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最終章 掴んだ幸せは離しませんわ
47話 かまって欲しいですわ
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「あーやっと、一段落した」
見たこともないような真面目な顔でこの国の城内に入り込んだ彼は難しいことをレイと盗賊たちに沢山言って解散した。彼はといえば、執務室を見つけ私を連れて作業に没頭していた。
あんなにいい雰囲気だったんだから、なんかひとついい事でもあるかと思えば私は無視されてこのザマだ。愛の一言くらいかけてほしい。でも私から言う余裕もないんだから私も相当に意地悪だとは思う。
「ねぇ、リースまさかこんな紙の山に嫉妬してる?」
「…そんなわけない」
ついムッとして言葉が固くなる。こんなことが言いたかったはずじゃないのに。もしかしたら本当に私はその紙きれたちにどこか嫉妬しているのかもしれない。
「そっか、でもあと少し、待っててね」
私の頬に優しい口づけをするとまた彼は積み上がった紙に視線を戻した。顔が熱くなるが、そんな熱さえ紙への嫉妬で冷めてしまう。
「リース探してたんだー!ちょっと外行こーよ」
扉を勢いよく開けたのは見間違えるくらい洒落こんだあの盗賊、クイナだ。そしてその横にいるのは……?まさか、リアス?どうやって国境からここまで来たんだろう。距離はかなりあるはずだ。
「さあお姉さん、可愛くならなきゃねー」
まあまあとまだ首を縦に振ることさえしないままに部屋の外に追い出される。トリネに目で訴えたがこちらを振り向いたのはいいものの手をヒラヒラさせるだけで二人を止めてはくれない。彼が手を振り続ける中、部屋の戸は閉められた。
「お久しぶりです。レイさんに呼ばれてきちゃいました。大切なことがあると聞い――」
「シッ!」
リアスが大人びた口調で話し始めた瞬間、クイナはその口を急いで塞いで自身の口の前に人差し指を立てた。
“大切なこと”とはなんなのだろうか。
それが気になりはするが多分聞いてはいけないことな気がするのでやめておく。レイが呼んだなんてまた意味がわからない。それでよく分からずにも来てしまうリアスも大したものだと思う。初めて会った時から若干変わった人だとは分かってはいたが悪い人ではないと思ったのでどうもしなかった。
「まあ簡単だよ。リース、これからただちょっとおめかししてもらうだけだから」
「そのためにトリネ王子もたくさんの招――」
またもや何かを言いかけたリアスの口をクイナが塞ぐ。もしかしてリアス、私が知らないだけでド天然なのかもしれないな。まずまずあの国境で生きていれば世間は遠いものなのだろう。
「今日コーディネートのこと以外でアンタもう話すの禁止!」
クイナが叫んだ。そして私は二人によって執務室から少し離れた部屋に押し込まれた。
見たこともないような真面目な顔でこの国の城内に入り込んだ彼は難しいことをレイと盗賊たちに沢山言って解散した。彼はといえば、執務室を見つけ私を連れて作業に没頭していた。
あんなにいい雰囲気だったんだから、なんかひとついい事でもあるかと思えば私は無視されてこのザマだ。愛の一言くらいかけてほしい。でも私から言う余裕もないんだから私も相当に意地悪だとは思う。
「ねぇ、リースまさかこんな紙の山に嫉妬してる?」
「…そんなわけない」
ついムッとして言葉が固くなる。こんなことが言いたかったはずじゃないのに。もしかしたら本当に私はその紙きれたちにどこか嫉妬しているのかもしれない。
「そっか、でもあと少し、待っててね」
私の頬に優しい口づけをするとまた彼は積み上がった紙に視線を戻した。顔が熱くなるが、そんな熱さえ紙への嫉妬で冷めてしまう。
「リース探してたんだー!ちょっと外行こーよ」
扉を勢いよく開けたのは見間違えるくらい洒落こんだあの盗賊、クイナだ。そしてその横にいるのは……?まさか、リアス?どうやって国境からここまで来たんだろう。距離はかなりあるはずだ。
「さあお姉さん、可愛くならなきゃねー」
まあまあとまだ首を縦に振ることさえしないままに部屋の外に追い出される。トリネに目で訴えたがこちらを振り向いたのはいいものの手をヒラヒラさせるだけで二人を止めてはくれない。彼が手を振り続ける中、部屋の戸は閉められた。
「お久しぶりです。レイさんに呼ばれてきちゃいました。大切なことがあると聞い――」
「シッ!」
リアスが大人びた口調で話し始めた瞬間、クイナはその口を急いで塞いで自身の口の前に人差し指を立てた。
“大切なこと”とはなんなのだろうか。
それが気になりはするが多分聞いてはいけないことな気がするのでやめておく。レイが呼んだなんてまた意味がわからない。それでよく分からずにも来てしまうリアスも大したものだと思う。初めて会った時から若干変わった人だとは分かってはいたが悪い人ではないと思ったのでどうもしなかった。
「まあ簡単だよ。リース、これからただちょっとおめかししてもらうだけだから」
「そのためにトリネ王子もたくさんの招――」
またもや何かを言いかけたリアスの口をクイナが塞ぐ。もしかしてリアス、私が知らないだけでド天然なのかもしれないな。まずまずあの国境で生きていれば世間は遠いものなのだろう。
「今日コーディネートのこと以外でアンタもう話すの禁止!」
クイナが叫んだ。そして私は二人によって執務室から少し離れた部屋に押し込まれた。
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