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忘却されし者〜04〜
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酒場では、吟遊詩人のリュートが鳴り響き、酒に酔った男女の騒がしい笑い声が響いていた。
此処は、酒場兼娼館になっているのか先程から娼婦が蠱惑的な視線を、此方に向けてきている。
さしずめ目当てはルキアだろうが、何故この男はこんな居心地の悪い場所で酒を飲めるのか、不思議でならない。
毎度しぶしぶルキアに連れて行かれるが、いい加減少しは学習して、宿に部屋を取って飲むと言う事を学んで欲しいものだ。
「ほらほらぁ、あの子ねぇ、セイラムさんを見てますよ~。北の都の女の子は気立てが良くて、可愛い子が多いから、時々お忍びできちゃうんだよねぇ。
西の都の女の子は、そりゃもう物理でも強いし、性格も逞しいから、直ぐに俺振られちゃうんですよね……いや! 俺めちゃくちゃ尽くすし、貢ぐんだけど、この間なんて重い、面倒くさいって言われちゃうんですよ……酷くないですか?」
ルキアのタレ目は更に垂れ下がり、酒に酔った勢いで、何時ものように捲し立ててくるが正直に言うと話の半分も頭に入ってこない。
簡単に要約すれば、最近恋人と別れたと言う事だろう。
「――お前の母は、西の魔法使いになる以前から色恋に興味は無かったようだが、知らぬうちに結婚してお前を産んでいた……何事にも時機があるのだろう」
セイラムなりの気遣いだったが、ルキアは紫水晶の瞳を細めて机に片頬をくっつけると、セイラムを見上げると、にっこりと人懐っこい微笑みを浮かべた。
「ねぇ、セイラムさんにもそう言う時機あったの? だってさ、どんなに可愛い子が居ても興味無しって感じですもん」
「…………知らん」
「えーー、なんですかそれぇ……つまんないなぁ、白状してくださいよぉ」
問われてみると、今まで男女の関係と言えば相手から興味を持たれ行きずりで一夜を過ごした事はあるが、体の快楽は得ても何かしら心に残った事があるかと言われれば皆無だ。
相手の女がどんな顔だったのかも記憶から消えてしまっている。
だが、マナと心を通じ合わせて交わった時に感じた温もりや、柔らかな乳房そして雪のように白い柔肌から香る甘い匂いも、そしてあの幸せそうな笑顔も全て記憶に焼き付いている。
そして、【あの時】から永遠に凍り付いた心に温かな灯火が宿ったように全身を駆け巡る気がした。
彼女の事を思えば、永遠に時の止まった魔法使いと愛し合うよりも、人間の男と巡り合って幸せになる方が良い。
まだ、心の片隅にはそんな想いと、彼女の意志を尊重したとはいえ、実質親代わりに育ててきた少女と一線を越えてしまった罪の意識もある。
だが、もし自分の目の前でマナが他の男に奪われて平気でいられるのかと言えば自信はない。
この十年間、マナとの間に培われた感情は凍り付いた心を徐々に溶かしていった。
――――ふと、小指に嵌めていた氷水晶の指輪が熱くなり、思わず反射的に手を動かし木製のグラスを倒してしまった。
酒がテーブルから零れ落ち、チラリと客達が此方を見て視線を戻す。彼がこんな仕草をしたのは初めての事で驚いたようにルキアは目を見開いた。
「あれ? 大丈夫ですか? セイラムさん酔っ払っちゃったの?」
ルキアは不思議そうに目を丸くしたが、セイラムの表情が見た事の無い程険しくなっている事に気付き、ゴクリと喉を鳴らす。
「今直ぐ此処を出る。ルキア……、お前は確か小型の飛空艇で北の都まで来ていたな」
「へ?? あ、うん…飛空艇て言っても、二人乗れるかなぁって位のものだけど…ってええ?ええ? ちょ、ちょっと」
セイラムが立ち上がり、硬貨をテーブルに置くと、ルキアのローブを掴み立ち上がらせた。
何事かと慌てふためくルキアを店の外まで連れて行くと、手を離す。
「今から北の森まで帰る。だが、私は空を飛ぶ風の魔法は得意では無く時間が掛かる。私は一刻も早く帰らねばならぬ。……お前の飛空艇を貸して欲しい」
「えっ、急にどうしたんですか? いや、ちょっと運転するにもあれはコツがいるし、俺との相性が抜群だからなぁ。
水臭いですよ、俺が風の魔力を増幅して運転しますから」
その言葉に、セイラムは少し溜息を付いた。
申し出は有り難いが、嫌な予感がする。
案の定興味津々な表情で、ルキアはセイラムを覗き込んだ。
「その変わり、どうしてそんなに急いでるのか理由を教えて欲しいなぁ~~。と言うか俺、とうとうセイラムさんの隠れ家に行けるんだなぁ……めっちゃ嬉しい」
「仕方あるまい、その件は道中話してやろう。兎に角急げ。急を要する」
珍しく焦った様子のセイラムを見て、自分の腰に手を回して数回頷くと、ルキアは真面目な顔になり、セイラムを北の都の入り口まで誘導する。
だが、そこには飛空艇らしき乗り物は見当たらない。怪訝そうする彼に、ルキアは得意そうに笑って答えた。
「あぁ、貨物用や大人数を運ぶ飛空艇じゃないからね。俺の乗ってるのはこれ」
ルキアは軍服に手を伸ばし、小さな歯車の一つを摘むと、コインを弾くように地面に向かって落とした。
着地する寸前で歯車がくるくると回転しながら光を放ち、竜の羽のような翼を持った乗り物が姿を表す。
丁度二人が何とか乗れるような大きさだ。
先にルキアがコクピットの中に乗り込むと、遅れて、後ろにセイラムが乗り込む。
運転席は、簡素なものでハンドルのような物しかなかった。機械の事は詳しくないセイラムでも、流石に玩具のような運転席で一体どうやって空を飛ぶのかと眉間に皺を寄せて見守る。
「そう言う顔すると思いましたよ~~、これは俺用だから、余計なものは省きました。だってこいつの燃料は俺の魔法たからね」
「何でもいいから早くしろ」
はいはい、と肩を竦めるとルキアの表情が引き締まる。紫水晶の瞳が光りコクピットの中に魔法文字が淡く浮かび上がり、竜が飛翔するかのように上昇した。
✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
「ひやぁ……これは酷いなぁ。その、同居人ちゃんは大丈夫なんですか?」
屋敷の前で着陸すると、周囲の木々は黒く焼け焦げ、凍り付いた遺体がその場に転がっていた。
ルキアは思わず顔を背け、えづくような煙の匂いに鼻を抑さえ、煤だらけの屋敷へと足早に向かうセイラムを慌てて追い掛けた。
「マナ、無事か」
珍しく声を張り上げるセイラムに、返事は無く、マナの部屋へと向った。
少女の姿は無く、血と泥のついた彼女の服が無造作に椅子にかけられており、セイラムはそれを手に取ると、徐々に表情が冷たく暗くなっていく。
後から部屋に入ってきたルキアは、部屋を見回していたが自分の吐く息が徐々に白くなってきた事に気付き、体を震わせる。
「セ、セイラムさん……ちょっと、お、落ち着いて……寒い……」
枝を折るような、凍り付く音がして部屋全体に冷気が充満すると家具や寝具にうっすらと氷の膜が出来る。
この屋敷に到着してから終始無言だが、これが彼の怒りだと言う事は痛い程肌で感じる事が出来た。
凍えそうな体を震わせていたルキアが、机の上に手紙らしきものが置かれているのに気付いた。
「セイラムさん、何か、手紙みたいなのが……いや、本当に、凍死しそうだから魔力抑えてくださいよ」
初めてセイラムは、ピクリと反応して振り向くと机に置かれた手紙を手に取って読み始めた。
そして、ようやく魔力の暴走は抑まったものの相変わらず険しい表情で言った。
「私はマナを迎えに行かねばならぬ。付き合わせてすまぬな、お前は帰ると良い」
「何言ってるんですか、こんな状況ほっといて帰れないですって! 先輩の一大事じゃないですか、俺も行きます」
本心はどうだかわからないが、目を輝かせるルキアを後目に勝手にするが良い、と言い放つと玄関へと向かう。
扉を開けた瞬間、目の前には煤だらけの顔の少女が拳を握りしめながら立ち尽くしていた。
癖の無い緑の髪は腰まであり、額には宝石が埋められ、目には涙を溜めていた。
「ルー……お前か」
『セイラム様……僕のせいです。マナを……マナを守れなかった』
「――――大丈夫だ。マナは生きている。これから大狼に会いに行く」
此処は、酒場兼娼館になっているのか先程から娼婦が蠱惑的な視線を、此方に向けてきている。
さしずめ目当てはルキアだろうが、何故この男はこんな居心地の悪い場所で酒を飲めるのか、不思議でならない。
毎度しぶしぶルキアに連れて行かれるが、いい加減少しは学習して、宿に部屋を取って飲むと言う事を学んで欲しいものだ。
「ほらほらぁ、あの子ねぇ、セイラムさんを見てますよ~。北の都の女の子は気立てが良くて、可愛い子が多いから、時々お忍びできちゃうんだよねぇ。
西の都の女の子は、そりゃもう物理でも強いし、性格も逞しいから、直ぐに俺振られちゃうんですよね……いや! 俺めちゃくちゃ尽くすし、貢ぐんだけど、この間なんて重い、面倒くさいって言われちゃうんですよ……酷くないですか?」
ルキアのタレ目は更に垂れ下がり、酒に酔った勢いで、何時ものように捲し立ててくるが正直に言うと話の半分も頭に入ってこない。
簡単に要約すれば、最近恋人と別れたと言う事だろう。
「――お前の母は、西の魔法使いになる以前から色恋に興味は無かったようだが、知らぬうちに結婚してお前を産んでいた……何事にも時機があるのだろう」
セイラムなりの気遣いだったが、ルキアは紫水晶の瞳を細めて机に片頬をくっつけると、セイラムを見上げると、にっこりと人懐っこい微笑みを浮かべた。
「ねぇ、セイラムさんにもそう言う時機あったの? だってさ、どんなに可愛い子が居ても興味無しって感じですもん」
「…………知らん」
「えーー、なんですかそれぇ……つまんないなぁ、白状してくださいよぉ」
問われてみると、今まで男女の関係と言えば相手から興味を持たれ行きずりで一夜を過ごした事はあるが、体の快楽は得ても何かしら心に残った事があるかと言われれば皆無だ。
相手の女がどんな顔だったのかも記憶から消えてしまっている。
だが、マナと心を通じ合わせて交わった時に感じた温もりや、柔らかな乳房そして雪のように白い柔肌から香る甘い匂いも、そしてあの幸せそうな笑顔も全て記憶に焼き付いている。
そして、【あの時】から永遠に凍り付いた心に温かな灯火が宿ったように全身を駆け巡る気がした。
彼女の事を思えば、永遠に時の止まった魔法使いと愛し合うよりも、人間の男と巡り合って幸せになる方が良い。
まだ、心の片隅にはそんな想いと、彼女の意志を尊重したとはいえ、実質親代わりに育ててきた少女と一線を越えてしまった罪の意識もある。
だが、もし自分の目の前でマナが他の男に奪われて平気でいられるのかと言えば自信はない。
この十年間、マナとの間に培われた感情は凍り付いた心を徐々に溶かしていった。
――――ふと、小指に嵌めていた氷水晶の指輪が熱くなり、思わず反射的に手を動かし木製のグラスを倒してしまった。
酒がテーブルから零れ落ち、チラリと客達が此方を見て視線を戻す。彼がこんな仕草をしたのは初めての事で驚いたようにルキアは目を見開いた。
「あれ? 大丈夫ですか? セイラムさん酔っ払っちゃったの?」
ルキアは不思議そうに目を丸くしたが、セイラムの表情が見た事の無い程険しくなっている事に気付き、ゴクリと喉を鳴らす。
「今直ぐ此処を出る。ルキア……、お前は確か小型の飛空艇で北の都まで来ていたな」
「へ?? あ、うん…飛空艇て言っても、二人乗れるかなぁって位のものだけど…ってええ?ええ? ちょ、ちょっと」
セイラムが立ち上がり、硬貨をテーブルに置くと、ルキアのローブを掴み立ち上がらせた。
何事かと慌てふためくルキアを店の外まで連れて行くと、手を離す。
「今から北の森まで帰る。だが、私は空を飛ぶ風の魔法は得意では無く時間が掛かる。私は一刻も早く帰らねばならぬ。……お前の飛空艇を貸して欲しい」
「えっ、急にどうしたんですか? いや、ちょっと運転するにもあれはコツがいるし、俺との相性が抜群だからなぁ。
水臭いですよ、俺が風の魔力を増幅して運転しますから」
その言葉に、セイラムは少し溜息を付いた。
申し出は有り難いが、嫌な予感がする。
案の定興味津々な表情で、ルキアはセイラムを覗き込んだ。
「その変わり、どうしてそんなに急いでるのか理由を教えて欲しいなぁ~~。と言うか俺、とうとうセイラムさんの隠れ家に行けるんだなぁ……めっちゃ嬉しい」
「仕方あるまい、その件は道中話してやろう。兎に角急げ。急を要する」
珍しく焦った様子のセイラムを見て、自分の腰に手を回して数回頷くと、ルキアは真面目な顔になり、セイラムを北の都の入り口まで誘導する。
だが、そこには飛空艇らしき乗り物は見当たらない。怪訝そうする彼に、ルキアは得意そうに笑って答えた。
「あぁ、貨物用や大人数を運ぶ飛空艇じゃないからね。俺の乗ってるのはこれ」
ルキアは軍服に手を伸ばし、小さな歯車の一つを摘むと、コインを弾くように地面に向かって落とした。
着地する寸前で歯車がくるくると回転しながら光を放ち、竜の羽のような翼を持った乗り物が姿を表す。
丁度二人が何とか乗れるような大きさだ。
先にルキアがコクピットの中に乗り込むと、遅れて、後ろにセイラムが乗り込む。
運転席は、簡素なものでハンドルのような物しかなかった。機械の事は詳しくないセイラムでも、流石に玩具のような運転席で一体どうやって空を飛ぶのかと眉間に皺を寄せて見守る。
「そう言う顔すると思いましたよ~~、これは俺用だから、余計なものは省きました。だってこいつの燃料は俺の魔法たからね」
「何でもいいから早くしろ」
はいはい、と肩を竦めるとルキアの表情が引き締まる。紫水晶の瞳が光りコクピットの中に魔法文字が淡く浮かび上がり、竜が飛翔するかのように上昇した。
✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤✤
「ひやぁ……これは酷いなぁ。その、同居人ちゃんは大丈夫なんですか?」
屋敷の前で着陸すると、周囲の木々は黒く焼け焦げ、凍り付いた遺体がその場に転がっていた。
ルキアは思わず顔を背け、えづくような煙の匂いに鼻を抑さえ、煤だらけの屋敷へと足早に向かうセイラムを慌てて追い掛けた。
「マナ、無事か」
珍しく声を張り上げるセイラムに、返事は無く、マナの部屋へと向った。
少女の姿は無く、血と泥のついた彼女の服が無造作に椅子にかけられており、セイラムはそれを手に取ると、徐々に表情が冷たく暗くなっていく。
後から部屋に入ってきたルキアは、部屋を見回していたが自分の吐く息が徐々に白くなってきた事に気付き、体を震わせる。
「セ、セイラムさん……ちょっと、お、落ち着いて……寒い……」
枝を折るような、凍り付く音がして部屋全体に冷気が充満すると家具や寝具にうっすらと氷の膜が出来る。
この屋敷に到着してから終始無言だが、これが彼の怒りだと言う事は痛い程肌で感じる事が出来た。
凍えそうな体を震わせていたルキアが、机の上に手紙らしきものが置かれているのに気付いた。
「セイラムさん、何か、手紙みたいなのが……いや、本当に、凍死しそうだから魔力抑えてくださいよ」
初めてセイラムは、ピクリと反応して振り向くと机に置かれた手紙を手に取って読み始めた。
そして、ようやく魔力の暴走は抑まったものの相変わらず険しい表情で言った。
「私はマナを迎えに行かねばならぬ。付き合わせてすまぬな、お前は帰ると良い」
「何言ってるんですか、こんな状況ほっといて帰れないですって! 先輩の一大事じゃないですか、俺も行きます」
本心はどうだかわからないが、目を輝かせるルキアを後目に勝手にするが良い、と言い放つと玄関へと向かう。
扉を開けた瞬間、目の前には煤だらけの顔の少女が拳を握りしめながら立ち尽くしていた。
癖の無い緑の髪は腰まであり、額には宝石が埋められ、目には涙を溜めていた。
「ルー……お前か」
『セイラム様……僕のせいです。マナを……マナを守れなかった』
「――――大丈夫だ。マナは生きている。これから大狼に会いに行く」
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