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エレンディルの甘やかな調教②

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 柔らかな朝日と共に、バルコニーから小鳥の鳴き声が聞こえ、メリッサは薄っすらと目を開けた。何時もは朝日が出る前に起きて、弟や妹達の世話をし、稼ぎの少ないアルフヘイムの庶民向けの安い服を仕立てる為に、洋裁工場へと向かう。
 自分が此処に居る理由も忘れて、慌てて起きようとしたが、自分の腰を抱くように誰かの腕が回されていて、ようやく状況を理解した。
 昨夜、この屋敷のエレンディル=ウォルフォードと言うエルフの軍人に買われ、寝間着を用意されて何時の間にか、彼のベッドで眠りについてしまった。首筋に、エレンディルの寝息が聞こえ、背中に彼の体温を感じる。
 メリッサは思わず頬を染めた。
 まるで愛玩人形のように抱きしめられているのだから。肩越しに主人の様子を見ると、長い睫毛が寝息と共に上下に揺れて穏やかな表情で眠っている。
 エルフの尖った耳も、その陶器人形のような整った顔も、まるで絵画のようで自然と見惚れてしまう。なぜ、エレンディルが美しく教養のあるエルフの女性達ではなく、自分のような身分の低い、人間ヒューマンを欲したのか分からなかった。もしかすると人間ヒューマンをペットにするのが、貴族の道楽なのだろうか。そんな話を聞かない事も無いが、愛玩人形だなんて言う悪趣味な考えを抱くようには思えない位の天使の寝顔だった。
 突然、なんの前触れも無く人造鳥レプリカントのオウムが首を傾げると、カチリと目が瞬きしくちばしが開くとそこから音楽が流れ出した。起床の合図だろうか。

 ――――聞き覚えのある、ピアノの音だ。
 不意に、大きな掌が伸びて無防備なメリッサの掌を包んで上から指を絡めまれると、心臓が高鳴った。

「メリッサ、目覚めたか? お前は早起きだな」
「はい、エレンディル様。……おはよう、ございます。この曲……聴いた事があります。好きな曲です」
「お前には、この曲の美しさがわかるようだ。お前達人間ヒューマンの遺した物で唯一優れているものは芸術だ。特に音楽は素晴らしいな……。失われた文明の曲を見つけ、人造鳥レプリカントに再現演奏させるのは至難の業だが、俺の趣味の一つだ」

 そう言うと、上半身を起こしメリッサを見下ろし、覆い被さってくる。人造鳥レプリカントからは美しく哀愁の漂うピアノの音が聴こえる。メリッサは赤面して、彼を見つめた。

「これは、リストのシューベルトだ。さて……朝の日課をしてやろう。これから毎日、お前を躾ける。この曲と共に身体に刻まれた快楽を覚えておけ。お前達人間ヒューマンの言う、パブロフの犬のようにな」
「エレン……んっ、んぅっ……はぁ……ん、ん~……っ」

 エレンディルの唇が重なると、メリッサの瑞々しくふっくらとした唇を柔らかく挟み、なぞるように舌先で愛撫すると反応した娘の唇の隙間から、舌先をするりと挿入させた。唾液と舌先が絡まる音がして、痺れるような快楽が口腔内に広がった。淫らに鳴り響く水音と、小さな愛らしい甘い声が漏れる。
 美しく物悲しいピアノの音色が、愛玩人形を憐れむように鳴り響くが、エレンディルの指先が耳朶を優しくてなぞって揉みしだくと、感じた事の無い部位の快楽で、背中に這い上がるようなインモラルな心地良さを感じた。

「はぁっ……んっ、ふっ……あっ、どうして、耳を撫でるん、ですか……ひぁっっ、あんっ」
人間ヒューマンの耳は小さく丸く愛らしい。メリッサ、お前はどうやらこの耳も性感帯のようだ」

 柔らかな舌先が、耳朶の下からゆっくりと形を確かめるようにラインを舐めると、小さな丸い耳の先を唇だけで甘噛みする。そして耳元で含み笑いを零した。
「お前は処女だと言うのに、耳を舐められただけで、そんなに甘く鳴くのか? 愛玩人形の素質が生まれ持ってあるのかも知れんな。首筋はどうだ……?」
「~~~~ッ!」

 エレンディルが顔が首元に埋められ、柔らかな唇が肌に吸い付くように這わされると、薄い青色の瞳を見開き、背中が反返るのがわかった。生暖かく柔らかな舌の表面が、首筋を舐め愛玩人形であるという印を付けるかのように白い肌に、緋色の証を次々とつけていく。
 ――――とても気持ちがいい。ふわふわと程よい快楽の海に投げ出されて、愛撫されているような快感だ。
 思わずシーツを指先で、握りしめながら喉を反らせる。

「あっ、んっ! エレンディルさ、ま……陽が登って間もないのに、こんな……あふっ、あぁ……」
「太陽の光の下で無ければ、お前のその透き通る肌も、乳房も、花弁も俺には良く見えん。さぁ、ゆっくり見せろ……昨夜は、叶わなったからな」

 上半身を起こすと、メリッサの寝間着のボタンをゆっくりと外した。羞恥とエルフの軍人から投げかけられる言葉に何故かぞくぞくと体が震えるのを感じた。
 ボタンを外し終えて、衣服が脱がされるとやはり貧困地区の生まれであるせいか、エルフの女性よりも華奢であるが形の良い美しい乳房と、薄桃色の蕾が花開いている。
 エレンディルは、言葉の割には優しい手付きで、大きな掌で乳房を愛撫する。じんじんと胸の奥から疼くような初めての快楽に、メリッサは頬を染め、唇を濡らして美しいピアノの間に喘いだ。

「ああっ、やっ、やぁっ、……はぁんっ、あふ、あ、エレンディルさ、ま、んんっ、ひっっ!」
「そんなに喘いでどうした? ああ、そうかお前は、こうして指の腹でここを押されるのが良いんだな」
「あっ、あぁんっ、ゃ……! んぅっ」

 乳房をゆっくりと揉まれ、親指でツンと固くなった蕾を撫でられると、あられもない声が唇から溢れ出した。羞恥と戸惑いで唇をぎゅっと噛み締めた。不意に剣を握るには細い指先がメリッサの唇に触れると親指で、僅かに唇を開かせた。

「我慢するな……メリッサ。お前は俺に愛される為に買われたんだからな。ほら……人造鳥レプリカントより美しい声で鳴け」

 不敵な笑みで、エレンディルはそう言うと顔を埋めた。やわらかな舌先で、淡く薄桃色に色付く乳輪を円を描くように舐め、勃起する小さな蕾を焦らすように愛撫すると、メリッサは彼のズボンをぎゅっと握りしめて堪らず腰を浮かせる。愛玩人形に追い打ちをかけるように、優しく固くなった蕾を舐った。

「あっ、やぁっ、やっ、あんんっ、エレンディルさま、だめ、あっっ、はぁっっ、あっ、んんん!」
「メリッサ、良い子だ……。素直にそうして俺の為に鳴けば、きちんとご褒美が貰えるんだぞ」

 潤んだ瞳のメリッサに、目を細めて言うとスカートをたくし上げた。そこは昨夜のまま、無防備な花弁が露になる。朝日の中で異性の、しかも高貴なエルフに陰部を見られる羞恥で、思わず反射的にスカートを下ろそうとした。それをやんわりと止められると、深い青の瞳がメリッサを見つめた。
 その瞳は、淫らな行為を行っているにも関わらず教育するような、知性的な色と蜘蛛の糸のような抗えぬ深い青だった。その視線に、メリッサは自然に手が緩められると、それを待っていたかのように華奢な太腿が開かされる。
 まだ、男を知らぬ薄桃色の亀裂に高貴なエルフの舌先が這わされた。昨夜、生まれて初めて感じた快楽が、またしてもメリッサの下腹部から子宮に伝わる。
 柔らかなベッドの上で、ピアノの旋律に合わせて徐々に足のつま先がピンと突っ張った。

「ゃっ……! あっ、あぁっ、あっ、あっ、あっ……はぁっ、あぁっ、やぁ、やぁん、エレンディルさま、は、ぁぁ、そこは……っ、だめ、んんん」

 閉じた薄桃色の花弁を指先で開くと、瑞々しい、果実を慾るように重なった両の花弁を丹念に舐める。メリッサの形を知るように舌先で全面を撫で、下からゆっくりと花弁の間に埋もれる小さな蕾まで辿り着くと、厳格で高潔な振る舞いとは異なり、執拗に丹念に唇で花芯を含み、舌先で柔しく転がした。
 快楽にメリッサの瞳は熱を帯びて潤み、頬を涙が零れ落ちた。
人間を蔑むあの気高きこの星のエルフと言う種族が、貧困層の自分の花弁を淫らな音を鳴らして、舐めている、と言うだけで不思議な高揚感があった。蜜穴から溢れた愛液を、エレンディルは指先で受け止めると、初めて未開の花奥に中指をゆっくりと第二関節まで挿入した。

「っっ……! ゃ、エレンディルさま……」
「痛いか? お前の膣内なかは狭くきついな……自慰も経験は無いのか? まぁ、処女なら指を挿入するにも勇気がいるか」

 不慣れな圧迫感を感じるが、痛みは無かった。唇で花弁に吸い付き、緩やかに舌先で舐めあげ、花芯を重点的に同じスピード器用に優しく舐め、指を動かさず快楽に、メリッサの花壁が波打つ心地良さを感じていた。
 メリッサは内部から溢れる自分の蜜と、昨日よりも開かされる心と体に戸惑っていた。このエルフの主人の舌先は心地良く、理性を奪い去って行く。

「あぁっ、あぁん、あっ、やっ、やっやっ、また、ぁんっ! また、きちゃう……!」
「そうか、いいぞ……そのまま、気をやってしまえ」

 メリッサの体が、絶頂に達しそうになった瞬間、寝室の扉がノックされ外から声が掛けられる。

「エレンディル兄さん何してるんだ。とっくに起床する時間は過ぎてるぞ。今日は、ララノア嬢と遠乗りする日だろ」

不意に指か引き抜かれ、舌先が離れるとメリッサは甘く切ない落胆の声をあげて体を震わせた。絶頂に達する寸前で、お預けをくらった愛玩人形の顔は愛らしく切ない。エレンディルは笑みを浮かべるとメリッサの愛液で濡れた指先を、リネンのハンカチで拭き取ると言う。

「残念だったな、お預けだメリッサ……。ティリオン入ってきていいぞ。用意をする」

 その言葉に、メリッサは慌ててシーツを手繰り寄せた。兄の言葉に躊躇もなく、ダークエルフの義弟ティリオンが寝室に入ってきた。
 銀髪と褐色の肌、そして同じように尖った耳、長い前髪の間からエレンディルと同じ長い睫毛と深い青の瞳が見えた。
 ふと、荒い吐息のまま涙目になってシーツを握り締め、小さくなっている人間ヒューマンの奴隷に目を止めると僅かに目を見開いて、溜息をついた。
 その様子を見ても一体何が起こっていたのか、容易に想像ができる。恐らく悪趣味な義兄は、自分に見せる為にこの部屋に招き入れたのだろう。案の定娘は羞恥で、顔を赤く染め体を震わせている。

「ララノア嬢が拗ねたら厄介なのは、エレンディル兄さんも良く知っているだろ。この日を楽しみに待っていたんだから、遅刻なんてしたら、後々僕が大変な目に合うんだからさ、奴隷ドールと遊んでいる暇は無いぞ」

 軍服に着替える兄、エレンディルの背中にマントをかけたティリオンが、ぶつくさと文句を言っている。
 ララノア、と言う女性は一体誰なのだろうか。恋人や婚約者なのだろうかと考えると、妙に胸がざわざわとする。不思議な感覚に戸惑いながら二人のエルフの兄弟を見守っていた。

「―――面倒な女だ。メリッサ、この屋敷の中でなら自由に過ごして構わん。何かあればティリオンに言え」
「は、はい……」
「僕に人間の相手しろって? 全く……、面倒な事ばかり僕に押し付けるんだから兄さんは」

 義弟の苦情を無視して、エレンディルは部屋を出ようとして、思い出したように振り返って、さり際に言った。

「ああそうだな、仕立て屋を呼んで、メリッサの服を作ってやれ。妹の服をずっと、着せておくわけには行かないからな。この娘に似合う好みの物が良い。それから手を出すなよ」
「誰が人間ヒューマンになんて欲情するんだよ……、そんな奴は、兄さん位なものだ」

 腕ん組んで悪態を付くと、ベッドの上で固く唇と閉ざしたまま、シーツ中で膝を抱えているメリッサを見下ろした。
 メリッサもまた、同じようにおずおずと彼を見上げだ。互いに目が合うと、ティリオンは直ぐに目を逸らして、踵を返した。寝室の扉の前で振り返りもせずに言葉をかける。

「服を着たら下まで降りてこい。朝食を用意してある。――――それから仕立て屋を呼ぶ」

 メリッサの返事も聞かずに部屋を出ていったティリオンを見送ると、メリッサは緊張を解いた。
 あの、淫らな行為を途中で止められ、体が満足しないまま火照って仕方が無いが、今は命令に従わなければいけない。
 昨日よりも、エレンディルに触れられる事が嫌では無かったのは、他のエルフよりも、ほんの僅かに優しさが垣間見えたせいなのだろうか。
 悶々としながら、メリッサは服を着込んだ。
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