そっと推しを見守りたい

藤森フクロウ

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ストーカーは推しに貢ぎたい②

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 こんにちは、アヤネコです。
 推しをストーキングすることに人生ならぬ神使生を捧げています。我が人生に一片の悔いなし、といつでも拳を天へ高らかに向けられます。
 弟妹達とセッションする推しが尊い。
 語彙が死滅した状態で、神様に推しの素晴らしさを訴え掛けました。

『プライバシーは守ってあげてね?』

 アヤネコの失ったはずの良心とモラルに滅多打ちの言葉でした。
 無理です。推しを推しているかぎりそれは守られないモノなのです。推しを守るために推しのプライベートはちょっとのぞき見しますが、推しには全力でバレないように努力します。
 バレなきゃいいんです、バレなきゃ。
 最近、皇帝がようやく股間小爆発の呪いから解放されたようです。
 また権力をかさに着て女性に乱暴するつもりでしょう。
 エロ同人誌みたいに! エロ同人誌みたいに! そしてそれをリアルにやるのがあのビチグソ親父です。
あれが推しの遺伝子の製造元なんやで……?
 信じられるか? あのお腹が常に脂肪でパツパツの性欲の塊で女にだらしないビチグソ汚物があの麗しい推しの父親なんやで?
 どんだけ推しのお母様の遺伝子がファインプレーをしたんだろう。
 とりあえず、また悪さをしないように皇帝のイチモツがポークビッツになるように呪った。
 そんでもって、性欲をたぎらせるとそのポークビッツが水色のデフォルメゾウさんになってパオーンと鳴くようにした。
 これで少しは自重するようになるだろう。
 アヤネコとってもいいことをした。これであの皇帝の女癖の悪さも治るといいのだが、
 だが、ニチアサマスコット先輩は真っ青な顔して、私にドン引きするのです。

「悪魔に謝れ。お前のせいでもう悪魔は悪魔と名乗れなくなる」

 どういう意味だ。
 あの皇帝に溜まった周囲からのヘイトを呪いという形で具現化しただけだ。
 とりあえず、呪われた皇帝のパジャマズボンにマスコット先輩を入れた。直におパンツに入れなかっただけ、アヤネコは優しいと思います。
 アヤネコは推しに貢ぐためにたまに来る暗殺者を張り倒し、モンスターをしばきます。
 サボると体が鈍るから、たまに隣の領地まで出張するときもあります。
 そーいえば、フェルゼン領はスタンピードが起きるはずなんだが何も起きやしない。あれが起これば、簡単にお小遣い稼ぎができるのに。
 神様から支給されている端末で、スタンピードの発生がないか確認しているんだけどないんだよ。何故だ。
 もうちょっとだけTPが溜まれば、推しに凄く似合いそうなお靴を貢げるんだよ!!!
 この世界では再現できないようなエナメル素材にモノクロチェックの布を組み合わせた、ちょっとお洒落でハイソな靴!
 推しは自分だけそんなもんを履くなんて、と思うに違いない。だが、ロヴェルとアリエッタにもそれぞれ揃いの編み上げ靴とコサージュ付きの可愛いパンプスを送れば絶対に履く!


 推しのおみ足を私の貢いだ物が包んで守るってもう最高じゃねーの!?


 それだけでご褒美だ。労働すら、推しに貢ぐ過程だと思えば幸せだと思える。
 お洒落なだけの普通の靴のはずが、なぜかレジェンドウェポン相当のオリハルコンの剣並みにTPえぐいけれど。一生懸命貯めている。
 一度神様になんで高いの? 何とか特殊機能あるの? って聞いたら。

『需要があるから高く設定してあるの』

 とご返信。
 カミゾンにもマーケティング事情とかあるの!?
 え? 私以外も狙ってるの? 取られちゃう? まずい! それはまずい!
 効率よくTPを稼ぐ方法ってないの? えーと……
 世界特定害悪種に指定されているモンスターを狩るといいらしい。なんだ、その以前の世界でいう特定外来種みたいな扱いは。
 端末で調べていると、いわばそいつらは世界の毒や膿、もしくはウィルス的な存在らしい。自浄作業が追い付かなくて具現化してしまい、大抵碌でもないことしかしでかさないとのこと。
 この辺にはおらず、蝕や瘴気、魔界と呼ばれる淀んだ場所に生息していることが多い。
 そこはほとんどの生物にとって死の世界。
 RPGでいうと毒沼地やトラップゾーンみたいなものかな?
 私はこの辺ではそこそこ強いけど、なんかボスマップ付近に居そうなやつらにも勝てるかは不明だ。
 でも、推しに貢ぎたい。
 このお靴を履いた推しを見たい。

 ………とりあえず、試しに行ってみますか

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