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ドッキリのその後で

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 ちゃんと有益な情報を齎してくれたのはありがたいが、それとは別にこれを切欠に扱いがさらに厳重化されて重用されるのではないかという心配もあった。
 シンの後ろでクスクスと軽やかで華やかな笑い声が聞こえる。
 くるりと振り向けば、そこには神々たちが立っていた。
 知った顔も、知らぬ顔もいる。だが、それぞれが人とは異なる存在感を放っていた。
 呆然とするシンに悪戯が成功したようにとびきりな笑顔を向けたと思ったら、陽炎のように揺らめいて消えていった。

(……やられた!!!)

 何もするなと言ったのに、まさかの神々オールスターズでご降臨である。
 だが、ここで動揺したら負けな気がする。
 無事花輪も渡したことだ。呆然とするレニから錫杖をさらっと取り返すと、地面(水面?)を叩いて退出の合図をする。
 シャリンとした鳴り響く音に姿勢を正すアンジェリカ。ハッとしたレニはシンの後ろに戻り、顔を上げてぽかんとしていたカミーユとビャクヤもさっと頭を下げなおした。
 周囲の観客もざわついているが、騒ぎになる前に出てこうと足を動かす。
 全員が無事に出て行ったところで、会場がドッと湧く気配がした。

「神子様! 素晴らしいです神子様!」

 迎えの神官が感涙にむせび泣いているが、シンはやさぐれていた。
 きっと、あのいい笑顔だったファウラルジットあたりがフォルミアルカを焚きつけたに違いない。
 神官はそのままシンに抱き着かんばかりだが、その辺はアンジェリカが制して事なきを得た。
 彼が傍にいるとシンが落ち着けないので、そのまま部屋を追い出された。
 控室まで戻ったが、溜息しか出ない。

「シ、いや、神子様……なんやったの、あれ?」

「なんもするなって言ったのに、出てきたんでしょう。もともとある演出じゃないなら、ゴッズパワーが働いたんじゃない?」

 投げやりなシンの方を揺さぶるビャクヤだが、レニに思いっきり尻尾を掴まれて引き剥がされた。
 興奮が引かないのか、やや頬を紅潮させたアンジェリカが首を振る。

「……あのような演出は聞いておりません。そもそも、あの会場は神子様を守るために魔法が無効化されます」

「では、あれは神の御業というものでござるか~。初めて見たでござるなぁ」

 のほほんと両手を合わせて「ありがたや~」と今更ながらに拝むカミーユ。
 レニが間違ってはいないのだが、どうも緊張感の足りないカミーユを微妙な顔で見ている。
 拝まれているシンの顔は渋いものである。

「あー……と、キマイラ様から神託で、テイランの神罰は終わり。エルビアの周囲で近々スタンピードに注意すること。来年の南部は干害と渇水とに注意だって」

 シンがめんどくさそうに言うと、聖騎士四人がぐりんと振り向いた。
 まさかの神託再びである。
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