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蝶の部屋で番う
しおりを挟む岩風呂から上がると、若菜の体を抱き上げて彼女が生活する『蝶の部屋』へと向かった。甘えるように鬼蝶の首元に抱きつき、先程の激しい夜伽に気だるそうにしながら、足をパタパタと動かして鼻歌を歌っていた。
「濡れた眼帯を変えくちゃねぇ。今日は蝶の刺繍が入ったものにしようか、それからお部屋でたっぷり愛でてあげるからね、若菜」
「んー、ちょうちょのがんたいすき。きちょうもおそろいにして」
魔少年は黒玉の瞳を光らせ、三日月のように笑みを浮かべると喉の奥で笑った。あの日彼女な目を傷付けてから、二人で一つの番になった。
その時から若菜の心は鬼蝶に寄り添い、他のものが見えなくなってしまって幼子のように心が壊れてしまった。
『蝶の部屋』につくと、そこは美しい花と綺麗な蝶が舞い柔らかな行灯の光が幻想的な空間を浮かび上がらせる。
「ちょうちょ、すぐに、しんじゃうからまたほしいの」
「ああ、また綺麗な蝶を採ってきてあげるからね、ふふ。さぁ……若菜、可愛い眼帯をつけてあげようね」
若菜を寝具の上に降ろすと、眼帯を外し可憐な白のレースがついたものだ。南蛮を意識しているのだろうか、大きな鏡越しに傷ついた目をぼんやりと見つめ背後からつけられると、無垢な微笑みを浮かべた。
魔少年の眼帯が外され醜く傷がいった顔と目を隠すように同じ眼帯をつけると、指先を絡めて首筋に口付けた。
「はぁ……なんて愛らしい蝶なんだろうね。若菜、この部屋にいるどの蝶よりも若菜は綺麗だよ。はぁ、壊したい……心も体も全部快楽でぐちゃぐちゃにしてやりたい……僕の名前だけを呼んで堕ちてく若菜が大好きなんだ」
「んっ、あっ……きちょ、う、はぁっ、あっ……ぐちゃくちゃにして、はぁっん」
若菜の首筋に鬼蝶の舌先が這うと、ゆっくりと乱れた着物を肩から脱がせた。敏感な耳朶や白い首筋に痕を付けるように歯を立てると、甘い声をあげて彼の腕に縋り付く。
ゆっくりと顔を向けられ、若菜は甘えるように鬼蝶の唇に自らの唇を重ねた。何度も媚薬で開発された若菜は、鬼蝶の喜ぶ事も自然と身についていった。
「あはは、もぉ、若菜は貪欲だなぁ。僕のことがそんなに好きなの? 嫌い!って泣いてた時が懐かしいねぇ。あの頃も大好きだったけど……んっ、ん……はぁっ……良い子だね。気持ちよくなるものをあげようね」
「んん、やぁ、それなくても、わかな……んんっ!」
媚薬の瓶を取り出すと、口に含んで若菜に飲ませると舌を絡める。自らも媚薬を飲んだ鬼蝶の目は淫乱に鈍く光り輝いて、だらしなく舌で自分の唇を舐めた。
若菜の蜜色の瞳も熱と欲望に濡れて体が震えるのを感じた。
「なぁにいってんの。媚薬でぶっ飛んで夜伽したほうが気持ちいいでしょー? ほら、だって、そんな犯して下さいみたいないやらしい目してさぁ……可愛い、愛してる」
「あっ、はぁっ、んんっ、やぁっ、あっあっ……ああっ、きちょう、おむね、だめ、ああっ、んんんっ」
若菜を胸板に持たれさせ、柔らかな乳房を揉み込み指の腹で優しく胸の蕾を撫でる。媚薬で敏感になった体は、指の腹で愛撫されるだけでも頭が真っ白になってしまいそうになる。
蕩けた若菜の愛らしい表情を見る鬼蝶は豊満な白桃の柔らかな感触を確かめるように背後から揉みほぐした。
乳房を揉むと肌から清楚で心地よい香りがしてくる。
『神の繭』への依存性は高く、何度触れても新鮮で飽きることが無い。呼吸を乱しながら、鬼蝶はねっとりと首筋を舐めると、突起した桃色の蕾を優しく円を描く速度を早める。
「きちょう、だめ、おむね、わかな、イク、あ、いっちゃう、――――んんっっ!!」
「若菜ってば早いなぁ、そんなにここを虐められると気持ちいいの? 乳首弄られただけでいっちゃうなんて、淫乱で愛らしい蝶だね♡」
たゆたう乳房の感触を楽しみながら、鬼蝶は若菜の両足を鏡の前で開けると耳元で囁く。
穢のない薄桃色の亀裂は、すでに濡れてキラキラと輝いていた。慎ましくも淫靡な花園はまるで性愛の女神のようだ。
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