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【番外編】
山猫と騎士(※R18)
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お二人がご結婚なされてから数カ月後、オリーヴィア王妃は、第一子を身籠られた。
それはこの大陸にとって、初めて獣人の王族と人との間に生まれるお子様であり、おそらく架け橋となる存在だろう。
俺は、近衛隊長に任命されディートリヒ陛下をお守りする中で、段々と友人のように信頼されるようになったように思う。
今では俺も、なんの迷いもなくルサリィと彼に永遠の忠誠を誓っている。
恥ずかしながら、ご懐妊の話を耳にした時は男泣きをしてしまって、オリーヴィア王妃に驚かれたものだ。
俺はもはや、彼らのことを家族の一員のように思ってしまっていた。
そのせいか両親は、俺の行く末を案じている。
家督を継ぐ孫が欲しい、社交界に出てうら若き令嬢を見初めろと急かし、未亡人との縁談まで持ち上げ、挙句の果てには男色家でも良いので養子を貰え、とまで言っている。
正直、俺は家柄に関係なくディートリヒ陛下に仕え、剣術を極めて、この国と民を護っていくことが騎士であり近衛隊長の誉れであると思っているので、他に興味がない。
それに、あの気まぐれな山猫がな……。
「――――はぁ。ヴィヴィ。なんでお前がここにいる? 俺と別れたんじゃなかったのか」
部屋の扉を開けると、俺のベッドで当たり前のように寛ぐスラリとした女が手を振った。
――――それは先日のことだ。
社交界の花嫁探しや、未亡人の縁談に困っていると打ち明けると『あんたは貴族なんだから仕方ないよ。いい歳なんだしさっさと身を固めなよ、じゃあね』とあっさり振られた。
正直、俺はなんの未練もない様子のヴィヴィにショックを受けてしまっていた。
気まぐれな山猫獣人のヴィヴィにとって、その程度の遊びだったかもしれないが、童貞を奪われた俺の胸中は複雑だ。
彼女はいつも煙のように現れて、朝になると、なんの痕跡も残さずに消えていく。
ベッドの上で寝転び、ワインの肴である好物の木の実を、俺に断りもなく勝手に食べるヴィヴィの隣に、どっしりと腰を下ろした。
「――――それで、あんたの花嫁候補は見つかったの?」
「興味がない。社交界でキラキラした若い娘と踊るなんて俺の柄じゃないだろう。それに、俺が、未亡人の女性に寄り添えるような器用な男に見えるか? 俺はこの国とディートリヒ陛下やオリーヴィア王妃に仕えるだけで精一杯だし、満足だ」
ヴィヴィは思わず吹き出し、笑い転げた。
どこまでも他人事だな……。
俺とこの山猫は、正反対の性格をしているが、共通していることは、互いに縛られず自由でいたいという所だと思っている。
だが俺は、別れを切り出されたのに……いや、付き合ってすらないかもしれないが、他の女と関係を持つのが彼女に悪いとすら思っている。
「あんたには、やっぱりあたしが必要だね。本当に純情なんだから」
「なっ! だいたいお前は俺の……んっ」
ヴィヴィは俺に抱きつくと慣れたように口付け、舌を挿入させた。
まさか俺の内心を覗き見れるような才能でもあるのか?
粗暴な女だが、彼女からはいつも柔らかな花の香りがして、ヴィヴィが紛れもなく女であることを意識させられる。
俺は抵抗する間もなく、ベッドに押し付けられ、ヴィヴィの細い腰を抱きながら、そのまま互いに舌を絡ませて水音を響かせた。
同時に唇を離すと、二人の唾液が糸を引いて光っている。
「ゲオルク、可愛い」
「おい、ヴィヴィ。近衛隊長に向かって可愛いとはなんだ。それに俺は、男だぞ」
いつも言われることだが俺はムッとしてヴィヴィの体が下になるように抱くと、唇を重ねた。
そして、密偵の服を脱ぎ捨て、ラフな格好をしていたヴィヴィの小ぶりの乳房に手を這わせる。
彼女は俺の首筋に片手を回し、もう片方の手を乳房を撫でる俺の手に重ねると、強引に揉みしだくように誘導した。
やり返すような気持ちでいたが、むしろヴィヴィは挑発的な笑みを浮かべて、この状況を楽しんでいるように見えた。
アーモンド形の蠱惑的な瞳に、肩までの黒髪が揺れて、熱っぽい吐息がかけられた。
ヴィヴィは令嬢たちとは違い、エネルギーに満ち溢れていて、草原を走り抜ける猛獣のように自然で美しかった。
「あんたは貴族だからさ。家柄のいい女と結婚して、世帯持つのが一番だと思ってたけど。あんたもあたしと同じ似た者同士。今の自分が好きなんでしょ。あんたもあたしも自由でいたい、だけど……あんたのこと好きだよ」
「俺も好ましい……。好き、だな」
ヴィヴィの言葉が俺の中で改めてストンと入った。
俺にとって令嬢を相手に、花の由来やワインのことを語り、女性を褒めるなんて行為は苦手中の苦手だ。
俺には、到底今は亡き黄金の獅子と呼ばれたギルベルト様のような真似はできない。
それに、いつ死ぬか分からない軍人で家族を持つことはためらわれる。
そんな理由をつらつらとあげても、結局のところ彼女の言うとおり、今の自分が好きなのだ。
だが、ヴィヴィには他の女には感じないものがある。
初めて会った時はとんでもない女だと思ったが、彼女は意外と気丈なわりに、可愛いところがあり、お互い気兼ねがなく、男同士のように長い時間を過ごせた。
「はぁっ……んっ……んん、良いよ。上手くなってきたね……はぁっ……んっ」
俺は、ヴィヴィの服を脱がすと小振りな乳房の先端を舐めた。背中から臀部にかけて指を滑らせると、しなやかな腰が浮く。
杏色の先端を、優しく舌で舐めるのが良いらしい。
赤子のようにそれを吸いながら、乳房を揉み上げると、ヴィヴィは俺の頭を抱いた。
「いつも俺がやられているばかりだからな……んっ……はぁっ……んん」
「んんっ、はぁっ……まぁ、最終的にはあたしが主導権を握るけどね。んっ……はぁっ、あっ、ああっ……はぁっ……」
ちゅくっ、と乳輪から唇を離すと俺は次に、鍛えられた美しい腹に口付ける。
その間もヴィヴィの胸を揉んでいると、彼女の甘い吐息と嬌声が、俺を興奮させた。
固くなった先端を指で摘むようにして捏ね回すと、堪らずヴィヴィの甘声が上擦る。
「んっ、はぁっ……ああ、いいっ、気持ちいい。ねぇ、ゲオルク。舐めてよ……はぁっ、もう濡れてきてるから……んっ、あっ、ああっ」
「あぁ、いいぞ。舐めるのは好きだ」
ヴィヴィは、艶やかにそう囁いて瞳を潤ませた。
俺は、優しく下着を脱がすと足を開け、無毛の陰部を見つめる。
剃っているのか獣人の特性なのかは分からないが、彼女のそこは整っていて美しく、神秘的だった。
俺は麝香の甘い香りがする陰部に顔を埋めると、舌を尖らせ、折り重なる肉のヒダを犬のように舐めた。
まんべんなく、円を描くようにちゅくちゅくと音を鳴らして舐めると、愛液が舌に絡み付いてきた。
俺に陰部を押し付けるようにして腰をくねらせ、快楽に飲まれたヴィヴィの嬌声は、俺をいい気分にさせる。
「あっ、ああんっ、はぁっ、あぁっ、いいっ、気持ちいいっ、はぁっ、はぁっ、んっ、そこ、もっと強く吸ってよ、はぁっ……んっ、ああ、ああんっ」
「はぁっ……、本当に今日はやけに濡れるな。んっ……はぁっ……感じているのか?」
ヴィヴィの願い通り、俺は亀裂に吸い付くと小さな粒を掻き出すようにして、舌で掘り起こし、丁寧に舐める。
前は強く舐めすぎて頭を叩かれたので、乱暴にしすぎないように根元から優しく愛撫した。
ここを舐めると、ヴィヴィは蜜を垂らした発情猫のようになる。
「あっ、はぁぁっ、あんっ、やっ、はぁぁ、すごっ、来る、あっ、――――ッッ! はぁっ……気持ちいい、んっ……ゲオルクぅ」
「気をやったようだな? なら、もっと気持ちよくしてやるよ」
「あは、あんたも言うようになったねぇ。んんっ、はぁっ……あっ、あんっ、ああっ、いいっ、ゲオルクっ、はぁっ、そう、そこだよ、んんっ……はぁっ」
挑発的に笑いながら、ヴィヴィは自分の太腿を両手で支えた。
俺は愛液で濡れた中指と薬指を挿入すると、固くなった花芯を舐め、指を動かす。
正直、ヴィヴィの気持ちのいい場所は分からないのだが、宝石でも掘り当てる感覚で慎重に動かしている。
指と愛液が絡まり合う淫らな音がして、充血した亀裂が愛液で光り輝いていた。
ヴィヴィは俺の愛撫に感じているのか、指を物欲しそうに締め付けてきたので、思わず唾を飲み込む。
「はぁっ、ああっ、いいっ、あぁ、やばっ、んんっ、あっ、イク、はぁぁ、イキそう、あっ、あんっ、あっあっ、――――ッッ!」
ヴィヴィが一番反応する場所を指で愛撫し、小さな突起した陰核を執拗に舐めていると、とうとう絶頂に達してしまったようで、体を反らせ、愛液を飛び散らせた。
呼吸を乱しながら、彼女はぺろりと自分の唇を舐めると、俺の股間に視線をやる。
衣服の上からでも分かるほど、勃起した俺の陰茎を彼女はみだらな手付きで撫で始めた。
「はぁ……っ、おい……。俺はディートリヒ陛下みたいな絶倫じゃないんだ……。一回果てたらすぐに復活せん。だから挿入を」
「ぷは! なんで知ってんの。獣人はまぁ、あっちが強いからねぇ。じゃあイクの我慢してよね?」
「うぉっ!」
ヴィヴィが手を離し、俺の肩を掴むと護身術のように体を反転させた。
ヴィヴィは淫らに微笑んで、俺の陰茎を取り出し片手で竿を擦りながら、ゆっくりと自分の膣口に押し当て腰を降ろす。
腟内の奥まで挿入されると、温もりと、陰茎に吸い付いてくる肉壁の心地良さに、思わず、俺は呻き声をあげてしまった。
この快感は、どう表現していいのか……頭の芯が痺れるような……。
「はぁっ……んっ、ゲオルクぅ、んっ……はぁっ……いつもは仏頂面なのに、本当に、いい顔するわぁっ……はぁっ、んっ、あっ……はぁっ、すっごく可愛い!」
「はぁっ……! んっ………おい、また、可愛いと……はぁっ……はっ、はぁっ……!」
抗議をしようとしたが、ヴィヴィは俺の腹に手を置くと、腰を動かしくねらせる。
自分の好きなように動きながら、緩急をつけられると、強烈な快楽が下半身からせり上がってきた。
彼女の細い腰を掴みながら、俺はなされるがままだ。
生命の神秘を感じるような腟内に擦られ、絞られると、そのまま爆発しそうになるが早漏と思われるのも嫌なので、絶頂に達しないように歯を食いしばる。
「くっ……はぁっ……ぁ、はっ……今度は俺が」
「んっ、んぁぁ、いいっ、はぁっ、はっ、奥まで擦れてっ、はぁっ、んっ、あっ、ああっ……んんっ、んぅ……いい、気持ちいいっ、あっあっあっ」
体を起こして膝に乗るヴィヴィを突き上げると、彼女は俺の首に両手を絡めて、腰を激しく振り始めた。
結合部から絡み合う淫音が鳴り響く。
俺の胸に、ヴィヴィの乳房が擦られると先端同士がぶつかり興奮する。
彼女の絶頂に合わせて、俺も追い立てられるかのようだ。
突き上げる度に頭が真っ白になっていき、ヴィヴィの腟内が、ぎゅうぎゅうと波打った瞬間、俺の意識が飛び、欲望を解き放ってしまった。
「はぁ……はぁ……。その、早かったか」
「ふふ、気にしてんの? あのね、長けりゃいいってもんじゃないんだよ? ただ疲れるだけだし……。気持ちよかったから、あたしは満足」
俺はまだヴィヴィと繋がったままだったが、ゆっくりと体を離すと、お互いごろりとベッドに転がった。
首だけ彼女の方に向け、形の良い乳房やスラリとした、野性的な美しい四肢を見た。
彼女の体には、俺と同じように暗殺者だったころの古傷が残っていて、妙な親近感が湧く。
「何? あたしに見惚れてるの?」
「別に……。今日は朝までいれるのか? たまには俺と朝食でもどうかと思って」
「居てほしい? この城のメイドは口が軽いみたいだけど」
「ああ。この国じゃ独身の俺が獣人の女と閨を共にして罪になるのか?」
ヴィヴィは、俺の冗談にクスクスと笑うと、照れ隠しなのか、俺の鼻を摘んでくる。
俺はそんな彼女を可愛いと思った。
そして俺たちは初めて、二人で朝を迎えたのだった。
山猫と騎士/完
それはこの大陸にとって、初めて獣人の王族と人との間に生まれるお子様であり、おそらく架け橋となる存在だろう。
俺は、近衛隊長に任命されディートリヒ陛下をお守りする中で、段々と友人のように信頼されるようになったように思う。
今では俺も、なんの迷いもなくルサリィと彼に永遠の忠誠を誓っている。
恥ずかしながら、ご懐妊の話を耳にした時は男泣きをしてしまって、オリーヴィア王妃に驚かれたものだ。
俺はもはや、彼らのことを家族の一員のように思ってしまっていた。
そのせいか両親は、俺の行く末を案じている。
家督を継ぐ孫が欲しい、社交界に出てうら若き令嬢を見初めろと急かし、未亡人との縁談まで持ち上げ、挙句の果てには男色家でも良いので養子を貰え、とまで言っている。
正直、俺は家柄に関係なくディートリヒ陛下に仕え、剣術を極めて、この国と民を護っていくことが騎士であり近衛隊長の誉れであると思っているので、他に興味がない。
それに、あの気まぐれな山猫がな……。
「――――はぁ。ヴィヴィ。なんでお前がここにいる? 俺と別れたんじゃなかったのか」
部屋の扉を開けると、俺のベッドで当たり前のように寛ぐスラリとした女が手を振った。
――――それは先日のことだ。
社交界の花嫁探しや、未亡人の縁談に困っていると打ち明けると『あんたは貴族なんだから仕方ないよ。いい歳なんだしさっさと身を固めなよ、じゃあね』とあっさり振られた。
正直、俺はなんの未練もない様子のヴィヴィにショックを受けてしまっていた。
気まぐれな山猫獣人のヴィヴィにとって、その程度の遊びだったかもしれないが、童貞を奪われた俺の胸中は複雑だ。
彼女はいつも煙のように現れて、朝になると、なんの痕跡も残さずに消えていく。
ベッドの上で寝転び、ワインの肴である好物の木の実を、俺に断りもなく勝手に食べるヴィヴィの隣に、どっしりと腰を下ろした。
「――――それで、あんたの花嫁候補は見つかったの?」
「興味がない。社交界でキラキラした若い娘と踊るなんて俺の柄じゃないだろう。それに、俺が、未亡人の女性に寄り添えるような器用な男に見えるか? 俺はこの国とディートリヒ陛下やオリーヴィア王妃に仕えるだけで精一杯だし、満足だ」
ヴィヴィは思わず吹き出し、笑い転げた。
どこまでも他人事だな……。
俺とこの山猫は、正反対の性格をしているが、共通していることは、互いに縛られず自由でいたいという所だと思っている。
だが俺は、別れを切り出されたのに……いや、付き合ってすらないかもしれないが、他の女と関係を持つのが彼女に悪いとすら思っている。
「あんたには、やっぱりあたしが必要だね。本当に純情なんだから」
「なっ! だいたいお前は俺の……んっ」
ヴィヴィは俺に抱きつくと慣れたように口付け、舌を挿入させた。
まさか俺の内心を覗き見れるような才能でもあるのか?
粗暴な女だが、彼女からはいつも柔らかな花の香りがして、ヴィヴィが紛れもなく女であることを意識させられる。
俺は抵抗する間もなく、ベッドに押し付けられ、ヴィヴィの細い腰を抱きながら、そのまま互いに舌を絡ませて水音を響かせた。
同時に唇を離すと、二人の唾液が糸を引いて光っている。
「ゲオルク、可愛い」
「おい、ヴィヴィ。近衛隊長に向かって可愛いとはなんだ。それに俺は、男だぞ」
いつも言われることだが俺はムッとしてヴィヴィの体が下になるように抱くと、唇を重ねた。
そして、密偵の服を脱ぎ捨て、ラフな格好をしていたヴィヴィの小ぶりの乳房に手を這わせる。
彼女は俺の首筋に片手を回し、もう片方の手を乳房を撫でる俺の手に重ねると、強引に揉みしだくように誘導した。
やり返すような気持ちでいたが、むしろヴィヴィは挑発的な笑みを浮かべて、この状況を楽しんでいるように見えた。
アーモンド形の蠱惑的な瞳に、肩までの黒髪が揺れて、熱っぽい吐息がかけられた。
ヴィヴィは令嬢たちとは違い、エネルギーに満ち溢れていて、草原を走り抜ける猛獣のように自然で美しかった。
「あんたは貴族だからさ。家柄のいい女と結婚して、世帯持つのが一番だと思ってたけど。あんたもあたしと同じ似た者同士。今の自分が好きなんでしょ。あんたもあたしも自由でいたい、だけど……あんたのこと好きだよ」
「俺も好ましい……。好き、だな」
ヴィヴィの言葉が俺の中で改めてストンと入った。
俺にとって令嬢を相手に、花の由来やワインのことを語り、女性を褒めるなんて行為は苦手中の苦手だ。
俺には、到底今は亡き黄金の獅子と呼ばれたギルベルト様のような真似はできない。
それに、いつ死ぬか分からない軍人で家族を持つことはためらわれる。
そんな理由をつらつらとあげても、結局のところ彼女の言うとおり、今の自分が好きなのだ。
だが、ヴィヴィには他の女には感じないものがある。
初めて会った時はとんでもない女だと思ったが、彼女は意外と気丈なわりに、可愛いところがあり、お互い気兼ねがなく、男同士のように長い時間を過ごせた。
「はぁっ……んっ……んん、良いよ。上手くなってきたね……はぁっ……んっ」
俺は、ヴィヴィの服を脱がすと小振りな乳房の先端を舐めた。背中から臀部にかけて指を滑らせると、しなやかな腰が浮く。
杏色の先端を、優しく舌で舐めるのが良いらしい。
赤子のようにそれを吸いながら、乳房を揉み上げると、ヴィヴィは俺の頭を抱いた。
「いつも俺がやられているばかりだからな……んっ……はぁっ……んん」
「んんっ、はぁっ……まぁ、最終的にはあたしが主導権を握るけどね。んっ……はぁっ、あっ、ああっ……はぁっ……」
ちゅくっ、と乳輪から唇を離すと俺は次に、鍛えられた美しい腹に口付ける。
その間もヴィヴィの胸を揉んでいると、彼女の甘い吐息と嬌声が、俺を興奮させた。
固くなった先端を指で摘むようにして捏ね回すと、堪らずヴィヴィの甘声が上擦る。
「んっ、はぁっ……ああ、いいっ、気持ちいい。ねぇ、ゲオルク。舐めてよ……はぁっ、もう濡れてきてるから……んっ、あっ、ああっ」
「あぁ、いいぞ。舐めるのは好きだ」
ヴィヴィは、艶やかにそう囁いて瞳を潤ませた。
俺は、優しく下着を脱がすと足を開け、無毛の陰部を見つめる。
剃っているのか獣人の特性なのかは分からないが、彼女のそこは整っていて美しく、神秘的だった。
俺は麝香の甘い香りがする陰部に顔を埋めると、舌を尖らせ、折り重なる肉のヒダを犬のように舐めた。
まんべんなく、円を描くようにちゅくちゅくと音を鳴らして舐めると、愛液が舌に絡み付いてきた。
俺に陰部を押し付けるようにして腰をくねらせ、快楽に飲まれたヴィヴィの嬌声は、俺をいい気分にさせる。
「あっ、ああんっ、はぁっ、あぁっ、いいっ、気持ちいいっ、はぁっ、はぁっ、んっ、そこ、もっと強く吸ってよ、はぁっ……んっ、ああ、ああんっ」
「はぁっ……、本当に今日はやけに濡れるな。んっ……はぁっ……感じているのか?」
ヴィヴィの願い通り、俺は亀裂に吸い付くと小さな粒を掻き出すようにして、舌で掘り起こし、丁寧に舐める。
前は強く舐めすぎて頭を叩かれたので、乱暴にしすぎないように根元から優しく愛撫した。
ここを舐めると、ヴィヴィは蜜を垂らした発情猫のようになる。
「あっ、はぁぁっ、あんっ、やっ、はぁぁ、すごっ、来る、あっ、――――ッッ! はぁっ……気持ちいい、んっ……ゲオルクぅ」
「気をやったようだな? なら、もっと気持ちよくしてやるよ」
「あは、あんたも言うようになったねぇ。んんっ、はぁっ……あっ、あんっ、ああっ、いいっ、ゲオルクっ、はぁっ、そう、そこだよ、んんっ……はぁっ」
挑発的に笑いながら、ヴィヴィは自分の太腿を両手で支えた。
俺は愛液で濡れた中指と薬指を挿入すると、固くなった花芯を舐め、指を動かす。
正直、ヴィヴィの気持ちのいい場所は分からないのだが、宝石でも掘り当てる感覚で慎重に動かしている。
指と愛液が絡まり合う淫らな音がして、充血した亀裂が愛液で光り輝いていた。
ヴィヴィは俺の愛撫に感じているのか、指を物欲しそうに締め付けてきたので、思わず唾を飲み込む。
「はぁっ、ああっ、いいっ、あぁ、やばっ、んんっ、あっ、イク、はぁぁ、イキそう、あっ、あんっ、あっあっ、――――ッッ!」
ヴィヴィが一番反応する場所を指で愛撫し、小さな突起した陰核を執拗に舐めていると、とうとう絶頂に達してしまったようで、体を反らせ、愛液を飛び散らせた。
呼吸を乱しながら、彼女はぺろりと自分の唇を舐めると、俺の股間に視線をやる。
衣服の上からでも分かるほど、勃起した俺の陰茎を彼女はみだらな手付きで撫で始めた。
「はぁ……っ、おい……。俺はディートリヒ陛下みたいな絶倫じゃないんだ……。一回果てたらすぐに復活せん。だから挿入を」
「ぷは! なんで知ってんの。獣人はまぁ、あっちが強いからねぇ。じゃあイクの我慢してよね?」
「うぉっ!」
ヴィヴィが手を離し、俺の肩を掴むと護身術のように体を反転させた。
ヴィヴィは淫らに微笑んで、俺の陰茎を取り出し片手で竿を擦りながら、ゆっくりと自分の膣口に押し当て腰を降ろす。
腟内の奥まで挿入されると、温もりと、陰茎に吸い付いてくる肉壁の心地良さに、思わず、俺は呻き声をあげてしまった。
この快感は、どう表現していいのか……頭の芯が痺れるような……。
「はぁっ……んっ、ゲオルクぅ、んっ……はぁっ……いつもは仏頂面なのに、本当に、いい顔するわぁっ……はぁっ、んっ、あっ……はぁっ、すっごく可愛い!」
「はぁっ……! んっ………おい、また、可愛いと……はぁっ……はっ、はぁっ……!」
抗議をしようとしたが、ヴィヴィは俺の腹に手を置くと、腰を動かしくねらせる。
自分の好きなように動きながら、緩急をつけられると、強烈な快楽が下半身からせり上がってきた。
彼女の細い腰を掴みながら、俺はなされるがままだ。
生命の神秘を感じるような腟内に擦られ、絞られると、そのまま爆発しそうになるが早漏と思われるのも嫌なので、絶頂に達しないように歯を食いしばる。
「くっ……はぁっ……ぁ、はっ……今度は俺が」
「んっ、んぁぁ、いいっ、はぁっ、はっ、奥まで擦れてっ、はぁっ、んっ、あっ、ああっ……んんっ、んぅ……いい、気持ちいいっ、あっあっあっ」
体を起こして膝に乗るヴィヴィを突き上げると、彼女は俺の首に両手を絡めて、腰を激しく振り始めた。
結合部から絡み合う淫音が鳴り響く。
俺の胸に、ヴィヴィの乳房が擦られると先端同士がぶつかり興奮する。
彼女の絶頂に合わせて、俺も追い立てられるかのようだ。
突き上げる度に頭が真っ白になっていき、ヴィヴィの腟内が、ぎゅうぎゅうと波打った瞬間、俺の意識が飛び、欲望を解き放ってしまった。
「はぁ……はぁ……。その、早かったか」
「ふふ、気にしてんの? あのね、長けりゃいいってもんじゃないんだよ? ただ疲れるだけだし……。気持ちよかったから、あたしは満足」
俺はまだヴィヴィと繋がったままだったが、ゆっくりと体を離すと、お互いごろりとベッドに転がった。
首だけ彼女の方に向け、形の良い乳房やスラリとした、野性的な美しい四肢を見た。
彼女の体には、俺と同じように暗殺者だったころの古傷が残っていて、妙な親近感が湧く。
「何? あたしに見惚れてるの?」
「別に……。今日は朝までいれるのか? たまには俺と朝食でもどうかと思って」
「居てほしい? この城のメイドは口が軽いみたいだけど」
「ああ。この国じゃ独身の俺が獣人の女と閨を共にして罪になるのか?」
ヴィヴィは、俺の冗談にクスクスと笑うと、照れ隠しなのか、俺の鼻を摘んでくる。
俺はそんな彼女を可愛いと思った。
そして俺たちは初めて、二人で朝を迎えたのだった。
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ちまきさん、最後まで読んで下さりありがとうございます(*´艸`*)いまいち加減がわからなくて殴られましたwww
山猫さんらしく奔放な感じで、ゲオルグは振り回されつつ一緒にいて幸せなんじゃないかなーと!
ありがとうございました!(*´ω`*)
夫婦の穏やかな関係がとても良い〜♡
アルノーの優しさが最高です( ;∀;)それに対して体が強いと返すオリーヴィアさんにすごくキュンとしました!
次の番外編もめっちゃ楽しみです!!
ちまきさん、ありがとうございます💖(*´艸`*)
アルノー、本来の優しい性格が出てきましたね!穏やかに愛し合っていますー!
もしかすると、ご懐妊されているかも……!
次の番外編は明るめに行きたいと思いますww
ちまきさん!感想ありがとうございます(*´艸`*)お子ちゃまズ、めちゃくちゃ使用人たちに愛されております!メイドちゃんになってアルベルトを捕まえたらもふもふさせてくれそう笑
ありがとうございます!穏やかなエッチになりそうです😳😳💓