迎えてきっとおもらしをしてしまう。

そして、もしそうなれば、サヤカちゃんは恥ずかしさのあまり死んでしまうだろうとぼくは思いました。

いま考えると大袈裟ですが、当時のぼくは本当に真剣にそう思ったのです。

どうしようどうしよう。焦ってまともな思考ができなくなったぼくは、とんでもないことを口走ってしまいました。

「ここで、、する?」

言った後にハッとなりました。自分はいったい何を言っているんだと驚きました。

先程の発言を取り消そうと慌てて口を開きかけたところで、サヤカちゃんの恥ずかしそうな声が聞こえました。

「う、、わかった、、」

一瞬、ぼくは彼女が何を言っているのかわかりませんでした。

壊れたおもちゃみたいにかたまるぼくを後目に、さやかちゃんはなおも続けました。

「だっ、だれかこないか、、見ててっ!」

そう言って、スカートの中に手をいれて、下着を下ろそうとしました。

大きな瞳に涙をうっすらと滲ませて、頬を赤く染めながら下着に手をかける彼女の姿は扇情的にさえ見えました。

「ぜったいこっちむいちゃ、だめだよ、、!ぜっこうだよ、、!」

羞恥と精一杯の強がりがない混ぜになった彼女の声をきいて、ぼくはやっと我にかえりました。

「みっ、みないよ!ぜったいみない!」

宣言して、勢いよく体を反転させました。

ぼくが見ていないことを確認したのか、少しの沈黙があってから、背中の後ろからごそごそと身をよじるような音が聞こえてきました。

あたりな人影はなく、そこにあるのは僕とサヤカちゃんと、高く昇った太陽が落とすふたりの影だけでした。

ドッドッドッ、と自分の心臓の音がいやに大きく聞こえました。

ガサガサと衣擦れの音が聞こえたあと、シャーッという、勢いよく水が吹き出すような音が響きました。

その音はぼくに、サヤカちゃんのあられもない姿を連想させました。だめだだめだ!妄執を消すように頭をふり、下を向いてただ足元の石ころを見つけるのに専念しました。

すると、なんということでしょうか。ぼくの足のすぐそばの地面を、緩やかな川の流れのようにゆっくりと、一筋の黄色い何かが流れていくのです。

やがてそれは、無数に枝分かれする大樹の枝のように地面にいく筋もの軌跡をつくりました。

それはぼくにとってひとつの啓示でした。かつて歴史上の偉人が神の声を聞いたと訴えたのと同じように、ぼくは神を見たのです。

ぼくの心を縛り付ける鎖が音を立てて弾け飛びました。

ぼくは音をたてぬようにその場に腰を下ろし、指先で黄色い軌跡をそっと撫でました。

湿った人差し指を鼻先にやり、親指でこするようにして匂いを嗅いでから、舌を這わせました。

口の中に苦味が広がる一方で、どこか優しい風味を感じました。きっと、これがサヤカちゃんの持つ生来の優しさなのだ!

ぼくはそう確信しました。

これがサヤカちゃんの味か…。

ぼくの心はえも言えぬ満足感と幸福感で満たされました。

あの日、世界で最も幸福だった人間はぼくを除き他にいないでしょう。そう断言できるほど、ぼくはその味の虜になってしまっていたのです。

長くなりましたが、この出来事こそ、ぼくが女性のおしっこを好んで飲むようになったきっかけなのです。
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