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番外編

君と生まれ変わって―郁人・前編―

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 優しいあまい香りがして、ぼくはうっすらと目を開けた。胸の中には、すやすやと眠るメアリーがいる。
 よなかに目が覚めて、メアリーが側にいるとすごく安心するんだ。もしとなりにメアリーがいなかったら、ぼくは捨てられてしまったんじゃないかって思って、わんわん泣く。
 メアリーはそんなことしないって、わかってるのに……。こうしてとなりにいるのを確認してぼくはあんしんするんだ。
 ぼくはメアリーを失うことがとてもこわい。
 メアリーのいない世界なんてそうぞうできないから。
 そんな世界になったら、ぼくはきっと生きてはいけないんだ。
 メアリーとくっついて寝ると、こわい夢を見ない。ううん、メアリーといっしょに住んでから、ぼくはこわい夢を見たきおくがないんだ。
 メアリーの髪の香りをクンクンかぐと、ぼくはようやく、またあんしんして眠れるの。
 どこにも行かないで、メアリー。
 ずっとぼくの側にいて。

「郁人さん……もう起きないとだめだよ」
「ん……んぅー……メアリー、ねむい……。もうちょっとだけ寝かせて」

 まぶしいっ。
 カーテンから太陽の光がはいってきた。
 メアリーのやさしい声が聞こえて、頭をなでられる。ぼくはもぞもぞと、ベッドの中でイモムシみたいに動いてたけど『いっしょにお勉強するんでしょ?』と言われて、ようやくあくびをしながらおきたんだ。
 ぼくは朝がよわくて、メアリーはぱっちり目が覚めるからいいな。
 でも、メアリーに起こされて、あの笑顔を見ると、とってもしあわせなきもちになるんだ。

「うんっ、する。今日は、国語教育と英語教育?」
「うん、書方、綴方つづりかた聴方ききかたを学ぶんだよ。あっ、郁人さんすごい寝癖ついてる! 私が髪を梳いてあげるね」

 ぼくたちは、学習院の先生にきてもらって勉強をおしえてもらってるんだ。綾斗も、一也も薫も勉強ができるけど、ぼくはずっと眠っていたから、メアリーといっしょにまなぶんだよ。
 メアリーといっしょなら、どんなむずかしい勉強もたのしい。
 英語はとくにむずかしいけど、ぼくたちのあたらしい生活のためには、ひつようだからがんばる。

「メアリーに髪をとかれると、いつもきもちよくて眠たくなるよ。ふぁぁ……」
「ふふっ。寝ちゃったら駄目だよ。顔を洗ってご飯を食べたら目が覚めるから。一緒にお勉強がんばろうね」

 優しく髪をととのえられ、メアリーと手をつなぐとぼくは目をこすりながら、せんめんだいに向かった。
 顔をあらって朝食を食べると、先生が来て勉強の時間がはじまる。
 ぼくの中のみんなが、ずっとかわりに勉強してくれていたおかげなのか、先生たちには覚えるのが早いとほめられて、うれしい。
 メアリーだって、本が大好きな女の子だから、勉強するのはたのしいみたい。それに成績もいいんだよ。
 毎日、すこしずつ勉強してそれが終わったら外にでる練習をするんだ。横浜をふたりで歩いて、お店をのぞいたり、お店の人とすこしお話ししたりする。
 ぼくたちは、みんなとちがってあまり外の世界をしらないから、これもだいじな勉強のひとつなんだけど、ぼくにはごほうびなの。
 だから、今日も英語のアラン先生が言う『デェト』にきている。

「メアリー、本町通りってたのしいね。ボウエキショウのお店も、キヌオリモノのお店も良かったし、カキョウのお姉さんも優しかった」
「うんっ、いろんなお店を見て回るの楽しいよね。私、お外に出るのだんだん怖くなくなってきたよ。あっ、でも郁人さんがいないと怖いけど」
「うん、ぼくもメアリーがいるから怖くない。もし怖い人がきたら、ぼくがメアリーを守るからね!」

 いつも、ぼくはメアリーに守られてばかりだから。
 ぼくがそう言うと、メアリーは手をギュッと握ってありがとうと言ってくれたんだ。
 クスクス笑うメアリーが、とってもかわいくて、ドキドキする。
 ほんとうだよ、メアリー。
 綾斗たちよりぼくは弱いかもしれないけど……、メアリーだけは大切にしたいんだよ。


✤✤✤

 お風呂から上がったら、メアリーがぼくの髪を手ぬぐいでふいてくれる。メアリーと一緒に過ごすと、あっというまに一日が終わるんだ。
 ぼくは、なんとなくそれがさみしくなってメアリーの腰に抱きついた。
 だっていっしょにいれる時間がとてもすくなく感じるから。
 いい香り……優しくて甘くてずっとにおいをかいでたくなるの。

「郁人さんは甘えん坊さんだね。よしよし、いいこ、いいこ」
「ん……ねぇ、メアリー。きょうは、してもいい?」

 初めはね、メアリーは、ぼくがさわられるのがこわいのを知っててふれたり、みんなとするようなことをしなかったの。
 でも、うめこおばさんとするあのきもちわるくて、きもちいいあれも、メアリーとならできると思ってやってみたんだ。
 すごく、しあわせなきもちになった。
 ぼく、本当はみんなみたいにいつも『よくじょう』するわけじゃないんだ。
 しても、しなくてもいい、メアリーとくっつけるだけで満たされるから。
 でも、ぼくの体はときどきすごくメアリーとふれあってえっちなことしたくて、たまらなくなるの。

「うん、いいよ。それじゃあ……横になってほしいの」

 やった!
 メアリーの笑顔は天使みたいにかわいい!
 ぼくが見てきた女の子の中で、メアリーは一番かわいくて、優しくて最高の女の子なんだ。『それは、君初恋だよ』とふくらい先生は言ってくれた。
 だから、横になるまえにぼくの膝にのせてぎゅっと抱きしめると、接吻キスした。

「んっ……んん。メアリー大好き……。アラン先生が言ってた。キスはだいじなあいさつだって」
「んんっ……言ってたね。私も郁人さんが大好きだよ。キスも……好きなの」

 はにかんだ微笑みを見るだけで、どうしてこんなにしあわせなきもちになるんだろう。ただ唇をなんども合わせて抱きしめあう。
 メアリーの手がぼくの頭を撫でてくれるたびに、胸の奥がぎゅっとしめつけられるの。

「郁人さん、横になって。私、うまくないけど……怖くないようにするからね」
「メアリーなら、なにもこわくない。んっ……んんっ」

 ベッドによこになると、シュミーズ姿のメアリーがぼくの体のうえにいた。
 きれいな青い宝石みたいな澄んだ瞳に、わずかに見える谷間がドキドキする。メアリーの白い指がぼくの頬を撫でると、また優しくキスしてくれた。
 メアリーはいつも、こわいことしないからね、と優しく言ってくれる。
 ぼくのシャツのボタンをはずすと、ぼくのむねにキスするんだ。
 ほっぺをリンゴみたいに赤くして、キスするのが可愛くて、ぼくは体が熱くなる。

「はぁっ……っ、んっ……メアリー……はぁっ……きもちいい。んっ……はぁっ……ぅ、あっ……」

 メアリーはぼくの胸板にキスして、舌で舐めるとぼくの胸の先っぽにまできて、こねこが牛乳を飲むようにペロペロとなめる。
 ぎこちない舌がきもちいい……。
 あぁ、メアリーの耳朶を撫でるとすごく、きもちよさそうな顔をして、えっちだな。

「んっ、ぁっ……はぁっ……ね、ねぇメアリー。前みたいにぼくの、あれ、なでて。すごく、今熱くて……はぁっ、んっ、ぁっ」

 メアリーはほっぺを赤くさせながら、ぼくの胸の尖ったところをなめている。ぼくの下半身は、メアリーに舐められてから、痛いくらいに大きくなってるよ。
 うめこおばさんの時は、口でむりやり大きくさせられて嫌だったけど、メアリーとはキスしてるだけでも、むくむくと立ち上がってくるから不思議だ。

「郁人さん、かわいい。撫でてみるね」
「うん……はぁっ……メアリーの指がぼくの……おちんちんをなでてる、はぁっ、んっ、んんっ……きもちいい、メアリーっ……はぁっ、んっ……」

 メアリーのきれいな指が、ぼくのズボンからおちんちんを取り出すとやさしくなでてくれる。ぼくは、メアリーとキスしながら、やさしく撫でてくれる指にとろけてた。
 あぁ、すごい、きもちいい……ああっ、たまんない。
 かわいいメアリーが、ぼくのおちんちんを撫でてくれるだけでもう、ガマンできないよ。
 きもちいい、はぁ、すごい、ああっ、メアリー大好き!

「はぁっ……はぁっ、メアリー! ぼく、だめ、あっ、はぁっ……んっ、でちゃうっ……はぁ、ガマンできないよ」
「いいよ、郁人さん……出して」

 メアリーの青い瞳もなんとなくうるうるして熱っぽい。おちんちんの先端を両手でこすられると、ぼくはもうがまんできなくなった。
 シーツをぎゅっとにぎりしめ、熱いメアリーの手のひらにのみこまれるようにして、頭がまっしろになる。
 べっとりとメアリーの指にぼくのセーエキがつくとすごく、こうふんした。

「メアリー、ごめんね……。はぁ、指にぼくのセーエキついちゃった。ぼく、メアリーに触られると、すぐにきもちよくなっちゃって、ガマンできないんだよ」
「そんなこといいのに。郁人さんが気持ちよくなってくれたら、私も嬉しいの」

 ぼくが、どんなに早く出しても、メアリーはうめこおばさんみたいにどならない。やさしく笑って大丈夫だと言ってくれるんだ。
 ああ、本当に優しくて大好き!
 ぼくは、メアリーの指についたセーエキをふきとると、抱きしめてベッドに押しつけた。

「きゃっ、郁人さんっ……!」
「……さっき出したからだいじょうぶ。こんどはメアリーのことをきもちよくさせたいんだ。ぼくもちゃんと、やることは知ってるから」

 いつもは、このままメアリーがぼくの上に乗って、おちんちんを中に入れてくれる。メアリーが、優しく動いてくれて、ぼくはいつの間にかセーエキを出しちゃうんだけど、今日はメアリーをきもちよくさせたい。
 ずっと、うめこおばさんとじょちゅうさんに教えられてたから、女の人の感じる場所はよくしってるんだ。

「んっ、んんっ……! ひぁっ、ま、まって、郁人さん」
「メアリー、ズロースを見られるのは、はずかしいの?」
「だ、だって。は、はしたないから……」

 西洋下着ズロースはまだ、女の人たちのあいだでは、はしたないと言われてるらしい。腰巻きのほうが、メアリーもあんしんすると言っていた。ぼくはだいじな所が見えないほうがいいのにと思うんだけど。
 ぼくは、シュミーズをめくるとズロースの上から唇を寄せた。

「ゃ、ま、まって……下着の上から、あの、アレするの?」
「うん、だって……。はずかしいときのメアリーは、とってもかわいいから」

 ぼくは、ズロース越しに感じる、メアリーの熱いあそこに鼻をくっつけると、クンクンと匂いを嗅ぐようにして動かし、ベロリと舌でなめた。
 ねえ、メアリー。
 ぼくは、女の人がよろこぶこと全部しってるんだよ。
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