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第四章 復讐の力を手に入れて
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それからの葵は、この能力を暴走ぜずに使いこなすために、制御の練習を繰り返した。実験していく中で、いろんなことが分かった。
この植物たちは、宿主を守るかのように、再生能力を持っていること。また高所から落ちる時などに自動的に、葵の意志とは関係なく防御能力が働くことがわかった。
そして、何者かに花を寄生させ、相手の細胞を破壊させることができるのも知った。葵はあの廃工場から都内を巡り、植物たちの声を聞きいて、神部姉妹から依頼を受けた半グレ連中に辿りついた。
そして彼らの断片的な記憶と、証言を繋ぎ合わせていく。どうやら、三人の男が関わっていて、普段はどんな行動範囲で、なにをしているかを把握した。
ここまでくるのに一年がかかった。後はさらに自分自身でも三人の周辺を調査し、彼らを処刑するだけ。もう、誰の力も借りる必要はない。
「…………」
葵は、過去の思い出を掻き消すように、手のひらに咲いた、美しい花が萎れていくのを見ていた。
✤✤✤
優花は、大学に行くのもシークレットサービスをつけるようになっていた。この世で一番信頼できる双子の姉、凜花を疑っている訳じゃない。ただ、本能的になにかに狙われているような気がして、居ても立ってもいられず送迎をつけてもらうよう、父に懇願した。凜花がそれに対して、特になにも言わなかったのは、彼女も心の底では、復讐者を警戒しているせいなのか。
「優花、送迎あるなんて本当にお嬢様っぽいね、受ける」
「まぁ。優花のお父様が心配性なんだよ。しばらくサークルは休む。レポートもあるしさぁ。ちょっとは勉強しろって凜花が」
「がんばりなよ。ストーカーも怖いし」
優花は友人たちと、大学内を歩きながら話していた。射撃サークルをしていた優花だったが、とりあえずいったん休んで、なるべく早く家に帰ることにする。
さすがに大学内では、そう簡単に復讐なんてできないと踏んでいるが、異常な殺害方法をだったので、警戒してしまう。
サークルの友達と構内で歩いていて、犯人に襲われた時、いざとなったら、こいつらを盾にできる、と優花は自己中心的に考えていた。
「あれ、あの黒服の人って優花のシークレトサービスの人だよね? 誰かと話してるみたいだけど……まさか、優花のストーカー?」
とりあえずストーカーに、つき纏われているという設定で、シークレトサービスの件は彼女たちに言い訳をしている。友人たちが指差しした先には、二人の男がいた。大学の教授や、誰かの親という訳じゃない。強いて言えば、あの目の鋭さは、刑事かヤクザのような気がする。
「あぁ、もう来られたじゃないですか。こんにちは。神部優花さんですか? それとも凜花さんの方かな」
「優花お嬢様。警察の方が事情を聞きたいようでして……」
奥の方にいた、くたびれた感じの男がヒラヒラとこちらに向けて手を振った。そして手前の若い刑事が頭を下げる。
まさか。阿久津の遺体は通報もせずにほったらかしにしたが、斎藤と繋がりがあるとでも思われたんだろうか。凛の件は完全に神部の方から圧力をかけて、捜査させないようにしてある。だとすると、斎藤が持っていた薬物の件で来たのか。どちらにせよ、神部の力で握りつぶせるが、初めて本当の警察と対面すると、優花は緊張した。
「優花だけど。何の用? 大学に来るとかだるいんだけど。みんな、もう行ってーー。また今度」
彼女たちが、どんな噂をするのか考えるだけでも面倒だが、優花は金に染めたツインテールを弄りながら警官に近寄る。
この植物たちは、宿主を守るかのように、再生能力を持っていること。また高所から落ちる時などに自動的に、葵の意志とは関係なく防御能力が働くことがわかった。
そして、何者かに花を寄生させ、相手の細胞を破壊させることができるのも知った。葵はあの廃工場から都内を巡り、植物たちの声を聞きいて、神部姉妹から依頼を受けた半グレ連中に辿りついた。
そして彼らの断片的な記憶と、証言を繋ぎ合わせていく。どうやら、三人の男が関わっていて、普段はどんな行動範囲で、なにをしているかを把握した。
ここまでくるのに一年がかかった。後はさらに自分自身でも三人の周辺を調査し、彼らを処刑するだけ。もう、誰の力も借りる必要はない。
「…………」
葵は、過去の思い出を掻き消すように、手のひらに咲いた、美しい花が萎れていくのを見ていた。
✤✤✤
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「優花、送迎あるなんて本当にお嬢様っぽいね、受ける」
「まぁ。優花のお父様が心配性なんだよ。しばらくサークルは休む。レポートもあるしさぁ。ちょっとは勉強しろって凜花が」
「がんばりなよ。ストーカーも怖いし」
優花は友人たちと、大学内を歩きながら話していた。射撃サークルをしていた優花だったが、とりあえずいったん休んで、なるべく早く家に帰ることにする。
さすがに大学内では、そう簡単に復讐なんてできないと踏んでいるが、異常な殺害方法をだったので、警戒してしまう。
サークルの友達と構内で歩いていて、犯人に襲われた時、いざとなったら、こいつらを盾にできる、と優花は自己中心的に考えていた。
「あれ、あの黒服の人って優花のシークレトサービスの人だよね? 誰かと話してるみたいだけど……まさか、優花のストーカー?」
とりあえずストーカーに、つき纏われているという設定で、シークレトサービスの件は彼女たちに言い訳をしている。友人たちが指差しした先には、二人の男がいた。大学の教授や、誰かの親という訳じゃない。強いて言えば、あの目の鋭さは、刑事かヤクザのような気がする。
「あぁ、もう来られたじゃないですか。こんにちは。神部優花さんですか? それとも凜花さんの方かな」
「優花お嬢様。警察の方が事情を聞きたいようでして……」
奥の方にいた、くたびれた感じの男がヒラヒラとこちらに向けて手を振った。そして手前の若い刑事が頭を下げる。
まさか。阿久津の遺体は通報もせずにほったらかしにしたが、斎藤と繋がりがあるとでも思われたんだろうか。凛の件は完全に神部の方から圧力をかけて、捜査させないようにしてある。だとすると、斎藤が持っていた薬物の件で来たのか。どちらにせよ、神部の力で握りつぶせるが、初めて本当の警察と対面すると、優花は緊張した。
「優花だけど。何の用? 大学に来るとかだるいんだけど。みんな、もう行ってーー。また今度」
彼女たちが、どんな噂をするのか考えるだけでも面倒だが、優花は金に染めたツインテールを弄りながら警官に近寄る。
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